□猫組としての心得□

それでも僕はぼやきます。

単に入学した所が全寮制だっただけなんです。
確かに選んだのは俺です。
此処に行きたい、受かりたいとも思ったのは俺です。
でもそれはあくまでも自分の夢への通過点に過ぎないのですよ。

俺の夢、それは一流企業に就職して金に不自由しない生活を送りたい。ただそれだけなんですから。
え？そんなのは夢でもなんでもないって？
いやいや、バカな事は言っちゃいけませんよ
今の時代、就職するだけでも大変な世の中です。
リストラや雇用問題でどれほどの人が生活苦、フリーター、ニート、はたまたホームレスになっている事か。
俺はそんな人生は送りたくないのですよ。
今からしっかり人生設計を立てていかなきゃこの先の日本では生き残れません。
だから頑張って頑張ってこの大学までエスカレーター式の学校に入学したのです。
本来俺の頭では入れないと中学の担任は溜息をついていましたが、俺はそれこそ死に物狂いで頑張ったのです。
平日は授業終わってから家に帰って９時間予習復習に励み
休日は１８時間を勉強に費やしたのですから。
それで入れなかったらそれは俺の頭の出来が悪いだけ。自分の責任ですからね。
甘んじて受け入れるつもりでしたが
奇跡的に入学出来たわけですよ。

そりゃーもう中学の時の担任なんて驚き過ぎて卒倒したほどです。失礼しちゃうわね。
クラスメイト達から胴上げされたのも良い思い出です。

ただこんな事なら入らなきゃ良かったなと思ったのも本当です。

猫だらけのこのクラスはクラス替えしてからあっという間に【猫組】と言う俺にとっては不名誉な名称が付きました。

そりゃだって、ねぇ？
授業の合間の休憩中なんかにゃ生徒会役員勢揃いしてクラスまでやってくるし
不良の軍団も押し寄せてくるし
普段一匹狼の奴も特定の奴に会いに来るし
遊び人も毎回のように顔を出しに来るんですからね。
その休憩中、朝、帰りだけはクラスの人数が倍増するわけですよ。
そんな状況が一週間も続けば学校のみんなも気付くわけですよ。

｢あれ？あのクラス何かネコ(受け)多くね？｣

みたいなね。

で、一週間後には見事に【猫組】と言う名が付きました。
もう俺としては最低、最悪ですよ。

クラス替えとか無いほうが幾分かマシだったんでしょうけど
それはまぁ理系、文系と選択しなきゃいけなかったし？
不可抗力でしょこんなもん。
それでも理系、文系それぞれ５クラスあるのに何故このクラスだけ･･･いや、もう考えたくもない。