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7話 カイツールの冒険者ギルド
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自発的に目が覚めたので、上体を起こした。
「ん、くぅぁぁぁぁぁ……っと」
久々に熟睡出来たな。
旅の途中は不寝番をしていたり、眠っている時も何かあればすぐに戦闘態勢を整えられるようにと、神経を昂らせていたのもあって浅い眠りの時が多かったのだ。
カーテンを開けて朝日を浴びる。
今日もいい天気だ。
今日は……そうそう、アイリスが冒険者になりたいから、冒険者登録をするんだったな。
俺もしばらくカイツールに滞在することになるし、所属を登録をしておかなければ。
一度そのギルドに登録しておけば、依頼の都合からよその町のギルドの世話になった時でも、どこのギルドから依頼を受けたものかハッキリ分かるので、万が一冒険者と依頼主との間で問題が起きてしまった場合でも、ギルドの方から便宜を図ってくれる。
もしも依頼主の方が依頼内容を反故にするようなことがあったり、あるいはその逆のことが起きても、ギルドが仲介した上で、反故にされた側の人間は守られるのだ。
所属登録の際の手数料も不要なので、しておかなければむしろ損しかしない。
ギルドに所属登録していない冒険者は、その町のギルドが発注する依頼を受けられないし、場合によっては"密猟者“として見なされる恐れがある。
後ろ暗いことに覚えがないなら、ちゃんと堂々としておけ言うことだ。
さて、目も覚めてきたところで顔を洗って……アイリスはまだ寝ているかもしれないな、起こしに行くか。
旅荷物をまとめて、さて部屋を出ようとしたところで、ドアがノックされた。
「ん?どなた?」
「おはようございますリオさん、アイリスです」
どうやらアイリスの方が早かったらしい。
ドアを開ける。
「おはよう、昨夜はよく眠れたか?」
「はい、朝までぐっすりでした」
起き抜けから生気に満ちた顔をしているアイリス。旅で疲れていたのは彼女も同じだ、床についたらすぐに熟睡したのだろう。
「それはよかった。朝食を済ませたら、冒険者ギルドの方に行こうか」
「今日はよろしくお願いします」
「あぁ、こちらこそだ」
互いに朝の挨拶を交わしたら、宿の食堂へ向かう。
朝食後は部屋を引き払って、その足で冒険者ギルドの出張機関へ直行だ。
ちなみに、昨日のアンドリューさんとの契約で、アイリスの分の宿代やらは何やらは俺が払うことになっているので、その分の費用は前払金と合わせて先にもらっている。
寛容で金払いも人柄もいい、お金のやり取りをする上でこれほど気持ちよく成立出来る人はそういない。……その分、ちょっとだけ無茶を押し付ける人でもあるようだが。
案内板を見て……中心部辺りに、出張機関を兼ねた酒場があるようだな。
しかし……そこまで歩くだけのことなのに、道行く人は俺の隣一歩後ろ辺りに続いているアイリスに一目向ける、あるいは振り返る。
顔立ちも良く、均整の取れた身体付き、身形もしっかりしているともなれば、紛うことなき美少女だ。
お互い知らない仲で擦れ違ったら、俺だって一目見たくなるくらいだ。
横目で見る限り、アイリスは周囲の視線を気にしている様子は無い。元々は貴族だったから、そう言った視線には慣れているのかもしれないな。
一際大きい建物に、冒険者ギルド共通の紋章旗。ここが冒険者ギルドの出張機関の酒場のようだ。
入ってみれば、朝早くから冒険者達の喧騒と、テーブルに並べられた料理の香辛料や酒の匂いが混ざりあった、酒場特有の空気。
「ここが、冒険者ギルド……」
アイリスは物珍しげに、視線を左右させる。
「どこの町のギルドも、こんな感じだな」
規模の大小は、場所によってまちまちだが、大体は酒場と併設して作られている。
依頼を達成して帰ってきた冒険者が、報酬で懐が温まったのをいいことに、その場ですぐ散財させるため、と聞いたことがある。
まぁ確かに、帰ってきてすぐに美味しい料理を用意してもらえると言うのは、抗い難い誘惑で、財布の紐を緩めやすいものだからな。
とは言え今日の俺達の目的は食事ではなく、冒険者登録だ。
ギルドカウンターにいるのは、なんだか眠そうな顔をした、ウェーブのかかった桃色の髪をした女の子。
受付嬢にしては随分若いな。
「冒険者ギルド・カイツール支部へようこそ。ご用件をどうぞ」
眉の毛先ひとつ動かさない無表情で、淡々と挨拶する受付嬢。
「用件は二つある。まずは、冒険者の所属登録を頼みたい」
まずは俺の用件からだ。
「かしこまりました。ギルドカードの提示をお願い致します」
声色ひとつも変わらない。まるで訓練された兵士のようだな。
言う通りに、俺のギルドカード――黒鉄級を示す暗い鈍色のそれを差し出す。
ギルドカードを受け取った受付嬢は、頭の周りに魔方陣を形成し、ギルドカードを読み取っていく。
受付嬢の必須技能である、鑑定魔法だ。
ギルドカードの内容は正しいものか、あるいはカード自体が偽造のものではないかを確認したり、魔物から剥ぎ取った魔石や素材の状態などを判別するために使われる。
「ご確認致しました。当ギルドへの所属登録で間違いないでしょうか」
「あぁ、そうだ」
「かしこまりました。少々お待ちください」
用件内容を再確認してから、受付嬢は俺のギルドカードの情報を、手早く名簿帳に書き込んでいく。
「登録完了しました。ギルドカードをお返しします」
「どうも」
差し出されたギルドカードを懐にしまう。
さて、次はアイリスの冒険者登録だ。
「ん、くぅぁぁぁぁぁ……っと」
久々に熟睡出来たな。
旅の途中は不寝番をしていたり、眠っている時も何かあればすぐに戦闘態勢を整えられるようにと、神経を昂らせていたのもあって浅い眠りの時が多かったのだ。
カーテンを開けて朝日を浴びる。
今日もいい天気だ。
今日は……そうそう、アイリスが冒険者になりたいから、冒険者登録をするんだったな。
俺もしばらくカイツールに滞在することになるし、所属を登録をしておかなければ。
一度そのギルドに登録しておけば、依頼の都合からよその町のギルドの世話になった時でも、どこのギルドから依頼を受けたものかハッキリ分かるので、万が一冒険者と依頼主との間で問題が起きてしまった場合でも、ギルドの方から便宜を図ってくれる。
もしも依頼主の方が依頼内容を反故にするようなことがあったり、あるいはその逆のことが起きても、ギルドが仲介した上で、反故にされた側の人間は守られるのだ。
所属登録の際の手数料も不要なので、しておかなければむしろ損しかしない。
ギルドに所属登録していない冒険者は、その町のギルドが発注する依頼を受けられないし、場合によっては"密猟者“として見なされる恐れがある。
後ろ暗いことに覚えがないなら、ちゃんと堂々としておけ言うことだ。
さて、目も覚めてきたところで顔を洗って……アイリスはまだ寝ているかもしれないな、起こしに行くか。
旅荷物をまとめて、さて部屋を出ようとしたところで、ドアがノックされた。
「ん?どなた?」
「おはようございますリオさん、アイリスです」
どうやらアイリスの方が早かったらしい。
ドアを開ける。
「おはよう、昨夜はよく眠れたか?」
「はい、朝までぐっすりでした」
起き抜けから生気に満ちた顔をしているアイリス。旅で疲れていたのは彼女も同じだ、床についたらすぐに熟睡したのだろう。
「それはよかった。朝食を済ませたら、冒険者ギルドの方に行こうか」
「今日はよろしくお願いします」
「あぁ、こちらこそだ」
互いに朝の挨拶を交わしたら、宿の食堂へ向かう。
朝食後は部屋を引き払って、その足で冒険者ギルドの出張機関へ直行だ。
ちなみに、昨日のアンドリューさんとの契約で、アイリスの分の宿代やらは何やらは俺が払うことになっているので、その分の費用は前払金と合わせて先にもらっている。
寛容で金払いも人柄もいい、お金のやり取りをする上でこれほど気持ちよく成立出来る人はそういない。……その分、ちょっとだけ無茶を押し付ける人でもあるようだが。
案内板を見て……中心部辺りに、出張機関を兼ねた酒場があるようだな。
しかし……そこまで歩くだけのことなのに、道行く人は俺の隣一歩後ろ辺りに続いているアイリスに一目向ける、あるいは振り返る。
顔立ちも良く、均整の取れた身体付き、身形もしっかりしているともなれば、紛うことなき美少女だ。
お互い知らない仲で擦れ違ったら、俺だって一目見たくなるくらいだ。
横目で見る限り、アイリスは周囲の視線を気にしている様子は無い。元々は貴族だったから、そう言った視線には慣れているのかもしれないな。
一際大きい建物に、冒険者ギルド共通の紋章旗。ここが冒険者ギルドの出張機関の酒場のようだ。
入ってみれば、朝早くから冒険者達の喧騒と、テーブルに並べられた料理の香辛料や酒の匂いが混ざりあった、酒場特有の空気。
「ここが、冒険者ギルド……」
アイリスは物珍しげに、視線を左右させる。
「どこの町のギルドも、こんな感じだな」
規模の大小は、場所によってまちまちだが、大体は酒場と併設して作られている。
依頼を達成して帰ってきた冒険者が、報酬で懐が温まったのをいいことに、その場ですぐ散財させるため、と聞いたことがある。
まぁ確かに、帰ってきてすぐに美味しい料理を用意してもらえると言うのは、抗い難い誘惑で、財布の紐を緩めやすいものだからな。
とは言え今日の俺達の目的は食事ではなく、冒険者登録だ。
ギルドカウンターにいるのは、なんだか眠そうな顔をした、ウェーブのかかった桃色の髪をした女の子。
受付嬢にしては随分若いな。
「冒険者ギルド・カイツール支部へようこそ。ご用件をどうぞ」
眉の毛先ひとつ動かさない無表情で、淡々と挨拶する受付嬢。
「用件は二つある。まずは、冒険者の所属登録を頼みたい」
まずは俺の用件からだ。
「かしこまりました。ギルドカードの提示をお願い致します」
声色ひとつも変わらない。まるで訓練された兵士のようだな。
言う通りに、俺のギルドカード――黒鉄級を示す暗い鈍色のそれを差し出す。
ギルドカードを受け取った受付嬢は、頭の周りに魔方陣を形成し、ギルドカードを読み取っていく。
受付嬢の必須技能である、鑑定魔法だ。
ギルドカードの内容は正しいものか、あるいはカード自体が偽造のものではないかを確認したり、魔物から剥ぎ取った魔石や素材の状態などを判別するために使われる。
「ご確認致しました。当ギルドへの所属登録で間違いないでしょうか」
「あぁ、そうだ」
「かしこまりました。少々お待ちください」
用件内容を再確認してから、受付嬢は俺のギルドカードの情報を、手早く名簿帳に書き込んでいく。
「登録完了しました。ギルドカードをお返しします」
「どうも」
差し出されたギルドカードを懐にしまう。
さて、次はアイリスの冒険者登録だ。
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