もう我慢なんてしません!家族からうとまれていた俺は、家を出て冒険者になります!

をち。「もう我慢なんて」書籍発売中

文字の大きさ
237 / 506
一路王国へ!

ただいまー!!

しおりを挟む
さて、たのしかった航海もあっという間に終わりです。


「見えた!見えたよ!王国だああああ!!
ただいまあああああ!みんなー、帰ってきましたよおおおお!」

やっほー!
見えた見えた、王国だ!
先に鳥を飛ばしたから、みんながすでに待っているのが見える。

「おーーい!!おーーーーい!!」

大きく手を振って叫べば、聞こえたかわからないけど向こうからも大きく手を振り返してくれた。
ぴょんぴょんしてるのは……マリーだね。
で、その横にいるすらりとした黒い人はきっとティガー。
頭がキラキラしてるのは……エリアスかな?
碧っぽいのとその横の子供みたいなのは、きっと侯爵とライオネルだ。

「リオー!公爵たちも来てるよーっ!」

「ほんと?ライも来てる?」

バタバタっとリオがやってきた。

「ただいまーっ!!」

二人でぶんぶんと手を振った。
王国を出て半月ちょっと。
こんなに離れていたのは初めてだから、なんか懐かしくて涙がでちゃう。
すっごく長いこと故郷を離れていた気分。

いつの間にか傍に来ていたゲイルが、俺の肩を抱く。

「帰ってきたな」
「うん。…………帰るところがあるっていいね。待っててくれる人がいるって、幸せだね」
「だな。……ってかあのぴょんぴょんしてんの、マリーか?すげえなアイツ」

確かにすごい。バレー選手かっていうくらいは飛んでる。遠くから見るとすんごくよくわかる。
なんかもう、すんごくマリーだ。



だんだん港に近づくにつれ、みんなの顔が見えてきた。
ティガー?泣いてる?涙を滝のように流しながら俺をガン見してるじゃん!もう!
俺の侍従さんたちってば、ほんっと俺のこと大好きだよねえ。えへへへへ。

エリアスもなんと上着を脱いでぶんぶんと振り回し始めた。テンションマックス!
これあとでゲイルに怒られるやつだぞー?しーらないっと!

お迎え勢のあまりのテンションの高さに、団長さんたちもびっくりだ。
エリアスを指さしながら、恐る恐るこんなことを言いだす。

「……これ、王国式の出迎えの作法なのか?俺らも上着を脱いで振ったほうがいいか?」

それどんな作法?!

「やらなくて大丈夫ですのでね?!俺の侍従さんたちもエリアスも俺のこと好きすぎてああなっておるのです。すみませぬなあ」

「「ああ……サフィの」」

そのサフィ関連なら仕方ない、みたいな納得の仕方はやめて欲しい。



お兄様やミカミカ、キースに団長たちも荷物をまとめて出てきた。
みてみて!もうすぐ王国だよ。
俺たち無事に帰ってきたのですよおおお!

お兄様が来たとたん、ゲイルが俺を抱え込んだ。
酔っ払いしてからずっとゲイルは警戒やきもちモード。
俺とお兄様の間に割ってはいり、ムスッ。

そんなゲイルの腕の隙間からお兄様に声をかける。

「お兄様!見てみて!みんないるよーっ!」

お兄様はにこにこ。

「ふふふ。そうだね、みんな居るね?」

お兄様はあれからずっとご機嫌。そして何故か俺にあまあま。ゲイルと足して二で割るとちょうどいいと思う。

「ああもう到着か。長いようであっという間だった気がするな。サフィと一緒だったからかな?離れ難いな…」
「だな!ずっと一緒だったもんな。今回はサフィやらゲイルやらいつもの顔があるからか、あんま外交したって感じでもなかったし。なんだかんだで楽しかったな」

いやいや、しっかりと外交してきましたでしょお?!

「ですね。いつもはもう少し『外交』という形式を大事にしたものになるのですが……。サフィがいると和みますよね。成果はあり得ぬほど上々ですし。いうことなしの旅となりましたな!」

「だな!俺も昔馴染みに再開できたし。なかなかに実りのある旅だったぞ?」

みんな十分に満足できた旅になったみたい。
無理やりにお願いしちゃった感じの帝国行きだったけど、よかったよかった。




到着前に、俺は改めてみんなに感謝を伝えた。

「皆さま、俺のわがままにお付き合いくださってありがとうございました!
本当に感謝しておりますのでね。みんなのおかげで、ナージャもナージャのお母様も助けることができました。
ついでに、王様も王国もなんかいい感じになりそうだし」

「おいおい、王国うちの国と陛下の方が殿下のついでなのかよ」

「そりゃ、目的はお友達のお母様をお助けすることだもん。子供にはお母様が必要でしょ?」

俺が当たり前みたいに言ったら、王国勢がちょっとしょんもり。

「あ、俺にお母様がいないのは今更なのでお気になさらず!俺にはね、ゲイルとキース、お兄様っていう家族がおりますのでね。今はとっても幸せなので!」

「…だな!お父様もサフィがいて幸せだぞ?可愛い可愛い俺の息子!愛してるぞ!」

「ゲイルううう!!!」

ぎゅうっと抱っこして……るばあいじゃない!思わず好きが溢れてしまった。

「こほん。失礼いたしました。俺は幸せなので!
だけどナージャはお母様がいなくなったら絶対に幸せじゃないでしょ?なので。どうしてもお助けしたかったのです。
俺とお母様もぶんまで、幸せな親子でいて欲しかったの」

「サ、サフィ……」

今度は帝国勢が涙ぐんでおる。心優しき脳筋たち。よき人たちばかりでした。

「てことで、王様と王国がいい感じになったのは、オマケみたいなもの!なのですよ!」

「サフィいいいい?!」

「オマケだってよくなりそうなんだからよいでしょおが!帝国の皆様もご協力ありがとうございました。
でも、自分たちの国のことなんだからね?今後は、こうなるまえに手も口も出すとよきですよ?
流されるままはダメ。おかしいとおもったら自分たちで道を切り開くのです。
チャンスは自分でつかむもの。ぼーいずびーあんびしゃす!少年は大志を抱くのです!」

「しょ、しょうねん?」

ミカミカが震えだした。

「まちがい!おっさんは大志を抱くのです!」

「おっさん!いい感じの話だったのに台無しじゃねえか!」

ゲラゲラ笑いだしたミカミカ。
やるぞー!おー!とやる気を見せだした軍の皆様。
うんうん、と感動している団長さん。
サフィはすごいねえ、とニコニコしている保護者たち。ゲイル&お兄様&キース

リオは何か考え込んでると思ったら、ひとこと。

「確かにサフィってば手も口も出すよね……出しすぎなくらいに」

「「「「確かに!」」」」

あちこちに散っていた皆の心がひとつになった瞬間であった。





しおりを挟む
感想 809

あなたにおすすめの小説

白い結婚を捨てた王妃は、もう二度と振り向かない ――愛さぬと言った王子が全てを失うまで』

鍛高譚
恋愛
「私は王妃を愛さない。彼女とは白い結婚を誓う」 華やかな王宮の大聖堂で交わされたのは、愛の誓いではなく、冷たい拒絶の言葉だった。 王子アルフォンスの婚姻相手として選ばれたレイチェル・ウィンザー。しかし彼女は、王妃としての立場を与えられながらも、夫からも宮廷からも冷遇され、孤独な日々を強いられる。王の寵愛はすべて聖女ミレイユに注がれ、王宮の権力は彼女の手に落ちていった。侮蔑と屈辱に耐える中、レイチェルは誇りを失わず、密かに反撃の機会をうかがう。 そんな折、隣国の公爵アレクサンダーが彼女の前に現れる。「君の目はまだ死んでいないな」――その言葉に、彼女の中で何かが目覚める。彼はレイチェルに自由と新たな未来を提示し、密かに王宮からの脱出を計画する。 レイチェルが去ったことで、王宮は急速に崩壊していく。聖女ミレイユの策略が暴かれ、アルフォンスは自らの過ちに気づくも、時すでに遅し。彼が頼るべき王妃は、もはや遠く、隣国で新たな人生を歩んでいた。 「お願いだ……戻ってきてくれ……」 王国を失い、誇りを失い、全てを失った王子の懇願に、レイチェルはただ冷たく微笑む。 「もう遅いわ」 愛のない結婚を捨て、誇り高き未来へと進む王妃のざまぁ劇。 裏切りと策略が渦巻く宮廷で、彼女は己の運命を切り開く。 これは、偽りの婚姻から真の誓いへと至る、誇り高き王妃の物語。

遊び人の令嬢が目を付けたのは、私の真面目な婚約者でした

おいどん
恋愛
子爵家の令嬢エリーネと伯爵家の次男のノルトが婚約を結んだのは、半年前だった。 真面目で優秀なノルトに相応しい婚約者であろうとするものの、エリーネには自信がなかった。 ある日、遊び人と噂の令嬢べルティーナとノルトが共にいるところを見てしまう。 「真面目クンは壁さえ破っちゃえばこっちのもんだからね〜」 「きっと、彼女の美しさに嫉妬しているのだわ…」 「…今度は、ちゃんと言葉にするから」

メインをはれない私は、普通に令嬢やってます

かぜかおる
ファンタジー
ヒロインが引き取られてきたことで、自分がラノベの悪役令嬢だったことに気が付いたシルヴェール けど、メインをはれるだけの実力はないや・・・ だから、この世界での普通の令嬢になります! ↑本文と大分テンションの違う説明になってます・・・

レベル1のフリはやめた。貸した力を全回収

ソラ
ファンタジー
勇者パーティの荷物持ち、ソラ。 彼はレベル1の無能として蔑まれ、魔王討伐を目前に「お前のようなゴミはいらない」と追放を言い渡される。 だが、傲慢な勇者たちは知らなかった。 自分たちが人間最高峰の力を維持できていたのは、すべてソラの規格外のステータスを『借りていた』からだということを。 「……わかった。貸していた力、すべて返してもらうよ」 契約解除。返還されたレベルは9999。 一瞬にして力を失い、ただの凡人へと転落しパニックに陥る勇者たち。 対するソラは、星を砕くほどの万能感を取り戻しながらも、淡々と宿を去る。 静かな隠居を望むソラだったが、路地裏で「才能なし」と虐げられていた少女ミィナを助けたことで、運命が変わり始める。 「借金の利息として、君を最強にしてあげよう」 これは、世界そのものにステータスを貸し付けていた最強の『貸与者』が、不条理な世界を再定義していく物語。 (本作品はAIを活用して構成・執筆しています)

勝手にしろと言ったのに、流刑地で愛人と子供たちと幸せスローライフを送ることに、なにか問題が?

赤羽夕夜
恋愛
アエノール・リンダークネッシュは新婚一日目にして、夫のエリオット・リンダークネッシュにより、リンダークネッシュ家の領地であり、滞在人の流刑地である孤島に送られることになる。 その理由が、平民の愛人であるエディットと真実の愛に満ちた生活を送る為。アエノールは二人の体裁を守る為に嫁に迎えられた駒に過ぎなかった。 ――それから10年後。アエノールのことも忘れ、愛人との幸せな日々を過ごしていたエリオットの元に、アエノールによる離婚状と慰謝料の請求の紙が送られてくる。 王室と裁判所が正式に受理したことを示す紋章。事態を把握するために、アエノールが暮らしている流刑地に向かうと。 絶海孤島だった流刑地は、ひとつの島として栄えていた。10年以上前は、たしかになにもない島だったはずなのに、いつの間にか一つの町を形成していて領主屋敷と呼ばれる建物も建てられていた。 エリオットが尋ねると、その庭園部分では、十年前、追い出したはずのアエノールと、愛する人と一緒になる為に婚約者を晒し者にして国王の怒りを買って流刑地に送られた悪役王子――エドが幼い子を抱いて幸せに笑い合う姿が――。 ※気が向いたら物語の補填となるような短めなお話を追加していこうかなと思うので、気長にお待ちいただければ幸いです。

最強βの俺が偽装Ωになったら、フェロモン無効なのに狂犬王子に求愛されました~前世武道家なので物理で分からせます~

水凪しおん
BL
前世は日本の武道家、今世は平民β(ベータ)のルッツ。 「Ωだって強い」ことを証明するため、性別を偽り「Ω」として騎士団へ入団した彼は、その卓越した身体能力と前世の武術で周囲を圧倒する。 しかし、その強さと堂々とした態度が仇となり、最強のα(アルファ)である第一王子・イグニスの目に止まってしまった! 「お前こそ俺の運命の番だ」 βだからフェロモンなんて効かないのに、なぜかイグニスの熱烈な求愛(物理)攻撃を受ける日々に突入!? 勘違いから始まる、武闘派β×最強王子のドタバタ王宮BLファンタジー!

失恋までが初恋です。

あんど もあ
ファンタジー
私の初恋はお兄様。お兄様は、私が五歳の時にご両親を亡くして我が家にやって来て私のお兄様になってくださった方。私は三歳年上の王子様のようなお兄様に一目ぼれでした。それから十年。お兄様にはルシンダ様と言う婚約者が、私にも婚約者らしき者がいますが、初恋は続行中ですの。 そんなマルティーナのお話。

夫が運命の番と出会いました

重田いの
恋愛
幼馴染のいいなづけとして育ってきた銀狼族の族長エーリヒと、妻ローゼマリー。 だがエーリヒに運命の番が現れたことにより、二人は離別する。 しかし二年後、修道院に暮らすローゼマリーの元へエーリヒが現れ――!?

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。