□猫組としての心得□

ハタセ

文字の大きさ
18 / 70

レッツコミュニケーション。2

しおりを挟む
なんか、
なんつーか、

まだこんだけしか話してないけど

瀬野尾って、見た目に反して案外普通?

もし仮に瀬野尾がタチだとして、俺がこの学校に来て対面した数々の攻め方と比べたら全くもって捕食者的オーラが無いのだ。
あのギラギラしたような、自分の欲を丸出ししたような、
良い意味でも悪い意味でも王様的なそんな類のものが瀬野尾からは感じられない。
まぁ隠してる場合も多分にあるかもしれないけど。

で、反してネコだとすると……その要素はまるで皆無。
猫組に居て唯一周りを傍観者として見る事が出来る俺から言わせてもらえば、瀬野尾がネコだと言うほうが無理がある。
見た目もそうだが、内面から出る雰囲気がまるで違う。
クラスに集まる彼等とは多分別次元の人間だ。

そう、どちらかと言えば俺寄りの人間……あれ?

「……瀬野尾」

俺は歩いていた足を止めて瀬野尾を一瞥した。

「ん?」

その半歩後ろで瀬野尾も足を止め俺に顔を向けた。

「あの、さ、…ちょっと聞きたい事があんだけど…つーか、確認てか……瀬野尾ってさ、タチ?ネコ?どっち?…とか、この意味分かる?」

俺自身、自分がした質問の内容がわかりにくい。
ですが、他にどういう言い方すりゃいいか俺には分からなかったんです。

「えっ…と…?ごめん、わかんねーんだけど。その、立ち?とか、猫?とかって何?何かの暗号?」














ああ、やっぱりそうか…
瀬野尾、お前って…














「ノンケかよ…」

「は?」













あの【猫組】に
まさかの【天然記念物】2人目が入ってきちゃいました。

とは言ってもまだ断定は出来ませんけどね。
タチやネコの意味を知らなかったとしても、そういう知識に乏しかっただけで実は瀬野尾自身もしかしたらそっち側の人間かもしれないのですよ。

だから俺はそれを確かめる事にしました。

「って、ちょっ!?オイ!どこ行くんだよ楽!!」

俺は直ぐさま誰も居ない空き教室へと瀬野尾を連れ込んだのです。
あ、決してイヤラシイ事をしようとか全く思ってないのでご安心を。

瀬野尾を教室へと押し込めた俺はドアを閉める前に辺りに人が居ないか充分に確認してからその扉をそっと閉じた。

「一体何なんだ?校内案内してくれんじゃなかったのか?」

少し俺に不信感を持ったような表情をした瀬野尾に振り返り、俺は眉間に手を当て深い溜息をついた。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

とある金持ち学園に通う脇役の日常~フラグより飯をくれ~

無月陸兎
BL
山奥にある全寮制男子校、桜白峰学園。食べ物目当てで入学した主人公は、学園の権力者『REGAL4』の一人、一条貴春の不興を買い、学園中からハブられることに。美味しい食事さえ楽しめれば問題ないと気にせず過ごしてたが、転入生の扇谷時雨がやってきたことで、彼の日常は波乱に満ちたものとなる──。 自分の親友となった時雨が学園の人気者たちに迫られるのを横目で見つつ、主人公は巻き込まれて恋人のフリをしたり、ゆるく立ちそうな恋愛フラグを避けようと奮闘する物語です。

人気アイドルが義理の兄になりまして

BL
柚木(ゆずき)雪都(ゆきと)はごくごく普通の高校一年生。ある日、人気アイドル『Shiny Boys』のリーダー・碧(あおい)と義理の兄弟となり……?

鬼ごっこ

ハタセ
BL
年下からのイジメにより精神が摩耗していく年上平凡受けと そんな平凡を歪んだ愛情で追いかける年下攻めのお話です。

アイドルくん、俺の前では生活能力ゼロの甘えん坊でした。~俺の住み込みバイト先は後輩の高校生アイドルくんでした。

天音ねる(旧:えんとっぷ)
BL
家計を助けるため、住み込み家政婦バイトを始めた高校生・桜井智也。豪邸の家主は、寝癖頭によれよれTシャツの青年…と思いきや、その正体は学校の後輩でキラキラ王子様アイドル・橘圭吾だった!? 学校では完璧、家では生活能力ゼロ。そんな圭吾のギャップに振り回されながらも、世話を焼く日々にやりがいを感じる智也。 ステージの上では完璧な王子様なのに、家ではカップ麺すら作れない究極のポンコツ男子。 智也の作る温かい手料理に胃袋を掴まれた圭吾は、次第に心を許し、子犬のように懐いてくる。 「先輩、お腹すいた」「どこにも行かないで」 無防備な素顔と時折見せる寂しげな表情に、智也の心は絆されていく。 住む世界が違うはずの二人。秘密の契約から始まる、甘くて美味しい青春ラブストーリー!

モテる兄貴を持つと……(三人称改訂版)

夏目碧央
BL
 兄、海斗(かいと)と同じ高校に入学した城崎岳斗(きのさきやまと)は、兄がモテるがゆえに様々な苦難に遭う。だが、カッコよくて優しい兄を実は自慢に思っている。兄は弟が大好きで、少々過保護気味。  ある日、岳斗は両親の血液型と自分の血液型がおかしい事に気づく。海斗は「覚えてないのか?」と驚いた様子。岳斗は何を忘れているのか?一体どんな秘密が?

ビッチです!誤解しないでください!

モカ
BL
男好きのビッチと噂される主人公 西宮晃 「ほら、あいつだろ?あの例のやつ」 「あれな、頼めば誰とでも寝るってやつだろ?あんな平凡なやつによく勃つよな笑」 「大丈夫か?あんな噂気にするな」 「晃ほど清純な男はいないというのに」 「お前に嫉妬してあんな下らない噂を流すなんてな」 噂じゃなくて事実ですけど!!!?? 俺がくそビッチという噂(真実)に怒るイケメン達、なぜか噂を流して俺を貶めてると勘違いされてる転校生…… 魔性の男で申し訳ない笑 めちゃくちゃスロー更新になりますが、完結させたいと思っているので、気長にお待ちいただけると嬉しいです!

俺の親友がモテ過ぎて困る

くるむ
BL
☆完結済みです☆ 番外編として短い話を追加しました。 男子校なのに、当たり前のように毎日誰かに「好きだ」とか「付き合ってくれ」とか言われている俺の親友、結城陽翔(ゆうきはるひ) 中学の時も全く同じ状況で、女子からも男子からも追い掛け回されていたらしい。 一時は断るのも面倒くさくて、誰とも付き合っていなければそのままOKしていたらしいのだけど、それはそれでまた面倒くさくて仕方がなかったのだそうだ(ソリャソウダロ) ……と言う訳で、何を考えたのか陽翔の奴、俺に恋人のフリをしてくれと言う。 て、お前何考えてんの? 何しようとしてんの? ……てなわけで、俺は今日もこいつに振り回されています……。 美形策士×純情平凡♪

平凡ハイスペックのマイペース少年!〜王道学園風〜

ミクリ21
BL
竜城 梓という平凡な見た目のハイスペック高校生の話です。 王道学園物が元ネタで、とにかくコメディに走る物語を心掛けています! ※作者の遊び心を詰め込んだ作品になります。 ※現在連載中止中で、途中までしかないです。

処理中です...