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勇気ある者達
90話 圧倒的火力
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予想通りと言うべきか、ジルダが部屋に入った途端に扉は勢い良く閉じられる。
そして、部屋の中央で待っていたのは、巨大な蟹型のモンスター。
全身を赤い甲殻で覆い、一対の鈍器のようにも見える鋏、背中には腹部を守るための巻貝、触角を忙しなく蠢かせて、やって来た哀れな獲物を捉える。
「『アトミッククラブ』か……」
Dランクに相当する大型モンスターで、並の攻撃など跳ね返す堅い甲殻に、意外に素早い横歩き、鋏による重い一撃を放つ。
「あんまり時間かけてられないし……潰す!」
即座、ジルダは両手を懐に伸ばしてナイフを抜くと、手首のスナップを効かせてそれを放つ。
鋏を大きく見せて威嚇していたアトミッククラブの、脚の付け根に突き刺さると、途端にその巨体を痙攣させて動きを止める。
カノラやフェルテを麻痺させたものと同じ投げナイフだ。
即座にヘビーガトリングガンを向け、ドガガガガガッ、と言う轟音と共に砲身が回転を始め、大口径の銃弾を速射し、空薬莢を吐き出していく。
この回転式多連装重機銃の破壊力は、通常の実弾のライフルとは比較にならない。
一発一発は通常のライフルの方が威力はあるものの、毎秒数十発を連射するそれらは一斉に無防備なアトミッククラブに襲いかかり、堅牢な甲殻を次々に喰い破っていく。
僅か数秒でアトミッククラブは麻痺から回復したが、予想外の攻撃力を前に慌てたように鋏を盾のようにして銃弾を防ぐ。
けれど、防御されているにも関わらず、ジルダはヘビーガトリングガンを撃ち続け、それどころかその上から肩口辺りに増設されているマシンキャノンも連射する。
ただでさえ甲殻にダメージを与えるヘビーガトリングガンの上からさらに追撃でマシンキャノンまで重なるのだ。
アトミッククラブの鈍器のような鋏に、徐々に綻びが生じ始め、ついにその防御を突き破られ、アトミッククラブは大きく仰け反る。
ヘビーガトリングガンとマシンキャノンの連射を止めないままに、ジルダはさらに両肩と両足のポッドを開く。
今回のこれはミサイルではなく魚雷だが、それを直接発射する。
水中ではないため、単なる無誘導爆弾にしかならないが、炸裂時の威力はそのままだ、多数の魚雷がアトミッククラブの顔面に着弾、炸裂していく。
爆風の中にも容赦なく銃弾を撃ち込み続けるジルダ。
爆煙が晴れた頃には、もう触角は機能を停止し、断末魔も上げ終えたアトミッククラブが、ズタズタになった口蓋から泡を吹き漏らしていた。
アトミッククラブ、撃破。
「ま、こんなもんかしらね」
ジルダはヘビーガトリングガンの装甲の一部を開くと、その内部の弾倉を切り離し、そこへアイテムボックスから取り出した新しい弾倉をセットする。
マシンキャノンも同じく弾倉を入れ替え、魚雷はポッドごと入れ替える。
一見するとこの重火力は強いように見えるが、装備の重量が重量だけあって機動性に難があり、しかも弾薬にかかるコストも馬鹿にならないものだ。
普通のライフルの弾倉なら初心者でもお手頃価格だが、ヘビーガトリングガンのそれは文字通り桁違いだ。
ミサイルや魚雷なども消耗品なため、クエストの前には予備の弾薬を複数用意しなくてはならない、とんだ金食い虫である。
それはともかくとして、アトミッククラブの消失と同時に現れた、青い宝箱。
ジルダは何も警戒することなくそれを開き、水色のオーブを入手する。
「これで二つ目っと」
オーブを無事に入手したので、ジルダは開かれた扉を後にした。
そして、部屋の中央で待っていたのは、巨大な蟹型のモンスター。
全身を赤い甲殻で覆い、一対の鈍器のようにも見える鋏、背中には腹部を守るための巻貝、触角を忙しなく蠢かせて、やって来た哀れな獲物を捉える。
「『アトミッククラブ』か……」
Dランクに相当する大型モンスターで、並の攻撃など跳ね返す堅い甲殻に、意外に素早い横歩き、鋏による重い一撃を放つ。
「あんまり時間かけてられないし……潰す!」
即座、ジルダは両手を懐に伸ばしてナイフを抜くと、手首のスナップを効かせてそれを放つ。
鋏を大きく見せて威嚇していたアトミッククラブの、脚の付け根に突き刺さると、途端にその巨体を痙攣させて動きを止める。
カノラやフェルテを麻痺させたものと同じ投げナイフだ。
即座にヘビーガトリングガンを向け、ドガガガガガッ、と言う轟音と共に砲身が回転を始め、大口径の銃弾を速射し、空薬莢を吐き出していく。
この回転式多連装重機銃の破壊力は、通常の実弾のライフルとは比較にならない。
一発一発は通常のライフルの方が威力はあるものの、毎秒数十発を連射するそれらは一斉に無防備なアトミッククラブに襲いかかり、堅牢な甲殻を次々に喰い破っていく。
僅か数秒でアトミッククラブは麻痺から回復したが、予想外の攻撃力を前に慌てたように鋏を盾のようにして銃弾を防ぐ。
けれど、防御されているにも関わらず、ジルダはヘビーガトリングガンを撃ち続け、それどころかその上から肩口辺りに増設されているマシンキャノンも連射する。
ただでさえ甲殻にダメージを与えるヘビーガトリングガンの上からさらに追撃でマシンキャノンまで重なるのだ。
アトミッククラブの鈍器のような鋏に、徐々に綻びが生じ始め、ついにその防御を突き破られ、アトミッククラブは大きく仰け反る。
ヘビーガトリングガンとマシンキャノンの連射を止めないままに、ジルダはさらに両肩と両足のポッドを開く。
今回のこれはミサイルではなく魚雷だが、それを直接発射する。
水中ではないため、単なる無誘導爆弾にしかならないが、炸裂時の威力はそのままだ、多数の魚雷がアトミッククラブの顔面に着弾、炸裂していく。
爆風の中にも容赦なく銃弾を撃ち込み続けるジルダ。
爆煙が晴れた頃には、もう触角は機能を停止し、断末魔も上げ終えたアトミッククラブが、ズタズタになった口蓋から泡を吹き漏らしていた。
アトミッククラブ、撃破。
「ま、こんなもんかしらね」
ジルダはヘビーガトリングガンの装甲の一部を開くと、その内部の弾倉を切り離し、そこへアイテムボックスから取り出した新しい弾倉をセットする。
マシンキャノンも同じく弾倉を入れ替え、魚雷はポッドごと入れ替える。
一見するとこの重火力は強いように見えるが、装備の重量が重量だけあって機動性に難があり、しかも弾薬にかかるコストも馬鹿にならないものだ。
普通のライフルの弾倉なら初心者でもお手頃価格だが、ヘビーガトリングガンのそれは文字通り桁違いだ。
ミサイルや魚雷なども消耗品なため、クエストの前には予備の弾薬を複数用意しなくてはならない、とんだ金食い虫である。
それはともかくとして、アトミッククラブの消失と同時に現れた、青い宝箱。
ジルダは何も警戒することなくそれを開き、水色のオーブを入手する。
「これで二つ目っと」
オーブを無事に入手したので、ジルダは開かれた扉を後にした。
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