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謎の少女
38話 エキシビションマッチの後
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アロウ達がデゼルト砂漠の素材ツアーに赴いている一方で。
エキシビションマッチの立役者であるカインとオーディンは、闘技場のVIPルームで二人飲み交わしていた。
「お前と手合わせしたことは数えきれないが、未だに追い付ける気がしないな」
オーディンはワイングラスを手に、カインを称賛する。
「何を言うんだ。私こそ、いつ君に追い抜かれるのかと肝を冷やしてばかりだが、追い抜かれたら追い抜かれたで、それはそれで嬉しいかもしれない」
チン、と互いのワイングラスを打ち付け合う。
「勝者の余裕か?まぁ、カインに限って驕り高ぶるなど有り得ないか」
ワインを一口啜ってから。
「話は変わるんだが……このところMAF内で、妙なプレイヤーがいるらしい。カインは知っているか?」
「心当たりはいくつかあるが、どれのことかは測りかねる」
「それもそうか。主に低ランク帯のフィールドで見かけるらしく、白い髪に白い肌、獣耳のようなオプションに、マギアアームドらしからぬファンタジックな装備を持っている……と噂に聞いたぐらいだが」
カインの心当たりに当てはまるかどうか、オーディンはその外観特徴を箇条的に挙げていく。
「ふむ、私の記憶が正しければ、その姿を見たことがある」
思い当たる節があったか、カインは頷いた。
「本当か?」
「断言はしかねる。だが、確かに見たことのない装備をしていた。外観特徴を見ても、該当する生産可能武器や防具も、あのようなファンタジックな装備は見られなかった」
「生産不可能な装備を纏っていると?どういうことだ?」
オーディンの疑問に、カインは少しだけ思考するための間を置く。
「仮説は複数ある。一つ、プレイヤーがデータを改造して違法な装備を組み込んでいる。二つ、次期アップデート時に追加される装備の、特別先行配信。三つ、……『MAF内で生まれた電子の生命体』」
「MAF内で生まれた電子の生命体?」
二つ目までは現実的に考えれば有り得なくはない。
だが三つ目はどうだ、明らかなオカルトだ。
いきなり斜め上を行くような答えに、オーディンはオウム返しに聞き返すしかなかった。
「一昔前にも、架空のフルダイブVRゲームを題材にしたラノベやアニメがあっただろう。それらの劇中でも、現実世界からログインしていない独自の命があった」
カインはそれを至極真面目な顔で言うものだから。
「くっ、はははははっ!カイン、どうした?普段は鉄面皮のお前が、そんなことを言い出すなんてな……!」
くくっ、と笑いを堪えているオーディン。
「それは創作物の話だろう?それが現実に起こり得るなんて……」
それこそ有り得ない、とオーディンが言いかけたが、
「あるいは……しかし……だが……」
カインが真剣な顔で、自分の持つワインの水面を見つめているのだ。
「……カイン、まさか本気か?」
思わずそう訊ねたオーディンに、カインは。
「ふっ、冗談だ。そう真に受けてくれるなよ、オーディン」
「お前な……真面目な顔で突拍子も無いことを言うな」
本気でオカルトなことを信じるようになったのかとオーディンは危惧したものの、カインはそれを冗談だとからかった。
けれど、
「(……強ち、冗談だとも言い切れないのだがな)」
エキシビションマッチの立役者であるカインとオーディンは、闘技場のVIPルームで二人飲み交わしていた。
「お前と手合わせしたことは数えきれないが、未だに追い付ける気がしないな」
オーディンはワイングラスを手に、カインを称賛する。
「何を言うんだ。私こそ、いつ君に追い抜かれるのかと肝を冷やしてばかりだが、追い抜かれたら追い抜かれたで、それはそれで嬉しいかもしれない」
チン、と互いのワイングラスを打ち付け合う。
「勝者の余裕か?まぁ、カインに限って驕り高ぶるなど有り得ないか」
ワインを一口啜ってから。
「話は変わるんだが……このところMAF内で、妙なプレイヤーがいるらしい。カインは知っているか?」
「心当たりはいくつかあるが、どれのことかは測りかねる」
「それもそうか。主に低ランク帯のフィールドで見かけるらしく、白い髪に白い肌、獣耳のようなオプションに、マギアアームドらしからぬファンタジックな装備を持っている……と噂に聞いたぐらいだが」
カインの心当たりに当てはまるかどうか、オーディンはその外観特徴を箇条的に挙げていく。
「ふむ、私の記憶が正しければ、その姿を見たことがある」
思い当たる節があったか、カインは頷いた。
「本当か?」
「断言はしかねる。だが、確かに見たことのない装備をしていた。外観特徴を見ても、該当する生産可能武器や防具も、あのようなファンタジックな装備は見られなかった」
「生産不可能な装備を纏っていると?どういうことだ?」
オーディンの疑問に、カインは少しだけ思考するための間を置く。
「仮説は複数ある。一つ、プレイヤーがデータを改造して違法な装備を組み込んでいる。二つ、次期アップデート時に追加される装備の、特別先行配信。三つ、……『MAF内で生まれた電子の生命体』」
「MAF内で生まれた電子の生命体?」
二つ目までは現実的に考えれば有り得なくはない。
だが三つ目はどうだ、明らかなオカルトだ。
いきなり斜め上を行くような答えに、オーディンはオウム返しに聞き返すしかなかった。
「一昔前にも、架空のフルダイブVRゲームを題材にしたラノベやアニメがあっただろう。それらの劇中でも、現実世界からログインしていない独自の命があった」
カインはそれを至極真面目な顔で言うものだから。
「くっ、はははははっ!カイン、どうした?普段は鉄面皮のお前が、そんなことを言い出すなんてな……!」
くくっ、と笑いを堪えているオーディン。
「それは創作物の話だろう?それが現実に起こり得るなんて……」
それこそ有り得ない、とオーディンが言いかけたが、
「あるいは……しかし……だが……」
カインが真剣な顔で、自分の持つワインの水面を見つめているのだ。
「……カイン、まさか本気か?」
思わずそう訊ねたオーディンに、カインは。
「ふっ、冗談だ。そう真に受けてくれるなよ、オーディン」
「お前な……真面目な顔で突拍子も無いことを言うな」
本気でオカルトなことを信じるようになったのかとオーディンは危惧したものの、カインはそれを冗談だとからかった。
けれど、
「(……強ち、冗談だとも言い切れないのだがな)」
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