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初サイドクエスト
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廃墟を出てから、二人は再びロトの町に戻った。
地下室で見つけた資料、それを複製するための手段を思いついたリサの提案である。
思惑どおり、資料を持ち帰っても「盗んだ」という判定にはならなかったようだ。門を超えて何人かの衛兵NPCの前を通り過ぎたが咎められるようなことはなかった。
「それで、一体何を思いついたんだ?」
町の中を迷うことなく歩き進むリサにユーサは尋ねた。
そろそろいったい何をするつもりなのか聞いてもいいはずだ。
「サイドクエストよ。ちょっと気になるやつがあるのよね」
ロトの町の印刷業に関するクエストだとリサは言った。
ユーサがクエスト一覧の画面を出すとサイドクエスト「新人記者のすすめ」が追加されている。
どうやらプレイヤーやNPCからサイドクエストに関する情報を聞くとクエスト一覧に追加される仕組みのようだ。
「それにしても、このクエスト一覧の画面だけやけにゲーム的だよな。リアリティを追求しているっていう割にはこれだけ浮いている」
何気なくそんなことを口にしてみたが、リサはさほど興味を持たなかったようだ。というよりも頭の中は今から受けるサイドクエストのことでいっぱいのように見える。
「ゲームを始めたばかりのプレイヤーが戸惑わないようにそこだけはわかりやすくしたんじゃない?」
とそっけなく答える。
確かに、ユーサがゲームを始めた時も、まず最初にクエスト画面を開いた。
他のゲームを経験したことのあるプレイヤーなら大抵同じことをするだろうからリサの言うことにも一理あった。
ユーサにはもう一つ気になることがあった。
リサがやけに町中をさくさくと進んでいくことだ。
サイドクエストにもそれなりに詳しいし、ゲームを始めて一週間にしてはやたらと詳しい。
「なぁ、今プレイ時間どれくらい?」
何となしにそんなことを尋ねてみると、リサは一瞬沈黙した。
そして質問に答える代わりに「春休みだからね」と短く言った。
その言葉だけで彼女が睡眠時間まで犠牲にしてほとんどラフクエの世界にいるのだとわかる。
「まぁ実際面白いし、ゲーマーなら当然か」
「町の中を探索するだけでも楽しいし、NPCとお喋りしてれば、クエストが勝手に増えていくの。学校が始まった時のことが今から少し怖いわ」
リサがため息を吐く。
実際、リサはラフクエを始めたばかりのプレイヤーの中でもかなり情報通な方になっていた。
それはロトの町とその周辺に限られてはいるが、始めたばかりのプレイヤーにとってはかなり心強い味方だろう。
ユーサが最初に入った武器屋も実は穴場の店だったりする。
ロトの町には武器屋や防具屋の類がいくつかあるが、大抵のプレイヤーは町に入って最初に目に入る一番大きな店に行く。
リサが探索の末見つけたあの小さな店はその一番目立つ店よりも品質が良く、なおかつ安かったのだ。
「さぁ、確かここよ。新聞記者を目指している青年がいる場所は」
ようやくリサが立ち止まったのはさっき立ち寄った武器屋からそれほど離れていない、路地裏にある小さな小屋だった。
どうやらここがサイドクエスト「新人記者のすすめ」のスタート地点らしい。
リサが扉を数回ノックする。
返事はない。
「あれ? いないのかな。おーい、レストさーん」
リサは扉越しに声をかけ、もう一度扉を叩く。
レストというのが新人記者の名前らしい。
ノックに対する返答はなかったが、代わりに中から声が聞こえてくる。
「これじゃないってどういうことですか! 頼まれた品物そのままですよ」
「だから、これは壊れていて使い物にならないんです。他の物じゃないと……」
二人の男性の声だ。
どうやら揉めているらしい。
リサとユーサはお互いに顔を見合わせ、それからうなずいてゆっくりと扉を開いた。
地下室で見つけた資料、それを複製するための手段を思いついたリサの提案である。
思惑どおり、資料を持ち帰っても「盗んだ」という判定にはならなかったようだ。門を超えて何人かの衛兵NPCの前を通り過ぎたが咎められるようなことはなかった。
「それで、一体何を思いついたんだ?」
町の中を迷うことなく歩き進むリサにユーサは尋ねた。
そろそろいったい何をするつもりなのか聞いてもいいはずだ。
「サイドクエストよ。ちょっと気になるやつがあるのよね」
ロトの町の印刷業に関するクエストだとリサは言った。
ユーサがクエスト一覧の画面を出すとサイドクエスト「新人記者のすすめ」が追加されている。
どうやらプレイヤーやNPCからサイドクエストに関する情報を聞くとクエスト一覧に追加される仕組みのようだ。
「それにしても、このクエスト一覧の画面だけやけにゲーム的だよな。リアリティを追求しているっていう割にはこれだけ浮いている」
何気なくそんなことを口にしてみたが、リサはさほど興味を持たなかったようだ。というよりも頭の中は今から受けるサイドクエストのことでいっぱいのように見える。
「ゲームを始めたばかりのプレイヤーが戸惑わないようにそこだけはわかりやすくしたんじゃない?」
とそっけなく答える。
確かに、ユーサがゲームを始めた時も、まず最初にクエスト画面を開いた。
他のゲームを経験したことのあるプレイヤーなら大抵同じことをするだろうからリサの言うことにも一理あった。
ユーサにはもう一つ気になることがあった。
リサがやけに町中をさくさくと進んでいくことだ。
サイドクエストにもそれなりに詳しいし、ゲームを始めて一週間にしてはやたらと詳しい。
「なぁ、今プレイ時間どれくらい?」
何となしにそんなことを尋ねてみると、リサは一瞬沈黙した。
そして質問に答える代わりに「春休みだからね」と短く言った。
その言葉だけで彼女が睡眠時間まで犠牲にしてほとんどラフクエの世界にいるのだとわかる。
「まぁ実際面白いし、ゲーマーなら当然か」
「町の中を探索するだけでも楽しいし、NPCとお喋りしてれば、クエストが勝手に増えていくの。学校が始まった時のことが今から少し怖いわ」
リサがため息を吐く。
実際、リサはラフクエを始めたばかりのプレイヤーの中でもかなり情報通な方になっていた。
それはロトの町とその周辺に限られてはいるが、始めたばかりのプレイヤーにとってはかなり心強い味方だろう。
ユーサが最初に入った武器屋も実は穴場の店だったりする。
ロトの町には武器屋や防具屋の類がいくつかあるが、大抵のプレイヤーは町に入って最初に目に入る一番大きな店に行く。
リサが探索の末見つけたあの小さな店はその一番目立つ店よりも品質が良く、なおかつ安かったのだ。
「さぁ、確かここよ。新聞記者を目指している青年がいる場所は」
ようやくリサが立ち止まったのはさっき立ち寄った武器屋からそれほど離れていない、路地裏にある小さな小屋だった。
どうやらここがサイドクエスト「新人記者のすすめ」のスタート地点らしい。
リサが扉を数回ノックする。
返事はない。
「あれ? いないのかな。おーい、レストさーん」
リサは扉越しに声をかけ、もう一度扉を叩く。
レストというのが新人記者の名前らしい。
ノックに対する返答はなかったが、代わりに中から声が聞こえてくる。
「これじゃないってどういうことですか! 頼まれた品物そのままですよ」
「だから、これは壊れていて使い物にならないんです。他の物じゃないと……」
二人の男性の声だ。
どうやら揉めているらしい。
リサとユーサはお互いに顔を見合わせ、それからうなずいてゆっくりと扉を開いた。
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