【第二部完結】恋するホストと溺れる人魚と、多分、愛の話

凍星

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第6章 ◇問題発生⁉の 2nd WEEK

◆11 藤田Side:この想いに「名前」をつけるなら

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「そう、愛だと思うなぁ、これは。友達じゃないからって突っぱねられても、押しかけて行って手を差し伸べたいくらいには想ってる……これって、いまの君たちと一緒だよね」
「――え?」
「君たちも、友達じゃないとか言ってるけど」

蓮夜さんは、ふふっと意味ありげに微笑む。

「悪いホストクラブに捕まって、こき使われてる……そう思ったら、ここまで来ちゃったんでしょ?――そんなの、愛以外の何物でもなくない?」

ウィンクされた。
アイドルのキメポーズですか?って、笑ってツッコミを返すくらいの事がしたかったけど、それ以上にドキッとさせられてしまって、すぐには反応出なかった。


『――愛以外の、何物でもない』


僕たちが。
司滌に対して感じていることが?

そんな風に言われるとは思わなくて。
何かが、胸の鼓動を速くする。
どう応えたら良いのか分からない。

「愛している」という言葉は、僕の中ではとても重みのある単語だった。
そんなに気軽に使う機会はないし、歌詞としても、僕は書いたことがない。
これまでの人生では家族にも誰にも……一度も口にしたことがない、と思う。

僕は、いつもバンド活動のことを心配していたから、どちらかというと自分本位な気持ちが強かった気がして。

だからこの感情を、「愛」と呼ぶのは。
おこがましいんじゃないかって。
咄嗟に思ってしまったのが――正直な気持ちだった。


「愛されてんだなぁ、ユキの奴」


――だけどそんな僕の物思いに反して、目の前のこの人はふわっと軽い感じで「愛」という言葉を使う。照れたりすることもなく、蓮夜さんは嬉しそうに笑っている。

「……どうして、そんなに嬉しそうなんですか?」
「うーん何だろ、ユキは一匹狼……って言うほど尖ってないし、野良……って言う感じでもないんだけど。でも、いつも独りで行動してる迷い猫に、実はちゃんと家族がいたって分かって安心した、みたいな」

言い終えたら、ふはは、と気の抜けた笑い声を出し顔をクシャクシャにした。

「ごめん、自分で言ってても良く分かんない例えだった」
「…………」

「そう、ですね。確かに――『そう』なのかも、しれない」

僕は、またまたドキリとした。
蓮夜さんの言葉を受けた阿久津の声にだ。
やけに真剣で、大真面目で。何だか重々しく聞こえてくる。

『そう』というのは、何に対してだろう。
司滌が迷い猫みたい、ってことか、それとも僕たちの行動の源が――もしかして「愛」からだってことか。


「………どうして2人がここにいるの?」

そんなタイミングで、声がした。



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