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1章
第4話 寄生虫としての本質。
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みなさんこんにちは。
本日みなさんにご紹介するのは、ここ!
ボコボコと飛沫を上げ、シューという音を立てながら立ち上る蒸気、個性豊かなマスコットキャラもいる、今話題のあの場所!
タガメ(仮)リゾートスパです!
なんとここ、天然温泉なんですねぇ。
入った人は、皆リフレッシュして、極楽気分だそうですよ!
ほら、また一人、入場者の方がいらっしゃいました!
湯加減はどうですか?
ふむふむ。天にも昇る気持ちで最高! ですって?
はしゃぎまくってますねー!
はい! それでは、現場のライトからは以上でしたー!
スタジオにお返ししまーす!
はい、茶番をひとしきりやったところで、状況を、整理しようか。
目の前でバチャバチャと悶えながら消化されていく、よく分からない虫がいる。
ここは恐らく、タガメ(仮)の人間でいう、胃や腸なんかだろ。
水やら獲物やらが、来ては溶けてる。
どうやら俺は、寄生虫だからか、消化系の耐性がある為、特にこの環境で死ぬって事はないらしい。
一安心ではあるが、状況は已然として変わらない。
今のままでは出れないのだから。
いや、一つ手が無いことはない。
しかし、それを選ぶのは元人間としては、憚られるものだ。
だって、う○ことして出ていくって事だよ?
嫌だろそんなもん。
そうなると、これは最終手段として、他の手を考える必要がある。
まず、来た道を戻る。
これは却下。
生物の構造上、入るのは簡単だけど、出るのは恐らく大変だ。
次に別の出口を探す。
これは、ある意味アリだ。
昆虫の構造には詳しくないけど、もしかすると、排泄口以外の出口があるかもしれない。
問題は俺の身体には、手や足がなく、マトモに動けない事。
最後、恐らくこれが一番可能性がありそうだけど、どうなるか解らないから、一番リスクがあると思われる。
スキル『寄生』の使用。
ううむ。
名前と種族から考えると、状況的にも最適解なんだけど。
いかんせん、ここが常識が違う異世界だって事なんだよね。
もしも、このスキルが使用対象に同化したり、生死を共にする様なスキルだった場合、強いかどうかも解らない。
いや、恐らく生態系では下位に位置する昆虫と一蓮托生になってしまう。
これはまずい。
ぬぬぬぬ。
考えても仕方ない。
現在の俺はHP3の最下層だ。
下手に出ても死ぬ。
ならば、ここはリスクを負ってでも、これに賭けるしかないだろう。
ということで、スキル『寄生』発動!
……
…………
………………
……………………うん。
スキルってどうやって発動するのかな?
とりあえず、色々試してみようとすると、頭に文字が浮かび上がった。
『宿主より経験値を獲得しました。LVが上がりました。LV:1→LV:2』
『宿主より経験値を獲得しました。LVが上がりました。LV:2→LV:3』
『スキルLVが上がりました。寄生LV:1→LV:2』
おおぅ!?
え? 何?
もうスキル発動出来てるってこと?
なんも変わってる気がしないんだけど?
とりあえず、LVが上がったらしいので、ステータスを再確認してみる。
【キリュウ ライト】
【種族】寄生虫(幼体)【宿主】昆虫
【LV:3】
【HP:9】
【MP:0】
【所持スキル】
寄生LV:2、酸耐性LV:10、毒耐性LV:10、腐蝕耐性LV:10
【レンタルスキル】
水泳LV:2
【称号】
転生者
本日みなさんにご紹介するのは、ここ!
ボコボコと飛沫を上げ、シューという音を立てながら立ち上る蒸気、個性豊かなマスコットキャラもいる、今話題のあの場所!
タガメ(仮)リゾートスパです!
なんとここ、天然温泉なんですねぇ。
入った人は、皆リフレッシュして、極楽気分だそうですよ!
ほら、また一人、入場者の方がいらっしゃいました!
湯加減はどうですか?
ふむふむ。天にも昇る気持ちで最高! ですって?
はしゃぎまくってますねー!
はい! それでは、現場のライトからは以上でしたー!
スタジオにお返ししまーす!
はい、茶番をひとしきりやったところで、状況を、整理しようか。
目の前でバチャバチャと悶えながら消化されていく、よく分からない虫がいる。
ここは恐らく、タガメ(仮)の人間でいう、胃や腸なんかだろ。
水やら獲物やらが、来ては溶けてる。
どうやら俺は、寄生虫だからか、消化系の耐性がある為、特にこの環境で死ぬって事はないらしい。
一安心ではあるが、状況は已然として変わらない。
今のままでは出れないのだから。
いや、一つ手が無いことはない。
しかし、それを選ぶのは元人間としては、憚られるものだ。
だって、う○ことして出ていくって事だよ?
嫌だろそんなもん。
そうなると、これは最終手段として、他の手を考える必要がある。
まず、来た道を戻る。
これは却下。
生物の構造上、入るのは簡単だけど、出るのは恐らく大変だ。
次に別の出口を探す。
これは、ある意味アリだ。
昆虫の構造には詳しくないけど、もしかすると、排泄口以外の出口があるかもしれない。
問題は俺の身体には、手や足がなく、マトモに動けない事。
最後、恐らくこれが一番可能性がありそうだけど、どうなるか解らないから、一番リスクがあると思われる。
スキル『寄生』の使用。
ううむ。
名前と種族から考えると、状況的にも最適解なんだけど。
いかんせん、ここが常識が違う異世界だって事なんだよね。
もしも、このスキルが使用対象に同化したり、生死を共にする様なスキルだった場合、強いかどうかも解らない。
いや、恐らく生態系では下位に位置する昆虫と一蓮托生になってしまう。
これはまずい。
ぬぬぬぬ。
考えても仕方ない。
現在の俺はHP3の最下層だ。
下手に出ても死ぬ。
ならば、ここはリスクを負ってでも、これに賭けるしかないだろう。
ということで、スキル『寄生』発動!
……
…………
………………
……………………うん。
スキルってどうやって発動するのかな?
とりあえず、色々試してみようとすると、頭に文字が浮かび上がった。
『宿主より経験値を獲得しました。LVが上がりました。LV:1→LV:2』
『宿主より経験値を獲得しました。LVが上がりました。LV:2→LV:3』
『スキルLVが上がりました。寄生LV:1→LV:2』
おおぅ!?
え? 何?
もうスキル発動出来てるってこと?
なんも変わってる気がしないんだけど?
とりあえず、LVが上がったらしいので、ステータスを再確認してみる。
【キリュウ ライト】
【種族】寄生虫(幼体)【宿主】昆虫
【LV:3】
【HP:9】
【MP:0】
【所持スキル】
寄生LV:2、酸耐性LV:10、毒耐性LV:10、腐蝕耐性LV:10
【レンタルスキル】
水泳LV:2
【称号】
転生者
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