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〈番外編〉カリーヌの帰省
〈後編〉マルス子爵夫人という女
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屋敷を出ると、門から1人の女性が入って来ました。
ふっくらとしたお腹、手には街で買ったらしい荷物を持ってしました。
「お、奥様!」
私に気がつくと、驚いて荷物を落とした。ガラガランッと、キレイな音色が響く。
「どうして、急にこちらへ?」
「あら、私が家に帰ると何か不都合があるの?それとも、ただのメイドのあなたの許可必要かしら」
「そのようなことは、ございません」
両手でお腹を抱えるようにした。私が危害を加えるとでも思うのでしょうか。
これでも、子供が欲しいと何度も思い、期待と落胆を繰り返す日々を長く過ごしました。だからこそ、妊婦を見ると羨ましくもあり、尊敬もあり、慈しむ気持ちもあるのです。
主人の愛する妾のお腹の子供には、何の恨みもないのです。
「会えたのは丁度よかったわ。マルス子爵には伝えましたが、屋敷の人事整理をいたします。簡単に言えば解雇です。あなたと、あなたの母親も、早々に荷物をまとめてください」
「奥様!」
「2度は言いません。僅ですが退職金はお渡しします。半年は暮らせるでしょう。田舎でのんびり過ごされてはどうですか?」
半年あれば十分ですね。
「あなたのお腹の子供は、養子として、私と主人の子供とします」
「そんな!たとえ旦那様とお会いできなくとも、子供は私が育てます!これまでの不貞はお詫びいたします。私にできることなら償います。退職金もいりません。ですから、お願いいたします、この子は、子供は奪わないでください……」
女性とは誰でも、母親になると強くなるのだろうか。
子供を抱えた庶民が、どう生きてくというのか。貧民街で身体を売るのが目に見えているのに。
「子爵家の大事な子供のために、乳母が必要です」
「え?」
「半年後、子供を連れてここへ戻りなさい。ただし、子供に自分が母であることを、伝えることは許しません。ただの乳母と主の子供として接するのです。期間は死ぬまで。あなたに選択肢はありません。それが、私の主人とメイドのあなたが犯した不貞行為の代償です」
それでも、子供の側にいて、成長を間近で見守ることができるのです。
「これ以上の話は不要です。早急に出ていきなさい。この屋敷には、妊婦はいませんからね」
この後は王都に行き、養子縁組の手続きをしなければなりません。子爵家から王都は馬車で2日かかります。急がなければ、侯爵家に戻る日が遅くなってしまいます。
お嬢様とマートル様が仲良くされていればいいのですが、少しばかり心配です。
「無事に出産されることを望みます」
私の居場所はここにはありません。
ルイディア様の側こそ、私のいるべき場所なのです。
「さぁ、帰りましよう」
ふっくらとしたお腹、手には街で買ったらしい荷物を持ってしました。
「お、奥様!」
私に気がつくと、驚いて荷物を落とした。ガラガランッと、キレイな音色が響く。
「どうして、急にこちらへ?」
「あら、私が家に帰ると何か不都合があるの?それとも、ただのメイドのあなたの許可必要かしら」
「そのようなことは、ございません」
両手でお腹を抱えるようにした。私が危害を加えるとでも思うのでしょうか。
これでも、子供が欲しいと何度も思い、期待と落胆を繰り返す日々を長く過ごしました。だからこそ、妊婦を見ると羨ましくもあり、尊敬もあり、慈しむ気持ちもあるのです。
主人の愛する妾のお腹の子供には、何の恨みもないのです。
「会えたのは丁度よかったわ。マルス子爵には伝えましたが、屋敷の人事整理をいたします。簡単に言えば解雇です。あなたと、あなたの母親も、早々に荷物をまとめてください」
「奥様!」
「2度は言いません。僅ですが退職金はお渡しします。半年は暮らせるでしょう。田舎でのんびり過ごされてはどうですか?」
半年あれば十分ですね。
「あなたのお腹の子供は、養子として、私と主人の子供とします」
「そんな!たとえ旦那様とお会いできなくとも、子供は私が育てます!これまでの不貞はお詫びいたします。私にできることなら償います。退職金もいりません。ですから、お願いいたします、この子は、子供は奪わないでください……」
女性とは誰でも、母親になると強くなるのだろうか。
子供を抱えた庶民が、どう生きてくというのか。貧民街で身体を売るのが目に見えているのに。
「子爵家の大事な子供のために、乳母が必要です」
「え?」
「半年後、子供を連れてここへ戻りなさい。ただし、子供に自分が母であることを、伝えることは許しません。ただの乳母と主の子供として接するのです。期間は死ぬまで。あなたに選択肢はありません。それが、私の主人とメイドのあなたが犯した不貞行為の代償です」
それでも、子供の側にいて、成長を間近で見守ることができるのです。
「これ以上の話は不要です。早急に出ていきなさい。この屋敷には、妊婦はいませんからね」
この後は王都に行き、養子縁組の手続きをしなければなりません。子爵家から王都は馬車で2日かかります。急がなければ、侯爵家に戻る日が遅くなってしまいます。
お嬢様とマートル様が仲良くされていればいいのですが、少しばかり心配です。
「無事に出産されることを望みます」
私の居場所はここにはありません。
ルイディア様の側こそ、私のいるべき場所なのです。
「さぁ、帰りましよう」
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