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マギアアームド・ファンタジア

18話 ソロプレイ

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 徹矢と菜々花が、MAFのデビュープレイを果たしたその翌日。
 学園での授業を終えた放課後、徹矢は一人ゲームセンターに訪れ、MAFに勤しもうとしていた。
 菜々花も一度は誘ったものの、彼女は「あんまり遅い日が続くと親が心配するから」と、今日のところは遠慮した。
 元々徹矢の方から誘ったことなので、毎回付き合わせることもないなと、納得している。
 楽しいといえど、何事とやり過ぎには注意。
 それを踏まえた上で、今日のところはソロプレイだ。



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 アロウとしてMAFにログイン完了。

 昨日は時間が近かったこともあって後回しにしていたのだが、素材がそれなりに集まってきたので、鍛冶屋の方へ向かうアロウ。

 鍛冶屋に話しかけて、まずはMAFの装備の『生産リスト』を閲覧していく。

「んー……さすがにまだ空戦タイプは作れないか……」

 入手している素材の有無から、生産リストの中に表示されている生産可能なマギアアームドは、いずれも陸戦型。

 序盤は陸戦型で頑張れってことか、とアロウは生産リストを一度閉じて、強化リストの項目を開く。
 こちらは、既に所持している装備を強化するものだ。

 ライフルやブレード、今装備しているマギアアームドの強化に必要な素材は揃っているので、強化自体は可能だが、全ての装備を強化するにはまだ素材と、何よりもビットの金額が足りない。
 まだチュートリアルクエストと、初心者向けクエストを一つずつクリアしただけなので、手持ちのビットは控えめに言って少ない。
 これからいくつものクエストを受けて報酬を得て、素材アイテムなどを売却して、もっと所持金を稼がなくてはならない。

「ま、今はまだいいか……もう少し色々作れるようになっからでも、遅くないし」

 初期装備だが、Fランクのクエストならこれでも十分だろう、と強化リストを閉じて、鍛冶屋を後にする。



 交易所はまだまともに利用出来ないので、酒場に移動して、クエストを選択。
 とにかく今はクエストをこなしつつ、素材や金を集めることが先決だ。

 クエストをクリアしていけば、昇級クエストが受けられるようになる、とルナは言っていた。

 出来そうなクエストをこなし、昇級クエストが受けられる頃には、もう少し生産、強化のバリエーションが増えるだろう。

「これにするか」

 アロウが選んだクエストは『竜骨化石8個の納品』というもの。
 フィールド上で鉱物類が採掘出来るポイントから入手出来るアイテムで、素材として持ち帰ることは出来ないものの、クエストクリア後に換金してもらえる、精算アイテムである。
 クエストの納品対象ではあるが、これを納品しても換金されるため、ビット稼ぎとしてはちょうどいいのではないか、とアロウは判断したのだ。

 依頼を受けて、クエストに出発する。
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