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一章
1話
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魔方陣でどこかに飛ばされ、目を開けると、槍を持ち、鎧を着た兵士が左右で綺麗に並び、その奥には白髪の老人。
目の前には金髪の美少女。
隣にはあの男子。
「ようこそ。勇者さ–––––あれ?二人?」
「そ、そんな筈は……」
ザワザワと騒ぎ出す兵士らしき男たち。
「静かにせぇい!!!」
その恐ろしい程の声量に感心する氷華。
それとは別に、ビビりまくる男子と、跪く兵士達。
「先ずはどちらが本物の勇者か調べる必要があるだろう。あれを持って来い」
「ハッ!」
一人の兵士が一度この部屋から出た。
体感的に2、3分経つと兵士が青い水晶玉のような物を持ってきた。
隣の男子を見ると少し気分が高揚してるようだ。
「ではまず、そこの美しい少女よ。水晶に手を翳せ」
「……………」
「そこのお主だ。黒髪の少女よ」
「え?私でしょうか?」
「そう、美しいお主だ」
「 ? 」
キョロキョロと周りを見る氷華に白髪の老人は呆れた様子で
「………よもや自覚しておらんとわ…ま、まぁ良いだろう。取り敢えずこの水晶に手を翳すが良い」
と。
「はい」
氷華が水晶に手を翳すと一枚の紙が浮かび上がった。
「その紙を手に取り、儂に見せろ」
「? はい」
「ふむ、間違い無いようだな。此奴が勇者だ。次はその男」
「は、はい!」
男は緊張した様子で水晶に手を翳す。
またもや紙が浮かび上がり、王様の手に渡る。
「………此奴を摘み出せ」
「はい?」
「さっさと出て行け」
「え?ちょっと…何でですか!」
あの男子は兵士に両腕を掴まれ、引き摺られるように連れられた。
「お主のカードを見てくれ」
…………………………………………………………
格位 : 1
種族 : 異世界人
名前 : 艶乃月 氷華
職業 : 勇者
Lv : 1
体力 : 1000
理力 : 2000
知力 : 2500
固有祝福 《ユニークスキル》
限界突破
精霊親和
成長速度向上 : 超
アイテムボックス
神眼 : 1
祝福《スキル》
火魔法 : 1
水魔法 : 1
風魔法 : 1
土魔法 : 1
光魔法 : 1
闇魔法 : 1
時空魔法 : 1
称号
異世界人
神に愛されし者
勇者
………………………………………………………………
「お主にはこれから修行をしてもらう。この世界で生きて行くためにな」
「この世界の体力と理力と知力の平均はどれぐらいなの?」
「そうだな、一般市民なら200あればまぁ良い方だろう。騎士団の者となると300~400といったところだな」
「では私は強いのでしょうか」
「ああ、桁違いにな。だから魔王に対抗出来る」
「じゃあ私に魔王を倒して欲しいって事?」
「そうだ。呑み込みが早いな」
「ふーん」
「では、修行からだな」
「お断りよ」
「…………は?」
「聞こえなかったかしら?お断りと言ったのよ」
「………理由を聞こうか」
「逆に理由を聞いて良い?何で私がそんな事しなければいけないの?」
「魔王を–––––––」
「私それ関係ある?」
「は?」
「だ・か・ら私関係あるの?」
「魔王がこの世界を壊すかもしれんのだぞ?」
「壊すの?それ意味無いと思うんだけど」
「……………」
「それに、魔王がそんな事をする確証は無いもの」
「そ、それは……………」
「では」
+×+×+×+×+×+×+×+×+×+×+×+×+×+×+×+×+×+×+
「アゼル。いるか?」
「ここに」
「彼奴を………殺せ」
「御意に」
+×+×+×+×+×+×+×+×+×+×+×+×+×+×+×+×+×+×+
「先ずは…お金ね。どこか良い場所は無いかしら」
氷華が街を歩いていると気になる事が目に入った。
「日本語?」
絶対的にあり得ないという事は無いが、異世界なのだから別の言語だと思ったが…………。
「それにしても……なぜ私をこそこそ見ているのでしょうね」
氷華は路地裏へ入り、自分を監視している輩を待つ。
「ここか………?」
(男ですね。何の用かしら?)
「どこにいる……」
「私に何か御用?」
「ッ!?…………」
「フードを被って、仮面をつけただけで私を騙せるとでも?騎士団長さん」
「なぜ分かった?」
「体格と…歩き方ですかね?」
「ただの一般人ならそんな事では判断出来ない筈だ。誰かに教わったのか?」
「ただ故郷で武術を嗜んでいただけよ」
「武術………?」
「無いのね、武術」
「どうでも良い。国王からの命令だ」
「私を殺せ……と?」
「怖いか?」
「ふふふ、まさか。そう簡単には殺られないわ。こんな見てくれでも…強いつもりなの」
ふふ…とはにかむ氷華に不本意にもドキリとしてしまった騎士団長。
「乙女に剣を向けるのは感心しないわね」
「そんな事を一々気にしていては騎士団長は務まらんのでな」
「お先にどうぞ」
「ああ」
騎士団長が一瞬で距離を詰める。
上段に構えられた剣が振り下ろされ、横に避けようとした氷華の頬を掠め、傷をつける。
「痛いわね。日本ではこんな事無かったから」
「命乞いでもするのか?」
「まさか。次は大丈夫よ」
「ではもう一度」
また広がった距離を騎士団長が詰め、斬り掛かる。
その瞬間、騎士団長の体が宙を舞った。
「え……」
「お金は貰って行くわ。この国は…出て行くと思うわ。気にしないで」
「ま…て…」
「では」
(あの…冒険者?だっけ?に行かないとね)
目の前には金髪の美少女。
隣にはあの男子。
「ようこそ。勇者さ–––––あれ?二人?」
「そ、そんな筈は……」
ザワザワと騒ぎ出す兵士らしき男たち。
「静かにせぇい!!!」
その恐ろしい程の声量に感心する氷華。
それとは別に、ビビりまくる男子と、跪く兵士達。
「先ずはどちらが本物の勇者か調べる必要があるだろう。あれを持って来い」
「ハッ!」
一人の兵士が一度この部屋から出た。
体感的に2、3分経つと兵士が青い水晶玉のような物を持ってきた。
隣の男子を見ると少し気分が高揚してるようだ。
「ではまず、そこの美しい少女よ。水晶に手を翳せ」
「……………」
「そこのお主だ。黒髪の少女よ」
「え?私でしょうか?」
「そう、美しいお主だ」
「 ? 」
キョロキョロと周りを見る氷華に白髪の老人は呆れた様子で
「………よもや自覚しておらんとわ…ま、まぁ良いだろう。取り敢えずこの水晶に手を翳すが良い」
と。
「はい」
氷華が水晶に手を翳すと一枚の紙が浮かび上がった。
「その紙を手に取り、儂に見せろ」
「? はい」
「ふむ、間違い無いようだな。此奴が勇者だ。次はその男」
「は、はい!」
男は緊張した様子で水晶に手を翳す。
またもや紙が浮かび上がり、王様の手に渡る。
「………此奴を摘み出せ」
「はい?」
「さっさと出て行け」
「え?ちょっと…何でですか!」
あの男子は兵士に両腕を掴まれ、引き摺られるように連れられた。
「お主のカードを見てくれ」
…………………………………………………………
格位 : 1
種族 : 異世界人
名前 : 艶乃月 氷華
職業 : 勇者
Lv : 1
体力 : 1000
理力 : 2000
知力 : 2500
固有祝福 《ユニークスキル》
限界突破
精霊親和
成長速度向上 : 超
アイテムボックス
神眼 : 1
祝福《スキル》
火魔法 : 1
水魔法 : 1
風魔法 : 1
土魔法 : 1
光魔法 : 1
闇魔法 : 1
時空魔法 : 1
称号
異世界人
神に愛されし者
勇者
………………………………………………………………
「お主にはこれから修行をしてもらう。この世界で生きて行くためにな」
「この世界の体力と理力と知力の平均はどれぐらいなの?」
「そうだな、一般市民なら200あればまぁ良い方だろう。騎士団の者となると300~400といったところだな」
「では私は強いのでしょうか」
「ああ、桁違いにな。だから魔王に対抗出来る」
「じゃあ私に魔王を倒して欲しいって事?」
「そうだ。呑み込みが早いな」
「ふーん」
「では、修行からだな」
「お断りよ」
「…………は?」
「聞こえなかったかしら?お断りと言ったのよ」
「………理由を聞こうか」
「逆に理由を聞いて良い?何で私がそんな事しなければいけないの?」
「魔王を–––––––」
「私それ関係ある?」
「は?」
「だ・か・ら私関係あるの?」
「魔王がこの世界を壊すかもしれんのだぞ?」
「壊すの?それ意味無いと思うんだけど」
「……………」
「それに、魔王がそんな事をする確証は無いもの」
「そ、それは……………」
「では」
+×+×+×+×+×+×+×+×+×+×+×+×+×+×+×+×+×+×+
「アゼル。いるか?」
「ここに」
「彼奴を………殺せ」
「御意に」
+×+×+×+×+×+×+×+×+×+×+×+×+×+×+×+×+×+×+
「先ずは…お金ね。どこか良い場所は無いかしら」
氷華が街を歩いていると気になる事が目に入った。
「日本語?」
絶対的にあり得ないという事は無いが、異世界なのだから別の言語だと思ったが…………。
「それにしても……なぜ私をこそこそ見ているのでしょうね」
氷華は路地裏へ入り、自分を監視している輩を待つ。
「ここか………?」
(男ですね。何の用かしら?)
「どこにいる……」
「私に何か御用?」
「ッ!?…………」
「フードを被って、仮面をつけただけで私を騙せるとでも?騎士団長さん」
「なぜ分かった?」
「体格と…歩き方ですかね?」
「ただの一般人ならそんな事では判断出来ない筈だ。誰かに教わったのか?」
「ただ故郷で武術を嗜んでいただけよ」
「武術………?」
「無いのね、武術」
「どうでも良い。国王からの命令だ」
「私を殺せ……と?」
「怖いか?」
「ふふふ、まさか。そう簡単には殺られないわ。こんな見てくれでも…強いつもりなの」
ふふ…とはにかむ氷華に不本意にもドキリとしてしまった騎士団長。
「乙女に剣を向けるのは感心しないわね」
「そんな事を一々気にしていては騎士団長は務まらんのでな」
「お先にどうぞ」
「ああ」
騎士団長が一瞬で距離を詰める。
上段に構えられた剣が振り下ろされ、横に避けようとした氷華の頬を掠め、傷をつける。
「痛いわね。日本ではこんな事無かったから」
「命乞いでもするのか?」
「まさか。次は大丈夫よ」
「ではもう一度」
また広がった距離を騎士団長が詰め、斬り掛かる。
その瞬間、騎士団長の体が宙を舞った。
「え……」
「お金は貰って行くわ。この国は…出て行くと思うわ。気にしないで」
「ま…て…」
「では」
(あの…冒険者?だっけ?に行かないとね)
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