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♯1
最終話 羽を休める場所を見つけた
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最後のナンバーが終わり、ドーム全体が歓声の渦に包まれる中、オレたちのステージが終わった。
笑顔でファンに手を振りながらステージ袖に消えていく。
「片倉、最高だったな!打ち上げ行くぞ!」
伊勢にそう声をかけられたが、オレはほとんど無意識で首を振った。
「悪い、伊勢。ちょっと、先に行ってて!」
「あ、おい!」
オレはそのまま、蒼真の脇を通りすぎ廊下わ走る。
「おつかれさま!片倉さん、今日の歌よかったよ!」
「感動しました!」
通り過ぎるスタッフたちが、興奮した面持ちでオレに声をかけてくる。オレは、手を上げ、笑顔で応えながらも、足は止まらない。
一目散に関係者席へと続く通路を駆け上がった。
心臓は、ライブの熱狂と、これから起きることへの期待で、高鳴り続けている。
関係者席へと繋がる静かな通路へ。人の気配が途絶えかけた、その瞬間、オレは立ち止まった。
見つけた。
駆け寄り思わず名前を叫ぼうとしたときだ。
桐生さんは無言でオレの腕を掴むと踵を返し、非常階段まで走り出す。
ガチャと重い扉がしまる音と同時に、オレの強く抱きしめられた。
遠くから熱気覚めやらぬファンたちの声が聞こえる。
「おつかれさま」
その言葉は、誰にも聞かせられない、たった二人のための囁き。
オレが何も言えないでいるうちに、桐生の指が、オレの顎を優しく掬い上げた。彼の瞳が、非常灯のわずかな光を反射して強く輝く。
「会いたかった」
その言葉と同時に、桐生さんはオレの唇を塞いだ。
それは、ドームの熱狂よりも、デビュー曲の炎よりも熱い、奪うような、しかし全てを受け入れるキスだった。
「俺にとっての止まり木は、理久しかいないよ」
「翔、オレだってそうだ。そうやって、お互いが必要とする存在になりたい」
長く続いた伊勢への片想いを経て、オレはようやく、羽を休められる場所を見つけたんだ……。
★お読みいただきありがとうございました★
笑顔でファンに手を振りながらステージ袖に消えていく。
「片倉、最高だったな!打ち上げ行くぞ!」
伊勢にそう声をかけられたが、オレはほとんど無意識で首を振った。
「悪い、伊勢。ちょっと、先に行ってて!」
「あ、おい!」
オレはそのまま、蒼真の脇を通りすぎ廊下わ走る。
「おつかれさま!片倉さん、今日の歌よかったよ!」
「感動しました!」
通り過ぎるスタッフたちが、興奮した面持ちでオレに声をかけてくる。オレは、手を上げ、笑顔で応えながらも、足は止まらない。
一目散に関係者席へと続く通路を駆け上がった。
心臓は、ライブの熱狂と、これから起きることへの期待で、高鳴り続けている。
関係者席へと繋がる静かな通路へ。人の気配が途絶えかけた、その瞬間、オレは立ち止まった。
見つけた。
駆け寄り思わず名前を叫ぼうとしたときだ。
桐生さんは無言でオレの腕を掴むと踵を返し、非常階段まで走り出す。
ガチャと重い扉がしまる音と同時に、オレの強く抱きしめられた。
遠くから熱気覚めやらぬファンたちの声が聞こえる。
「おつかれさま」
その言葉は、誰にも聞かせられない、たった二人のための囁き。
オレが何も言えないでいるうちに、桐生の指が、オレの顎を優しく掬い上げた。彼の瞳が、非常灯のわずかな光を反射して強く輝く。
「会いたかった」
その言葉と同時に、桐生さんはオレの唇を塞いだ。
それは、ドームの熱狂よりも、デビュー曲の炎よりも熱い、奪うような、しかし全てを受け入れるキスだった。
「俺にとっての止まり木は、理久しかいないよ」
「翔、オレだってそうだ。そうやって、お互いが必要とする存在になりたい」
長く続いた伊勢への片想いを経て、オレはようやく、羽を休められる場所を見つけたんだ……。
★お読みいただきありがとうございました★
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