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マギアアームド・ファンタジア
26話 ルナの窮地
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ほんの少し前。
アロウとカノラがボスゴブリンを引き付けている内に、ルナは棍棒持ちのゴブリンをブレードで斬り倒し、残るもう一匹、弓矢持ちのゴブリンを追い込んでいた。
距離を取って攻撃したいゴブリンに、不規則な蛇行で走行しつつ、エナジーライフルを発射、弓矢を焼き潰す。
弓矢を失ったゴブリンは、悪あがきのつもりか足元に転がっている骨を拾い、それで殴りかかろうとするが、間髪なく放たれる魔光弾に撃ち抜かれて消失する。
「あとは、ボスゴブリン……」
アロウが肉迫し、その遠巻きから援護射撃を根気強く繰り返すカノラが相手をしているボスゴブリン。
自分もそこへ加勢しようとして、
ヒュン、という何かの風切り音、それもルナの死角から。
「っ!?」
咄嗟に音源の方向へ振り返り――同時に、ルナの右の肩口に当たる部位の装甲に、矢が突き刺さった。
「く、はっ……!?」
実際に怪我をするわけではないのだが、矢に射られたというリアルなイメージが、ルナを錯覚させる。
「(もう一匹いた……!)」
痛みに視界が一瞬暗転しかけ、すぐにその方向に向けてエナジーライフルを撃ち返す。
矢がルナに突き刺さったことを喜ぶかのように嗤うゴブリンの顔面を、魔光弾が貫く。
撃破を確かめる間もなく、ルナは左手を右肩へ伸ばし、突き刺さった矢を引き抜いて捨てる。
回復ポーションを使うべきか、いやこれくらいならまだ耐えられるか。
痛みの錯覚で判断しかねていたところへ、
「ルナさんっ、危ない!」
カノラの声が、その判断を放棄する。
ボスゴブリンに背を向けていたことが意識から抜け落ちていた。
すぐに振り返った時には、ボスゴブリンはソードを振り降ろし――
「させる、かぁッ!!」
その寸前、アロウがボスゴブリンの斜め後ろからスラスターを使ったジャンプで飛びかかり、ボスゴブリンの右肩に組み付いた。
ボスゴブリンに狙われているのに、動きに精彩を欠くルナ。
「(まさか、怪我をしたとか!?)」
正確には怪我はしていないのだが、それに近しいことが起きているのだと読み取ったアロウの判断は早かった。
スラスターのオーバーヒートなど考えずに加速し、
「させる、かぁッ!!」
そのままジャンプし、ボスゴブリンの右肩に組み付いた。
「アロウさんっ!?」
「ルナさっ、早、っ、立、て直、ッ……!」
いきなり頭に何かが張り付いたボスゴブリンは鬱陶しげに右腕を振り回すが、アロウもそう簡単に振り払われはしない。
「こんっのぉッ!」
逆手に持ち替えたラプターサーベルをボスゴブリンの右肩に突き刺し、そこへエナジーライフルの銃口を押し付け、ゼロ距離射撃を連射する。
右肩へのダメージに、ボスゴブリンは苦しげな声を上げながらその場から駆け出し、アロウもろとも右肩から壁に体当たりする。
「ぐぁっ!?」
ボスゴブリンの重量と壁に挟まれて、堪らずアロウは弾き飛ばされ、ラプターサーベルとエナジーライフルも手放してしまう。
地面を転がるアロウに、ボスゴブリンは息を荒くしながらも、ソードを叩き付けようとするが、アロウは寝そべった姿勢のままスラスターを使い、素早くボスゴブリンの間合いから逃れる。
ボスゴブリンも弱りつつあるのか、その挙動に乱れが見え始める。
アロウとカノラがボスゴブリンを引き付けている内に、ルナは棍棒持ちのゴブリンをブレードで斬り倒し、残るもう一匹、弓矢持ちのゴブリンを追い込んでいた。
距離を取って攻撃したいゴブリンに、不規則な蛇行で走行しつつ、エナジーライフルを発射、弓矢を焼き潰す。
弓矢を失ったゴブリンは、悪あがきのつもりか足元に転がっている骨を拾い、それで殴りかかろうとするが、間髪なく放たれる魔光弾に撃ち抜かれて消失する。
「あとは、ボスゴブリン……」
アロウが肉迫し、その遠巻きから援護射撃を根気強く繰り返すカノラが相手をしているボスゴブリン。
自分もそこへ加勢しようとして、
ヒュン、という何かの風切り音、それもルナの死角から。
「っ!?」
咄嗟に音源の方向へ振り返り――同時に、ルナの右の肩口に当たる部位の装甲に、矢が突き刺さった。
「く、はっ……!?」
実際に怪我をするわけではないのだが、矢に射られたというリアルなイメージが、ルナを錯覚させる。
「(もう一匹いた……!)」
痛みに視界が一瞬暗転しかけ、すぐにその方向に向けてエナジーライフルを撃ち返す。
矢がルナに突き刺さったことを喜ぶかのように嗤うゴブリンの顔面を、魔光弾が貫く。
撃破を確かめる間もなく、ルナは左手を右肩へ伸ばし、突き刺さった矢を引き抜いて捨てる。
回復ポーションを使うべきか、いやこれくらいならまだ耐えられるか。
痛みの錯覚で判断しかねていたところへ、
「ルナさんっ、危ない!」
カノラの声が、その判断を放棄する。
ボスゴブリンに背を向けていたことが意識から抜け落ちていた。
すぐに振り返った時には、ボスゴブリンはソードを振り降ろし――
「させる、かぁッ!!」
その寸前、アロウがボスゴブリンの斜め後ろからスラスターを使ったジャンプで飛びかかり、ボスゴブリンの右肩に組み付いた。
ボスゴブリンに狙われているのに、動きに精彩を欠くルナ。
「(まさか、怪我をしたとか!?)」
正確には怪我はしていないのだが、それに近しいことが起きているのだと読み取ったアロウの判断は早かった。
スラスターのオーバーヒートなど考えずに加速し、
「させる、かぁッ!!」
そのままジャンプし、ボスゴブリンの右肩に組み付いた。
「アロウさんっ!?」
「ルナさっ、早、っ、立、て直、ッ……!」
いきなり頭に何かが張り付いたボスゴブリンは鬱陶しげに右腕を振り回すが、アロウもそう簡単に振り払われはしない。
「こんっのぉッ!」
逆手に持ち替えたラプターサーベルをボスゴブリンの右肩に突き刺し、そこへエナジーライフルの銃口を押し付け、ゼロ距離射撃を連射する。
右肩へのダメージに、ボスゴブリンは苦しげな声を上げながらその場から駆け出し、アロウもろとも右肩から壁に体当たりする。
「ぐぁっ!?」
ボスゴブリンの重量と壁に挟まれて、堪らずアロウは弾き飛ばされ、ラプターサーベルとエナジーライフルも手放してしまう。
地面を転がるアロウに、ボスゴブリンは息を荒くしながらも、ソードを叩き付けようとするが、アロウは寝そべった姿勢のままスラスターを使い、素早くボスゴブリンの間合いから逃れる。
ボスゴブリンも弱りつつあるのか、その挙動に乱れが見え始める。
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