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勇気ある者達
92話 仕掛けの鍵は意外なところから
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それを見てフェルテは、驚愕に目を見開いた。
「なっ……何故、カノラがそれを……!?」
いやそれよりも、とフェルテは懐を探り、「無い……!?」と確認を終えて、カノラの持つ虹色のオーブを凝視する。
しばらくの間凝視して、
「…………………………間違いない、それは『創造の神玉』だ」
創造の神玉、という聞き慣れない言葉に、アロウ達は耳を傾ける。
「これこそが神子の証。我が創造神より与えられた宝玉だ。祭壇に無関係な者が不用意に近付けぬよう、これを持つ者とその同行者にしか、祭壇はその扉を開かぬ。……教えよカノラ、何故汝がそれを持っているのだ?」
「え?何故って、落ちてたのを拾っただけだよ」
ねぇ、とアロウとルナにも目を向ければ、二人して頷いている。
カノラは何一つ嘘をついていない。
「お、落ちてた……そう、なのか……?」
あまりにも間抜けな理由に、フェルテは唖然とする。
「大筋読めてきたわね。あたし達かその祭壇とやらに入れないのは、その宝玉を持っていなかったから。で、前の遺跡は何で入れたのかは、カノラが持っていたから。そういうことね」
ジルダは今回の攻略失敗の筋を読み取る。
つまりどういうことかと言えば。
フェルテが恐らくノヴィス平原で落としたのだろう創造の神玉を、カノラが偶然拾った。
デゼルト砂漠の遺跡攻略時には、フェルテは神玉を落とした自覚はなく、またカノラも、それがキーアイテムだと言うことを知らずに持ち歩いていた。
そして今回、神玉を持つカノラがその場におらず、またフェルテも自分が神玉を持っていると思い込んでいたから、祭壇の扉はフェルテを受け入れなかった。
というところだろう。
「わ、我としたことが、何と言うことだ……ッ!」
フェルテは頭を抱えて机に突っ伏す。
「え、えぇと……フェルテちゃんの大事な物なら、返しておくね?」
カノラはおずおずとフェルテの前に創造の神玉を差し出すが、自身の不甲斐なさを恥じているフェルテはそれに気付かずに悶々としていた。
「あ、あははっ……まぁ、良かったじゃん!祭壇の扉が開かなかった原因が分かったしさ!」
ドンマイドンマイ、とメイプルは頭を抱えるフェルテの獣耳をポンポンと撫でる。
「さすがに今からもう一度行くには時間がありませんし、攻略はまた明日にしましょうか」
ルナが時刻を確認すると、学生達の制限時間が直に迫って来ている。
今からでは素材ツアーを一度回すのも難しいだろう。
「それじゃぁ、遺跡攻略はまた明日ってことで、今日は解散しようか」
アロウの締めくくりの言葉に異を唱える者はなく、各自ログアウトしていく。
予想外の躓きに遭ったものの、解決は意外な方向から意外にもあっさり解決したのだった――。
「(あ、そう言えばフェルテちゃんにこれ返せて無かった……まぁ、明日でいっか)」
「なっ……何故、カノラがそれを……!?」
いやそれよりも、とフェルテは懐を探り、「無い……!?」と確認を終えて、カノラの持つ虹色のオーブを凝視する。
しばらくの間凝視して、
「…………………………間違いない、それは『創造の神玉』だ」
創造の神玉、という聞き慣れない言葉に、アロウ達は耳を傾ける。
「これこそが神子の証。我が創造神より与えられた宝玉だ。祭壇に無関係な者が不用意に近付けぬよう、これを持つ者とその同行者にしか、祭壇はその扉を開かぬ。……教えよカノラ、何故汝がそれを持っているのだ?」
「え?何故って、落ちてたのを拾っただけだよ」
ねぇ、とアロウとルナにも目を向ければ、二人して頷いている。
カノラは何一つ嘘をついていない。
「お、落ちてた……そう、なのか……?」
あまりにも間抜けな理由に、フェルテは唖然とする。
「大筋読めてきたわね。あたし達かその祭壇とやらに入れないのは、その宝玉を持っていなかったから。で、前の遺跡は何で入れたのかは、カノラが持っていたから。そういうことね」
ジルダは今回の攻略失敗の筋を読み取る。
つまりどういうことかと言えば。
フェルテが恐らくノヴィス平原で落としたのだろう創造の神玉を、カノラが偶然拾った。
デゼルト砂漠の遺跡攻略時には、フェルテは神玉を落とした自覚はなく、またカノラも、それがキーアイテムだと言うことを知らずに持ち歩いていた。
そして今回、神玉を持つカノラがその場におらず、またフェルテも自分が神玉を持っていると思い込んでいたから、祭壇の扉はフェルテを受け入れなかった。
というところだろう。
「わ、我としたことが、何と言うことだ……ッ!」
フェルテは頭を抱えて机に突っ伏す。
「え、えぇと……フェルテちゃんの大事な物なら、返しておくね?」
カノラはおずおずとフェルテの前に創造の神玉を差し出すが、自身の不甲斐なさを恥じているフェルテはそれに気付かずに悶々としていた。
「あ、あははっ……まぁ、良かったじゃん!祭壇の扉が開かなかった原因が分かったしさ!」
ドンマイドンマイ、とメイプルは頭を抱えるフェルテの獣耳をポンポンと撫でる。
「さすがに今からもう一度行くには時間がありませんし、攻略はまた明日にしましょうか」
ルナが時刻を確認すると、学生達の制限時間が直に迫って来ている。
今からでは素材ツアーを一度回すのも難しいだろう。
「それじゃぁ、遺跡攻略はまた明日ってことで、今日は解散しようか」
アロウの締めくくりの言葉に異を唱える者はなく、各自ログアウトしていく。
予想外の躓きに遭ったものの、解決は意外な方向から意外にもあっさり解決したのだった――。
「(あ、そう言えばフェルテちゃんにこれ返せて無かった……まぁ、明日でいっか)」
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