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♯1
29. 小鳥が止まる木
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ドームツアー最終日、オープニングからボルテージは最高潮だった。
デビュー曲のイントロと共に炎が上がると、会場の熱狂は爆発した。
伊勢のダンスは華麗でありながらも力強く、ステージ全体を支配する王者の風格があった。
蒼真は、体幹を活かしたしなやかで優美な動きで魅了する。腰の動き、指先の表現一つ一つにセクシーさが滲み、ファンは悲鳴を上げた。
オレだって負けていない。誰かに愛されることで強くなれる。今までにないパワフルさで、ドーム全体に熱気を送り込んだ。
激しいパフォーマンスから一転して、バラードのイントロが流れた。
会場がフィナーレだという寂しさに包まれる。汗で濡れた髪を振り乱しながら、三人が息を整える。
「みんな、本当に最高の時間をありがとう!」
伊勢の興奮した声に、会場から大歓声が上がる。
「あまりの熱気に、酸欠になりかけたよ」
蒼真が優雅に冗談を言うと、会場から笑いが起こる。
照明が落ち着いた中で、オレはマイクを握りしめた。
「TOMARIGIは、止まり木という意味です」
静まり返った会場、スポットライトがオレを照らす。
「そしてファンのみんなは、KOTORI。つまり、小鳥が止まり木に集まって休むように、僕たちが、みんなの心の安らぎの場所でありたい。そう思って活動してきました」
オレは、言葉に詰まりそうになりながら、続けた。
「でもね、オレがここに立っていられるのは、間違いなく、小鳥のみんなが、僕の止まり木になってくれたからです」
オレは再び、最上階の奥を見つめた。
「だから、これからもなにがあっても、KOTORIのためのTOMARIGIであり続ける!これからも、応援よろしくお願いします!」
万雷の拍手がドームを包み込む。
ふと、伊勢の瞳が『ありがとう』と言っているように見えた。
しっとりとしたバラード曲を歌い上げた後、フィナーレに相応しい、ハードなダンスナンバーが鳴り響いた。
しんみり終わらせるのは柄じゃない。打ち上げ花火みたいに爆音で派手に終わらせる。性格がバラバラなオレたちだけど、それはいつも一致していた。
「よっしゃぁ!5大ドームツアーもこれで最後だ!ぶちかますぞ!」
オレの咆哮に似た声に大歓声が応える。
メインステージを飛び出した。全速力で三塁側から中央へと走り抜けたときだ。
芸能人仲間やスポンサーがいる関係者席、その片隅。ライブ中盤まで、そこは空席だったはずだ。
スポットライトの届かない暗がりでも、見間違いじゃない。あの笑顔を見間違えるはずがない。
――来てくれたんだ。
喉の奥が熱くなる。自然と、そこへ手を伸ばしていた。
「……ありがとう」
声にはならなかったけど、唇がそう動いた。
その瞬間、銀テープが空を舞った。
照明がゆっくりと落ち、ステージの上だけが柔らかく光に包まれた。
耳に残るのは、なりやまないアンコールの声と、ドクンドクンと鳴るオレの鼓動。この鼓動が止まらない限り、オレはまたここに帰ってくる。
KOTORIのために。
そして――背中を押してくれた、あの人のために。
デビュー曲のイントロと共に炎が上がると、会場の熱狂は爆発した。
伊勢のダンスは華麗でありながらも力強く、ステージ全体を支配する王者の風格があった。
蒼真は、体幹を活かしたしなやかで優美な動きで魅了する。腰の動き、指先の表現一つ一つにセクシーさが滲み、ファンは悲鳴を上げた。
オレだって負けていない。誰かに愛されることで強くなれる。今までにないパワフルさで、ドーム全体に熱気を送り込んだ。
激しいパフォーマンスから一転して、バラードのイントロが流れた。
会場がフィナーレだという寂しさに包まれる。汗で濡れた髪を振り乱しながら、三人が息を整える。
「みんな、本当に最高の時間をありがとう!」
伊勢の興奮した声に、会場から大歓声が上がる。
「あまりの熱気に、酸欠になりかけたよ」
蒼真が優雅に冗談を言うと、会場から笑いが起こる。
照明が落ち着いた中で、オレはマイクを握りしめた。
「TOMARIGIは、止まり木という意味です」
静まり返った会場、スポットライトがオレを照らす。
「そしてファンのみんなは、KOTORI。つまり、小鳥が止まり木に集まって休むように、僕たちが、みんなの心の安らぎの場所でありたい。そう思って活動してきました」
オレは、言葉に詰まりそうになりながら、続けた。
「でもね、オレがここに立っていられるのは、間違いなく、小鳥のみんなが、僕の止まり木になってくれたからです」
オレは再び、最上階の奥を見つめた。
「だから、これからもなにがあっても、KOTORIのためのTOMARIGIであり続ける!これからも、応援よろしくお願いします!」
万雷の拍手がドームを包み込む。
ふと、伊勢の瞳が『ありがとう』と言っているように見えた。
しっとりとしたバラード曲を歌い上げた後、フィナーレに相応しい、ハードなダンスナンバーが鳴り響いた。
しんみり終わらせるのは柄じゃない。打ち上げ花火みたいに爆音で派手に終わらせる。性格がバラバラなオレたちだけど、それはいつも一致していた。
「よっしゃぁ!5大ドームツアーもこれで最後だ!ぶちかますぞ!」
オレの咆哮に似た声に大歓声が応える。
メインステージを飛び出した。全速力で三塁側から中央へと走り抜けたときだ。
芸能人仲間やスポンサーがいる関係者席、その片隅。ライブ中盤まで、そこは空席だったはずだ。
スポットライトの届かない暗がりでも、見間違いじゃない。あの笑顔を見間違えるはずがない。
――来てくれたんだ。
喉の奥が熱くなる。自然と、そこへ手を伸ばしていた。
「……ありがとう」
声にはならなかったけど、唇がそう動いた。
その瞬間、銀テープが空を舞った。
照明がゆっくりと落ち、ステージの上だけが柔らかく光に包まれた。
耳に残るのは、なりやまないアンコールの声と、ドクンドクンと鳴るオレの鼓動。この鼓動が止まらない限り、オレはまたここに帰ってくる。
KOTORIのために。
そして――背中を押してくれた、あの人のために。
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