異世界に勇者召喚された俺のスキルが勇者召喚な件について

行当遭遇(いきあたりばったり)

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もう一度最初から!?

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 目の前にいるおばさん・・・、いや、第一王女(25歳)独身、夢見る乙女?

「お待ちしてましたよ、勇者様。」

 昨日とは違い落ち着いたお淑やかな女性といった印象を受ける。

「ここは、いったい・・・。美しい・・・、あなたはいったい?」

 俺は、昨日の記憶はなく、今目覚めてこの謁見の間に連れてこられたことになっていた。昨日王様がいた斜め後ろでカンペを持っている下っ端兵士の方を何度か見ながら何故か読める異世界の文字を不自然にならないように必死に読んでいる。

「そんな美しいだなんて、お褒めに預かり光栄です。私はこの国の王族でのアンネリア=ラ=フォーク。そして、ここは王宮の謁見の間です。」

  ほんのりと頬を赤らめながら言う彼女は得意気に言うが、朝起きてから、王女の教育係の何とかセバノフという爺さんと侍従長のマリア=プライドというおばさんに、昼過ぎになるまで今彼女が言ったことを含め教育を受けた。その時に今やっている勇者召喚後のやり取りのやり直し演技指導も行われたのだが、覚えきれそうもないと思われたらしくカンペが用意される運びとなった。
 やり直しの理由は、勇者召喚により混乱した勇者の言語返還スキルがうまく機能していなかった可能性があるという理由で王女の機嫌回復を図ったためらしい。

「王女様でしたか。それにしても、美しい。それで、なぜ俺はここに?」

 なんでことさらに、王女の機嫌を取るような言葉を無理矢理挟むのかあのカンペは。

「そんな、二度も美しいだなんて、さすがに照れてしまいます。」

 王女の顔がさらに赤くなってる。

「勇者様がここにおられるのは、私が行った勇者召喚により、別の世界より勇者となるものを呼び寄せた結果、招かれたためです。」

「俺が勇者ですか?」

 正直な話、無理だと思う。俺、王女のビンタ一発で首コルセットだよ。

「その通りです。勇者様は私のスキル『絶対勇者召喚』で呼ばれた必ず世界を救うことができる力を持つ勇者様です。」

 何それ、初耳なんですけど。チラッと先ほどまで教育してくれた二人を見る。二人とも頷いてる。マジですか?必ず救うことができるとかチート過ぎる。

「でも、俺にそんな力があるようには思えないんだけど。」

「この世界に来るときに、何らかの力を得ているはずです。ステータスの確認をしていただければわかると思います。」

 異世界もの特有のステータス確認だよ。やっぱりステータスオープンとかいうのか?もしくは鑑定石かな?

「どうやって確認するんですか?」

「用意してありますよ。鑑定石をここに。」

 鑑定石だ!やはりあるんだな!楽しみだなステータス。

 そして、神官風の白髪の髭おじさんが台に乗せられた石板とその石板の脇に添えられた小刀を持ってきた。

「・・・、これの使い方は・・・。」

 まさか、指を傷つけて血を垂らすとかいうタイプか!?

「こちらで手首を切り、石板の窪みいっぱいに血を溜めてください。」

「・・・。」

「どうかしましたか、勇者様?」

 リストカットタイプとか聞いたことないよ!!!

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