異世界に勇者召喚された俺のスキルが勇者召喚な件について

行当遭遇(いきあたりばったり)

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閑話 夢見る王女 前編

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 私は物心ついたとき王妃である母様が語ってくれた勇者様と結婚した三代目王妃の話が大好きだった。
 三代目王妃様は教会から聖女と認定されるほどの聖魔法の使い手で勇者召喚のスキルを初めて授かったとされる人だった。ただ勇者を呼んだのは18歳の時に魔王が魔物を引き連れて世界征服を開始したためだそうだ。それまで勇者という存在を召喚する必要性がなかったこともあるが、勇者召喚にかかる精神力が足りなかったことが最大の理由だったらしい。
 勇者召喚に必要な精神力は当時は1000必要だったらしい。聖女と言われた方でも700しかなく魔王が現れてから魔物を倒して成長してそれから召喚したということだった。召喚した勇者は、王妃の美しさに一目惚れして魔王を退け世界が平和になったら結婚してほしいとその場で求婚してきたという。そして約束通り魔王を封印して、姫だった王妃と結婚して三代目国王となったという。勇者は治世に優れ国を大いに豊かにしたそうだ。そして、王妃は実に8人の子を産んでその子供たちもだれ一人争うこともなく実に幸せな一生を送ったという。

 私も勇者様と結婚して幸せな家庭を築きたい。それが私の夢になった。しかし、その夢には『勇者召喚』のスキルが必要だった。鑑定の儀は15歳になる年の医の月に行われるそこで、初めて自分のスキルなどの情報が分かるのだ。まずはこれで夢の第一歩が決まるのだ。

 そして、私が鑑定の儀を行う日が来た。聞いてはいたが、台の横の短剣はとてつもない存在感を放っていた。そのうえ、それ以上に国一番の治癒師という隣に待機している今にもお迎えが来そうな神官服を来たお爺ちゃんの存在がさらなる恐怖を呼んでいた。どうかこの爺さんが血を見たショックで死にませんように、そう祈りつつも夢の為に決意を込めた目で目の前の短剣をもう一度確認し手に取り、鑑定石の窪みに近付けた手首に向かって突き立てた。ほぼ一瞬で、窪みはいっぱいの血で満たされた。爺さんは滅茶苦茶動揺していたがきちんと治癒魔法を発動していた。私は傷口がふさがると血が減り過ぎてフラフラしながらも鑑定石を覗いていた。スキル欄には、『絶対勇者召喚』の文字。

「き、き、きましたわ!ついに私の夢がかないます。さあ呼ぶわよ!『絶対勇者召喚』!!」

 なにも、起こらなかった。

「な、なぜです!!どういうことですか!!ジジイ答えなさい!!!」

 つい、我を忘れて治癒師の爺さんに問いただしてしまいましたが、よく見ると爺さんは白目をむいていました。どうやら先ほどの治癒の時に精神力を使い果たし意識を失っていたようです。決して私が絞め落としたわけではありませんよ。

「えっと、ごめんなさい。それよりもどういうことか誰か説明してください!」

 そうして、私が声を上げると周りの兵士や神官が鑑定石を確認に近寄ってきました。

「失礼いたします姫様、拝見させていただきます。」

 そう言って覗き込む者たちが、そろって声を上げた。

「「「これは!」」」

 皆が一斉に何かに気が付いたらしいことが分かった。
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