ハート オール デスゲーム／宇宙から来たロボットに拠る地球侵略

第五 サイコロ振り 前編

眼前の様子を確認する。

女子高生らしき人物が一人。対戦相手だろう。

普通の机が一つ。多分スチール製。

金属製で十ｃｍ四方の正六面体の一つ。つまりサイコロ。

スタート、一～十七、ゴールと書かれた物と駒二つ。

駒には一番、二番と書かれている。これは双六だな。

キャタピラを二脚装備、胴体は金属製、頭部にはコンピュータ、大きな二対のアームを持つロボットがいた。

双六に負けたら、このロボットに殺されるのか？　恐ろしい、怖過ぎるだろ。

ロボットから二番の札を渡された。

アナウンス「勝ち抜けるのは一名のみ。
　　　　　　双六で先にゴールに到達したら勝ち抜け。
　　　　　　サイコロはロボットに振り方を指定できる。
　　　　　　対戦相手に直接危害を加えるのは禁止、反則負けとする。
　　　　　　サイコロは一から六が書かれている。
　　　　　　一番から始めろ」

俺は後攻なんだけど、このルールだとやたらに不利だろ。

向こうが最初に一か二でも出れば大分有利になるんだけど。

女子がサイコロをアームに挟んだ。

女子「六が出る様に振って」

ロボットが軽く頷いた。

何？　そんなのありなの？

ロボットが何かを計算している。

摩擦係数、落下速度、電荷状態、落下衝撃度、重力、万有引力、空気抵抗、床硬度、加重。

これらを厳密に計算すれば、サイコロの目は操れるんだ。

サイコロの目は六が出た。

一番の駒は六マス進んだ。

どうすんだよ、これ。三ターン目の先行でゴールするじゃん。

もう俺に勝ち目は無いじゃん。









まともにやったら。

だから、まともにやらなきゃいいんだ。

さて、どうしたものか？