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新たな目標
新法案
そうと決まれば……
「ミカミカとキースはどこ?もう帰ってるんでしょう?」
とりあえず顔も見たいし話しもしたい!
控室かな?
さっそく飛び出そうとすれば……
「あ、サフィ。待って?私も行くから。
毎晩宴会続きで……あー……、二人の時間が取れなかったようなんだ。
少しゆっくりしているかもしれないから、私が先に二人の予定を確認してくる。
戻ったばかりだしね。落ち着いたらディナーに参加するよう伝えるから。
サフィは、先に父上と母上に法案について話をしていてもらえるかな?」
ええ?二人はずっと一緒だったけど、俺なんてずっと会えなかったのにい……。
でも確かにあのゴリラに囲まれての宴会づくし、想像しただけで疲れちゃうもんね。
「……ちょっとでいいから顔が見たいって伝えてね?レオンは会ったけど、俺まだ二人に会ってないんだもん。
二人が帰ってくるって知ってたら、なるはやで帰ってきたのにい……」
ちょっとしょんぼりしちゃうのは許して欲しい。
「うん。伝えておくね?
……二人が……忙しそうだったら、明日になるかもしれないけれど。その時はごめんね、サフィ」
俺の頭をなでなでしながら、レオンがそう言って眉を下げた。
うん。分かってる。レオンのせいじゃないもんね。
長旅の後ですから、無理は言いません。
というわけで、レオンが二人に声を掛けに行き、俺はパパとお母さまのところに。
またディナーまで少し時間があるから、パパは執務室かな?
公爵もいるだろうし、一石二鳥!
実は、正式に婚約したから、もう執務室に入ることを許可されておるのです。
パパがお疲れの時には、俺専用のソファに座って「パパを励ます係」をしたりする。
扉の前に控える護衛さんにご挨拶をし、コンコン、とドアをノック。
「パパー!サフィですっお話があるのですが、よろしいでしょうかっ?」
すると何故か
「「サフィ!よいぞ!」」
二人分の声がハモッた。
「はいりまーす!」と扉を開けると、パパと公爵が「パパは私だろう!」「いえ、一応血筋で言えば……」だのと醜い争いを繰り広げていた。
あの婚約式での衝撃のキス事件から、パパと公爵はしょうもないことで張り合っている。
二人ともゲイルの寵愛を得ようと必死なようだが、ゲイルの一番は俺!俺ですからね!
とりあえず、俺はビシっと王様の方を指さし「パパ!」、公爵を指さし「元パパだったけど放棄した人!」と宣言して争いを集結させた。
パパが「ほら!私がパパなのだ!なにしろ可愛いウチの嫁なのだからな!はっはっは!」とドヤり、公爵が分かりやすく落ち込んだ。ほんと、あれから吹っ切れたのか表情豊かになったよね。公爵。
なので俺は「公爵。ゲイルと結婚したら一応またパパになるから。希望を捨てないことが大事」と適当に励ましておく。
そう。あれ以来、公爵はゲイルへの気持ちを隠さなくなった。
気持ちを言葉に出すことができなかった人なのに、必死で拙い言葉でまるで幼子のようにゲイルへの愛を伝えている。
そしてそれにパパがヤキモチを妬く。パパ、あなたスンバラシイ奥様がいらっしゃるでしょうに!
俺はね。二股はダメだと思うの。たとえ奥様が許可していようと、なんなら絶賛応援されていようと、ダメなものはダメです!
なので俺はパパには申し訳ないが、パパよりも公爵の肩を持つ。
ゲイルってば俺がいるからか、ずっと独身なの。
俺がレオンと結婚したら、ゲイルは独り身になっちゃうでしょ?もちろん俺はゲイルと離れるつもりはないけど。
戸籍上は仕方ない。
なので公爵とゲイル、というのもありかなと最近は思えてきた。
だって、公爵でもいないよりはマシだと思う。少なくとも身体を張ってゲイルを守ってくれてたし。
ライという跡継ぎがいるんだし、伯爵家に嫁入りだか婿入りだかしてくれたら、グリフィス家も安泰。
ゲイルってね、ああ見えて寂しんぼなの。
これまではずっと俺の一番はゲイルだった。今もそう。
でも、近い将来、俺の一番はレオンになるでしょう?
それはどうしても仕方がないの。父親とはそういうものなのだもの。
ずっと特別なのは変わらないけれどね。
俺はゲイルがすっごく大事で大好きだから、ゲイルのことを一番に思ってくれる人に傍に居て欲しいと思う。
正直、過去のうらみはあるけれど、この5年で俺も成長したし、公爵も成長した。
ゲイルにどんなに罵られようと黙って受け入れた公爵。
俺がどんなに拒否しようと、俺の絶対的味方になり、影でずっと支えてくれた公爵。
今なら……少しなら認めてやってもいい。大切なゲイルを分けてあげてもいいと思えるくらいには。
だから、この法案は、ミカミカとキースだけじゃなく、ナージャの頑張り次第ではナージャとライにも、公爵の頑張り次第では公爵とゲイルにも、そして、今事実婚で我慢している人たちにも、これから愛する人と出会う人たちにも絶対に必要だと思うのです。
「ミカミカとキースはどこ?もう帰ってるんでしょう?」
とりあえず顔も見たいし話しもしたい!
控室かな?
さっそく飛び出そうとすれば……
「あ、サフィ。待って?私も行くから。
毎晩宴会続きで……あー……、二人の時間が取れなかったようなんだ。
少しゆっくりしているかもしれないから、私が先に二人の予定を確認してくる。
戻ったばかりだしね。落ち着いたらディナーに参加するよう伝えるから。
サフィは、先に父上と母上に法案について話をしていてもらえるかな?」
ええ?二人はずっと一緒だったけど、俺なんてずっと会えなかったのにい……。
でも確かにあのゴリラに囲まれての宴会づくし、想像しただけで疲れちゃうもんね。
「……ちょっとでいいから顔が見たいって伝えてね?レオンは会ったけど、俺まだ二人に会ってないんだもん。
二人が帰ってくるって知ってたら、なるはやで帰ってきたのにい……」
ちょっとしょんぼりしちゃうのは許して欲しい。
「うん。伝えておくね?
……二人が……忙しそうだったら、明日になるかもしれないけれど。その時はごめんね、サフィ」
俺の頭をなでなでしながら、レオンがそう言って眉を下げた。
うん。分かってる。レオンのせいじゃないもんね。
長旅の後ですから、無理は言いません。
というわけで、レオンが二人に声を掛けに行き、俺はパパとお母さまのところに。
またディナーまで少し時間があるから、パパは執務室かな?
公爵もいるだろうし、一石二鳥!
実は、正式に婚約したから、もう執務室に入ることを許可されておるのです。
パパがお疲れの時には、俺専用のソファに座って「パパを励ます係」をしたりする。
扉の前に控える護衛さんにご挨拶をし、コンコン、とドアをノック。
「パパー!サフィですっお話があるのですが、よろしいでしょうかっ?」
すると何故か
「「サフィ!よいぞ!」」
二人分の声がハモッた。
「はいりまーす!」と扉を開けると、パパと公爵が「パパは私だろう!」「いえ、一応血筋で言えば……」だのと醜い争いを繰り広げていた。
あの婚約式での衝撃のキス事件から、パパと公爵はしょうもないことで張り合っている。
二人ともゲイルの寵愛を得ようと必死なようだが、ゲイルの一番は俺!俺ですからね!
とりあえず、俺はビシっと王様の方を指さし「パパ!」、公爵を指さし「元パパだったけど放棄した人!」と宣言して争いを集結させた。
パパが「ほら!私がパパなのだ!なにしろ可愛いウチの嫁なのだからな!はっはっは!」とドヤり、公爵が分かりやすく落ち込んだ。ほんと、あれから吹っ切れたのか表情豊かになったよね。公爵。
なので俺は「公爵。ゲイルと結婚したら一応またパパになるから。希望を捨てないことが大事」と適当に励ましておく。
そう。あれ以来、公爵はゲイルへの気持ちを隠さなくなった。
気持ちを言葉に出すことができなかった人なのに、必死で拙い言葉でまるで幼子のようにゲイルへの愛を伝えている。
そしてそれにパパがヤキモチを妬く。パパ、あなたスンバラシイ奥様がいらっしゃるでしょうに!
俺はね。二股はダメだと思うの。たとえ奥様が許可していようと、なんなら絶賛応援されていようと、ダメなものはダメです!
なので俺はパパには申し訳ないが、パパよりも公爵の肩を持つ。
ゲイルってば俺がいるからか、ずっと独身なの。
俺がレオンと結婚したら、ゲイルは独り身になっちゃうでしょ?もちろん俺はゲイルと離れるつもりはないけど。
戸籍上は仕方ない。
なので公爵とゲイル、というのもありかなと最近は思えてきた。
だって、公爵でもいないよりはマシだと思う。少なくとも身体を張ってゲイルを守ってくれてたし。
ライという跡継ぎがいるんだし、伯爵家に嫁入りだか婿入りだかしてくれたら、グリフィス家も安泰。
ゲイルってね、ああ見えて寂しんぼなの。
これまではずっと俺の一番はゲイルだった。今もそう。
でも、近い将来、俺の一番はレオンになるでしょう?
それはどうしても仕方がないの。父親とはそういうものなのだもの。
ずっと特別なのは変わらないけれどね。
俺はゲイルがすっごく大事で大好きだから、ゲイルのことを一番に思ってくれる人に傍に居て欲しいと思う。
正直、過去のうらみはあるけれど、この5年で俺も成長したし、公爵も成長した。
ゲイルにどんなに罵られようと黙って受け入れた公爵。
俺がどんなに拒否しようと、俺の絶対的味方になり、影でずっと支えてくれた公爵。
今なら……少しなら認めてやってもいい。大切なゲイルを分けてあげてもいいと思えるくらいには。
だから、この法案は、ミカミカとキースだけじゃなく、ナージャの頑張り次第ではナージャとライにも、公爵の頑張り次第では公爵とゲイルにも、そして、今事実婚で我慢している人たちにも、これから愛する人と出会う人たちにも絶対に必要だと思うのです。
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