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【1部完】第55話「ハッピーエンドのその手前」
(きっと、王太子殿下が私に騙されていると思われるわ)
だったら、やっぱり隠居生活を送った方がそれぞれのためだと、私は優しく微笑みながら、
「私の役目は完了いたしました」
これ以上の仕事はできませんと、そっと頭を下げる。
「俺の至らないところはどこだ」
「王太子殿下に至らないところなどありません」
「では、好みが合わないのか?」
アシュレイは、自分がアリアの理想とかけ離れているから駄目なのかと聞いてくるが、こんなイケメンを好きにならない人なんかいるの? と、誰かに聞きたいくらい。普通にカッコいいし、優しいし、笑うとすごく素敵だし、王太子殿下なのよ、ご令嬢たちが恋に落ちるのも頷けるけど、身分差ってどうしても引っかかるのよ。
世間から白い目で見られるのも、アシュレイが悪く言われるもの、私が嫌がらせを受けるもの全部嫌でしょう。
(一緒に居る時間が長くて、何か勘違いをしているのよ)
冷静になったら、私のことなんかすぐに忘れるわ。
「王太子殿下には、もっと素敵な方がお似合いです」
「俺はアリアがいい。他の女性など考えられない」
しつこすぎない? 数日も経ったら、絶対後悔する癖に、どうしたら冷静になるのよ! 私は意を決してきっぱりお断りをしようとしたのに、
「殿下の言葉を断るなど、許されないぞ」
いつの間に現れたのか、ローレンが剣先を私に向け、その剣をヴォルフガングが指一本で止める。
「誠、礼儀のない奴しかおらんな」
「貴様の娘ほどではないがな」
「我が娘を愚弄する気か」
「殿下の仰せを受けぬほうが、無礼であろう」
いがみ合う二人の間に火花が見え、互いは部屋の中心へと移動する。ローレンは剣先をヴォルフガングに向け、ヴォルフガングは鋭い眼光で睨む。
「お前は好かん」
馬が合わなそうだと、ヴォルフガングがローレンに言えば、負けじと身を乗り出し売り言葉を買う。
「ならば、山に帰ったらどうだ」
「ふんっ、最愛の娘を置いては帰れぬわ」
「悪いが、我が国にお前を収容できる獣舎はない」
人ではなくドラゴンとして飼う場所がないと、ローレンは嫌味を吐く。当然腹を立てるヴォルフガングの声も大きくなる。
「俺様をペット扱いするかッ!」
「違いないだろう」
所詮魔物だと、ローレンは言い放つ。
「小僧、勝負だ」
表に出ろと、ドラゴンの姿で相手をしてやると、手で合図すれば、ローレンは少しだけ顔を青くして、「罪を課すな」と叫ぶ。
さすがにドラゴンに勝つのは無理。
「話が見えぬ」
「貴様が俺を倒せば、反逆者として娘が罰を受けるぞ」
「ぐ、ぅ……、なんと卑怯な」
ドラゴンが城を攻め、ローレンが犠牲になったとなれば、もちろんヴォルフガングと娘の私は敵対する仲になるのよね、きっと。
愛する娘を盾にするなど、極悪人のすることだと反論すれば、ローレンも言い返す。
「殿下の申し出を断るなど、どちらが悪人だ」
ヒートアップする二人の口論は治まらず、どこで口を挟むか悩んでいたら、そっと頬に手が触れた。
「口づけをする許可はもらえるか?」
指で唇をなぞったアシュレイが、信じられないくらい甘い顔で、唐突にそんなことを聞いてきた。なんでそうなるの?!
というか、どういう状況なの? これ?
「アリア、君を愛したい」
至近距離でそんな言葉を吐かれたら、このままベッドインしそうなんですけどぉ。
「ちょっと待って」
「待てない」
近づくアシュレイの顔を押しのけたら、腰に手を回して迫ってくる。
(何も許可してないんですけどッ)
私の言葉ちゃんと聞いてました? 眉間に皺を寄せながら、迫るアシュレイに思わず、その頭は飾りですかっ、なんて失礼なことを言いそうになり、ハッと口を閉じる。
前々からしつこいとは思っていたけど、本当にしつこいじゃない! と、さすがに焦る。しかも、嫌いじゃないから困るんです!
『唇を奪わせてくれ』囁くように溶かされたら、お断りできる状態じゃなくなって……。
「アリア、君を愛している」
顎を軽く持ち上げられ、アシュレイの顔が近づく。
「ならぬッ!」
「許可できない!」
鼻先が触れるか触れないかの距離で、私とアシュレイは思いっきり引き離された。
「ぇ?」
「おいっ」
ヴォルフガングに抱きしめられた私と、ローレンに引っ張られたアシュレイは思わず小さな声が出てしまう。
もう少しで唇が触れるところだった私の顔は真っ赤に、引き離されたアシュレイは、邪魔をされた怒りで真っ赤に。
「お前のような輩がいる国に、娘はやれぬ」
「同感だな、お前のような父親がいる娘と、結婚などさせられるか」
いがみ合っていた二人は、互いに大切なものを抱きかかえて、バチバチと火花を散らす。
アシュレイに娘は渡せないと、アリアと王太子殿下は結婚させられないと、勝手な言い分をぶつけてくる。
(どうしてそうなるのよ!)
いい雰囲気だったのに、全部ぶち壊したヴォルフガングとローレンは、絶対に渡せないと意地になる。犬猿の仲とはよく言ったもので、どうやらこの二人は本当に相性が合わないらしい。
唸り声まで出しそうな二人を、私とアシュレイは呆れるように見る。
「ローレン……」
「アシュレイ、お前にはもっと相応しい令嬢がいる。諦めろ」
「いや、俺はアリアが……」
「心配するな、俺が超可愛い女の子を見つけてくる」
「そうではなくてだな……」
「なんだ、美人がいいのか。それなら国一番の美女を探してくる」
こう見えても顔は広い。美人の令嬢ならすぐに見つかると、自信たっぷりにローレンは言いつつ、絶世の美女を連れてくるとさえ断言する。
一方、ヴォルフガングも同じく
「アシュよりもよい王子を探してくるがゆえに、アリアは何も心配などせずともよい」
「別に王子様じゃなくても……」
「ダメだ。可愛い娘を嫁に出すなら、地位と金のある者でなければ許可できぬ」
世界で一番幸せになってもらうと、ヴォルフガングは婿探しをすると言い出す。世界を飛び回ることなど造作もないと、素敵な王子様を見つけ出すと意気込む。
たしかに、世界一周とか簡単に出来そうで怖い。
どうしよう、私の気持ちもアシュレイの気持ちも完全無視だわ。こんなにも惹かれてしまったのに、まさか妨害されるなんて予想外。
この状況に目を泳がせていたら、アシュレイがふと私に微笑む。
「心配ない。ローレンは後で俺が説得する」
なにも心配いらないと囁いた。だから私も、
「私もちゃんと話してみるわ」
一発触発状態の二人の高揚している気持ちが落ち着いたら、互いに説得しようと、私とアシュレイは静かに合図を交わしながら、苦笑する。
アシュレイとの仲は、それからだって遅くはないはずだから、きちんと向き合ってみようかと思う。互いが惹かれているのなら、きっと大丈夫だと。
ハッピーエンドまでほんの少し。
隠居生活は当然憧れるけど、アシュレイと一緒に居るのも悪くないと、今度こそ求婚をお受けしようかな。だって、化け物みたいな魔力があっても、ドラゴンが父親で伝説の大聖女様が母親で、私が聖女ではないと知ったうえで、それでも私を愛してくれるのよ。隠し事をしなくていい生活はきっとものすごく素敵だもの。
もちろん、ヴォルフガングもきっと結婚を喜んでくれるわ。だって、王子様と結婚するんだから。
本当にいろいろあったけど、私の自由はきっとここから始まるのよ。
『お母さん、心配しないで。私は絶対幸せになるから』
おしまい
夜明け前。
アラステア城の屋根に上がったヴォルフガングは、広大な大地に目を向けていた。
「アラステア国の正当聖女よ、お前はどこにいる」
苦虫を嚙み潰したような表情を浮かべ、ヴォルフガングは一人、負の感情を露にした。
……To be continued.
【あとがき】
最後までお付き合いしていただき、誠にありがとうございました!
こちらの作品は、別サイトにて掲載していたものを大幅に改稿したものとなり、約5万字ほど増えております。
楽しんでいただけたら、とってもとっても嬉しいです。
なお、続編の掲載は現在未定ではありますが、一応、第2部のタイトルは、
『王太子殿下に婚約破棄を申し出て、雲隠れしたら、なぜか国が壊滅しそうです!』
の予定ですので、しばらくお待ちください。
※続編の掲載は、別サイトにも存在いたしませんのであしからず。
だったら、やっぱり隠居生活を送った方がそれぞれのためだと、私は優しく微笑みながら、
「私の役目は完了いたしました」
これ以上の仕事はできませんと、そっと頭を下げる。
「俺の至らないところはどこだ」
「王太子殿下に至らないところなどありません」
「では、好みが合わないのか?」
アシュレイは、自分がアリアの理想とかけ離れているから駄目なのかと聞いてくるが、こんなイケメンを好きにならない人なんかいるの? と、誰かに聞きたいくらい。普通にカッコいいし、優しいし、笑うとすごく素敵だし、王太子殿下なのよ、ご令嬢たちが恋に落ちるのも頷けるけど、身分差ってどうしても引っかかるのよ。
世間から白い目で見られるのも、アシュレイが悪く言われるもの、私が嫌がらせを受けるもの全部嫌でしょう。
(一緒に居る時間が長くて、何か勘違いをしているのよ)
冷静になったら、私のことなんかすぐに忘れるわ。
「王太子殿下には、もっと素敵な方がお似合いです」
「俺はアリアがいい。他の女性など考えられない」
しつこすぎない? 数日も経ったら、絶対後悔する癖に、どうしたら冷静になるのよ! 私は意を決してきっぱりお断りをしようとしたのに、
「殿下の言葉を断るなど、許されないぞ」
いつの間に現れたのか、ローレンが剣先を私に向け、その剣をヴォルフガングが指一本で止める。
「誠、礼儀のない奴しかおらんな」
「貴様の娘ほどではないがな」
「我が娘を愚弄する気か」
「殿下の仰せを受けぬほうが、無礼であろう」
いがみ合う二人の間に火花が見え、互いは部屋の中心へと移動する。ローレンは剣先をヴォルフガングに向け、ヴォルフガングは鋭い眼光で睨む。
「お前は好かん」
馬が合わなそうだと、ヴォルフガングがローレンに言えば、負けじと身を乗り出し売り言葉を買う。
「ならば、山に帰ったらどうだ」
「ふんっ、最愛の娘を置いては帰れぬわ」
「悪いが、我が国にお前を収容できる獣舎はない」
人ではなくドラゴンとして飼う場所がないと、ローレンは嫌味を吐く。当然腹を立てるヴォルフガングの声も大きくなる。
「俺様をペット扱いするかッ!」
「違いないだろう」
所詮魔物だと、ローレンは言い放つ。
「小僧、勝負だ」
表に出ろと、ドラゴンの姿で相手をしてやると、手で合図すれば、ローレンは少しだけ顔を青くして、「罪を課すな」と叫ぶ。
さすがにドラゴンに勝つのは無理。
「話が見えぬ」
「貴様が俺を倒せば、反逆者として娘が罰を受けるぞ」
「ぐ、ぅ……、なんと卑怯な」
ドラゴンが城を攻め、ローレンが犠牲になったとなれば、もちろんヴォルフガングと娘の私は敵対する仲になるのよね、きっと。
愛する娘を盾にするなど、極悪人のすることだと反論すれば、ローレンも言い返す。
「殿下の申し出を断るなど、どちらが悪人だ」
ヒートアップする二人の口論は治まらず、どこで口を挟むか悩んでいたら、そっと頬に手が触れた。
「口づけをする許可はもらえるか?」
指で唇をなぞったアシュレイが、信じられないくらい甘い顔で、唐突にそんなことを聞いてきた。なんでそうなるの?!
というか、どういう状況なの? これ?
「アリア、君を愛したい」
至近距離でそんな言葉を吐かれたら、このままベッドインしそうなんですけどぉ。
「ちょっと待って」
「待てない」
近づくアシュレイの顔を押しのけたら、腰に手を回して迫ってくる。
(何も許可してないんですけどッ)
私の言葉ちゃんと聞いてました? 眉間に皺を寄せながら、迫るアシュレイに思わず、その頭は飾りですかっ、なんて失礼なことを言いそうになり、ハッと口を閉じる。
前々からしつこいとは思っていたけど、本当にしつこいじゃない! と、さすがに焦る。しかも、嫌いじゃないから困るんです!
『唇を奪わせてくれ』囁くように溶かされたら、お断りできる状態じゃなくなって……。
「アリア、君を愛している」
顎を軽く持ち上げられ、アシュレイの顔が近づく。
「ならぬッ!」
「許可できない!」
鼻先が触れるか触れないかの距離で、私とアシュレイは思いっきり引き離された。
「ぇ?」
「おいっ」
ヴォルフガングに抱きしめられた私と、ローレンに引っ張られたアシュレイは思わず小さな声が出てしまう。
もう少しで唇が触れるところだった私の顔は真っ赤に、引き離されたアシュレイは、邪魔をされた怒りで真っ赤に。
「お前のような輩がいる国に、娘はやれぬ」
「同感だな、お前のような父親がいる娘と、結婚などさせられるか」
いがみ合っていた二人は、互いに大切なものを抱きかかえて、バチバチと火花を散らす。
アシュレイに娘は渡せないと、アリアと王太子殿下は結婚させられないと、勝手な言い分をぶつけてくる。
(どうしてそうなるのよ!)
いい雰囲気だったのに、全部ぶち壊したヴォルフガングとローレンは、絶対に渡せないと意地になる。犬猿の仲とはよく言ったもので、どうやらこの二人は本当に相性が合わないらしい。
唸り声まで出しそうな二人を、私とアシュレイは呆れるように見る。
「ローレン……」
「アシュレイ、お前にはもっと相応しい令嬢がいる。諦めろ」
「いや、俺はアリアが……」
「心配するな、俺が超可愛い女の子を見つけてくる」
「そうではなくてだな……」
「なんだ、美人がいいのか。それなら国一番の美女を探してくる」
こう見えても顔は広い。美人の令嬢ならすぐに見つかると、自信たっぷりにローレンは言いつつ、絶世の美女を連れてくるとさえ断言する。
一方、ヴォルフガングも同じく
「アシュよりもよい王子を探してくるがゆえに、アリアは何も心配などせずともよい」
「別に王子様じゃなくても……」
「ダメだ。可愛い娘を嫁に出すなら、地位と金のある者でなければ許可できぬ」
世界で一番幸せになってもらうと、ヴォルフガングは婿探しをすると言い出す。世界を飛び回ることなど造作もないと、素敵な王子様を見つけ出すと意気込む。
たしかに、世界一周とか簡単に出来そうで怖い。
どうしよう、私の気持ちもアシュレイの気持ちも完全無視だわ。こんなにも惹かれてしまったのに、まさか妨害されるなんて予想外。
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「心配ない。ローレンは後で俺が説得する」
なにも心配いらないと囁いた。だから私も、
「私もちゃんと話してみるわ」
一発触発状態の二人の高揚している気持ちが落ち着いたら、互いに説得しようと、私とアシュレイは静かに合図を交わしながら、苦笑する。
アシュレイとの仲は、それからだって遅くはないはずだから、きちんと向き合ってみようかと思う。互いが惹かれているのなら、きっと大丈夫だと。
ハッピーエンドまでほんの少し。
隠居生活は当然憧れるけど、アシュレイと一緒に居るのも悪くないと、今度こそ求婚をお受けしようかな。だって、化け物みたいな魔力があっても、ドラゴンが父親で伝説の大聖女様が母親で、私が聖女ではないと知ったうえで、それでも私を愛してくれるのよ。隠し事をしなくていい生活はきっとものすごく素敵だもの。
もちろん、ヴォルフガングもきっと結婚を喜んでくれるわ。だって、王子様と結婚するんだから。
本当にいろいろあったけど、私の自由はきっとここから始まるのよ。
『お母さん、心配しないで。私は絶対幸せになるから』
おしまい
夜明け前。
アラステア城の屋根に上がったヴォルフガングは、広大な大地に目を向けていた。
「アラステア国の正当聖女よ、お前はどこにいる」
苦虫を嚙み潰したような表情を浮かべ、ヴォルフガングは一人、負の感情を露にした。
……To be continued.
【あとがき】
最後までお付き合いしていただき、誠にありがとうございました!
こちらの作品は、別サイトにて掲載していたものを大幅に改稿したものとなり、約5万字ほど増えております。
楽しんでいただけたら、とってもとっても嬉しいです。
なお、続編の掲載は現在未定ではありますが、一応、第2部のタイトルは、
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