ハート オール デスゲーム／宇宙から来たロボットに拠る地球侵略

第二十六 討論 超能力の有無の証明ｖｓ論破 その十

目の下の隈のなくなった一番はかなりの美人だった。

普通の生活だったら、楽しい人生を送れていただろうに。

宇宙人（ロボット）に侵略されたばっかりに。



証明方法が思い付かない以上、捏造するしかない。

寝起きの一番に対して、作戦を説明する。

どの程度理解してくれているかは不明だが。

悔やまれるのは、なんで俺も寝てたんだろう？

有無の両方を証明するのが無理だと、脳が判断したのかな？

ハッタリをかますしか方法は無い。

資料閲覧時間の十時間が終了した。


少しでも時間を稼がないと。

「資料閲覧時間として十時間でしたね。
　この後食事の時間を頂きたいんですけど
　時間を貰えますか？」

ロボット「少し待つかね。
　　　　　上からの許可で時間を貰ったかね。
　　　　　一時間以内に討論場に到着すれば良いかね」

「ありがとうございます。
　討論場へはどれ位の時間が掛かるのですか？」

ロボット「荷物を載せてから五分もあれば充分かね。
　　　　　五十分経過したら教えるかね」

「ありがとうございます」

渡された時計は１０時間経過を表示したまま止まっている。


一番と共に食事を取る。

時計がはめられているので、１０メートル以上は離れられない。

ルール用紙を確認しつつ、作戦を再構築していく。

重要なのはペア戦で、ほぼ引き分けなら両ペアが勝ち抜けられる点。

まともに討論したら、絶対に勝てないのは明白だから。


衣装部屋で白衣二着と、プロレスラー用のマスク二着を拝借。

監視ロボットの知らせで、荷物を渡した。

渡したのは辞書一冊のみ。


討論場へと到着した。

さて、頑張らないとな。