【完結】可愛い義妹のためならば 〜超絶シスコン兄貴の異世界無双〜

こすもすさんど(元:ムメイザクラ)

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スライムが可愛いのはファンタジーの常識

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 それから、俺とシャルを乗せたキャラバンの旅は続いた。
 集落での停泊と野宿とで三日間ほどをキャラバンの皆さんと共に過ごし、四日目の朝に行き先の違いからそこで別れることになった。
 ついでに、「餞別としてお昼ごはんにでもどうぞ」とおにぎりをいただいた。ありがとうございます。

 さて、ここから先はシャルとの二人きりだ。

「ふむ……ざっとあと三日ほどか」

 地勢図で現在地を確認しつつ、俺は呟く。
 
 正直、キャラバンに同行させてもらえたのは幸運だった。
 おかげで途中の集落で食料の補充をする必要が無くなったし、寝る時も馬車の中で寝させてもらえたから疲労感も無いし(俺は野宿の時は寝ずの番を担当したが)、何より大勢の人と交流が出来たというのが大きい。
 俺以外には人見知りなシャルも、この三日間でキャラバンの方々とだいぶ打ち解けていた。
 うんうん、こう言う経験も必要だもんな。

「ここからが本番、と言うことですね」

 シャルは不安がることもなく、ここから先の道程を征くことに意欲を燃やしている。
 きっと、この三日間でシャルは少し気持ちに余裕が出来たのだろう。
 不安がられるよりは遥かにいい。だからといって蛮勇を奮われても困るが。

「地図上では、次の集落まで距離がある。今夜は野宿になりそうだ」

「大丈夫です。さぁ、行きましょうお兄様」

 するとシャルは率先して勇み足で林道を歩き始めた。
 シャルがこうやって、少しずつ自信や勇気を身に着けていくのだと思うと、感慨深いものがあるなぁ。



 ………………

 …………

 ……

 林道を征くこと数時間。
 一度休憩とするために座れそうな場所に腰を降ろす。
 早速、今朝に握ってもらったおにぎりの出番だ。

「「いただきます」」

 木皮を開く。シャルにも食べやすいようにと考慮してくれたのか、やや小さめサイズのおにぎりが複数だ。
 中の具材も、塩漬けで熟成された昆布や梅、サーモンの切り身と言った具材もバランスよく揃えられているし、ほんとありがたい限りだ。
 ありがたく味わって咀嚼していると、

「きゃっ」

 突然、シャルが驚くような小さな声を上げた。
 同時に、俺達とは反対方向の道から、水色の水玉状の物体に点々とした目や口が付いたような魔物が現れた。
 その数は三匹。

「こいつらはアレか、『スライム』だな」

 スライム。
 俺の前世では有名な、ドラゴンなクエストでは、栗だか玉ねぎだからっきょうみたいな形だったが、この世界のスライムはなんだか溶けて崩れかけた雪だるまみたいな姿だな。

 するとスライム達も俺とシャルの存在に気付いたのか、プキュープキューと鳴き声を上げてその剽軽そうな顔をこちらに向けてきた。
 とは言え積極的に襲い掛かってくるわけでも無さそうで、じーっと様子を見ている。

「あ、なんかかわいい……」

 レイピアを抜こうとしていたシャルだったが、スライム達の姿や顔を見て、率直な感想を述べた。
 うん、俺もそう思うけど、かわいいからって油断したら、いきなり攻撃してきたりするからな、警戒はしておこう。

 しばし睨み合っていた(スライム達はよく分からない無表情をしている)が、不意にスライム達は明後日の方向を向き、俺達が通ってきた道へと去っていった。

「逃げた、のでしょうか」

「いや、単に興味を失っただけだろう」

 もしかしたら、人間ならエサをくれると期待していたのかもしれないが、くれないなら相手をする必要も無くなった、といったところだろう。

 まぁ、何も無いに越したことはないか。

 ……なーんて、何も無いわけ無いよなー。
 だって今のスライム達、からなぁ。
 だとすれば……

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