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約束の未来へ
終話 メグリ アマネク キセキ
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それから、現実側の自分達はどうのこうのと楽しく談笑しあい、オーダーした軽食やデザートも食べ終えた頃。
「……」
徹矢は、このオフ会が楽しければ楽しいほどに、『今この場にいないもう一人のパーティメンバー』のことを気に掛ける。
「織原さん、どうかしましたか?」
「え?」
それに最初に気付いたのは、結月だった。
「なんだか、顔が思い詰めていましたから。……フェルテさんのことですか?」
「ちょっ、なんで分かった!?」
心の中を読まれたようで、徹矢はドキリと背筋に鳥肌が立った。
「ふふっ、菜々花さんほどではありませんけど、私も織原さんのことが分かってきたということです」
「うんうん、前の時もそうだったけど、織原くんはすぐ顔に出るもんね」
結月に同調するように頷くのは菜々花。
「だからかなぁ、こうして女の子を次々ホイホイとパーティメンバーに加えちゃうもんねぇ」
意地悪そうに笑う楓に、
「今時珍しいくらい真っ直ぐで青臭いのよねぇ。一昔前の少年マンガの主人公かってくらい」
トドメを刺してくるのは純子。
「えぇ……俺、褒められてるの?それとも貶されてる?」
肯定されてるのか否定されてるのか、どっちか分からずに苦笑する徹矢に下された判決は。
「「「「両方」」」」
満場一致だった。
それはともかくとして、
「いや……うぅん、せっかくのオフ会に湿っぽい話は無しだな、うんっ」
フェルテのことは気に掛かるが、それは今でなくともいい。
今は、この限りある楽しい時間を楽しもうと、徹矢は別の話題を用意しようとする。
それから。
徹矢――アロウはふらりと一人でMAFにログインしていた。
今や彼を始め、ブレイヴスの面々はAランクに昇格し、パーティで集まる度に激戦を繰り広げていた。
今日のアロウは、ちょっとした"思い出巡り"をしていた。
まずは、ターミナルエリアの中心部。
先月前には、ここに"大穴"――バグによって破壊され、神域とつながってしまったワームホールとも言うべき現象――が発生し、決死の覚悟でその中へ飛び込んだものだ。
次に、イグニート火山。
レッドワイバーンと戦い、オーディンも加えた上で遺跡のガーディアンであるダークホークと戦った。
次に、マリーネ孤島。
"リック"に偽装したカインとの共闘、ジルダとの物々しい邂逅、ガーディアンたるリヴァイアサンとの激闘。
次に、デゼルト砂漠。
ここでフェルテとメイプルが仲間になり、ボーンナイトやガーディアンのベヒーモスに随分苦戦させられたものだ。
そして、
「結局行き着くのは、ここなんだよな」
ノヴィス平原。
アロウにとって、全ての始まりの場所。
カノラと共にログインし、フェルテと邂逅し、ルナとも仲間になった。
チュートリアルクエストをなぞるように、アロウはゆっくりと平原を巡る。
ゴブリンを倒し、アイテムを採取し、洞窟を進み、
たどり着いた山頂部。
ここで、フェルテとルナと出会い、全てが始まったとさえ言えるだろう。
今になって思えば、フェルテは珍しい装備を持つプレイヤーだからと、他のプレイヤーから追われていたのだろう。
だからルナやアロウを敵と決めつけるしかなかった。
スラスターも無しに山肌の急斜面を駆け下りることが出来たのも、フェルテの元々の能力があったから。
全てが全て、アロウの記憶に思い出として刻み込まれている。
今でも鮮明に思い起こせる、彼女の声を――
「なんだ、こんなところにいたのか」
「…………え?」
今のは記憶の思い出しではない。
アロウはバッと振り返れば、
「さよならは言わぬ、と言ったはずだがな?」
そこにいたのは、赤でも蒼でも翠でもない、出会った頃の、純白のフェルテがいた。
「何故、とでもいいたげだな。ふむ……汝らの言い方に置き換えると、"イセカイテンセイ"をしたのだ。無論、創造主に我儘を聞いてもらってな」
異世界転生をしたと言うフェルテは歩み寄り、そっとアロウの手を取った。
「どうだ、"約束"は果たしただろう?」
「……っ」
アロウは、無言でフェルテを抱きしめる。
「ふぉっ、むぅ、ア、アロウ、いきなりは……ま、まぁ、よかろう、我は寛容なのだからな」
「おかえり……おかえり、フェルテ……ッ!」
ひとしきり、互いを抱きしめあったら。
二人は山頂部の崖の前に立つ。
「行こうか、フェルテ」
「うむ、行くぞアロウ」
「「俺達(我ら)の戦いは、これからだ!!」」
END
「……」
徹矢は、このオフ会が楽しければ楽しいほどに、『今この場にいないもう一人のパーティメンバー』のことを気に掛ける。
「織原さん、どうかしましたか?」
「え?」
それに最初に気付いたのは、結月だった。
「なんだか、顔が思い詰めていましたから。……フェルテさんのことですか?」
「ちょっ、なんで分かった!?」
心の中を読まれたようで、徹矢はドキリと背筋に鳥肌が立った。
「ふふっ、菜々花さんほどではありませんけど、私も織原さんのことが分かってきたということです」
「うんうん、前の時もそうだったけど、織原くんはすぐ顔に出るもんね」
結月に同調するように頷くのは菜々花。
「だからかなぁ、こうして女の子を次々ホイホイとパーティメンバーに加えちゃうもんねぇ」
意地悪そうに笑う楓に、
「今時珍しいくらい真っ直ぐで青臭いのよねぇ。一昔前の少年マンガの主人公かってくらい」
トドメを刺してくるのは純子。
「えぇ……俺、褒められてるの?それとも貶されてる?」
肯定されてるのか否定されてるのか、どっちか分からずに苦笑する徹矢に下された判決は。
「「「「両方」」」」
満場一致だった。
それはともかくとして、
「いや……うぅん、せっかくのオフ会に湿っぽい話は無しだな、うんっ」
フェルテのことは気に掛かるが、それは今でなくともいい。
今は、この限りある楽しい時間を楽しもうと、徹矢は別の話題を用意しようとする。
それから。
徹矢――アロウはふらりと一人でMAFにログインしていた。
今や彼を始め、ブレイヴスの面々はAランクに昇格し、パーティで集まる度に激戦を繰り広げていた。
今日のアロウは、ちょっとした"思い出巡り"をしていた。
まずは、ターミナルエリアの中心部。
先月前には、ここに"大穴"――バグによって破壊され、神域とつながってしまったワームホールとも言うべき現象――が発生し、決死の覚悟でその中へ飛び込んだものだ。
次に、イグニート火山。
レッドワイバーンと戦い、オーディンも加えた上で遺跡のガーディアンであるダークホークと戦った。
次に、マリーネ孤島。
"リック"に偽装したカインとの共闘、ジルダとの物々しい邂逅、ガーディアンたるリヴァイアサンとの激闘。
次に、デゼルト砂漠。
ここでフェルテとメイプルが仲間になり、ボーンナイトやガーディアンのベヒーモスに随分苦戦させられたものだ。
そして、
「結局行き着くのは、ここなんだよな」
ノヴィス平原。
アロウにとって、全ての始まりの場所。
カノラと共にログインし、フェルテと邂逅し、ルナとも仲間になった。
チュートリアルクエストをなぞるように、アロウはゆっくりと平原を巡る。
ゴブリンを倒し、アイテムを採取し、洞窟を進み、
たどり着いた山頂部。
ここで、フェルテとルナと出会い、全てが始まったとさえ言えるだろう。
今になって思えば、フェルテは珍しい装備を持つプレイヤーだからと、他のプレイヤーから追われていたのだろう。
だからルナやアロウを敵と決めつけるしかなかった。
スラスターも無しに山肌の急斜面を駆け下りることが出来たのも、フェルテの元々の能力があったから。
全てが全て、アロウの記憶に思い出として刻み込まれている。
今でも鮮明に思い起こせる、彼女の声を――
「なんだ、こんなところにいたのか」
「…………え?」
今のは記憶の思い出しではない。
アロウはバッと振り返れば、
「さよならは言わぬ、と言ったはずだがな?」
そこにいたのは、赤でも蒼でも翠でもない、出会った頃の、純白のフェルテがいた。
「何故、とでもいいたげだな。ふむ……汝らの言い方に置き換えると、"イセカイテンセイ"をしたのだ。無論、創造主に我儘を聞いてもらってな」
異世界転生をしたと言うフェルテは歩み寄り、そっとアロウの手を取った。
「どうだ、"約束"は果たしただろう?」
「……っ」
アロウは、無言でフェルテを抱きしめる。
「ふぉっ、むぅ、ア、アロウ、いきなりは……ま、まぁ、よかろう、我は寛容なのだからな」
「おかえり……おかえり、フェルテ……ッ!」
ひとしきり、互いを抱きしめあったら。
二人は山頂部の崖の前に立つ。
「行こうか、フェルテ」
「うむ、行くぞアロウ」
「「俺達(我ら)の戦いは、これからだ!!」」
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