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第二十六 討論 超能力の有無の証明vs論破 その十一

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討論場を確認するとしよう。

広さは教室程。

俺の近くには一番と監視ロボット。

向こう側には三番(女性)四番(男性)ペアと監視ロボット。

部屋の中央には(多分)審判ロボット。

向こうのペアは大量の本を持ち込んでいる。

それに対してこちらの持ち込んだ物は辞書一冊のみ。

俺の服装はジャージの上に白衣を羽織り、プロレス用のマスクを装着。

一番も完全に同じ服装をしている。

番号札は白衣の上に出ている。


ルールを確認したけど、嘘を吐くのは禁止されていない。

審判ロボット「討論を始める前に各自ルールを確認しなさい。
       各自ルール用紙を出すように」

ルール用紙を取り出し、確認した。

審判ロボット「追加ルールを発表する。
       ブーイングは禁止とする。
       許可の無い発言は禁止とする。
       上記二項の違反者は減点。
       他ペアと共謀するのは構わない。
       それでは一番二番ペアから、証明を行いなさい」

ルールの追加は、それ程意味のある物ではなさそうだ。

一番との打ち合わせ通り、俺が辞書を持って前に出た。

「先ず始めに、作戦上の事ですので審判だけに
 このページをお見せ致します」

『認めなければ論破は成立しない』を審判に確認させた。

審判ロボット「確かに確認した。
       三番四番ペアの要求があれば開示してもよいのかな?」

「いえ、拒否して下さい。
 作戦の内なので」

審判ロボット「承知した」

ブーイングは来なかった。

新ルールが無ければ確実に来ていたのだろうけど。

「それでは手始めに、超能力がある事の証明を致します」

手で合図をして、一番を呼び寄せた。

「ペアである一番を自由自在に操ってみせます」

三番四番の挙手はまだない。

「座って」

一番は座った。

「立って」

一番は立った。

予定通りである。

四番が挙手し、審判に発言を認められた。

四番「二番の声に、一番が従っているだけに思えるのだが。
   別な方法で超能力を証明してもらいたい」
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