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勇者を待つ間。

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「後部様、勇者へのご要望は?」

 王女が俺を呼んだ条件と一緒でいいよな、魔王退治が目的だろうから、というよりも考えるのもめんどくさいし、何より試し呼びだから、何もせずに帰ってしまうから適当でいいや。

「俺の時と同じ条件でいいよ。」

 このめんどくさがりな性格を後で後悔した。

「えっ!?」

 王女が反応した。

「了解しました。ラッチに確認次第勇者のスカウトに向かいます。到着は、日没ぐらいになると思いますのでそれまでお待ちください。では、転移!!」

 来た時、同様に戻るかと思ったらいきなり消えた。

「ちょっと、待ってください!」

 王女が、青い顔をしている。

「ええっと、どうかしましたか?」

「・・・いえ、だいじょうぶです。なんでもありません。・・・、日没まで大分ありますし少しこちらの世界についてお話ししましょうか。」

 なんか、話の内容を変えられたが、まあいいか。

「そうですね。とりあえず、今後のこともありますし何したらいいかとか教えてもらえると助かります。」

「それでは応接室がありますので、そちらに。」

「はい。」

 こうして、王様と女王に王女、宰相や親衛隊長など偉そうな人たちに囲まれながらお茶会のような話し合いが行われた。

 そして、話の要点をまとめると・・・

・魔王はまだ復活していない。(復活はまだ三か月くらい先らしい。)

・一般知識の勉強と並行し、ダンジョンにてレベル上げをしてもらいたいらしい。

・復活する魔王を倒してほしい。

・勇者が元の世界に帰ったことはない。(こちらの世界の女性と恋に落ちて帰る手段を探すことをやめてしまうらしい。)

・ダンジョンには王女とここにはいないが回復薬に聖女と斥候にゴブリンと魔法使いの大魔王が一緒にパーティーを組んで入るという。(おかしい、魔王を倒すパーティーに大魔王がいる。)

・王様から、こっそりと娘を貰ってくれと言われた。(どうも、行き遅れているらしい。)

・報酬は王様にできる範囲で何でもしてくれるらしい。

以上が話の内容だ。

 そして、勇者が来たのはいいのだが・・・。

 俺、10歳になりました。
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