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幼なじみのゲーマー
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二人は慎重に階段を降りる。
隙間風すらなく空気が全く動かないからか、階段を進むたびに淀んだ空気に身体を包まれるような感覚があった。
「これ、何か得体の知れないガスとかで死んだりしないよな?」
「どうかしら。ラフクエなら有り得なくもないけど、死んでもロトの町で復活できるから安心して」
冗談じゃない、とユーサは心の中で言い返した。
死ぬ前提で攻略を進めるなんて魔王を倒してきた異世界の勇者だからという前にゲーマーとしての矜持が許さない。
インベントリを開き持ち物を確認する。
ゲームを始めた時から持っていた回復薬(小)が三つある。
初期アイテムだから効果は低いかもしれないがないよりはマシだ。
ユーサはいつでも回復薬を使える準備をしながら慎重に進んでいった。
地下といってもそこまで深いわけではない。
何段か降りると石造りの地下室に辿り着いた。
「ガスは……ないな」
鼻をひくひくと動かして臭いを確認する。
異臭はしない。
無臭のガスもあるのかもしれないが、自分のステータスを確認する限り異常はないようだ。
それにしても暗い。
隙間から光が漏れていた上とは違い、地下室は完全な暗闇だった。
目が慣れるのを少し待ってからユーサは光源を探した。
地質学者が実在したにしろ、設定上だけの存在にしろここで研究をしていたのなら何か灯りがあるはず。
目を凝らすと壁沿いに立て掛けるタイプのろうそくがうっすらと見えた。
手にとって確認してみると、どうやらまだ使えそうだ。
後はマッチか何かがあればいい。
「アレ、使ってみるか」
ユーサは呟き、インベントリから杖を取り出す。
つい先ほどリサに案内されて入った店で購入した剣の形を模した杖である。
店長の説明では使える魔法は二つ。
その中に火の魔法があったことを思い出したのだ。
蝋燭に杖を向けて魔法を唱える。
ぼうっと杖の先が光り、そこから火の玉が飛び出した。
火の玉といっても大きさはライターの火ぐらい。
店長も言っていたように戦闘で使えるような魔法ではなさそうだ。
それでも蝋燭に火はついて、地下室は薄らと明るくなった。
輪郭しか捉えられていなかった机やら何やらの姿がはっきりとすると不思議とどこかホッとする。
「上とは違ってあからさまに研究してましたって感じじゃない?」
リサの声が期待に弾む。
確かに、生活感すらなかった上の階とは違い地下には何らかの資料が乱雑に放置されている。
ゲーム内だから当然なのかもしれないが、資料は日本語で書かれている。
それにさっと目を通しながらユーサは「異世界では大変だったな」と思い返していた。
召喚された異世界は日本語が通じる所ではなかったのだ。
会話自体は思念を共有する魔法で問題なく出来たものの、文字に関しては全く理解することができなかった。
識字率が高い日本とは違って、旅の道中で出会った仲間たちにも文字を読める者は限られていたためいつも魔法使いのエルフに助けてもらっていたのだ。
「ねぇ、これ。島の地図よ」
リサが何かを見つけてユーサを呼び止める。
雑にまとめられた資料の束の一番上にファステイルと思しき島の全体像が載っている物を見つけたのだ。
「『ファステイル調査記録』か。可能性があるとしたらそれだな」
ユーサは蝋燭の火を資料に近づけ、じっくりと内容を確かめる。
ここに住んでいたのは確かに地質学者だったようだ。
資料にはファステイルを直接歩いて調べたらしい地質の研究結果と生息している植物やモンスターの情報なんかが詳細に記載されていた。
「『モンスターを統治しているのは悪魔のような角を生やした二足歩行の化け物のようだ』か。こいつがボスモンスターで間違いなさそうだ」
資料の余白に殴り書きされていたメモを読み上げる。
確かにボスモンスターに触れる記載はあるものの名前や生息地に詳しく言及しているわけではなかった。
隙間風すらなく空気が全く動かないからか、階段を進むたびに淀んだ空気に身体を包まれるような感覚があった。
「これ、何か得体の知れないガスとかで死んだりしないよな?」
「どうかしら。ラフクエなら有り得なくもないけど、死んでもロトの町で復活できるから安心して」
冗談じゃない、とユーサは心の中で言い返した。
死ぬ前提で攻略を進めるなんて魔王を倒してきた異世界の勇者だからという前にゲーマーとしての矜持が許さない。
インベントリを開き持ち物を確認する。
ゲームを始めた時から持っていた回復薬(小)が三つある。
初期アイテムだから効果は低いかもしれないがないよりはマシだ。
ユーサはいつでも回復薬を使える準備をしながら慎重に進んでいった。
地下といってもそこまで深いわけではない。
何段か降りると石造りの地下室に辿り着いた。
「ガスは……ないな」
鼻をひくひくと動かして臭いを確認する。
異臭はしない。
無臭のガスもあるのかもしれないが、自分のステータスを確認する限り異常はないようだ。
それにしても暗い。
隙間から光が漏れていた上とは違い、地下室は完全な暗闇だった。
目が慣れるのを少し待ってからユーサは光源を探した。
地質学者が実在したにしろ、設定上だけの存在にしろここで研究をしていたのなら何か灯りがあるはず。
目を凝らすと壁沿いに立て掛けるタイプのろうそくがうっすらと見えた。
手にとって確認してみると、どうやらまだ使えそうだ。
後はマッチか何かがあればいい。
「アレ、使ってみるか」
ユーサは呟き、インベントリから杖を取り出す。
つい先ほどリサに案内されて入った店で購入した剣の形を模した杖である。
店長の説明では使える魔法は二つ。
その中に火の魔法があったことを思い出したのだ。
蝋燭に杖を向けて魔法を唱える。
ぼうっと杖の先が光り、そこから火の玉が飛び出した。
火の玉といっても大きさはライターの火ぐらい。
店長も言っていたように戦闘で使えるような魔法ではなさそうだ。
それでも蝋燭に火はついて、地下室は薄らと明るくなった。
輪郭しか捉えられていなかった机やら何やらの姿がはっきりとすると不思議とどこかホッとする。
「上とは違ってあからさまに研究してましたって感じじゃない?」
リサの声が期待に弾む。
確かに、生活感すらなかった上の階とは違い地下には何らかの資料が乱雑に放置されている。
ゲーム内だから当然なのかもしれないが、資料は日本語で書かれている。
それにさっと目を通しながらユーサは「異世界では大変だったな」と思い返していた。
召喚された異世界は日本語が通じる所ではなかったのだ。
会話自体は思念を共有する魔法で問題なく出来たものの、文字に関しては全く理解することができなかった。
識字率が高い日本とは違って、旅の道中で出会った仲間たちにも文字を読める者は限られていたためいつも魔法使いのエルフに助けてもらっていたのだ。
「ねぇ、これ。島の地図よ」
リサが何かを見つけてユーサを呼び止める。
雑にまとめられた資料の束の一番上にファステイルと思しき島の全体像が載っている物を見つけたのだ。
「『ファステイル調査記録』か。可能性があるとしたらそれだな」
ユーサは蝋燭の火を資料に近づけ、じっくりと内容を確かめる。
ここに住んでいたのは確かに地質学者だったようだ。
資料にはファステイルを直接歩いて調べたらしい地質の研究結果と生息している植物やモンスターの情報なんかが詳細に記載されていた。
「『モンスターを統治しているのは悪魔のような角を生やした二足歩行の化け物のようだ』か。こいつがボスモンスターで間違いなさそうだ」
資料の余白に殴り書きされていたメモを読み上げる。
確かにボスモンスターに触れる記載はあるものの名前や生息地に詳しく言及しているわけではなかった。
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