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勇気ある者達
72話 比類無き実力者
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「すごい……!」
クラーケンの蛸足一本に射撃を当てるだけでも簡単ではないと言うのに、五つの火砲全てに着弾させてみせたカインの神憑りな射撃に、アロウは言葉を失う。
カインはエナジーライフルを捨てると、即座に左右のサイドアーマー上部からシャイニングセーバーを二刀流で抜き放ち、クラーケン目掛けて飛び掛かる。
一閃、一閃、一閃、一閃、一閃……
一撃与えては流れるように離脱してクラーケンの反撃の間合いから逃れ、またすぐ反転しては一撃を与えて離脱。
クラーケンは反撃に麻痺効果を持つ蛸墨を吐き出すものの、カインは飛び下がりながらプラズマカノンを展開、荷電粒子で蛸墨を吹き飛ばす。
しかし一時的にとはいえカインを遠ざけるのがクラーケンの狙いであり、蛸足の何本かが再生していた。
フェルテやアロウの攻撃で断ち斬られた蛸足だ、切断から一定時間が経つと、再生してしまうらしい。
けれどそれに臆することもなくカインは再び突撃し、縦横無尽に翔け回って蛸足や蛸墨を掻い潜りながらも、レールガンを撃ち込んでいく。
「何を惚けているアロウ!彼奴を支援しろ!」
カインの無双とも言える戦いぶりを眺めていたアロウだったが、フェルテに怒鳴られて我に返る。
「お、おぉっ!」
アロウは片手でルナを抱きかかえつつエナジーライフルを連射し、フェルテはライトニングの魔術でクラーケンを攻撃する。
カイン一人に向けられていたクラーケンのヘイトが、アロウとフェルテにも向けられ――
「仕留める!」
その僅かな隙を見逃すカインではない、競泳のターンのように壁を蹴り、蹴った反動とスラスターを乗算した速度でクラーケンへ肉迫する。
蒼翼から尾を引くように輝くスラスターの蒼光は、まるで蒼い閃光だ――。
まさしく閃光の如し速度のまま、クラーケンの胴体へ左のシャイニングセーバーを突き立て、右のシャイニングセーバーは抉るように斬り込ませる。
そうしてカインが飛び下がれば、クラーケンは断末魔を上げながら地底湖へ沈んでいき――大量の素材アイテムを水面に残して消えた。
クラーケン、撃破だ。
「無事か?」
蒼翼を折り畳んで降り立つカインは、三人の身を案じる。
「お、俺は大丈夫です!」
目の前にいる生きる伝説の人を前に、アロウは緊張に声を上擦らせる。
「我の心配なら無用だ、リックよ」
それよりも、とフェルテは鋭い視線をカインに向ける。
「貴様、何が目的で我らに近付いた?説明をしろ」
「そうだな。だが、今はオークの討伐クエストの最中だ。それを終えてから話すとしよう」
逃げることはしない、と誓ってから、カインはルナにも目を向ける。
「ルナ君、大丈夫か?」
「は、はぃ」
縮こまりそうな声で小さく頷くルナ。
時間にまだ余裕はあるので、ルナが落ち着くのを待ってから、クエスト進行を再開した。
クラーケンの蛸足一本に射撃を当てるだけでも簡単ではないと言うのに、五つの火砲全てに着弾させてみせたカインの神憑りな射撃に、アロウは言葉を失う。
カインはエナジーライフルを捨てると、即座に左右のサイドアーマー上部からシャイニングセーバーを二刀流で抜き放ち、クラーケン目掛けて飛び掛かる。
一閃、一閃、一閃、一閃、一閃……
一撃与えては流れるように離脱してクラーケンの反撃の間合いから逃れ、またすぐ反転しては一撃を与えて離脱。
クラーケンは反撃に麻痺効果を持つ蛸墨を吐き出すものの、カインは飛び下がりながらプラズマカノンを展開、荷電粒子で蛸墨を吹き飛ばす。
しかし一時的にとはいえカインを遠ざけるのがクラーケンの狙いであり、蛸足の何本かが再生していた。
フェルテやアロウの攻撃で断ち斬られた蛸足だ、切断から一定時間が経つと、再生してしまうらしい。
けれどそれに臆することもなくカインは再び突撃し、縦横無尽に翔け回って蛸足や蛸墨を掻い潜りながらも、レールガンを撃ち込んでいく。
「何を惚けているアロウ!彼奴を支援しろ!」
カインの無双とも言える戦いぶりを眺めていたアロウだったが、フェルテに怒鳴られて我に返る。
「お、おぉっ!」
アロウは片手でルナを抱きかかえつつエナジーライフルを連射し、フェルテはライトニングの魔術でクラーケンを攻撃する。
カイン一人に向けられていたクラーケンのヘイトが、アロウとフェルテにも向けられ――
「仕留める!」
その僅かな隙を見逃すカインではない、競泳のターンのように壁を蹴り、蹴った反動とスラスターを乗算した速度でクラーケンへ肉迫する。
蒼翼から尾を引くように輝くスラスターの蒼光は、まるで蒼い閃光だ――。
まさしく閃光の如し速度のまま、クラーケンの胴体へ左のシャイニングセーバーを突き立て、右のシャイニングセーバーは抉るように斬り込ませる。
そうしてカインが飛び下がれば、クラーケンは断末魔を上げながら地底湖へ沈んでいき――大量の素材アイテムを水面に残して消えた。
クラーケン、撃破だ。
「無事か?」
蒼翼を折り畳んで降り立つカインは、三人の身を案じる。
「お、俺は大丈夫です!」
目の前にいる生きる伝説の人を前に、アロウは緊張に声を上擦らせる。
「我の心配なら無用だ、リックよ」
それよりも、とフェルテは鋭い視線をカインに向ける。
「貴様、何が目的で我らに近付いた?説明をしろ」
「そうだな。だが、今はオークの討伐クエストの最中だ。それを終えてから話すとしよう」
逃げることはしない、と誓ってから、カインはルナにも目を向ける。
「ルナ君、大丈夫か?」
「は、はぃ」
縮こまりそうな声で小さく頷くルナ。
時間にまだ余裕はあるので、ルナが落ち着くのを待ってから、クエスト進行を再開した。
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