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第5章 ◇怒涛の 1st WEEK
◆5 思い切りよく、美しく②
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ここまで、一般ユーザーと同じ目線でユキの投稿を追いかけてみた俺と泉水さんは、成程ねぇと頷き合った。
「いや、びっくりした」
「ユキくんの本気メイク凄いね。それに寝起き……めっちゃ可愛かった。男の僕が言うのも変だけど『母性本能』を擽られるってこういう感じ?つい応援したくなるよ」
泉水さんはそう言って笑っている。
「やっぱり、そう思う?」
実は俺も同じ気持ちだった。
そう感じるのは、普段のツンデレなユキを俺が知っているからかと思ったけど。
多くの女子の気持ちを動かした理由も……ただ綺麗だからってだけじゃなく、そこなのかも?
『先輩の為に、ちょっとムリしてる』という、頑張りが見えて。
それでもあざとさは無く、ユキが醸し出すのんびりした雰囲気があるからこそ、温かく見守られているのかもなと思った。
――そして俺はといえば。
改めてユキの魅力と思い切りの良さを感じていて。
まさか、こんなにも自分を投げ出して頑張ってくれるなんて……!
この行動は予想以上だった。
アイツは自分のことを「軍師」だなんて言っていたけど、冗談じゃなくそんな気持ちなのだろうか。
6/30の夜に写真をアップ、7/1の朝にメイク動画をアップして、今はフォロワー9千人を超えている。初投稿にして、もう少しで1万を突破しそうだ。
動画の方に収められたメイクの過程は、どんなコスメを使ったかも分かるようになっている。写真だけでは物足りなかったフォロワーに、しっかり響いたらしい。
一体何者ですかと、ユキ個人に対する好奇心が加熱して、本人が言うところの「大切な先輩」である俺のアカウントにまで、その熱気が飛火した。
そして、俺のフォロワー数は、元々8千人位だったのが、今は1万人超えである。
ユキの立てた策は、見事に「大成功」という所だ。
この状況を創り出した俺の軍師は、予想以上に凄いらしい。
それに、このイベントに対するアイツの本気度が伝わってきて、また胸が熱くなる。
(ヤバいなぁ、本当。アイツの本気を見たら……益々、勿体ないと思っちゃうな)
ユキは、俺が居なくなったらどうする気なんだろう。
改めてそう思った。
いずれ――そこは本人に訊いてみたい。
だけど、またいつものように「プライベートな事ですから」って言ってくるのかな?
……フッと苦笑いが漏れる。
こんなに尽くしてくれるクセに。
俺たちの距離は、近いような遠いような、不思議な仲だよなと。
急にユキに問いかけたい気分になった。
「……蓮くん?」
泉水さんに呼びかけられ、我に返る。
「ああ、ごめん。色々考えちゃって……俺、ちょっとユキに連絡取ってみるわ」
「そっか。じゃあ僕はその間に、朝食の支度でもしてくるよ」
泉水さんはそう言って、俺の頭をポンとひと撫でしてから離れ、キッチンへと向かって行った。
「………」
さっき見た通り、自分のアカウントにも様々なメッセージが寄せられていたが、
『ユキのこと、何でもいいから教えて!!』
という皆の圧が、とにかくスゴい。その数と熱量で圧死しそうな勢いだ。
ユキ絡みの様々なコメントで小さな画面は溢れかえり、俺が少し前にアップした何でもないカフェの写真にさえ、びっくりするような数の「いいね」が付いていたりして。
これがいわゆる「バズり」なのかと――初めて体験する現象に鳥肌モノなのだが。
(めちゃくちゃ盛り上がってるけど……さて、俺はどこまで皆の期待に応えていけるかな?)
俺は――
本当のユキを知らない。
『オブリビオン』にいる時の、ホストのお前の貌しか知らない。
SNSでお前のことを知りたいと言っている人たちと、そんなに変わらない気がする。
お前が話したくないなら、それでもいいと思ってたけど――
「いや、びっくりした」
「ユキくんの本気メイク凄いね。それに寝起き……めっちゃ可愛かった。男の僕が言うのも変だけど『母性本能』を擽られるってこういう感じ?つい応援したくなるよ」
泉水さんはそう言って笑っている。
「やっぱり、そう思う?」
実は俺も同じ気持ちだった。
そう感じるのは、普段のツンデレなユキを俺が知っているからかと思ったけど。
多くの女子の気持ちを動かした理由も……ただ綺麗だからってだけじゃなく、そこなのかも?
『先輩の為に、ちょっとムリしてる』という、頑張りが見えて。
それでもあざとさは無く、ユキが醸し出すのんびりした雰囲気があるからこそ、温かく見守られているのかもなと思った。
――そして俺はといえば。
改めてユキの魅力と思い切りの良さを感じていて。
まさか、こんなにも自分を投げ出して頑張ってくれるなんて……!
この行動は予想以上だった。
アイツは自分のことを「軍師」だなんて言っていたけど、冗談じゃなくそんな気持ちなのだろうか。
6/30の夜に写真をアップ、7/1の朝にメイク動画をアップして、今はフォロワー9千人を超えている。初投稿にして、もう少しで1万を突破しそうだ。
動画の方に収められたメイクの過程は、どんなコスメを使ったかも分かるようになっている。写真だけでは物足りなかったフォロワーに、しっかり響いたらしい。
一体何者ですかと、ユキ個人に対する好奇心が加熱して、本人が言うところの「大切な先輩」である俺のアカウントにまで、その熱気が飛火した。
そして、俺のフォロワー数は、元々8千人位だったのが、今は1万人超えである。
ユキの立てた策は、見事に「大成功」という所だ。
この状況を創り出した俺の軍師は、予想以上に凄いらしい。
それに、このイベントに対するアイツの本気度が伝わってきて、また胸が熱くなる。
(ヤバいなぁ、本当。アイツの本気を見たら……益々、勿体ないと思っちゃうな)
ユキは、俺が居なくなったらどうする気なんだろう。
改めてそう思った。
いずれ――そこは本人に訊いてみたい。
だけど、またいつものように「プライベートな事ですから」って言ってくるのかな?
……フッと苦笑いが漏れる。
こんなに尽くしてくれるクセに。
俺たちの距離は、近いような遠いような、不思議な仲だよなと。
急にユキに問いかけたい気分になった。
「……蓮くん?」
泉水さんに呼びかけられ、我に返る。
「ああ、ごめん。色々考えちゃって……俺、ちょっとユキに連絡取ってみるわ」
「そっか。じゃあ僕はその間に、朝食の支度でもしてくるよ」
泉水さんはそう言って、俺の頭をポンとひと撫でしてから離れ、キッチンへと向かって行った。
「………」
さっき見た通り、自分のアカウントにも様々なメッセージが寄せられていたが、
『ユキのこと、何でもいいから教えて!!』
という皆の圧が、とにかくスゴい。その数と熱量で圧死しそうな勢いだ。
ユキ絡みの様々なコメントで小さな画面は溢れかえり、俺が少し前にアップした何でもないカフェの写真にさえ、びっくりするような数の「いいね」が付いていたりして。
これがいわゆる「バズり」なのかと――初めて体験する現象に鳥肌モノなのだが。
(めちゃくちゃ盛り上がってるけど……さて、俺はどこまで皆の期待に応えていけるかな?)
俺は――
本当のユキを知らない。
『オブリビオン』にいる時の、ホストのお前の貌しか知らない。
SNSでお前のことを知りたいと言っている人たちと、そんなに変わらない気がする。
お前が話したくないなら、それでもいいと思ってたけど――
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