もう我慢なんてしません!家族からうとまれていた俺は、家を出て冒険者になります!

をち。「もう我慢なんて」書籍発売中

文字の大きさ
402 / 505
新たな目標

新法案2

しおりを挟む
とにもかくにも、俺は醜い争いをしていたパパと公爵に叫んだ。

「聞いてくだされ!大事な話があるのです!」

そこに座って、と三人掛けのソファをさせば、右端と左端に分かれて座る二人。
大人げないにも程がありますよ?

まあ、話は進めてしまいますけれどもね。

俺は二人の前に立って、神妙な表情で指を立てる。

「ある法案を早急に施行して頂きたく」
「?法案?」
「いったいどのような?」

二人は先ほどまでくだらない言い争いをしていたのが嘘のように真面目な表情になって、同じ角度で首を傾げた。
お仕事が関わるとさすが息ぴったりですな。


二人が話を聞いてくれる体勢になったところで、俺は先ほどレオンとした話を聞かせた。

「同性婚を正式に認めるという法案です。
今、同性同士の婚姻はいわゆる事実婚の扱いになっているでしょう?
実際に貴族の間だと、お家騒動を防ぐ有効な手段として、嫡男以外は割と同性婚って当たり前になってるのに。
つまり、実情に法整備がおいついていないのですよ」

俺の話しにふむふむと頷く二人。

「確かに、恋愛相手が同性ということもままあること。問題は後継ができるか否か。しかし、サフィの言ったようにそれこそを理由に同性婚を選ぶ場合もあるからのう……」
「うむ。一応、法的にはあくまでも事実婚という扱いになるが、対外的にも夫婦と同様に扱われておりますし。正式に夫婦と認めても特に混乱はないのではないかと」
「しかし、今日やると決めてすぐ、というわけにもいかぬぞ?まずは具体的にどのように適用範囲を定めるかも決めねばなるまい。あえて正式に許可をしたことで嫡男がそれを希望したら後継はどうする?
そのあたり含め、まずは法案の草稿を……」

はい、そうですね!
ということで、ジャジャジャジャーン!

「実はそれについてはレオンが既に法案の草稿を纏めております!」

胸を張ってみせる俺に対し、驚愕の表情を浮かべる二人。

「いつそのようなものを?以前から考えておったのか?」
「えっとね。俺は聖女なのでレオンとも不通に結婚できるのですが、お披露目とか王城にお泊りしてた時にはまだ聖女だって分かってなかったでしょ?
その時にレオンが『将来に備えて』考えたみたい」

えへへ?愛だよねー?ちょっと重いけど。かなりショタってるけど。
愛であることは間違いない。

しかし大人二人は呆れかえった顔をして顔を手で覆って大きく息を吐く。

「……フィオネル、サフィはその時いくつだったかのう?」
「五歳のお披露目ですから、五歳ですね………」

はあー………。
またまたため息。

「……サフィ、我が息子ながら……なんというか……………重くなった時には私に相談するのだぞ?」
「うむ。私も最善を尽くすと約束しよう。まだサフィラスは子供なのだ。意に添わぬことをされそうになったのなら、ゲイルか私に相談するように」

い、いや、そんな重々しくならなくても……

「えっと。確かに俺もちょっとたくさんドンびいたけど、結局レオンが俺のこと大好きだったってことでしょ?
可愛いからよきです!
なので、なるはやで法案を通してくださいませ!ミカミカとキースの結婚式がしたいので!正式なやつ!
二人を同性婚第一号にしたらちょうどいいでしょ?高位貴族自ら見本となる、ってやつ!」

キラリ、とパパの目が光った。

「そういうことか!」
「そういうことなのです!」

ガシっと腕を組む俺とパパ。

ついでに公爵にはっぱをかける。

「公爵、二号になりたかったら頑張ってね?俺が結婚する前になんとかしてね?」

公爵は一瞬まるで子供のように幼げな表情を見せ、それから真っ赤になった。

「は……あ……さ、サフィラス……?そ、それはどういう……」

めっちゃくちゃ狼狽えまくり!
全く、こういう時にめっちゃ情けなくなるよね、この人。
ほんと、なんで冷血公なんてやってたの?意味わかんない。

「俺が結婚したらゲイルが一人になっちゃうでしょ。王宮にゲイルのお部屋作ってもらうとしても、俺の一番はレオンになっちゃうでしょ。
だからね。俺はゲイルが一番大事っていう人にゲイルに傍に居て欲しいの。ゲイルってば意外と寂しがりやだから。公爵くらい手がかかる人のほうがいいのかな、って」

ボン、と公爵の頭が爆発した。

「…………それは…………サフィラスの許可、と考えてよいのだろうか?」
「まあ、しょうがないから認めてあげる。もちろんゲイル次第だよ?頑張ってね?」

するとパパが俺の手をガシっと掴む。

「な、ならば私はどうだ?名実共にサフィラスのパパとなるのは?」
「浮気反対!重婚反対!ゲイルだけ大事にしてくれる人じゃなきゃダメですので!却下!」

ガクリとパパの肩が落ちた。
なので、こういって慰めてあげることにした。

「あのね、パパには俺がいるでしょお?
息子が増えるのですから、それでいいでしょ?」

久しぶりにほっぺにチュっとしてあげれば、とたんニコニコになるパパ。
うん。
長いこと王様という地位のために恋心を隠してきたんだろうけど。ごめんね?
俺ね、お母さまも大好きなの。
お母さまがいいっていっても、俺が嫌。パパのとなりはお母さま。これは譲れないのです。


しおりを挟む
感想 805

あなたにおすすめの小説

さようなら婚約者

あんど もあ
ファンタジー
アンジュは、五年間虐げられた婚約者から婚約破棄を告げられる。翌日、カバン一つを持って五年住んだ婚約者の家を去るアンジュ。一方、婚約者は…。

君だけの呼び名

章槻雅希
ファンタジー
 カリーナは自分は王子様に愛されていると確信していた。だって、彼は私にだけ特別な呼び名をくれたから。  異世界のロシア語と同じような言語形態を持つ国であり、名前には友人や親戚が呼ぶ略称、家族・恋人・主君が呼ぶ愛称がある。更には隠されたもう一つの呼び名もあり、複雑な名前の言語形態はそれを有効活用されているのだった。  『小説家になろう』『アルファポリス』に重複投稿、自サイトにも掲載。

妹なんだから助けて? お断りします

たくわん
恋愛
美しく聡明な令嬢エリーゼ。だが、母の死後に迎えられた継母マルグリットによって、彼女の人生は一変する。実母が残した財産は継母に奪われ、華やかなドレスは義姉たちに着られ、エリーゼ自身は使用人同然の扱いを受ける。そんなある日――。

人質5歳の生存戦略! ―悪役王子はなんとか死ぬ気で生き延びたい!冤罪処刑はほんとムリぃ!―

ほしみ
ファンタジー
「え! ぼく、死ぬの!?」 前世、15歳で人生を終えたぼく。 目が覚めたら異世界の、5歳の王子様! けど、人質として大国に送られた危ない身分。 そして、夢で思い出してしまった最悪な事実。 「ぼく、このお話知ってる!!」 生まれ変わった先は、小説の中の悪役王子様!? このままだと、10年後に無実の罪であっさり処刑されちゃう!! 「むりむりむりむり、ぜったいにムリ!!」 生き延びるには、なんとか好感度を稼ぐしかない。 とにかく周りに気を使いまくって! 王子様たちは全力尊重! 侍女さんたちには迷惑かけない! ひたすら頑張れ、ぼく! ――猶予は後10年。 原作のお話は知ってる――でも、5歳の頭と体じゃうまくいかない! お菓子に惑わされて、勘違いで空回りして、毎回ドタバタのアタフタのアワアワ。 それでも、ぼくは諦めない。 だって、絶対の絶対に死にたくないからっ! 原作とはちょっと違う王子様たち、なんかびっくりな王様。 健気に奮闘する(ポンコツ)王子と、見守る人たち。 どうにか生き延びたい5才の、ほのぼのコミカル可愛いふわふわ物語。 (全年齢/ほのぼの/男性キャラ中心/嫌なキャラなし/1エピソード完結型/ほぼ毎日更新中)

【完結】私は聖女の代用品だったらしい

雨雲レーダー
恋愛
異世界に聖女として召喚された紗月。 元の世界に帰る方法を探してくれるというリュミナス王国の王であるアレクの言葉を信じて、聖女として頑張ろうと決意するが、ある日大学の後輩でもあった天音が真の聖女として召喚されてから全てが変わりはじめ、ついには身に覚えのない罪で荒野に置き去りにされてしまう。 絶望の中で手を差し伸べたのは、隣国グランツ帝国の冷酷な皇帝マティアスだった。 「俺のものになれ」 突然の言葉に唖然とするものの、行く場所も帰る場所もない紗月はしぶしぶ着いて行くことに。 だけど帝国での生活は意外と楽しくて、マティアスもそんなにイヤなやつじゃないのかも? 捨てられた聖女と孤高の皇帝が絆を深めていく一方で、リュミナス王国では次々と異変がおこっていた。 ・完結まで予約投稿済みです。 ・1日3回更新(7時・12時・18時)

運命よりも先に、愛してしまった

AzureHaru
BL
幼馴染で番同士の受けと攻め。2人は運命の番ではなかったが、相思相愛だった。そんな時、攻めに運命の番が現れる。それを知った受けは身籠もっていたが、運命の番同士の子供の方が優秀な者が生まれることも知っており、身を引く事を決め姿を消す。 しかし、攻めと運命の番の相手にはそれぞれに別の愛する人がいる事をしり、 2人は運命の番としてではなく、友人として付き合っていけたらと話し合ってわかれた。 その後、攻めは受けが勘違いしていなくなってしまったことを両親達から聞かされるのであった。

婚約破棄がやって来る

あんど もあ
ファンタジー
賊に馬車を襲われた公爵令嬢。なぜか、彼女は喜んで娼館に売られたがる……。

身代わりで呪いの公爵に嫁ぎましたが、聖女の力で浄化したら離縁どころか国一番の溺愛妻になりました〜実家が泣きついてももう遅い〜

しょくぱん
恋愛
「お前のような無能は、死神の生贄にでもなっていろ」 魔力なしの無能と蔑まれ、家族に虐げられてきた伯爵令嬢レティシア。 彼女に命じられたのは、近づく者すべてを病ませるという『呪いの公爵』アレクシスへの身代わり結婚だった。 鉄格子の馬車で運ばれ、たどり着いたのは瘴気に満ちた死の城。 恐ろしい怪物のような男に殺される――。 そう覚悟していたレティシアだったが、目の前の光景に絶望よりも先に別の感情が湧き上がる。 (な、何これ……汚すぎるわ! 雑巾とブラシはどこ!?) 実は、彼女が「無能」と言われていたのは、その力が『洗浄』と『浄化』に特化した特殊な聖女の魔力だったから。 レティシアが掃除をすれば、呪いの瘴気は消え去り、枯れた大地には花が咲き、不気味だった公爵城はまたたく間にピカピカの聖域に塗り替えられていく。 さらには、呪いで苦しんでいたアレクシスの素顔は、見惚れるほどの美青年で――。 「レティシア、君は一体何者なんだ……? 体が、こんなに軽いのは初めてだ」 冷酷だったはずの公爵様から、まさかの執着と溺愛。 さらには、呪いが解けたことで領地は国一番の豊かさを取り戻していく。 一方で、レティシアを捨てた実家は、彼女の『浄化』を失ったことで災厄に見舞われ、今さら「戻ってきてくれ」と泣きついてくるが……。 「私は今、お城の掃除と旦那様のお世話で忙しいんです。お引き取りくださいませ」 これは、掃除を愛する薄幸令嬢が、その愛と魔力で死神公爵を救い、最高に幸せな居場所を手に入れるまでのお話。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。