41 / 76
アホが見るブタのケツ
しおりを挟む
サンドイッチを食して一息ついたら、再出発だ。
平坦な道も増えてきているので、ここらでベルク山道と呼ばれる山域は終わりかもしれない。
地勢図と見比べても、やはりこの辺りでベルク山道は区切られている。
それなら、サダルスウドまであと一時間ほどだ。
「シャル、あと一時間ほどでサダルスウドに着くぞ」
「あと少しですね」
エニケイ村で騒動に巻き込まれこそしたが、思ったより順調な旅路だった。
もっとこう、RPGみたいに魔物の襲撃を何度も退けながらの旅になるかと思ったが、それはあくまでゲームの世界であって、本来なら魔物も、気が立ってなければそこまで積極的に人間を襲ったりはしないんだろうな。
……なーんて思ったのが間違いだったのかもしれん。
ふと見えない位置からか、獰猛そうな咆哮や土を蹴るような音が聞こえてきた。
咄嗟にロングソードの柄に手を添え、シャルもすぐにレイピアを抜刀出来るように構えている。
曲がり道を曲がってすぐに、その光景は見えた。
幌を破られて横転した馬車と散乱した積荷。
その周囲には、何人もの人が倒れ、中には怪我を負っているものもいる。
商人と、その護衛の冒険者だろうか?
ただ一人だけが立っているが、立つのが精一杯のようだ。
相対するのは、クソデカい豚を二足歩行にしてこれでもかと醜くなったような魔物。
あれは多分、『オーク』だな。
手にしているのは槍のような武器。
……察するに、馬車の積荷を狙って襲撃した、と言ったところだろうか。それで、護衛の冒険者達も歯が立たずにこのような惨状になってしまった、と。
冒険者数人をまとめて相手して圧倒するということは、かなり強いオーク(或いはオークの上位種であるウルクか?)のようだ。
「お兄様……」
「シャル。お前は倒れている人を助けるんだ。奴は俺がやる」
それだけ言い付けて、俺は曲がり角から飛び出した。
俺の出現に気付いたのか、オークの視線が追ってくる。
気色悪っ、こっち見んな。
冒険者さんを巻き込まない位置から、奴の豚鼻に火球を放つ。
するとオークは咄嗟に腕で顔を覆って火球を受けた。
なかなか賢いな?
「あ、あんたは……?」
今にも倒れそうな冒険者さんは俺を見て目を見開く。
「奴は俺が。あなたは下がってくれ」
そんなところに立ってたら邪魔ださっさと逃げろ、と言外に告げて、俺はさらに火球を連発する。
しかし、数発もの火球を受けても、腕が焦げたぐらいのダメージしか見られない。
ブグォォォォォッ、と豚の鳴き声をやたらと厳つくしたような咆哮を発して、オークは槍を構え直す。
「ったく、せっかく気持よくサダルスウドに着けると思ったのに……」
ロングソードを抜き放って、切っ先を突き付ける。
「来いブタ野郎。腸引き摺り出してソーセージにしてやるよ」
平坦な道も増えてきているので、ここらでベルク山道と呼ばれる山域は終わりかもしれない。
地勢図と見比べても、やはりこの辺りでベルク山道は区切られている。
それなら、サダルスウドまであと一時間ほどだ。
「シャル、あと一時間ほどでサダルスウドに着くぞ」
「あと少しですね」
エニケイ村で騒動に巻き込まれこそしたが、思ったより順調な旅路だった。
もっとこう、RPGみたいに魔物の襲撃を何度も退けながらの旅になるかと思ったが、それはあくまでゲームの世界であって、本来なら魔物も、気が立ってなければそこまで積極的に人間を襲ったりはしないんだろうな。
……なーんて思ったのが間違いだったのかもしれん。
ふと見えない位置からか、獰猛そうな咆哮や土を蹴るような音が聞こえてきた。
咄嗟にロングソードの柄に手を添え、シャルもすぐにレイピアを抜刀出来るように構えている。
曲がり道を曲がってすぐに、その光景は見えた。
幌を破られて横転した馬車と散乱した積荷。
その周囲には、何人もの人が倒れ、中には怪我を負っているものもいる。
商人と、その護衛の冒険者だろうか?
ただ一人だけが立っているが、立つのが精一杯のようだ。
相対するのは、クソデカい豚を二足歩行にしてこれでもかと醜くなったような魔物。
あれは多分、『オーク』だな。
手にしているのは槍のような武器。
……察するに、馬車の積荷を狙って襲撃した、と言ったところだろうか。それで、護衛の冒険者達も歯が立たずにこのような惨状になってしまった、と。
冒険者数人をまとめて相手して圧倒するということは、かなり強いオーク(或いはオークの上位種であるウルクか?)のようだ。
「お兄様……」
「シャル。お前は倒れている人を助けるんだ。奴は俺がやる」
それだけ言い付けて、俺は曲がり角から飛び出した。
俺の出現に気付いたのか、オークの視線が追ってくる。
気色悪っ、こっち見んな。
冒険者さんを巻き込まない位置から、奴の豚鼻に火球を放つ。
するとオークは咄嗟に腕で顔を覆って火球を受けた。
なかなか賢いな?
「あ、あんたは……?」
今にも倒れそうな冒険者さんは俺を見て目を見開く。
「奴は俺が。あなたは下がってくれ」
そんなところに立ってたら邪魔ださっさと逃げろ、と言外に告げて、俺はさらに火球を連発する。
しかし、数発もの火球を受けても、腕が焦げたぐらいのダメージしか見られない。
ブグォォォォォッ、と豚の鳴き声をやたらと厳つくしたような咆哮を発して、オークは槍を構え直す。
「ったく、せっかく気持よくサダルスウドに着けると思ったのに……」
ロングソードを抜き放って、切っ先を突き付ける。
「来いブタ野郎。腸引き摺り出してソーセージにしてやるよ」
0
あなたにおすすめの小説
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
神様の忘れ物
mizuno sei
ファンタジー
仕事中に急死した三十二歳の独身OLが、前世の記憶を持ったまま異世界に転生した。
わりとお気楽で、ポジティブな主人公が、異世界で懸命に生きる中で巻き起こされる、笑いあり、涙あり(?)の珍騒動記。
【完結】辺境に飛ばされた子爵令嬢、前世の経営知識で大商会を作ったら王都がひれ伏したし、隣国のハイスペ王子とも結婚できました
いっぺいちゃん
ファンタジー
婚約破棄、そして辺境送り――。
子爵令嬢マリエールの運命は、結婚式直前に無惨にも断ち切られた。
「辺境の館で余生を送れ。もうお前は必要ない」
冷酷に告げた婚約者により、社交界から追放された彼女。
しかし、マリエールには秘密があった。
――前世の彼女は、一流企業で辣腕を振るった経営コンサルタント。
未開拓の農産物、眠る鉱山資源、誠実で働き者の人々。
「必要ない」と切り捨てられた辺境には、未来を切り拓く力があった。
物流網を整え、作物をブランド化し、やがて「大商会」を設立!
数年で辺境は“商業帝国”と呼ばれるまでに発展していく。
さらに隣国の完璧王子から熱烈な求婚を受け、愛も手に入れるマリエール。
一方で、税収激減に苦しむ王都は彼女に救いを求めて――
「必要ないとおっしゃったのは、そちらでしょう?」
これは、追放令嬢が“経営知識”で国を動かし、
ざまぁと恋と繁栄を手に入れる逆転サクセスストーリー!
※表紙のイラストは画像生成AIによって作られたものです。
不倫されて離婚した社畜OLが幼女転生して聖女になりましたが、王国が揉めてて大事にしてもらえないので好きに生きます
天田れおぽん
ファンタジー
ブラック企業に勤める社畜OL沙羅(サラ)は、結婚したものの不倫されて離婚した。スッキリした気分で明るい未来に期待を馳せるも、公園から飛び出てきた子どもを助けたことで、弱っていた心臓が止まってしまい死亡。同情した女神が、黒髪黒目中肉中背バツイチの沙羅を、銀髪碧眼3歳児の聖女として異世界へと転生させてくれた。
ところが王国内で聖女の処遇で揉めていて、転生先は草原だった。
サラは女神がくれた山盛りてんこ盛りのスキルを使い、異世界で知り合ったモフモフたちと暮らし始める――――
※第16話 あつまれ聖獣の森 6 が抜けていましたので2025/07/30に追加しました。
腹違いの妹にすべてを奪われた薄幸の令嬢が、義理の母に殴られた瞬間、前世のインテリヤクザなおっさんがぶちギレた場合。
灯乃
ファンタジー
十二歳のときに母が病で亡くなった途端、父は後妻と一歳年下の妹を新たな『家族』として迎え入れた。
彼らの築く『家族』の輪から弾き出されたアニエスは、ある日義母の私室に呼び出され――。
タイトル通りのおっさんコメディーです。
神々の愛し子って何したらいいの?とりあえずのんびり過ごします
夜明シスカ
ファンタジー
アリュールという世界の中にある一国。
アール国で国の端っこの海に面した田舎領地に神々の寵愛を受けし者として生を受けた子。
いわゆる"神々の愛し子"というもの。
神々の寵愛を受けているというからには、大事にしましょうね。
そういうことだ。
そう、大事にしていれば国も繁栄するだけ。
簡単でしょう?
えぇ、なんなら周りも巻き込んでみーんな幸せになりませんか??
−−−−−−
新連載始まりました。
私としては初の挑戦になる内容のため、至らぬところもあると思いますが、温めで見守って下さいませ。
会話の「」前に人物の名称入れてみることにしました。
余計読みにくいかなぁ?と思いつつ。
会話がわからない!となるよりは・・
試みですね。
誤字・脱字・文章修正 随時行います。
短編タグが長編に変更になることがございます。
*タイトルの「神々の寵愛者」→「神々の愛し子」に変更しました。
Re:攻撃魔法を使えないヒーラーの俺が、回復魔法で最強でした。【第一部新生版】
水無月いい人(minazuki)
ファンタジー
剣と魔法が交差する世界——。
ある男女のもとに、一人の赤子が生まれた。
その名は、アスフィ・シーネット。
魔法の才能を持たなければ、生き残ることすら厳しい世界。
彼は運よく、その力を授かった。
だが、それは 攻撃魔法ではなく、回復魔法のみだった。
戦場では、剣を振るうことも、敵を討つこともできない。
ただ味方の傷を癒やし、戦いを見届けるだけの存在。
——けれど、彼は知っている。
この世界が、どこへ向かうのかを。
いや、正しくは——「思い出しつつある」。
彼は今日も、傷を癒やす。
それが”何度目の選択”なのかを、知ることもなく。
※これは第一部完結版です。
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる