【完結】マギアアームド・ファンタジア

こすもすさんど(元:ムメイザクラ)

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謎の少女

32話 最強にして最強のチャンピオン

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 闘技場には既に多くのプレイヤーが集まり、エキシビションマッチの時を今か今かと待っている。

「なんだか今日は、あっちでもこっちでも混雑の中にいるなぁ」

 アロウはそうぼやく。
 現実側では食堂の混雑の中で、MAFでは闘技場の混雑の中で。

 係員の誘導に従いつつ、どうにか座席に着くことは出来たが、かなり端の方に追いやられてしまった。

「うーん、ここからじゃあんまり見えないね」

 座席を囲むように型どられたフィールドは、中世期のローマのコロセウムのような、少量の砂を敷いただけの簡素なものだ。
 全体を俯瞰することは出来るが、それもかなり遠くからになり、プレイヤーの細かい動作などは見えないかもしれない。

「一応、エキシビションマッチの両者の状態や様子は、この後で放映されるモニターでも見れますよ」

 細かい動作なども見れるモニターもあるというルナ。

「そろそろ17時だ……」

 時刻を確認すれば、16:59。
 それが17:00に切り替わると、会場の照明が徐々に落とされ、薄暗くなっていく。
 パッと会場中央にスポットライトが当てられ、MCらしいスーツ姿の男が現れる。

『レディース&ジェントルメン!今日も楽しくMAFをエンジョイしてるかい!?不正や悪質、チートはダメゼッタイ!ルールとマナーを守って、全力で戦おうぜ!』

 マイクを片手に(持つ必要があるのかはわからないが、演出の都合だろう)ハイテンションな常套句を決めて見せるMC。

『さぁてさて、今日のエキシビションマッチのことは皆さんご存知だから、細かい説明は抜きにさせてもらうぜ。ハイ!というわけで……まずは赤コーナー!』

 瞬間、高らかなファンファーレが掻き鳴らされ、闘技場の選手入場口のひとつから、ど派手なドライアイスが噴出される。

 その奥より現れるは、艶やかな藤色の騎甲を纏い、右手には長大な馬上槍ランス、左手には大きく分厚い円形盾ラウンドシールドを備えた、まさしく騎士。

『清廉潔白!質実剛健!彼こそが、MAFの正義の騎士ナイトジャスティス!オー!ディィィィィーンッ!!』

 威風堂々とドライアイスのガスを闊歩し、己の存在を誇示するがごとく、ランスを高々と掲げるのは、青紫色の髪を後頭部辺りに束ねた青年――『オーディン』

 そのパフォーマンスに、観客のプレイヤー達は一斉に歓声を上げる。

『続いては青コーナー!……おっと?青コーナーの反応が無いぞ?どうしたどうした?』

 MCの声から、何やらこれも演出の一つらしい。

『ん?あーっと!?みんな!青コーナーの上空を見ろ!』

 アロウ達もつられて、青コーナーの上空を見上げ――



 ――それはまるで、舞い降りる天使のごとく。


 純白の装甲に、蒼き鋭翼。
 同様のカラーリングが施されたライフルとシールドを持ち、優雅な佇まいで闘技場へと舞い降りた、癖のある金髪の青年。

『天使だ……天使が舞い降りた!そう!皆さんご存知!MAFの頂点!最強にして最強のチャンピオン!カ!イ!ンーーーーーッ!!』

 カインとオーディンの両者が、向かい合う。
 どちらも何もせず、ただ向き合うのみ。

『さぁ!両者が揃ったところで、早速エキシビションマッチの開始だ!』

 オーディンは真剣な眼差しと共にランスとラウンドシールドを構え、

『今日こそはお前に勝つぞ、カイン』

 カインは微笑を浮かべつつ、ライフルの銃口をオーディンへと向ける。

『いいだろう。その挑戦、受けて立つ』

 ランスの穂先とライフルの銃口が向き合う。

『それでは!レディィィィィ……ゴオォォォォォーーーーーッ!!』

 カァンッ!とゴングが打ち鳴らされ、試合開始を告げる。
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