【完結】マギアアームド・ファンタジア

こすもすさんど(元:ムメイザクラ)

文字の大きさ
27 / 159
マギアアームド・ファンタジア

27話 激闘の果てに

しおりを挟む
「……しまった、武器が」

 アロウは、今の自分にまともな攻撃手段が無いことに気付く。
 ボスゴブリンから弾き飛ばされた時に手放してしまい、その二つもボスゴブリンの足元にある。
 迂闊に近付くことも出来ず、アロウはたじろぐ。

 アロウは攻撃手段が無く、ルナは体勢の立て直しに時間が要る。
 この状況を見ていたカノラは、どうにかならないかと辺りを見回し、
 ふと、洞穴の外の近くに湖――アロウがソロプレイの時に潜った――を見つける。

「そうだ、これ……」

 何かを閃いたカノラは、アロウを巻き込まない位置からライフルを散発し、ボスゴブリンの注意を引く。
 当然ボスゴブリンは怒り、カノラを仕留めようと動き出し――アロウが落とした武器から遠ざかっていく。

「今の内に……」

 アロウはボスゴブリンに気取られないように、迂回しつつラプターサーベルとエナジーライフルを拾いに向かう。
 同時に、ルナも回復ポーションを飲んで体力を回復しているところだった。

 ボスゴブリンは怒りに声を荒らげ、ソードを荒々しく振り回しながらカノラを追う。

「そう、そう、こっち、このまま」

 カノラは背後のボスゴブリンを気にしつつも、時折ライフルを散発しながら誘導する。
 アロウとルナの体勢を整えるための時間稼ぎはもちろんとして、『ボスゴブリンを罠にはめるため』。
 やがて、湖の目の前まで来ると、カノラはボスゴブリンに振り返って、もう一度ライフルを撃つ。
 ボスゴブリンは銃弾を受けながらも、湖を前に足を止めたカノラを追い詰めたと確信したのか、ソードを振りかぶって飛びかかり――

「えいっ」

 カノラは湖に向かってジャンプし、着水寸前にスラスターを噴射させ、強引に飛ぶ。
 すると、カノラを仕留めるつもりだったボスゴブリンはソードを空振りし――勢い余って湖へ飛び込んでしまった。

「えへへ、成功っ」

 すぐにスラスターを反転させて地面に着地、急いでアロウ達の元へ向かう。

「おぉっ、カノラさんすごい!」

「湖に誘い込んで、ハメたんですね」

 体勢を立て直したアロウとルナも、カノラを助けようと急いでいたものの、その必要もなかった。

「一斉射撃の準備を」

 ルナがそう進言し、アロウとカノラも各々のライフルを構える。

 ボスゴブリンも湖に沈んでそのまま溺死するということはなく、這い出るように湖から顔を出してきた、そのタイミング。

「今です!」

「行けぇぇぇぇぇッ!!」

 三人は一斉に銃火器のトリガーを引き絞り、多数の魔光弾と銃弾が暴風となってボスゴブリンに叩き込まれる。



 残る体力もわずかのところにこの一斉射撃を叩き込まれたボスゴブリンは、弱々しい断末魔を上げて――地に伏した。



 ボスゴブリン、撃破。

『クエストクリア条件を達成しました!』のテロップが流れ、ボスゴブリンは消失、素材アイテムを複数と、手放したソードを残した。

「よっしゃぁっ!」

 アロウはグッと拳を握ってガッツポーズ。

「はふぅ、なんとかなったね」

 カノラはクエストクリアに安心する。

「お二人とも、お疲れ様でした。ちゃんと素材アイテムを忘れずに回収しましょうね」

 ルナも安堵しつつも、素材アイテムの回収を忘れないように促す。

 勝利の余韻もそこそこに、三人は素材アイテムを回収、ボスゴブリンの落としたソードは、戦利品としてアロウが持ち帰る。

 酒場へと帰還し、クエストクリアだ。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

スキルハンター~ぼっち&ひきこもり生活を配信し続けたら、【開眼】してスキルの覚え方を習得しちゃった件~

名無し
ファンタジー
 主人公の時田カケルは、いつも同じダンジョンに一人でこもっていたため、《ひきこうもりハンター》と呼ばれていた。そんなカケルが動画の配信をしても当たり前のように登録者はほとんど集まらなかったが、彼は現状が楽だからと引きこもり続けていた。そんなある日、唯一見に来てくれていた視聴者がいなくなり、とうとう無の境地に達したカケル。そこで【開眼】という、スキルの覚え方がわかるというスキルを習得し、人生を大きく変えていくことになるのだった……。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

大和型戦艦、異世界に転移する。

焼飯学生
ファンタジー
第二次世界大戦が起きなかった世界。大日本帝国は仮想敵国を定め、軍事力を中心に強化を行っていた。ある日、大日本帝国海軍は、大和型戦艦四隻による大規模な演習と言う名目で、太平洋沖合にて、演習を行うことに決定。大和、武蔵、信濃、紀伊の四隻は、横須賀海軍基地で補給したのち出港。しかし、移動の途中で濃霧が発生し、レーダーやソナーが使えなくなり、更に信濃と紀伊とは通信が途絶してしまう。孤立した大和と武蔵は濃霧を突き進み、太平洋にはないはずの、未知の島に辿り着いた。 ※ この作品は私が書きたいと思い、書き進めている作品です。文章がおかしかったり、不明瞭な点、あるいは不快な思いをさせてしまう可能性がございます。できる限りそのような事態が起こらないよう気をつけていますが、何卒ご了承賜りますよう、お願い申し上げます。

はずれスキル念動力(ただしレベルMAX)で無双する~手をかざすだけです。詠唱とか必殺技とかいりません。念じるだけで倒せます~

さとう
ファンタジー
10歳になると、誰もがもらえるスキル。 キネーシス公爵家の長男、エルクがもらったスキルは『念動力』……ちょっとした物を引き寄せるだけの、はずれスキルだった。 弟のロシュオは『剣聖』、妹のサリッサは『魔聖』とレアなスキルをもらい、エルクの居場所は失われてしまう。そんなある日、後継者を決めるため、ロシュオと決闘をすることになったエルク。だが……その決闘は、エルクを除いた公爵家が仕組んだ『処刑』だった。 偶然の『事故』により、エルクは生死の境をさまよう。死にかけたエルクの魂が向かったのは『生と死の狭間』という不思議な空間で、そこにいた『神様』の気まぐれにより、エルクは自分を鍛えなおすことに。 二千年という長い時間、エルクは『念動力』を鍛えまくる。 現世に戻ったエルクは、十六歳になって目を覚ました。 はずれスキル『念動力』……ただしレベルMAXの力で無双する!!

最強無敗の少年は影を従え全てを制す

ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。 産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。 カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。 しかし彼の力は生まれながらにして最強。 そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。

エリクサーは不老不死の薬ではありません。~完成したエリクサーのせいで追放されましたが、隣国で色々助けてたら聖人に……ただの草使いですよ~

シロ鼬
ファンタジー
エリクサー……それは生命あるものすべてを癒し、治す薬――そう、それだけだ。 主人公、リッツはスキル『草』と持ち前の知識でついにエリクサーを完成させるが、なぜか王様に偽物と判断されてしまう。 追放され行く当てもなくなったリッツは、とりあえず大好きな草を集めていると怪我をした神獣の子に出会う。 さらには倒れた少女と出会い、疫病が発生したという隣国へ向かった。 疫病? これ飲めば治りますよ? これは自前の薬とエリクサーを使い、聖人と呼ばれてしまった男の物語。

攻撃魔法を使えないヒーラーの俺が、回復魔法で最強でした。 -俺は何度でも救うとそう決めた-【[完]】

水無月いい人(minazuki)
ファンタジー
【HOTランキング一位獲得作品】 【一次選考通過作品】 ---  とある剣と魔法の世界で、  ある男女の間に赤ん坊が生まれた。  名をアスフィ・シーネット。  才能が無ければ魔法が使えない、そんな世界で彼は運良く魔法の才能を持って産まれた。  だが、使用できるのは攻撃魔法ではなく回復魔法のみだった。  攻撃魔法を一切使えない彼は、冒険者達からも距離を置かれていた。 彼は誓う、俺は回復魔法で最強になると。  --------- もし気に入っていただけたら、ブクマや評価、感想をいただけると大変励みになります! #ヒラ俺 この度ついに完結しました。 1年以上書き続けた作品です。 途中迷走してました……。 今までありがとうございました! --- 追記:2025/09/20 再編、あるいは続編を書くか迷ってます。 もし気になる方は、 コメント頂けるとするかもしれないです。

自由でいたい無気力男のダンジョン生活

無職無能の自由人
ファンタジー
無気力なおっさんが適当に過ごして楽をする話です。 すごく暇な時にどうぞ。

処理中です...