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勇気ある者達
97話 幕引きはあっけなく
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「(ここで、押し切る……っ!)」
アロウはワイルドカットラスが突き刺さった部位に、フォノンメーザーガンの銃口を押し込み、ゼロ距離射撃を敢行する。
残弾エネルギーなど考えない、とにかく撃ちまくり、音波振動をリヴァイアサンの体内へ直接撃ち込む。
ジルダ今が勝機と見てリヴァイアサンとの距離を詰め、全弾使い尽くす勢いでヘビーガトリングガンとマシンキャノンを斉射する。
剥がれ落ち始めた魚鱗を突破、脆い肉に銃弾が突き刺さり、炸裂していく。
フェルテはリヴァイアサンの頭部に回り込み、取り付くなり頭のヒレを掴み、そこへ宝剣を突き込み、その内部を掻き出すように抉り出していく。
メイプルはリヴァイアサンの腹部の傷に向かってスラスターを一直線に飛ばしながらフィンカットラスを突き入れ、ピラニアのごとく内部から喰い破っていく。
アロウ達の数秒に渡る猛攻を受けようとも、リヴァイアサンはまだ倒れない。
身を暴れさせながらも体勢を起こし、身を翻すリヴァイアサン。
確かに弱っている様子は見えるのだが、まだダメージが足りないらしい。
「(くそっ、まだ足りないのか……!?)」
アロウはフォノンメーザーガンのエネルギーが尽き、ジルダのヘビーガトリングガンが弾切れにより沈黙する。
メイプルとフェルテもここで仕留めるつもりだったのだが、リヴァイアサンに距離を取られたせいで攻撃の手を止めてしまう。
重ねがけしていたカノラの補助魔法も効果が切れつつある。
しかし、
不意にリヴァイアサンの真上から銃弾が襲い掛かる。
足場にいたのだが、援護射撃に現れたカノラが、ライトサブマシンガンのトリガーを引き絞っていた。
水圧によってダメージの下がった銃弾などリヴァイアサンに通用しない――はずだった。
激しい損傷によって歪に引き裂かれた頭部のヒレにライトサブマシンガンの銃弾が突き刺さると、リヴァイアサンはごく短い断末魔を上げて動かなくなり、沈んでいく。
リヴァイアサン、撃破。
「(え?)」
あれだけの猛攻すら凌ぎ切ったはずなのに、けれどカノラの射撃による最後の一押しが決め手になったのか、リヴァイアサンはしばらく漂った後、黒ずんで消えていく。
リヴァイアサンにとどめを刺したカノラも困惑したように眉の端を落としている。その表情から「(あれ?もしかしてやっつけちゃった?)」と思っているだろう。
消失したということは、撃破したということだ。
アロウ達は水面へ上昇し、足場に上陸する。
「な、なんか拍子抜けした終わり方だったな……?」
まだ続くのかと思えばいきなり終幕を迎えて、アロウは呆気を取られている。
「どれだけ頑張っても、終わる時は一瞬だし、ね……?」
メイプルも、この突然かつあっさりした幕引きに少し困っている。
「……まぁ、倒せたからいいじゃない。あたし、もう弾切れだったし」
ため息混じりに、ジルダは左腕からヘビーガトリングガンを切り離し、左肩装甲に懸架させる。
「え、えぇと……なんか、ごめんなさい?」
その意図は無かったとはいえ、なんだか微妙に消化不良な結末にしてしまったカノラは疑問符を付けながら謝る。
「うむ。よくやってくれたぞ、カノラ」
ガーディアンを倒しさえすれば良かったフェルテは、この結末に不満を抱くこともなく、とどめを刺したカノラを称賛する。
ともかく、これでフェルテは"智"の儀を行うことが出来る。
アロウはワイルドカットラスが突き刺さった部位に、フォノンメーザーガンの銃口を押し込み、ゼロ距離射撃を敢行する。
残弾エネルギーなど考えない、とにかく撃ちまくり、音波振動をリヴァイアサンの体内へ直接撃ち込む。
ジルダ今が勝機と見てリヴァイアサンとの距離を詰め、全弾使い尽くす勢いでヘビーガトリングガンとマシンキャノンを斉射する。
剥がれ落ち始めた魚鱗を突破、脆い肉に銃弾が突き刺さり、炸裂していく。
フェルテはリヴァイアサンの頭部に回り込み、取り付くなり頭のヒレを掴み、そこへ宝剣を突き込み、その内部を掻き出すように抉り出していく。
メイプルはリヴァイアサンの腹部の傷に向かってスラスターを一直線に飛ばしながらフィンカットラスを突き入れ、ピラニアのごとく内部から喰い破っていく。
アロウ達の数秒に渡る猛攻を受けようとも、リヴァイアサンはまだ倒れない。
身を暴れさせながらも体勢を起こし、身を翻すリヴァイアサン。
確かに弱っている様子は見えるのだが、まだダメージが足りないらしい。
「(くそっ、まだ足りないのか……!?)」
アロウはフォノンメーザーガンのエネルギーが尽き、ジルダのヘビーガトリングガンが弾切れにより沈黙する。
メイプルとフェルテもここで仕留めるつもりだったのだが、リヴァイアサンに距離を取られたせいで攻撃の手を止めてしまう。
重ねがけしていたカノラの補助魔法も効果が切れつつある。
しかし、
不意にリヴァイアサンの真上から銃弾が襲い掛かる。
足場にいたのだが、援護射撃に現れたカノラが、ライトサブマシンガンのトリガーを引き絞っていた。
水圧によってダメージの下がった銃弾などリヴァイアサンに通用しない――はずだった。
激しい損傷によって歪に引き裂かれた頭部のヒレにライトサブマシンガンの銃弾が突き刺さると、リヴァイアサンはごく短い断末魔を上げて動かなくなり、沈んでいく。
リヴァイアサン、撃破。
「(え?)」
あれだけの猛攻すら凌ぎ切ったはずなのに、けれどカノラの射撃による最後の一押しが決め手になったのか、リヴァイアサンはしばらく漂った後、黒ずんで消えていく。
リヴァイアサンにとどめを刺したカノラも困惑したように眉の端を落としている。その表情から「(あれ?もしかしてやっつけちゃった?)」と思っているだろう。
消失したということは、撃破したということだ。
アロウ達は水面へ上昇し、足場に上陸する。
「な、なんか拍子抜けした終わり方だったな……?」
まだ続くのかと思えばいきなり終幕を迎えて、アロウは呆気を取られている。
「どれだけ頑張っても、終わる時は一瞬だし、ね……?」
メイプルも、この突然かつあっさりした幕引きに少し困っている。
「……まぁ、倒せたからいいじゃない。あたし、もう弾切れだったし」
ため息混じりに、ジルダは左腕からヘビーガトリングガンを切り離し、左肩装甲に懸架させる。
「え、えぇと……なんか、ごめんなさい?」
その意図は無かったとはいえ、なんだか微妙に消化不良な結末にしてしまったカノラは疑問符を付けながら謝る。
「うむ。よくやってくれたぞ、カノラ」
ガーディアンを倒しさえすれば良かったフェルテは、この結末に不満を抱くこともなく、とどめを刺したカノラを称賛する。
ともかく、これでフェルテは"智"の儀を行うことが出来る。
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