21 / 111
波瀾万丈ピクニック
2人の仲
しおりを挟む
庭をぐるりと回り込んだ先に、湖畔のような休憩場所がある。
木が適度な影を落とし、水上を通る風が心地よい涼を運ぶ。
ここが目的地だ。
果樹をもいで食える木も植えてあるから、デザートは食べ放題である。
ひらりと馬から降りた俺は、とんでもないことに気がついた。
場所を伝えてねえわ!
まあ、敷地内なんだからたかがしれている。
ゆっくり乗馬を楽しみながら散策すれば辿り着くだろう。
とりあえず地面にシートをひき、バスケットから出した皿、サンドイッチ、タペストリーを並べてゆく。
あとは水筒を置いたら完成だ!
「…あいつ、うまくやってるかなー?」
無表情だから、誤解されねえといいが。
まあ、エリアナなら大丈夫か。
意外と話も出来てたもんな。
シートに横になってとりとめもないことを考える。
これでアイツとエリアナがうまくいけば、俺はお払い箱だか…。
ルーの言うように、魔王だかなんだかの呪いからアイツを救うにはこの方がいいんだ。
でなきゃ、俺のかわいいわんこが血染め公爵みてえになっちまう!
俺でなんとかできることならしてやりたかった。
実際、ルーに聞くと俺のヒールでもある程度は効果があり、ヤツの魔王化を食い止めているのだという。
だが、ヒールでは昔から溜め込んでいた全ての浄化にまでは至らないのだそうだ。
無敵だといわれる最強のヒールをもってしてもダメな負の魔力ってなんなんだよ!
そもそも、なんでアイツばかりそんな重いもん背負わされてるんだよ!
いや。よそう。考えたって仕方ねえ。
エリアナに賭けるしかねえんだ。
「あーあ。
女に生まれてりゃアイツを癒してやれたのに…?」
て!クッソ!何考えてんだ俺は!
俺は俺が好きだ。
絶対的能力にも自信があるが、自分で選び、学んで来た医者としての自分が好きなのだ。
俺が女ならこんな道は選べなかっただろう。
伯爵家当主でありながら、医者でありヒーラーでもある。
貴族から金をむしりとり、平民の治療は格安で行う。
そんな自分を気に入っているし、この人生に後悔は無い。
てか、アイツが女なら良かったんじゃねーの⁈
いや、魔王になるのは男だけだっけか。
あーーー!!!
もう知るか!
なるようになるだろう。
頬を撫でる風が心地いい。
サラサラとなる木立の音を聞きながらぼうっとしていたら、いつの間にかうとうとしていたようだ。
2人もとうに到着いていたらしくエリアナの声がする。
「うふふ。お兄様ったら寝てしまわれてるわ。
見て!寝ている時は存外かわいいお顔をしているでしょう?」
耳元で衣擦れの音。
「ふふ。そうですね。
昔からいつも長年生きた大人のような表情をされていましたが…眠っている時は存外いとけない表情になるのです」
ボルゾイの優しい指が俺の前髪をかきあげた。
顔に視線を感じる。
「…よく眠っていますね。
最近疲れていたようですし、このまま寝かせておいて良いですか?」
「そうね。では私たちは先にいただいちゃいましょう!
ほら!あなた少し痩せすぎじゃない?
もっと肉をつけなきゃ。沢山召し上がって!」
「ゲイルにもいつも言われています。
これでもかなり食事を摂るようにはなったのですが…」
「まだまだ足りないわ!
うちの家系はね。食いしん坊ばかりなの。
ゲイルなんて食いしん坊すぎて自分で料理するようになったのよ」
「ああ!ゲイルの料理はとても美味しい。
ゲイルのところに通わせていただくようになって、私は初めて食事が美味しいと思うようになりました」
「うふふ。お兄様に餌付けされちゃったのねえ」
「……そうかもしれません。
ゲイルが私を拾ってくれたのです。ゲイルが私に食事の楽しさを教えてくれました」
「沢山食べさせてもらいなさい。
お兄様には拾った責任があるんですから」
クスクスとエリアナが笑う。
その間も優しい指は俺を撫で続けている。
2人はとても気があっているようだ。
これなら…俺が居なくても…
このまま眠ったふりをしてやるか、ら
「あのね。お兄様って強い人でしょう?」
「ええ。とても…とても強い人だ。強くて美しい」
「でもね。とっても寂しがり屋さんなの」
「ええ。知っています」
「なんでも出来て、なんでも持っているお兄様なのに。
だからかしら?みんなから必要とされて。でもお兄様はなにも必要としないの。
お兄様にはね、どこかに穴があいているの。でも私たちではお兄様のその穴を埋めてあげることはできなかった」
「………」
「でもね。どこかで拾ったわんこがその穴を埋めたわ。
うふふ。
お会いしたときお話したわよね?
お兄様ね、あなたのこと『俺のかわいいわんこ』って言ってたのよ?
こんなに大きくなってもまだそう言ってるの。
きっとあなたが可愛くてたまらないのね」
エリアナ!バラしやがって!
くそ!俺の顔、赤くなるなよ!
「……そうでしょうか?
私は…ゲイルを大切に思っています。とても…とても大切に。
私にとってゲイルは唯一の特別な人なのです。
ゲイルも同じだと嬉しいのですが…」
「だからなのね。
ゲイルはみんなから愛されるの。誰もがゲイルを好きになるわ。素晴らしい人なんだもの。
だけどね。ゲイルは『みんなのゲイル』なの。特別すぎて、だれもゲイルに必要以上には近寄らない。
ゲイルを愛しても『ゲイルは手に入れてはならない特別な人だ』と距離を置く。
でもあなたは違う。ゲイルだけを必要としてひたすらに求めた。離れなかった。離さなかった。
だからゲイルの穴を埋めることができたんだわ」
お兄様をよろしくね、とエリアナは言った。
とても、とても柔らかく優しい声だった。
「はい」
真摯な声がした。
「私は、ずっとゲイルから離れません。
ゲイルが嫌がるまではずっと。必ず側に居ます」
…何だよ、それ。
まるで神への誓いみたいじゃないか。
俺を可愛がってくれた両親にも。
兄にも。
俺は1番じゃなかった。
俺が治療した患者も元気になれば帰っていく。
元気になっても、何度も何度も俺の元に帰って来る忠犬。
俺のかわいわんこだけは、ずっと俺の側にいた。
俺が寄り添ってやることはあれ、俺に寄り添ってきたのは、ボルゾイだけだった。
わかっちまった。
誰よりも、一緒に居たいと願っていたのは…俺だ。
俺はこいつにずっと俺のかわいいわんこで居て欲しかった。俺の腕の中にいて欲しかったんだ。
木が適度な影を落とし、水上を通る風が心地よい涼を運ぶ。
ここが目的地だ。
果樹をもいで食える木も植えてあるから、デザートは食べ放題である。
ひらりと馬から降りた俺は、とんでもないことに気がついた。
場所を伝えてねえわ!
まあ、敷地内なんだからたかがしれている。
ゆっくり乗馬を楽しみながら散策すれば辿り着くだろう。
とりあえず地面にシートをひき、バスケットから出した皿、サンドイッチ、タペストリーを並べてゆく。
あとは水筒を置いたら完成だ!
「…あいつ、うまくやってるかなー?」
無表情だから、誤解されねえといいが。
まあ、エリアナなら大丈夫か。
意外と話も出来てたもんな。
シートに横になってとりとめもないことを考える。
これでアイツとエリアナがうまくいけば、俺はお払い箱だか…。
ルーの言うように、魔王だかなんだかの呪いからアイツを救うにはこの方がいいんだ。
でなきゃ、俺のかわいいわんこが血染め公爵みてえになっちまう!
俺でなんとかできることならしてやりたかった。
実際、ルーに聞くと俺のヒールでもある程度は効果があり、ヤツの魔王化を食い止めているのだという。
だが、ヒールでは昔から溜め込んでいた全ての浄化にまでは至らないのだそうだ。
無敵だといわれる最強のヒールをもってしてもダメな負の魔力ってなんなんだよ!
そもそも、なんでアイツばかりそんな重いもん背負わされてるんだよ!
いや。よそう。考えたって仕方ねえ。
エリアナに賭けるしかねえんだ。
「あーあ。
女に生まれてりゃアイツを癒してやれたのに…?」
て!クッソ!何考えてんだ俺は!
俺は俺が好きだ。
絶対的能力にも自信があるが、自分で選び、学んで来た医者としての自分が好きなのだ。
俺が女ならこんな道は選べなかっただろう。
伯爵家当主でありながら、医者でありヒーラーでもある。
貴族から金をむしりとり、平民の治療は格安で行う。
そんな自分を気に入っているし、この人生に後悔は無い。
てか、アイツが女なら良かったんじゃねーの⁈
いや、魔王になるのは男だけだっけか。
あーーー!!!
もう知るか!
なるようになるだろう。
頬を撫でる風が心地いい。
サラサラとなる木立の音を聞きながらぼうっとしていたら、いつの間にかうとうとしていたようだ。
2人もとうに到着いていたらしくエリアナの声がする。
「うふふ。お兄様ったら寝てしまわれてるわ。
見て!寝ている時は存外かわいいお顔をしているでしょう?」
耳元で衣擦れの音。
「ふふ。そうですね。
昔からいつも長年生きた大人のような表情をされていましたが…眠っている時は存外いとけない表情になるのです」
ボルゾイの優しい指が俺の前髪をかきあげた。
顔に視線を感じる。
「…よく眠っていますね。
最近疲れていたようですし、このまま寝かせておいて良いですか?」
「そうね。では私たちは先にいただいちゃいましょう!
ほら!あなた少し痩せすぎじゃない?
もっと肉をつけなきゃ。沢山召し上がって!」
「ゲイルにもいつも言われています。
これでもかなり食事を摂るようにはなったのですが…」
「まだまだ足りないわ!
うちの家系はね。食いしん坊ばかりなの。
ゲイルなんて食いしん坊すぎて自分で料理するようになったのよ」
「ああ!ゲイルの料理はとても美味しい。
ゲイルのところに通わせていただくようになって、私は初めて食事が美味しいと思うようになりました」
「うふふ。お兄様に餌付けされちゃったのねえ」
「……そうかもしれません。
ゲイルが私を拾ってくれたのです。ゲイルが私に食事の楽しさを教えてくれました」
「沢山食べさせてもらいなさい。
お兄様には拾った責任があるんですから」
クスクスとエリアナが笑う。
その間も優しい指は俺を撫で続けている。
2人はとても気があっているようだ。
これなら…俺が居なくても…
このまま眠ったふりをしてやるか、ら
「あのね。お兄様って強い人でしょう?」
「ええ。とても…とても強い人だ。強くて美しい」
「でもね。とっても寂しがり屋さんなの」
「ええ。知っています」
「なんでも出来て、なんでも持っているお兄様なのに。
だからかしら?みんなから必要とされて。でもお兄様はなにも必要としないの。
お兄様にはね、どこかに穴があいているの。でも私たちではお兄様のその穴を埋めてあげることはできなかった」
「………」
「でもね。どこかで拾ったわんこがその穴を埋めたわ。
うふふ。
お会いしたときお話したわよね?
お兄様ね、あなたのこと『俺のかわいいわんこ』って言ってたのよ?
こんなに大きくなってもまだそう言ってるの。
きっとあなたが可愛くてたまらないのね」
エリアナ!バラしやがって!
くそ!俺の顔、赤くなるなよ!
「……そうでしょうか?
私は…ゲイルを大切に思っています。とても…とても大切に。
私にとってゲイルは唯一の特別な人なのです。
ゲイルも同じだと嬉しいのですが…」
「だからなのね。
ゲイルはみんなから愛されるの。誰もがゲイルを好きになるわ。素晴らしい人なんだもの。
だけどね。ゲイルは『みんなのゲイル』なの。特別すぎて、だれもゲイルに必要以上には近寄らない。
ゲイルを愛しても『ゲイルは手に入れてはならない特別な人だ』と距離を置く。
でもあなたは違う。ゲイルだけを必要としてひたすらに求めた。離れなかった。離さなかった。
だからゲイルの穴を埋めることができたんだわ」
お兄様をよろしくね、とエリアナは言った。
とても、とても柔らかく優しい声だった。
「はい」
真摯な声がした。
「私は、ずっとゲイルから離れません。
ゲイルが嫌がるまではずっと。必ず側に居ます」
…何だよ、それ。
まるで神への誓いみたいじゃないか。
俺を可愛がってくれた両親にも。
兄にも。
俺は1番じゃなかった。
俺が治療した患者も元気になれば帰っていく。
元気になっても、何度も何度も俺の元に帰って来る忠犬。
俺のかわいわんこだけは、ずっと俺の側にいた。
俺が寄り添ってやることはあれ、俺に寄り添ってきたのは、ボルゾイだけだった。
わかっちまった。
誰よりも、一緒に居たいと願っていたのは…俺だ。
俺はこいつにずっと俺のかわいいわんこで居て欲しかった。俺の腕の中にいて欲しかったんだ。
605
あなたにおすすめの小説
転生したようだけど?流れに身を任せていたら悪役令息?として断罪されていた――分からないまま生きる。
星乃シキ
BL
発作の後に目覚めたら、公爵家嫡男の身体だった。
前世の記憶だけを抱えたまま生きるレイは、ある夜、男の聖女への嫌がらせの罪で断罪される。
だが図書室の記録が冤罪を覆す。
そしてレイは知る。
聖女ディーンの本当の名はアキラ。
同じ日本から来た存在だった。
帰りたい聖女と、この身体で生きるレイ。
秘密を共有した二人は、友達になる。
人との関わりを避けてきたレイの人間関係が、少しずつ動き始める。
私の息子を“愛人の子の下”にすると言った夫へ──その瞬間、正妻の役目は終わりました
放浪人
恋愛
政略結婚で伯爵家に嫁いだ侯爵令嬢リディアは、愛のない夫婦関係を「正妻の務め」と割り切り、赤字だらけの領地を立て直してきた。帳簿を整え、税の徴収を正し、交易路を広げ、収穫が不安定な年には備蓄を回す――伯爵家の体裁を保ってきたのは、いつも彼女の実務だった。
だがある日、夫オスヴァルドが屋敷に連れ帰ったのは“幼馴染”の女とその息子。
「彼女は可哀想なんだ」
「この子を跡取りにする」
そして人前で、平然と言い放つ。
――「君の息子は、愛人の子の“下”で学べばいい」
その瞬間、リディアの中で何かが静かに終わった。怒鳴らない。泣かない。微笑みすら崩さない。
「承知しました。では――正妻の役目は終わりましたね」
大根令嬢の雑学無双、王弟殿下を添えて。~ 前世を思い出したので、許婚をほったらかして人助けしまくります!!
古森真朝
恋愛
気弱な伯爵令嬢のカレンは、自分勝手な婚約者レナートに振り回されていた。耐え続けていたある日、舞踏会で何者かに突き飛ばされ、階段から落ちてしまう。
その傷が元で儚く……なるかと思いきや。衝撃で前世を思い出したカレンは一転、かの『ド根性大根』みたいな超・ポジティブ人間になっていた。
『モラハラ婚約者の思惑なんぞ知るか!! 今度こそ好きなことやって、目いっぱい幸せに長生きするんだから!!!』
昔ひたすら読書に耽って身に着けた『雑学』を武器に、うっかり採れ過ぎた作物や、開墾しようとすると不幸に見舞われる土地、不治の病にかかった王族、等々の問題をどんどん解決。
領地の内外で心強い友人が出来たり、いつの間にかものすごく有名になっていたり、何かと協力してくれる王弟ヴィクトルから好意を寄せられたり(注:気付いてない)する中、温かい家族と共に仕事に励んでいく。
一方、前世から因縁のある人々もまた、こちらに転生していて――
【完結】辺境に飛ばされた子爵令嬢、前世の経営知識で大商会を作ったら王都がひれ伏したし、隣国のハイスペ王子とも結婚できました
いっぺいちゃん
ファンタジー
婚約破棄、そして辺境送り――。
子爵令嬢マリエールの運命は、結婚式直前に無惨にも断ち切られた。
「辺境の館で余生を送れ。もうお前は必要ない」
冷酷に告げた婚約者により、社交界から追放された彼女。
しかし、マリエールには秘密があった。
――前世の彼女は、一流企業で辣腕を振るった経営コンサルタント。
未開拓の農産物、眠る鉱山資源、誠実で働き者の人々。
「必要ない」と切り捨てられた辺境には、未来を切り拓く力があった。
物流網を整え、作物をブランド化し、やがて「大商会」を設立!
数年で辺境は“商業帝国”と呼ばれるまでに発展していく。
さらに隣国の完璧王子から熱烈な求婚を受け、愛も手に入れるマリエール。
一方で、税収激減に苦しむ王都は彼女に救いを求めて――
「必要ないとおっしゃったのは、そちらでしょう?」
これは、追放令嬢が“経営知識”で国を動かし、
ざまぁと恋と繁栄を手に入れる逆転サクセスストーリー!
※表紙のイラストは画像生成AIによって作られたものです。
【WEB版】監視が厳しすぎた嫁入り生活から解放されました~冷徹無慈悲と呼ばれた隻眼の伯爵様と呪いの首輪~【BL・オメガバース】
古森きり
BL
【書籍化決定しました!】
詳細が決まりましたら改めてお知らせにあがります!
たくさんの閲覧、お気に入り、しおり、感想ありがとうございました!
アルファポリス様の規約に従い発売日にURL登録に変更、こちらは引き下げ削除させていただきます。
政略結婚で嫁いだ先は、女狂いの伯爵家。
男のΩである僕には一切興味を示さず、しかし不貞をさせまいと常に監視される生活。
自分ではどうすることもできない生活に疲れ果てて諦めた時、夫の不正が暴かれて失脚した。
行く当てがなくなった僕を保護してくれたのは、元夫が口を開けば罵っていた政敵ヘルムート・カウフマン。
冷徹無慈悲と呼び声高い彼だが、共に食事を摂ってくれたりやりたいことを応援してくれたり、決して冷たいだけの人ではなさそうで――。
カクヨムに書き溜め。
小説家になろう、アルファポリス、BLoveにそのうち掲載します。
過労死転生した公務員、魔力がないだけで辺境に追放されたので、忠犬騎士と知識チートでざまぁしながら領地経営はじめます
水凪しおん
BL
過労死した元公務員の俺が転生したのは、魔法と剣が存在する異世界の、どうしようもない貧乏貴族の三男だった。
家族からは能無しと蔑まれ、与えられたのは「ゴミ捨て場」と揶揄される荒れ果てた辺境の領地。これは、事実上の追放だ。
絶望的な状況の中、俺に付き従ったのは、無口で無骨だが、その瞳に確かな忠誠を宿す一人の護衛騎士だけだった。
「大丈夫だ。俺がいる」
彼の言葉を胸に、俺は決意する。公務員として培った知識と経験、そして持ち前のしぶとさで、この最悪な領地を最高の楽園に変えてみせると。
これは、不遇な貴族と忠実な騎士が織りなす、絶望の淵から始まる領地改革ファンタジー。そして、固い絆で結ばれた二人が、やがて王国を揺るがす運命に立ち向かう物語。
無能と罵った家族に、見て見ぬふりをした者たちに、最高の「ざまぁ」をお見舞いしてやろうじゃないか!
【大賞・完結】地味スキル《お片付け》は最強です!社畜OL、異世界でうっかり国を改革しちゃったら、騎士団長と皇帝陛下に溺愛されてるんですが!?
旅する書斎(☆ほしい)
ファンタジー
【第18回ファンタジー小説大賞で大賞をいただきました】→【規約変更で書籍化&コミカライズ「確約」は取り消しになりました。】
佐藤美佳子(サトウ・ミカコ)、享年28歳。死因は、過労。連日の徹夜と休日出勤の果てに、ブラック企業のオフィスで静かに息を引き取った彼女が次に目覚めたのは、剣と魔法のファンタジー世界だった。
新たな生を受けたのは、田舎のしがない貧乏貴族の娘、ミカ・アシュフィールド、16歳。神様がくれた転生特典は、なんと《完璧なる整理整頓》という、とんでもなく地味なスキルだった。
「せめて回復魔法とかが良かった……」
戦闘にも生産にも役立たないスキルに落胆し、今度こそは静かに、穏やかに生きたいと願うミカ。しかし、そんな彼女のささやかな望みは、王家からの突然の徴収命令によって打ち砕かれる。
「特殊技能持ちは、王宮へ出仕せよ」
家族を守るため、どうせ役立たずと追い返されるだろうと高をくくって王都へ向かったミカに与えられた任務は、あまりにも無謀なものだった。
「この『開かずの倉庫』を、整理せよ」
そこは、数百年分の備品や資材が山と積まれ、あまりの混沌ぶりに探検隊が遭難したとまで噂される、王家最大の禁足地。
絶望的な光景を前に、ミカが覚悟を決めてスキルを発動した瞬間――世界は、彼女の「お片付け」が持つ真の力に震撼することになる。
これは、地味スキルでうっかり国のすべてを最適化してしまった元社畜令嬢が、カタブツな騎士団長や有能すぎる皇帝陛下にその価値を見出され、なぜか過保護に甘やかされてしまう、お仕事改革ファンタジー。
伝説のS級おじさん、俺の「匂い」がないと発狂して国を滅ぼすらしいい
マンスーン
BL
ギルドの事務職員・三上薫は、ある日、ギルドロビーで発作を起こしかけていた英雄ガルド・ベルンシュタインから抱きしめられ、首筋を猛烈に吸引。「見つけた……俺の酸素……!」と叫び、離れなくなってしまう。
最強おじさん(変態)×ギルドの事務職員(平凡)
世界観が現代日本、異世界ごちゃ混ぜ設定になっております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる