【完結】カフェ店長の困惑~彼を拾った夜から甘く攻められ溺れていくまで~

はなたろう

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3. 朝から猫に襲われる?

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朝の光が差し込み、白いカーテンを淡く染めている。雪は止んだだろうか。


いつもより、布団の中が暖かい。ぬくぬくと気持ち良い。


「んんっ」


隣から聞こえた寝息に、夢心地のまどろみが冷めていく。


「ん、おはよう……、ケイ」


柔らかな甘い声と、首に回された細い腕。

思わず飛び起きようとしたが、鋭い痛みが腰を襲う。


「い、痛っ!」

「大丈夫?」


ソラがパッと目を開き、心配そうに、俺の腰をツンツンと突っついた。


「おい、触るなよ!」

「だって、はじめてだったんでしょ?痛いよね、すごく……」


ソラは肩を震わせている。


「いくら恥ずかしかったからって、あんな情けなく、ソファから転げ落ちるなんてなんて、ねぇ」


「うるさい、ほっといて」


俺は枕にグッと顔を埋める。情けないだと?わかってるよ。


「お、男相手に、なんであんな真似したんだよッ」

「ちょっとキスしただけじゃないか」

「それだ!」

「中学生でもあるまいし、キスくらいで騒がないでよ」


ポンっと腰を叩かれ、俺は声にならない悲鳴を上げた。


「俺は、女の子が好きなの」

「いいじゃない、男でも女でも。ヤっちゃえば大した違いなんてないよ。多様性って言ったって、結局、身体のつくりは2種類しかないんだからさ」


ソラは意地悪そうに笑う。俺のノーマルな倫理観が、ガラガラと音を立てて、崩壊させられているのを感じた。


「じゃあ、つまり、ソラはそっちの人?」

「さてね、どうでしょう」


そう言うと、俺の真横にコロンと寝転んだ。顔が間近に迫り、男だと分かっていても、ドキッとする。

「ね、いまから試してみる?」


ソラはシャツの裾にそっと指先を滑り込ませる。


「もう勃たない」

「そう?朝の方が元気なんじゃない?」


スルスルと這う指先が、俺の敏感なところにたどり着く。


「や、やめろよ」


うわずる声では、なんの説得力もない。


「既成事実を作って、脅してしまえば居座れると思ったのに」

「は?なんだって?」


勢い余って起き上がろうとして、痛みで撃沈する。


「もう、仕方ないな」


苦笑しながら、俺の体をまたがるように乗ってきた。


「おい!いい加減にっ」

「いいから、寝てて」


穏やかで優しい手つきで、腰をマッサージしてくれる。ほどなくして痛みが和らいだ。


「あ、気持ちいい」

「こっちのマッサージも、うまいでしょ?」


確かに、そう、だな。


「つまり、ソラは行くところがないのか」

「うん」

「じゃあ、少しの間、ここにいれば?」

「え?」

「拾ってやるよ。その代わり、この腰が治るまで、カフェを手伝ってくれると助かる」


俺の言葉に、ソラは目を輝かせる。


「もちろんだよ! 飲食店は経験あるんだ。といっても、夜のお店だけどね」

「夜……?」


まぁ、いいか。


「一緒に暮らすのに、なにかルールはある?」

「いや、特にはないかな」


俺が言いかけると、ソラはニヤリと笑った。


「夜は、ちゃんとご主人様のベッドで寝るからね」

「違う! ソラはソファだ」

「えーー、一緒に寝た方が暖かいのに」


ぷくっと頬を膨らませた。その仕草が可愛くて、心臓が再びドキッとする。


「ラッキーだな!いいご主人様に拾われた」

「その、ご主人様ってやめろよ」

「にゃーーん」


ソラは甘い声で鳴くと、俺の頬にキスをした。


「こら、やめろ!」


こうして、俺とソラの奇妙な同居生活が幕を開けた。
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