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13. いつもと同じようで違う朝
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「ねぇ、なんで昨夜はソファで寝てたの?」
翌朝、いつもと変わらない光景。
テーブルの上には、ソラの好きな厚切りトーストとスクランブルエッグが並んでいる。コーヒーの香り、テレビにはニュース番組が流れている。
窓から差し込む柔らかな光が、彼の髪の艶を照らしていた。
「別に、ただ深夜番組を見てたら、そのまま寝落ちしたんだ」
俺は即座に嘘をついた。深夜番組など見ていない。『ソラが帰ってくるのを朝まで待っていた』なんて言えない。胸の奥がざわつき、手が少し震えるのを感じた。
「もしかして、僕がいつもリビングで寝ているから、今まで見たいテレビが見れなかった?」
「毎晩のように、俺のベッドに潜り込んでくるのは誰だよ」
「あはは、そだった。でも、いつまでも居座ってごめんね」
ソラはパンを噛りながら、少し申し訳なさそうに微笑む。
「え!いや、いいんだ!そんなことは別に」
思わず声が大きくなった俺に、ソラはキョトンとした顔を向ける。
『昨夜はどこに行ってた?』
ソラの横顔を見ていると、つい聞いてしまいそうになる。そんなことを聞く権利なんて、俺にはない。
追求したら、ソラは二度と帰ってこない気がした。
朝食を終えて、食器を洗っていると、
「そういえばさ、お兄さんの結婚式はどうするの?」
ソラからの唐突な質問に、俺は手を止めた。カウンターの上に放置された招待状に目をやる。そうだ、その問題もあったのだ。
「いつまでも逃げられないしな、行くよ」
「逃げるって?」
ソラは首を傾げる。
「隼人と梨夏の勤め先、親父の会社なんだ」
俺は観念して、重い口を開いた。
「つまり、俺の親父はそれなりに大きな企業の社長なんだよ。隼人は将来の跡取りとして、次男の俺も親父の会社を手伝うものとして、幼い頃から育てられたわけ」
「英才教育ってことか」
「まぁ、そんな感じ。でも俺は出来が悪くて、反発して、家を出たのはこの前話した通り」
「もしかして、お兄さんと梨夏さんが分かれた理由って……?」
察しのいいヤツだ。
「そう、隼人の結婚相手は大手企業の社長令嬢だ。家同士の結びつき、いわば政略結婚だな」
「なるほどね。あんなに美人の梨夏さんがフラれた理由がわかったよ」
「ちゃんと、話をしないとな……」
自分自身へのつぶやきだったが、ソラは静かにうなずいた。
「あ、レタスが高騰だってさ」
ニュースの話題を口に出すと、ソラの視線はテレビへと向けられた。いつもの無邪気なソラに戻ったその横顔に、俺は安堵と、言葉にできない寂しさを同時に覚えた。
翌朝、いつもと変わらない光景。
テーブルの上には、ソラの好きな厚切りトーストとスクランブルエッグが並んでいる。コーヒーの香り、テレビにはニュース番組が流れている。
窓から差し込む柔らかな光が、彼の髪の艶を照らしていた。
「別に、ただ深夜番組を見てたら、そのまま寝落ちしたんだ」
俺は即座に嘘をついた。深夜番組など見ていない。『ソラが帰ってくるのを朝まで待っていた』なんて言えない。胸の奥がざわつき、手が少し震えるのを感じた。
「もしかして、僕がいつもリビングで寝ているから、今まで見たいテレビが見れなかった?」
「毎晩のように、俺のベッドに潜り込んでくるのは誰だよ」
「あはは、そだった。でも、いつまでも居座ってごめんね」
ソラはパンを噛りながら、少し申し訳なさそうに微笑む。
「え!いや、いいんだ!そんなことは別に」
思わず声が大きくなった俺に、ソラはキョトンとした顔を向ける。
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追求したら、ソラは二度と帰ってこない気がした。
朝食を終えて、食器を洗っていると、
「そういえばさ、お兄さんの結婚式はどうするの?」
ソラからの唐突な質問に、俺は手を止めた。カウンターの上に放置された招待状に目をやる。そうだ、その問題もあったのだ。
「いつまでも逃げられないしな、行くよ」
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俺は観念して、重い口を開いた。
「つまり、俺の親父はそれなりに大きな企業の社長なんだよ。隼人は将来の跡取りとして、次男の俺も親父の会社を手伝うものとして、幼い頃から育てられたわけ」
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