もう我慢なんてしません!家族からうとまれていた俺は、家を出て冒険者になります!

をち。「もう我慢なんて」書籍発売中

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俺、自由だー!

俺、もう自由だー!!

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2度目のお披露目会により「オレ聖女」と「オレ強え」が高位貴族に周知されたことで、俺の日常はがらりと変わった。
高位貴族に周知されたということは、貴族全体に周知されたことと同意なのである。
正確にいえば田舎の方とかの貴族の一部にはまだ伝わっていないかもしれない。
でも、それも時間の問題だろう。
とにかく、これによって俺は「アンタッチャブルな存在」となったのだ。
「こいつになんかするとヤベエ(権力)」
「こいつになんかするとヤベエ(物理・サンダーボルト)」
「聖獣がついてるからへたしたら神の怒りを…」
「俺を好きにさせてるだけで世界は平和になる=逆に俺が不幸ならヤバいんじゃない?」
みたいな感じで、悪い人たちは俺に手を出せない状況となったのであーる!!はっはっは!
悩んだけど公表した甲斐があったね!俺にとってはいいことずくし。

ってことで、まず一番変わったのが「サフィラス厳重保護」が解除となったこと!
よーするに公爵家封鎖レベルの警戒体制が解かれ、自由に行動できるようになったのである!
だけど王城、公爵家、エリアスんち、ゲイルんちのゲートはそのまま。
何故かっていうと、俺ガチ勢が王城に押し掛けてくるようになったからである。
俺はしょっちゅう王城に呼び出される。これは正直ちょっとウザ…ごほん、面倒。
護衛ズとか、ティガーとかマリーとかゲイルとか、誰かしらの保護者は俺に着いては来るんだけど。
これは今までとは意味合いが違い、単に「過保護」ゆえ。
「うちのかわいいサフィを1人にさせられるか!」ってやつです。
んもう!ゲイルってば俺が大好きなんだからあ!うちの親がもーしわけない!(てれてれ)

これまでも4年は引きこもりだったし、その後だって、公爵家も王城も広いしそれなりに好き勝手にしてた。
それで別段不自由は感じていなかった。
至れり尽くせりところか至られすぎ尽されしすぎ。便利生活を満喫しちゃてった俺なのです。
それでも、はっきりと「自由」って言われるとそれなりに嬉しいもの。
よく考えたら公爵家と王城以外は、お披露目会に行く馬車とかくらいしか外に出てないんだよね。
それだって「通り過ぎた」だけ、窓から見ただけだから、出たといっていいものかどうか怪しい。
てことで。

自由の身となった俺は「城下探検」をよーきゅーする!





ということを、俺は全身全力で保護者筆頭であるゲイルに訴えた。
ここさえゲイルを落としてしまえば、あとはなんとかなる。なんといってもゲイルが一番俺に対して過保護だし、一方では一番俺に甘いからね。

俺は寝る前のごろごろタイム、ゲイル抱っこでくつろぎながらゲイルほっぺにすりすりしておねだり。

「ゲイル!オレ、おでかけしたい!
お手伝いしますので、おこづかいくださいませ!
それで、おでかけして下町とかでおこづかいでおかいものとかしたいっ!」

ゲイルは困ったみたいな顔でしぶった。
いきなり解禁になってまだ過保護な気持ちと大丈夫っていう気持ちがうまく折り合えないんだと思う。

「うーん…。といっても警備が…」
「ゲイル。もうオレ、ツエエですので!わるいひとはドガーンできるし、ぽいってしちゃうから!」
「いや、急に襲われたら…」
「ルーダがしゅごのなんかをオレにつけてるっていってた!」
「疲れて体調不良に…」
「まりょく多いと身体もじょうぶなんでしょ!」

ね?ね?いいでしょお?
必殺の上目遣い「にこっ」かーらーのー!両手でゲイルのお顔を挟んで、目を見つめながらゲイルのお鼻のてっぺんにチュ!

目が垂れて明らかにデレっとなったゲイル。
今だ!

「あのね。おせわになったみんなに、ないしょのプレゼントしたいの。
あと、ゲイルとおててをつないでおかいもの、ってゆーのがしたいの。
おねがい、おねがい!!」

チュ!チュ!チュ!

俺の猛攻にゲイルがクシャっと表情を崩す。

「あああ!もう!サフィ!どこでそんなあざといの覚えた?
しかもそんな可愛いこと言われたら許すしかねーだろ!
全くもう!うちの息子は可愛いなあっーー!!!」

こいつめー、と言いながら俺のお腹をこしょこしょこしょー!

「ひゃははははは!く、くすぐったいよおおおお!!やめてえええええ!!!
あははははは!!そ、そこ!だめだってばああああ!!あははは!!」
「ははは!どうだ、まいったか!あざと可愛い息子には、こちょこちょの刑だ!はははははは!!」
「うひゃああ!!まいった、まいりましたあ!やああああん!」

ベットに転がってうひゃうひゃいってたら。



バーン!!



すんごい勢いで扉が開いた。

「サフィーー!!!」

飛び込んできたお兄様の目に入ったのは。
真っ赤になって涙目で髪がぼさぼさの俺。そしてそんな俺をまたいで上にいる手をワキワキさせたままのゲイル。

「な、な、な、ななんてことをーーーーー!!!!」

お兄様がドッカンこと爆発。
一瞬でゲイルを俺の上から引きはがし、俺をその腕の中に抱き込んだ。

「ゲイル!これは、これは許せません!こんな小さなサフィに何をしようとしていたんですか!!!」

怒髪天、ってこういうことかあ、っていう怒りっぷりでゲイルを睨みつけるお兄様。
どうやら、たまたま隙間時間に俺の顔を見にきたお兄様。
そこに俺の「やめてーー」が聞こえ、大慌てで助けに飛び込んできてくれたっぽい。
ゲイルが俺のことイジメてるって思ったのかな?

ゲイルも「あちゃー!」って顔で額に片手を当てて天を仰いでる。
お兄様の勘違いに気付いたんだろう。

俺はゲイルの名誉のためにお怒り中のお兄様の袖をツンツンして訴えた。

「あのね。ゲイルは悪くないの。悪いのは、あざとかわいいオレなの」

お兄様はそんな俺の顔を見て、なぜか泣きそうな顔をした。
そして、切ない表情で、俺の頬をそうっと両手で挟むようにして、俺の目をみて優しく言った。

「…サフィ。ゲイルを庇う必要はないんだよ?
サフィはとても良い子だよ。サフィは悪くない。悪いのは汚い大人なんだ」

汚い大人、と言いながらギリリとゲイルを睨みつけるお兄様。

「きたない大人…」

繰り返す俺に、ゲイルが情けない顔でガクリと肩を落とした。

「いや、サフィ、俺は汚くないからな?そんな目で見るな!
あのな、レオン。お前何か勘違いしてないか?俺はサフィと遊んでやってただけだぞ?」
「は?!遊んでやっていただけ?!なんて言い草だ!見下げ果てたよ、ゲイル!」

誤解を解こうと頑張れば頑張るほどお兄様はヒートアップしていく。
これはあかん!

俺は必死で説明した。

「あのね、オレね、おでかけしたいっておもってね。ゲイルにおねがいしたの!
それでとっておきのおねがいしたの!」
「とっておきのお願い?!」

お兄様の眉がグワっと上がって、目がギラギラと燃えた。
ぎゃあああ!!やばいやばいやばい!!

「ゲイルにチュって!たくさんしたの。そしたらゲイルがかわいいからいいよっていって、それでオレがあざとくてかわいいからこしょこしょのけーなの!」

ぐわあああ!!っとお兄様から猛烈な圧が放たれ、ゲイルがアワワとなりながら

「サフィはもうしゃべるな!そのお口を閉じろ!
だから、違うんだって!!サフィが可愛いこといいやがったから、くすぐって遊んでやっただけなんだって!!」
「そ、そうなの!遊んでただけなの!!!ゲイルのこしょこしょ、いやんだけどおもしろいからっ!!」

俺は必死でお兄様の腕にしがみついた。

「だいすきなおとうさまなのでー!!おにいさま、しずまりたまえーーー!」


は!!こ、これだ!荒ぶるお兄様を鎮めるにはこれしかない!

俺はお兄様のほっぺをガシリと両手で挟み込み、チュウウウウウウウ!!っとお鼻にチュウ。

お兄様は目を真ん丸にした後、真っ赤なゆでだこになって、ぷしゅうと停止したのだった。







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