もう我慢なんてしません!家族からうとまれていた俺は、家を出て冒険者になります!

をち。「もう我慢なんて」書籍発売中

文字の大きさ
282 / 506
俺はA級になる!

ブリードの計画

しおりを挟む
「で?どうなのだ?
我としてはどちらでもかまわぬぞ?」

ニヤニヤと歯を剥くブリード。

じいいいい
じいいいい

ちょっと圧がすごすぎない⁈
四方から

「ドラゴンが眷属だよ?もちろんオッケーだよね⁈」
「早く頷け!ドラゴンの気が変わらないうちに!」

みたいな視線が飛んでくる。
こやつら、ひとごとだと思ってえ!

「いや、だからね、勝手なことしたらまたゲイルに怒られちゃうでしょおが!
ゲイルってば、普段は優しいけど怒るとすんごおおく怖いんだからね!
みんなも怒られてみなよ、俺の気持ちがわかるはずだから!」

「ああ。ゲイルは確実に怒るな。損得じゃないからな、ゲイルは」

キースも俺に味方してくれた。
さすがは家族!わかってるう!

「で、でも、ドラゴンが眷属になるなんて、どんな人でも泣いて喜ぶヤツだろ⁈
断るだなんて聞いたことがねえぞ!」

「そうだそうだ!全ての宝をさしだして願うレベルだぞ?」

BOO!BOO!

すごいブーイングの嵐!
そんなとこで一眼とならないでっ?



人数的にアウェイな中、俺は最後の抵抗を試みた。

「だけど、ブリードを眷属にして俺になんの得が?
俺、ブリードいなくても十分ツエエですし?
もうフェンリルがいるから、俺のペット枠はいっぱいいっぱいなの!」

過ぎたるは及ばざるが如し、って宣伝、どこでみたっけ?

「フェンリルをペット扱いか!やはり面白い!なんとしても我も加えて貰う!」

グヲー!

勝手に盛り上がったブリードが吠えた。
ブリザードドラゴンの咆哮(興奮しただけ)にブーブー言ってたやつらが「ヒィッ」と首をすくめる。いい気味である。




それでも渋っていたら、ブリードがとんでもないことを言い出した。

「眷属にしてくれたら、あのドラゴンのうち一頭を我が貰ってやるぞ?」

「………はぁ?!」


どういうことかと詳しく聞いてみると、これがなかなかにナイスなものでござった。
そもそもなぜブリードが住処を出てうろちょろしていたのかといえば、伴侶を求めてのことだったのだという。

「そろそろ番っても良いかと思ってな。このあたりにアイスドラゴンがいると聞いてやってきたのだ」

「いや、確かにいたけど……アレですよ?
みいんな、雄ドラゴンでしょ?」

するとブリードの口から驚くべきドラゴンの秘密が明かされた。

「知らぬのか?ドラゴンは雌雄同体だぞ?」

「「「「はああああ?!」」」」

俺とレオン、ミカミカ、キースの声が完全にかぶる。
ちなみに騎士たちは何言ってるか分からずきょとんとしていた。

いやいやいや、だってあれみいんな数百歳のおっさんドラゴンだったよ?
マジで?
あれオジさんじゃなくってオバさんだったの?!

がびーん、とショックを受けた俺たちにブリード曰く。
ドラゴンの個体は基本的には群れは作らない。その代わり、繁殖したくなったときに別の個体を探して番うのだそうだ。
でもってドラゴンが番う場合、体格の小さな個体のほうが雌に変化するのだという。

それサラリと人間に教えちゃっていいやつ?

今は最強のブリードも若いときには別のアイスドラゴンと番わされ…げふんげふん、番って赤ちゃんドラゴンを生んだんだって。
生まれたドラゴンは幼年期だけ一緒にすごし、すぐに巣立っていくものらしい。
そうやってドラゴンは繁殖していくのだ。

ほえええええ!!
なんたる摩訶不思議!ドラゴンの神秘!




「俺にしたらサフィとゲイルだって似たようなものだぞ?」

「サフィこれでも聖女だもんな。だからレオンと婚約できたんだし」

キースとミカミカの言葉にレオンがにっこりとほほ笑んだ。

「ラッキーだったよね?
まあ、サフィが聖女であろうとなかろうと、私がなんとかするつもりだったけどね?」

こっわ!腹黒レオン、こっわ!
ちょっと背中がぞわぞわして後ろにあとじさってしまった。
ブリードですら「おぬしの番は恐ろしいのう……」って呟いていた。
俺もそう思う!





話し合いの末、あのドラゴンのうちもともとここにいたフィリューゲル以外の二ドラから、好きな方を進呈することにした。
どっちになるかわかんないけど幸せになるんだよ、ジークかゴーン!
ゴーンのほうはまだ大人しいから、どっちかっていうとジークを連れて行ってほしい。
まあブリードにも好みというのもがあるでしょうが、そこはあくまでもこちらの希望としましてね?


俺とブリードの話し合いを、キースとレオンとミカミカが恐ろしいものを見るような目で見つめている。

「……勝手にオスの番にされてんの、怖すぎるな……」

キース、キースのキースを無意識にそっと守っている。タマヒュンしちゃったようだ。

「しかもサフィの話だと、あのドラゴンたち、サフィに『肉を狩って来い』って使いに出されてるんだろ?
こき使われて戻ってみたら他の雄の嫁にされんのか……」

ブルリと身を震わせるミカミカ…

「他ドラゴンごとながら哀れに思えてきた。元からいるドラゴンは除外してくれるみたいで良かったぜ……」

「まあまあ。それで平穏が訪れるのなら問題ないだろう?
伝説のブリザードドラゴンの番になれるんだ。彼らだって、きっと喜んでくれるさ」



三人の会話をききつけて、辺境の筋肉たちが固まってブルブルと震えだした。

「おいおい……。とんでもない恐ろしいこと計画してるぞ?」

「ああ。可哀そうに。メスにされちまうんだろ……?」

「迷惑したが……こうなってみると哀れだな……」

「やつらも隣国の犠牲者なのにな……」

妙にしんみりと迷惑ドラゴンに同情してしまっている。
わが身に置き換えたのか、その顔色は真っ青だ。


大丈夫だって!ブリードならきっと幸せにしてくれるよ!たぶん!
だって、気のいい愉快なドラゴンなんだもの!






しおりを挟む
感想 809

あなたにおすすめの小説

人質5歳の生存戦略! ―悪役王子はなんとか死ぬ気で生き延びたい!冤罪処刑はほんとムリぃ!―

ほしみ
ファンタジー
「え! ぼく、死ぬの!?」 前世、15歳で人生を終えたぼく。 目が覚めたら異世界の、5歳の王子様! けど、人質として大国に送られた危ない身分。 そして、夢で思い出してしまった最悪な事実。 「ぼく、このお話知ってる!!」 生まれ変わった先は、小説の中の悪役王子様!? このままだと、10年後に無実の罪であっさり処刑されちゃう!! 「むりむりむりむり、ぜったいにムリ!!」 生き延びるには、なんとか好感度を稼ぐしかない。 とにかく周りに気を使いまくって! 王子様たちは全力尊重! 侍女さんたちには迷惑かけない! ひたすら頑張れ、ぼく! ――猶予は後10年。 原作のお話は知ってる――でも、5歳の頭と体じゃうまくいかない! お菓子に惑わされて、勘違いで空回りして、毎回ドタバタのアタフタのアワアワ。 それでも、ぼくは諦めない。 だって、絶対の絶対に死にたくないからっ! 原作とはちょっと違う王子様たち、なんかびっくりな王様。 健気に奮闘する(ポンコツ)王子と、見守る人たち。 どうにか生き延びたい5才の、ほのぼのコミカル可愛いふわふわ物語。 (全年齢/ほのぼの/男性キャラ中心/嫌なキャラなし/1エピソード完結型/ほぼ毎日更新中)

メインをはれない私は、普通に令嬢やってます

かぜかおる
ファンタジー
ヒロインが引き取られてきたことで、自分がラノベの悪役令嬢だったことに気が付いたシルヴェール けど、メインをはれるだけの実力はないや・・・ だから、この世界での普通の令嬢になります! ↑本文と大分テンションの違う説明になってます・・・

レベル1のフリはやめた。貸した力を全回収

ソラ
ファンタジー
勇者パーティの荷物持ち、ソラ。 彼はレベル1の無能として蔑まれ、魔王討伐を目前に「お前のようなゴミはいらない」と追放を言い渡される。 だが、傲慢な勇者たちは知らなかった。 自分たちが人間最高峰の力を維持できていたのは、すべてソラの規格外のステータスを『借りていた』からだということを。 「……わかった。貸していた力、すべて返してもらうよ」 契約解除。返還されたレベルは9999。 一瞬にして力を失い、ただの凡人へと転落しパニックに陥る勇者たち。 対するソラは、星を砕くほどの万能感を取り戻しながらも、淡々と宿を去る。 静かな隠居を望むソラだったが、路地裏で「才能なし」と虐げられていた少女ミィナを助けたことで、運命が変わり始める。 「借金の利息として、君を最強にしてあげよう」 これは、世界そのものにステータスを貸し付けていた最強の『貸与者』が、不条理な世界を再定義していく物語。 (本作品はAIを活用して構成・執筆しています)

白い結婚を捨てた王妃は、もう二度と振り向かない ――愛さぬと言った王子が全てを失うまで』

鍛高譚
恋愛
「私は王妃を愛さない。彼女とは白い結婚を誓う」 華やかな王宮の大聖堂で交わされたのは、愛の誓いではなく、冷たい拒絶の言葉だった。 王子アルフォンスの婚姻相手として選ばれたレイチェル・ウィンザー。しかし彼女は、王妃としての立場を与えられながらも、夫からも宮廷からも冷遇され、孤独な日々を強いられる。王の寵愛はすべて聖女ミレイユに注がれ、王宮の権力は彼女の手に落ちていった。侮蔑と屈辱に耐える中、レイチェルは誇りを失わず、密かに反撃の機会をうかがう。 そんな折、隣国の公爵アレクサンダーが彼女の前に現れる。「君の目はまだ死んでいないな」――その言葉に、彼女の中で何かが目覚める。彼はレイチェルに自由と新たな未来を提示し、密かに王宮からの脱出を計画する。 レイチェルが去ったことで、王宮は急速に崩壊していく。聖女ミレイユの策略が暴かれ、アルフォンスは自らの過ちに気づくも、時すでに遅し。彼が頼るべき王妃は、もはや遠く、隣国で新たな人生を歩んでいた。 「お願いだ……戻ってきてくれ……」 王国を失い、誇りを失い、全てを失った王子の懇願に、レイチェルはただ冷たく微笑む。 「もう遅いわ」 愛のない結婚を捨て、誇り高き未来へと進む王妃のざまぁ劇。 裏切りと策略が渦巻く宮廷で、彼女は己の運命を切り開く。 これは、偽りの婚姻から真の誓いへと至る、誇り高き王妃の物語。

遊び人の令嬢が目を付けたのは、私の真面目な婚約者でした

おいどん
恋愛
子爵家の令嬢エリーネと伯爵家の次男のノルトが婚約を結んだのは、半年前だった。 真面目で優秀なノルトに相応しい婚約者であろうとするものの、エリーネには自信がなかった。 ある日、遊び人と噂の令嬢べルティーナとノルトが共にいるところを見てしまう。 「真面目クンは壁さえ破っちゃえばこっちのもんだからね〜」 「きっと、彼女の美しさに嫉妬しているのだわ…」 「…今度は、ちゃんと言葉にするから」

過労死転生した公務員、魔力がないだけで辺境に追放されたので、忠犬騎士と知識チートでざまぁしながら領地経営はじめます

水凪しおん
BL
過労死した元公務員の俺が転生したのは、魔法と剣が存在する異世界の、どうしようもない貧乏貴族の三男だった。 家族からは能無しと蔑まれ、与えられたのは「ゴミ捨て場」と揶揄される荒れ果てた辺境の領地。これは、事実上の追放だ。 絶望的な状況の中、俺に付き従ったのは、無口で無骨だが、その瞳に確かな忠誠を宿す一人の護衛騎士だけだった。 「大丈夫だ。俺がいる」 彼の言葉を胸に、俺は決意する。公務員として培った知識と経験、そして持ち前のしぶとさで、この最悪な領地を最高の楽園に変えてみせると。 これは、不遇な貴族と忠実な騎士が織りなす、絶望の淵から始まる領地改革ファンタジー。そして、固い絆で結ばれた二人が、やがて王国を揺るがす運命に立ち向かう物語。 無能と罵った家族に、見て見ぬふりをした者たちに、最高の「ざまぁ」をお見舞いしてやろうじゃないか!

【完結】これをもちまして、終了とさせていただきます

楽歩
恋愛
異世界から王宮に現れたという“女神の使徒”サラ。公爵令嬢のルシアーナの婚約者である王太子は、簡単に心奪われた。 伝承に語られる“女神の使徒”は時代ごとに現れ、国に奇跡をもたらす存在と言われている。婚約解消を告げる王、口々にルシアーナの処遇を言い合う重臣。 そんな混乱の中、ルシアーナは冷静に状況を見据えていた。 「王妃教育には、国の内部機密が含まれている。君がそれを知ったまま他家に嫁ぐことは……困難だ。女神アウレリア様を祀る神殿にて、王家の監視のもと、一生を女神に仕えて過ごすことになる」 神殿に閉じ込められて一生を過ごす? 冗談じゃないわ。 「お話はもうよろしいかしら?」 王族や重臣たち、誰もが自分の思惑通りに動くと考えている中で、ルシアーナは静かに、己の存在感を突きつける。 ※39話、約9万字で完結予定です。最後までお付き合いいただけると嬉しいですm(__)m

死に物狂いで支えた公爵家から捨てられたので、回帰後は全財産を盗んで消えてあげます 〜今さら「戻れ」と言われても、私は隣国の皇太子妃ですので〜

しょくぱん
恋愛
「お前のような無能、我が公爵家の恥だ!」 公爵家の長女エルゼは、放蕩者の父や無能な弟に代わり、寝る間も惜しんで領地経営と外交を支えてきた。しかし家族は彼女の功績を奪った挙句、政治犯の濡れ衣を着せて彼女を処刑した。 死の間際、エルゼは誓う。 「もし次があるのなら――二度と、あいつらのために働かない」 目覚めると、そこは処刑の二年前。 再び「仕事」を押し付けようとする厚顔無恥な家族に対し、エルゼは優雅に微笑んだ。 「ええ、承知いたしました。ただし、これからは**『代金』**をいただきますわ」 隠し金庫の鍵、領地の権利書、優秀な人材、そして莫大な隠し資産――。 エルゼは公爵家のすべてを自分名義に書き換え、着々と「もぬけの殻」にしていく。 そんな彼女の前に、隣国の冷徹な皇太子シオンが現れ、驚くべき提案を持ちかけてきて……? 「君のような恐ろしい女性を、独り占めしたくなった」 資産を奪い尽くして亡命した令嬢と、彼女を溺愛する皇太子。 一方、すべてを失った公爵家が泣きついてくるが、もう遅い。 あなたの家の金庫も、土地も、働く人間も――すべて私のものですから。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。