【第二部完結】恋するホストと溺れる人魚と、多分、愛の話

凍星

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第3章 恋するホストは渇望する

◆2 泉水の想い

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シャツをはおったりして身支度を少し整えたあと。
お互い向き合って話す態勢になった。
そうしてから、俺は今日あった事をゆっくりと話し始めた。



「え、ユキくんが?蓮くんと一緒に?――売上バトルをする……!?」

突然の、意外な展開を聞かされて、泉水さんは目を大きく見開きびっくりしている。

「そうなんだよ!アイツ、俺に何の相談もなく突然――いきなりだよ?そんな提案を高城さんに突きつけてさ。かなり、ビックリした」
「競い合うのは――例のあの人なんだね……?何だか、手強そうな雰囲気の」

泉水さんは、前にオブリビオンに来てくれたことがあるから、高城さんと一度会っている。その時のことを思い返している様子だった。

「そ!同僚とかスタッフに話したら、『とうとう気でも狂ったか』って笑われたけどね。みんな案外面白がってたかな。俺が優柔不断な雰囲気出してたから、ユキの奴……見兼ねたみたいで。背中を押してくれたんだよ」

俺はあの時のユキの笑顔を思い出していた。「付いててあげないとダメだから」なんて、素直じゃない言い方をしてたけど――そんなユキの心意気に絶対応えなきゃなと改めて思う。

「うん。とにかく、これで来月売上トップになれば、無事にお店を辞められるから……!今度こそ、待たせない。期待して――待ってて欲しい」
「蓮くん……」

俺は泉水さんの両肩に手を置いて、力強くそう宣言した。
そんな俺の言葉を聞いたら笑顔を輝かせて、抱きついて喜んでくれる……俺の妄想の中では、そういう展開だったんだけど――どことなく浮かない表情である。

あれ?思ってたのと違う??

「……本当にいいの?」

ん?

「……ムリしてない?」

んん?そういう反応になるんだ?

「今、お店を辞めるのは――君が考えていた計画を狂わせてたりしない……?」

(あ!そういう……)

つまりは、俺の人生設計を、自分のせいで大きく変える羽目になっているのでは――と。
そう思って心配しているんだ、と今さら気付く。


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