ダンジョン塔の地下迷宮~俺だけ入れる激レア階層を駆使して最強を目指す~

ふぃる汰@単行本発売中

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第1章 地下1階層

28話 タウンエリア

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「ここが、第11階層……」


 第10階層のフロアボスをなんとか倒してフロアランク11となった俺は、解放条件を達成しておそらく入れるようになっているであろう地下1階層のボス部屋に向かおう……と思ったんだけど、とりあえずその前に行けるようになった第11階層のフロアへと足を運んだ。


「すごいなこれは……ちょっとしたお祭り会場みたいだ。ここが〝タウンエリア〟か」


 『タウンエリア』


 ユグドラタワーの地上階層は、出現するモンスターの種類が変わる事以外、基本的にはどのフロアの構造も全て同じだ。
通常モンスターが出現する巨大迷路のようなフロアと、フロアを進んだ先にある巨大な扉のボス部屋。
大きさは大体東京ドーム1個分。
まあ、東京ドーム行ったことないからそこで比較されてもピンと来ないけど。


 しかし、第11階層、第21階層、第31階層というような感じで、10階層ごとに少し構造が異なるフロアが存在し、この階層の事をタウンエリアと呼ぶ。
タウンエリアには他の階層と違って遮蔽物がほとんど存在せず、迷路というよりは広場のような空間が広がっている。
同じなのはフロアの奥に鎮座する巨大な扉……フロアボスの部屋がある事くらいだろうか。


 タウンエリアのフロアには襲いかかって来るような通常モンスターは出現せず、かわりに『クラフター』と呼ばれる非戦闘タイプの友好的なモンスターが生息している。
クラフターは各個体が工房を営み、ユグドラタワー攻略の際にドロップした素材などを使用して武器や回復アイテムを作ってくれる。
噂ではフロアボスを討伐した際に低確率でドロップすることでしか入手することが出来ない魔装なんかも、高品質な魔石やレア素材などを渡せば作ってくれるクラフターもいるとかいないとか。


「らっしゃい。ぶきつくる。ませきとそざいくれ」


「ぽーしょんつくる。ひーるすらいむのそざいくれ」


「きゃ~かわいい~!」


「スマホ持ち込めれば一緒に写真撮れたのにな~」


 クラフターの店を回りながら談笑する若い女性ライザーたち。
通常モンスターが出現しないタウンエリアでは、活動可能時間の範囲内であれば基本的にはユグドラタワーの外に強制転移されることがないので、クラフターの店を利用する以外にもちょっとした休憩スポットだったり、ライザー同士の交流の場として利用され、他の階層よりも賑わいを見せている。


 ちなみにクラフターはなんというか、アルマジロとレッサーパンダを足して2で割ったような感じの見た目に、トンカチやモンキーレンチのような工具っぽいアイテムを持っているという、なんとも説明が難しいビジュアルをしていて、カラーバリエーションも何故か豊富。
持ってるアイテムもクラフターによって違うし、そのアイテムで武器やポーションを作るかというとそういうわけでも無いし……まあ、謎な存在だ。


「おまえおまえ」


「ん? 俺の事か?」


「ぶきつくらん? そざいみせろ」


「ええ……」


 近くにいた武器職人(?)のクラフターに話しかけられ、武器製作の押し売りを受ける。


「武器かあ。俺が今持ってる素材で何か作れるのかな」


 入手したアイテムがデータとして収納されているライザーカードをクラフターに渡すと、『ふむふむ、なるほど』とか言いながらカードを確認し始める。


「おまえ、めちゃいいそざいもってる。つよつよぶき、つくれる」


「良い素材?」


「これこれ」


 そう言ってクラフターがカードに表示して見せてきたのは、地下1階層で戦ったブラックジェットローチから入手した素材『黒鉄甲』だった。


「そういやそんなの持ってたな……この黒鉄甲があれば武器が作れるのか?」


「これと、ませきいる。でかいのもってるじゃねえか」


「持ってるじゃねえかって……ああ、さっきスライムジャイアントからドロップしたやつか」


 どうやら俺が持ってる黒鉄甲を何個かと、大きい赤の魔石があれば武器が作れるらしい。
この魔石は後で換金して今日の稼ぎにしようかと思ってたんだけど……まあいいか。


「それじゃあ、武器の作製をお願いしてもいいかな?」


「まかされた」


 こうして俺は、地下1階層のフロアボス『クイーンブラックジェットローチ』と戦う前に武器を準備しておくことにしたのだった。


「黒鉄甲……実質ブラックジェットローチを素材にした武器かあ……アイツらゴキブリだしなあ」


 ……正直、ちょっと使いたくないな。


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