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アルム四神編
第九話 : アーム
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床に落ちていたアームを調べた所、どうやらスピーカーアームのようだった。
祖母の話では、俺はスピーカーアームの者らしいが......
何故ここに置いてあるのか、
何よりも、もし誰かがここに置いたのであれば、それは空き巣ではないのだろうか。
様々な考えが頭をめぐる。
一旦落ち着こう。鍵が閉まっていたのだから、きっと大丈夫な筈だ。
薄汚れたバッグから携帯を取り出し、電話する。相手は、祖母だ。
「もしもし。さっきはありがとう。早速なんだけど......」
先ほどまでの事を離すと、まさかと言わんばかりに祖母は慌てたような声でドアを閉めた。
電話越しに、大きな物音が鳴っていて、少しした時に祖母は戻り、
大きな紙の音を鳴らしながら俺にこう話した。
「そのアーム、どこかにお前と同じ刻印があるところがないかい?」
初めて手に取った時にそれがあった事をふと思い出し、まっすぐな声で祖母に向かって伝えた。
すると祖母は、先ほどまでの慌てた様子はなくなり、落ち着いた声で俺に伝えた。
「それは君の信仰する神からの授け物さ」
俺は妙に納得がいってしまう。今日一日、いろいろありすぎたんだ。
ありすぎて何故かもう慣れてきてすらある。
何故慌てたのかを聞いた。すると、刻印がついてから数日経ってから届くらしいのだが、
刻印がついたその日かつ、梱包もされないままに置いてあったのを聞いて少し驚いてしまったそうだ。
慌てたのは、困惑による物だったと、そう言われた。
まぁ、特に俺に害があるような事にはなかったので、
今日の感謝を含めて世間話を数分程続けた。
口を緩めて微笑みながら静かに電話を切る。
俺は、汚い部屋の片隅にある薄汚れたベッドに体を投げると、
授け物アームを舐めまわすかのようにじっくりと見た。
厳つい形とは裏腹に案外動きは柔軟だ。
これが一体何のために俺に授けたのか、理由は全く分からない。
しかし、これが俺のために作られたのかと思うと、
あまりの現実味の無さに笑えてきて妙に嬉しい。
この物体を見るまでは、空き巣にでもやられたか。
何か盗まれた物はないかと焦燥していたものだが、兎に角、何事もなくて良かった。
安堵した思いが体に現れたのか、はたまた今日一日のエネルギーの消費量がとてつもなかったのか、
全く分からないが大きな睡魔に襲われる。
電気も付けず、シャワーも浴びないまま俺は眠りにつく。
その晩、俺は夢を見た。
夢の中で誰かが俺に呼びかけていた。
「......て......きて......起きて......!!!!」
月明かりが俺を静かに照らす午前4時。俺ははっと目が覚めた。
今さっき誰かに起こされたような気がした。
体に違和感を感じたので、一旦起き上がろうと体を起こしてしてみるが、何故かビクともしない。
何だこれは、金縛りと感覚が違うぞ。
意識がはっきりとしてくるにつれて、体の重さが伝わってくる。
ヒシヒシと感じるこの不気味な空気。
目がまだ開かない。とても瞼が重苦しい。
いつまでこの状態なのか、不安と恐怖に駆られながら待った。
ひたすら落ち着くのを待った。
ある時、一瞬体が軽くなったタイミングが何度かあったため、
4回目の一瞬をついて瞼を開け体を起こす。起こした瞬間に再び体の重い感覚が戻る。
目がまだ起きてないようで、視界はぼやけているが、
何とか目を無理やり起こさせる。
体には、それは大きく、たくましい姿のスピーカーアーム。
関節のように可動部を動かしながら俺の上に乗っていた。
「おい......なんだよこれ......」
自分では喋ったつもりだったが、声が出せない。
恐怖に耐えきれなくなりそうなその時に、
スピーカーアームは落ち着きを取り戻したのか、元の姿に戻ってしまった。
今の現象が何だったのかと、頭を回転させる。
刻印の付いている場所が、妙に痛む。
体がふっと軽くなり、腕が自由に動かせるようになった。
自分の額を触る。刻印の場所がじんわりと熱を持っており、体温も相まって温かい。
触れた温もりが、俺の恐怖を和らいでくれる。
「これは、また祖母に聞かないといけないパターンなのか......?もういいよ......」
そうして俺は、ぐしゃぐしゃになった布団を綺麗に整え、再び眠りについた。
明日こそは、普段の生活に戻っていますようにと。
祖母の話では、俺はスピーカーアームの者らしいが......
何故ここに置いてあるのか、
何よりも、もし誰かがここに置いたのであれば、それは空き巣ではないのだろうか。
様々な考えが頭をめぐる。
一旦落ち着こう。鍵が閉まっていたのだから、きっと大丈夫な筈だ。
薄汚れたバッグから携帯を取り出し、電話する。相手は、祖母だ。
「もしもし。さっきはありがとう。早速なんだけど......」
先ほどまでの事を離すと、まさかと言わんばかりに祖母は慌てたような声でドアを閉めた。
電話越しに、大きな物音が鳴っていて、少しした時に祖母は戻り、
大きな紙の音を鳴らしながら俺にこう話した。
「そのアーム、どこかにお前と同じ刻印があるところがないかい?」
初めて手に取った時にそれがあった事をふと思い出し、まっすぐな声で祖母に向かって伝えた。
すると祖母は、先ほどまでの慌てた様子はなくなり、落ち着いた声で俺に伝えた。
「それは君の信仰する神からの授け物さ」
俺は妙に納得がいってしまう。今日一日、いろいろありすぎたんだ。
ありすぎて何故かもう慣れてきてすらある。
何故慌てたのかを聞いた。すると、刻印がついてから数日経ってから届くらしいのだが、
刻印がついたその日かつ、梱包もされないままに置いてあったのを聞いて少し驚いてしまったそうだ。
慌てたのは、困惑による物だったと、そう言われた。
まぁ、特に俺に害があるような事にはなかったので、
今日の感謝を含めて世間話を数分程続けた。
口を緩めて微笑みながら静かに電話を切る。
俺は、汚い部屋の片隅にある薄汚れたベッドに体を投げると、
授け物アームを舐めまわすかのようにじっくりと見た。
厳つい形とは裏腹に案外動きは柔軟だ。
これが一体何のために俺に授けたのか、理由は全く分からない。
しかし、これが俺のために作られたのかと思うと、
あまりの現実味の無さに笑えてきて妙に嬉しい。
この物体を見るまでは、空き巣にでもやられたか。
何か盗まれた物はないかと焦燥していたものだが、兎に角、何事もなくて良かった。
安堵した思いが体に現れたのか、はたまた今日一日のエネルギーの消費量がとてつもなかったのか、
全く分からないが大きな睡魔に襲われる。
電気も付けず、シャワーも浴びないまま俺は眠りにつく。
その晩、俺は夢を見た。
夢の中で誰かが俺に呼びかけていた。
「......て......きて......起きて......!!!!」
月明かりが俺を静かに照らす午前4時。俺ははっと目が覚めた。
今さっき誰かに起こされたような気がした。
体に違和感を感じたので、一旦起き上がろうと体を起こしてしてみるが、何故かビクともしない。
何だこれは、金縛りと感覚が違うぞ。
意識がはっきりとしてくるにつれて、体の重さが伝わってくる。
ヒシヒシと感じるこの不気味な空気。
目がまだ開かない。とても瞼が重苦しい。
いつまでこの状態なのか、不安と恐怖に駆られながら待った。
ひたすら落ち着くのを待った。
ある時、一瞬体が軽くなったタイミングが何度かあったため、
4回目の一瞬をついて瞼を開け体を起こす。起こした瞬間に再び体の重い感覚が戻る。
目がまだ起きてないようで、視界はぼやけているが、
何とか目を無理やり起こさせる。
体には、それは大きく、たくましい姿のスピーカーアーム。
関節のように可動部を動かしながら俺の上に乗っていた。
「おい......なんだよこれ......」
自分では喋ったつもりだったが、声が出せない。
恐怖に耐えきれなくなりそうなその時に、
スピーカーアームは落ち着きを取り戻したのか、元の姿に戻ってしまった。
今の現象が何だったのかと、頭を回転させる。
刻印の付いている場所が、妙に痛む。
体がふっと軽くなり、腕が自由に動かせるようになった。
自分の額を触る。刻印の場所がじんわりと熱を持っており、体温も相まって温かい。
触れた温もりが、俺の恐怖を和らいでくれる。
「これは、また祖母に聞かないといけないパターンなのか......?もういいよ......」
そうして俺は、ぐしゃぐしゃになった布団を綺麗に整え、再び眠りについた。
明日こそは、普段の生活に戻っていますようにと。
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