17 / 159
マギアアームド・ファンタジア
17話 今日はここまで
しおりを挟む
酒場に帰還して、報酬を受け取った三人。
「っと……もうお昼過ぎか」
ふとアロウは、現実側の時刻を確認すると、12:15を指している。
「そろそろ終わる時間だね」
時刻を見て、カノラも頷いている。
アロウとカノラはMAFをプレイするにあたり、家族との同意を得て、『一日に二時間まで』と言う時間制限を課せられている。
MAFのテレビCMでも、未成年のプレイヤーが保護者との同意の上、ルールを決めるようにと呼びかけている。
時間を忘れて何時間も没入し、私生活に支障をきたすことのないためにだ。
「あ、それじゃぁ私もです」
ルナの方も、見た目と同じように学生なのか、時間を気にしている。
「じゃぁ、今日のところはこの辺でってことで……ありがとうございました、ルナさん」
「私の方こそ、クエストに付き合ってくれてありがとうございます」
アロウとルナが互いに礼を言い、カノラも慌ててアロウに倣ってルナに一礼する。
「ばいばい、ルナさん」
「はい。アロウさん、カノラさん、さようなら」
ぺこりとお辞儀してから、ルナはコンソールを打ち込み――フッとアバター姿が消失する。ログアウトしたようだ。
「俺達もログアウトしようか」
「うん」
アロウとカノラも互いに頷いて、コンソールを操作、『ログアウトしますか?』のポップアップに、『はい』を選択する。
MAFはオートセーブ機能があるため、オートセーブをOFF設定していなければ、基本的にログアウトと同時にデータがセーブされる。
『ログアウトしています…』とポップアップが数秒流れ――
――Now Loading――
ふと、意識が切り替わる。
無事に現実側に戻ってきたようだ。
アロウ――徹矢はヘッドギアを外し、軽く背伸びする。
「んんーっ、時間経つの早いなぁ……」
背伸びを終えると、スマートフォンを設置していたシャッターが開かれる。
セーブデータは、スマートフォンのアプリ内に保存されており、データの閲覧などはMAFにログインせずとも見られる。
「(初めてのプレイだけど、早速色々あったな)」
チュートリアルクエストを進めていたら、ルナと謎の獣耳少女と遭遇し、ルナとフレンドになった記念でもう一クエストをと思えばサイクロプスと遭遇し、そのサイクロプスに追い詰められた時に、アトラスと言う実力派プレイヤーとも出会った。
スマートフォンと手荷物を回収していると、隣の筐体で菜々花も彼と同じように起き上がって背伸びし、手荷物類とスマートフォンを回収する。
「お疲れ様、カノ……水城さん」
「あ、うん。織原くんもお疲れ様ー」
二人は筐体をあとにして、ゲームセンターのスタッフに使用終了を告げてから、退店する。
「あー、楽しかったぁ……」
初めてのMAFで緊張もしたが、自分なりに楽しむことが出来た。
少なくとも徹矢にとってはそうだが、カノラ――菜々花はどうだろうか。
足手まといになっていると想い込み、サイクロプスとの遭遇で怖い思いをしたかもしれない、と徹矢は「水城さんはどうだった?」と話しかける。
「うん。モンスターはちょっと怖かったけど、わたしも楽しめたと思う」
「そっか、ならよかった」
菜々花も楽しくプレイ出来たと言うので、徹矢は一安心する。
一安心して――徹矢の胃腸が空腹を主張してきた。
今は、お昼時だ。
「腹も減ったことだし、俺も帰って昼飯かな」
「わたしもお昼食べに帰らないとだし……」
「じゃぁ水城さん、また週明けの学校で」
「うんっ、織原くんもまたね」
互いに会釈し合って、徹矢と菜々花はそれぞれの自宅へ帰宅していく。
「っと……もうお昼過ぎか」
ふとアロウは、現実側の時刻を確認すると、12:15を指している。
「そろそろ終わる時間だね」
時刻を見て、カノラも頷いている。
アロウとカノラはMAFをプレイするにあたり、家族との同意を得て、『一日に二時間まで』と言う時間制限を課せられている。
MAFのテレビCMでも、未成年のプレイヤーが保護者との同意の上、ルールを決めるようにと呼びかけている。
時間を忘れて何時間も没入し、私生活に支障をきたすことのないためにだ。
「あ、それじゃぁ私もです」
ルナの方も、見た目と同じように学生なのか、時間を気にしている。
「じゃぁ、今日のところはこの辺でってことで……ありがとうございました、ルナさん」
「私の方こそ、クエストに付き合ってくれてありがとうございます」
アロウとルナが互いに礼を言い、カノラも慌ててアロウに倣ってルナに一礼する。
「ばいばい、ルナさん」
「はい。アロウさん、カノラさん、さようなら」
ぺこりとお辞儀してから、ルナはコンソールを打ち込み――フッとアバター姿が消失する。ログアウトしたようだ。
「俺達もログアウトしようか」
「うん」
アロウとカノラも互いに頷いて、コンソールを操作、『ログアウトしますか?』のポップアップに、『はい』を選択する。
MAFはオートセーブ機能があるため、オートセーブをOFF設定していなければ、基本的にログアウトと同時にデータがセーブされる。
『ログアウトしています…』とポップアップが数秒流れ――
――Now Loading――
ふと、意識が切り替わる。
無事に現実側に戻ってきたようだ。
アロウ――徹矢はヘッドギアを外し、軽く背伸びする。
「んんーっ、時間経つの早いなぁ……」
背伸びを終えると、スマートフォンを設置していたシャッターが開かれる。
セーブデータは、スマートフォンのアプリ内に保存されており、データの閲覧などはMAFにログインせずとも見られる。
「(初めてのプレイだけど、早速色々あったな)」
チュートリアルクエストを進めていたら、ルナと謎の獣耳少女と遭遇し、ルナとフレンドになった記念でもう一クエストをと思えばサイクロプスと遭遇し、そのサイクロプスに追い詰められた時に、アトラスと言う実力派プレイヤーとも出会った。
スマートフォンと手荷物を回収していると、隣の筐体で菜々花も彼と同じように起き上がって背伸びし、手荷物類とスマートフォンを回収する。
「お疲れ様、カノ……水城さん」
「あ、うん。織原くんもお疲れ様ー」
二人は筐体をあとにして、ゲームセンターのスタッフに使用終了を告げてから、退店する。
「あー、楽しかったぁ……」
初めてのMAFで緊張もしたが、自分なりに楽しむことが出来た。
少なくとも徹矢にとってはそうだが、カノラ――菜々花はどうだろうか。
足手まといになっていると想い込み、サイクロプスとの遭遇で怖い思いをしたかもしれない、と徹矢は「水城さんはどうだった?」と話しかける。
「うん。モンスターはちょっと怖かったけど、わたしも楽しめたと思う」
「そっか、ならよかった」
菜々花も楽しくプレイ出来たと言うので、徹矢は一安心する。
一安心して――徹矢の胃腸が空腹を主張してきた。
今は、お昼時だ。
「腹も減ったことだし、俺も帰って昼飯かな」
「わたしもお昼食べに帰らないとだし……」
「じゃぁ水城さん、また週明けの学校で」
「うんっ、織原くんもまたね」
互いに会釈し合って、徹矢と菜々花はそれぞれの自宅へ帰宅していく。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
19
1 / 4
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる