【完結】俺が聖女⁈いや、ねえわ!全力回避!(ゲイルの話)  ※番外編不定期更新

をち。「もう我慢なんて」書籍発売中

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アイデンティティ

朝チュン

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腐腐腐な朝チュンでございます(*´ 艸`)

もしもご要望があれば、間話にてウフフなシーンを後日あげさせて頂く…かもしれません

※※※※※※※※


「う…」

身体中が痛い。
なんだ……これ……。

⁉︎

起きあがろうとしたが動けない。
俺の身体に男の腕が巻き付いていたからだ。

思い出した瞬間、があっと頭に血が昇った。

あああああ!

耳に何度も吹き込まれた熱い吐息混じりの声が、脳内で勝手に再生される。

「ゲイル……好きです」「ああ。可愛い。愛しています」「私のゲイル」

熱情に染まる白皙の美貌。潤んだ瞳からこぼれ落ちる涙を、俺は美しいと思った。
だから身体の奥を暴かれることを許したのだ。



俺はコイツがかわいい。魔王になんてしてやるつもりはない。
こいつの中に溜まっているという負の魔力。俺のどんな力が作用するのか知らんが、きちんと浄化できただろうか。

「うん、できたよ!やったね、ゲイル!さすが聖女!」

ぽむ!
突然ルーが空中に出現した。

「お、お前!まさか出歯亀してやがったのか⁈」

まさか昨晩のアレを…!

するとルーは慌てたように首を振る。

「まさかそんなことしないよう!負の魔力が消えたのを感じたから来たの。
ゲイルの力は歴代最強だから、多分、グランディールから魔王が生まれることはもう無いと思うよ。根本のシステム?負の魔力を集める性質をけしちゃったから」
「それは大丈夫なのか?集めて浄化しなきゃ、負の魔力はどうなるんだ?」
「あのね。トンネルになったの。グランディールが吸ったらそのまま負の魔力は消えて、きれいになってでるの!」

な、なんだかわからんが凄えな!

「とにかく、もうグランディールも国も大丈夫なんだな⁈」
「うん!大丈夫ー!」

ガクリと身体の力が抜けるのがわかった。コイツはもう大丈夫なんだ。良かった……!

ポトリ。
ポトリポトリ。

勝手に目から水が溢れて落ちる。

プライドとか男同士だとかどうでもいい。俺がコイツをなんとかしてやりたかったんだ。
エリアナとなら婚姻を結び幸せに生きられると思った。家族に恵まれなかったこいつに、サフィールという温かな家族を与えてやりたかった。
でも……手放してやれなかった。手放してもらえなかった。

俺でいいか?
お前の側にいるのは、俺でもいいのだろうか?


ギュウ!

温かな腕が俺を包み込んだ。

「泣かないでください。……後悔していますか?」
「ふは!後悔?しねえよ!もうお前を離してやれねえな、って思ってたとこだ」
「ふふ。嬉しいです。離さないでください。私も決してあなたを離しませんから。離れたくなったら、私を殺してください」
「俺は医者だぞ?命を助けるのが仕事だ。殺せるかよ」
「なら、ずっと一緒ですね」

ちゅ。ちゅ。
また俺のあちこちに口づけし始めるフィオ。

「お、おい!まさか……!」
「足りません。もっとあなたを……愛させて?」



俺はとんでもないものを育ててしまったのかもしれない。
痛む腰にヒールをかけながら、俺は笑った。

しょうがねえなあ、もう!










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