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第二十一節「器に乗せた想い 甦る巨島 その空に命を貫きて」
~全て乗せて、悪意の思惑~
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「くぅおおーーーーーーッ!!」
狭い通路を駆け抜け、勇が咆える。
幾人もの魔者達が絶えず襲い掛かってきていたのだ。
それを迎撃するために……力を奮い、四角い通路の中を縦横無尽に跳ねていく。
光の筋が無軌道を描き、襲い掛かる魔者達を次々と蹴散らしていった。
いずれも斬撃では無く、剣の腹や魔甲で叩いていく不殺のスタイル。
ジョゾウの友人がこの中にまだ居るかもしれない……そう思ったが故の最大限の配慮。
もっとも、それは彼が元々持つ戦闘に対する姿勢なのではあるが。
すると次第に、襲い掛かってくる魔者の数が減り……そして遂に襲撃が途切れた。
「これで終わりか……」
軽く振り返り、倒れた魔者達を見る。
その姿形はいずれも多種多様な者達……明らかにカラクラ族だけではなかった。
―――色んな魔者の種族が混在している……これは一体どういう事なんだ?―――
周囲に警戒をしつつも思慮を張り巡らせる。
気絶した魔者達を見るも、共通点などわかるはずも無い程にバラバラだ。
殆どの魔者が見た事の無い種族ばかり。
時折カラクラ族であろう者や以前出会った種族の様相を持った者もちらりと覗く。
恐らく先程ゴゴンが言っていた『謎の男』がその理由を知っている……勇はそう予感せずにはいられなかった。
「勇殿~!!」
突然通路に響く低い声……するとジョゾウが来た道からひょっこりと姿を現した。
「ジョゾウさん……もういいんですか?」
ジョゾウはその問いに頷き、倒れた魔者達を避けながら勇へと歩み寄っていく。
「心配をお掛け申した……ゴゴンを弔うのは後でも問題は御座らぬ……今は生きる者達が為に動く事こそ先決ぞ」
勇の前に辿り着いたジョゾウは、自身を取り巻く状況に彼同様の気持ちを露わにしていた。
多種族の混在した状況……ジョゾウはそれに違和感すら覚える。
「確かに、人間という共通の敵がおるが故に共闘する魔者達も少なく無かろう……だがこの状況、余りにも不可解よ……」
「やっぱりそう思いますか……例の『男』とかいう奴が手引きしてるのでしょうか」
「それしか考えられぬ……そしてもう一つ、ここで疑問に思った事が御座る」
その顔はいつもの様なひょうひょうとした雰囲気は見られず、深く重い感情を込めた表情であった。
「それは獅堂が持っていた魔剣に関してで御座る。 勇殿の話では、彼奴は魔剣を譲り受けたと教えて頂き申したが……では一体誰に渡されたのであろうか? 何故彼奴はその力を得てカラクラの王と成ろうと思い立ったのか」
勇達と同じ時期に魔剣を手に入れた獅堂が勇達以上に魔者の事情に詳しかった事。
それは言われてみれば確かに不思議であろう。
だとすれば彼にその情報を受け渡した者が居る……そう考えるのが妥当だ。
「そして離反した者達はどこへ消えたのであろうか?」
ロゴウと戦った時、その場に居たのは精々5、6人程度だった。
仮に影に非戦闘員が居たとしても10人程度だろう。
だが、かつて獅堂との決戦の折……カラクラの里を守る者達は言う程多くは無かった。
それはその時点で既に半数が里から離れていたからだ。
「ここに倒れた者達を見て今思うたわ……彼等は決して離れた地で安寧を過ごしていた訳ではない、かようにして人間に反旗を翻そうとしていたのではないか、とな。 その男が賢人二人に吹聴し、この様に協力させた……そう考えれば妥当であろう」
「つまり、その男は魔者達を集めて何かをしようとしている……そしてここにも連れて来た……そういう事ですか?」
「左様……そうでなくてはゴゴンや二人の賢人がここに居る事が説明出来ぬわ」
そしてそれは、今までの出来事の幾つかに……『人の悪意』が滲ませている事を予感させていた。
その悪意が何をもたらすのか……その恐ろしさは勇が一番身に染みて理解している。
それこそが、勇が最も憎み、畏れるモノ。
「……もしそうなのだとしたら、俺達はその根源を断たなければいけない。 かつて起きた惨劇を……もう二度と繰り返すわけにはいかない……!!」
「うむ!!」
まだ、その悪意の根源であろう謎の男の正体はわからない。
だが……「それが居る」……それがわかった事こそが彼等にとっては大きな前進であった。
「ゴゴンさんがもたらしてくれた可能性は、俺達が繋いで成し遂げましょう」
互いが頷き合い、前を見据える。
想いも、願いも、全てを乗せて。
『おう、お前等、何ノロノロやってんだ』
そんな最中、突然響き渡る聞いた事のある大きな声。
多重にエコーする音が通路一杯に響き渡り、彼等の耳に絶えず聞こえて来るかのよう。
「こっ、この声、剣聖さん!?」
勇が顔を左右に振って周囲を伺うが、当然彼の姿は見当たるはずも無く。
そして再び、クリアな音声が彼の元に響いてくると どこから漏れたか知れない声を聞き取る様に耳を澄まし聞き取る。
『そうだぁよぉ。 いいかよく聞きな、おめぇの居る所からすぐ近く、これから俺が指示する方向の先に捕まった奴らが居る』
「えっ……!?」
『その先に、おめぇが持つ剣の力を使ってぶち抜いてみな。 ただし、距離は172メートル……それ以上大きくなりゃ先に居る奴等が死ぬ。 小さけりゃ手前の壁の反力に負けてお前らに攻撃が返ってくる。 いいか、お前等の単位で172メートルだ。 わかったな!?』
「は、はいっ!!」
剣聖の言葉を信じ、翠星剣を持つ拳に力を篭める。
途端、大きな命力珠が強く輝き光を周囲に放ち始めた。
「勇殿!? やれるで御座るか!?」
「わからない……けど、やるさ!! ジョゾウさんは離れてて!!」
勇の体の向きを基準に、剣聖が続き指示を出して方向を少しづつ変えていく。
彼の言うがままに向けられていくのは……島中央、斜め上の方向。
『そうだ、その剣の向きに向けてぶちかませ』
「わかりました!!」
魔甲の上に滑らせるように翠星剣を乗せ、見えない目標を見据える。
アレムグランダの光が勇の周囲に展開されると、それに呼応して翠星剣の力が更に強さを増していった。
キュオオオオンッ……!!
「172メートル……距離感をイメージ……寸分変わらない位置へ……!!」
極限まで剣の力が高まりを見せ、刀身に光が走る。
「うおォーーーッ!!」
叫び、そして放たれる光の一突。
ギャアアアアンッ!!
途端、翠星剣から放たれる一本の光が壁を貫き白に包む。
衝撃に押し返された風や壁の破片が道に流れる様に吹き飛んでいく。
その先端が、一つ、また一つと壁を突き破り……その先へと伸びていった。
先に待ち構えるのは、一つの強固な壁。
「いけぇーーーーーー!!」
命力を通じて感じる感覚が、壁を予感させ……そして力を篭める。
ドォーーーーーンッ!!
壁に激突した光の槍は……その壁すらをも突き抜けたのだった。
そして貫いた途端、光の槍がそのまま弾ける様に砕け……床へと吸い込まれる様に流れ、大気へと消えていった。
「ゆ、勇殿……無事に御座るか?」
「あぁ、平気さ……命力珠の力も半分くらいまだ残ってるよ」
「ニカッ」と笑顔を浮かべ安心を誘う。
それを見たジョゾウも返す様に笑い声をあげた。
「では勇殿、乗客乗員達が待っているであろう……先に進もうぞ!!」
「ああ!!」
二人は声を掛け合うと、勇が作った「道」へと足を踏み出し掛けていく。
斜め上に向けて作られた傾斜は所々抉った通路が剥き出しとなり、時折逃げ惑う魔者の姿もあった。
だがいずれも襲い掛かってくる事無く脅えた表情を浮かべながら逃げていくのみ。
この島にやってきていた魔者達は、どうやら全てが「死にたがり」では無い様だ。
二人が道を駆け抜けると……その先に見えたのは広い空間。
意気揚々と部屋へ飛び込む。
すると……そこに居たのは脅えた顔を浮かべ座り込む人々の姿。
いずれも突然の勇達の出現に悲鳴を上げ恐怖に身を震え上がらせていた。
「皆さん、助けに来ました!! 俺達は国連の者です!!」
途端、脅えていた表情が歓喜の笑顔へと変わり、「おおっ!!」と声を上げる。
だが続きジョゾウが姿を現すと……再びその顔が引きつる。
「な、なんと……拙僧は敵に御座らん!!」
「あ、この鳥の人も仲間なんで!! 皆さんもう安心していいですよ!!」
すると「なんだぁ」と安堵の息を吐き、安心からか……周囲の者達と抱き合う等の落ち着き様を見せ始めていた。
「これで全員ですか?」
「いえ、数人奥に連れていかれて……」
そう答えたのは機長らしき人物。
「わかりました。 でしたら皆さん、この鳥の人に付いて……」
「いや、奥にはもう怪物は居ない。 それにこの人達の中には連れ去られた家族が居るんだ……協力させてくれ」
恐らくこうやって共に支え合う事で一体感の様な物が生まれていたのだろう。
乗客達も機長に従う様に静かに頭を縦に振っていた。
「わかりました……皆さん付いてきてください。 ジョゾウさん、後ろは任せます」
彼等の進言に従い、100人程となった集団が広場の奥に在る狭い通路へと足を運ぶ。
その先に見えるのはもう一つの広い部屋……比較的暗く赤い光が部屋を包み、内部の状況がわかり難い様になっていた。
だが、その部屋に入った途端……その状況を目の当たりにした勇の瞳が見開き、異様な光景に息を飲む。
球形に造られた大部屋。
そこには所狭しと楕円の何かが並び敷き詰められており、その中央には四角い何かのオブジェクトが立ち、その上には無数の光の粒が蠢き……彼等にとっての異様な様をありありと見せつけていた。
狭い通路を駆け抜け、勇が咆える。
幾人もの魔者達が絶えず襲い掛かってきていたのだ。
それを迎撃するために……力を奮い、四角い通路の中を縦横無尽に跳ねていく。
光の筋が無軌道を描き、襲い掛かる魔者達を次々と蹴散らしていった。
いずれも斬撃では無く、剣の腹や魔甲で叩いていく不殺のスタイル。
ジョゾウの友人がこの中にまだ居るかもしれない……そう思ったが故の最大限の配慮。
もっとも、それは彼が元々持つ戦闘に対する姿勢なのではあるが。
すると次第に、襲い掛かってくる魔者の数が減り……そして遂に襲撃が途切れた。
「これで終わりか……」
軽く振り返り、倒れた魔者達を見る。
その姿形はいずれも多種多様な者達……明らかにカラクラ族だけではなかった。
―――色んな魔者の種族が混在している……これは一体どういう事なんだ?―――
周囲に警戒をしつつも思慮を張り巡らせる。
気絶した魔者達を見るも、共通点などわかるはずも無い程にバラバラだ。
殆どの魔者が見た事の無い種族ばかり。
時折カラクラ族であろう者や以前出会った種族の様相を持った者もちらりと覗く。
恐らく先程ゴゴンが言っていた『謎の男』がその理由を知っている……勇はそう予感せずにはいられなかった。
「勇殿~!!」
突然通路に響く低い声……するとジョゾウが来た道からひょっこりと姿を現した。
「ジョゾウさん……もういいんですか?」
ジョゾウはその問いに頷き、倒れた魔者達を避けながら勇へと歩み寄っていく。
「心配をお掛け申した……ゴゴンを弔うのは後でも問題は御座らぬ……今は生きる者達が為に動く事こそ先決ぞ」
勇の前に辿り着いたジョゾウは、自身を取り巻く状況に彼同様の気持ちを露わにしていた。
多種族の混在した状況……ジョゾウはそれに違和感すら覚える。
「確かに、人間という共通の敵がおるが故に共闘する魔者達も少なく無かろう……だがこの状況、余りにも不可解よ……」
「やっぱりそう思いますか……例の『男』とかいう奴が手引きしてるのでしょうか」
「それしか考えられぬ……そしてもう一つ、ここで疑問に思った事が御座る」
その顔はいつもの様なひょうひょうとした雰囲気は見られず、深く重い感情を込めた表情であった。
「それは獅堂が持っていた魔剣に関してで御座る。 勇殿の話では、彼奴は魔剣を譲り受けたと教えて頂き申したが……では一体誰に渡されたのであろうか? 何故彼奴はその力を得てカラクラの王と成ろうと思い立ったのか」
勇達と同じ時期に魔剣を手に入れた獅堂が勇達以上に魔者の事情に詳しかった事。
それは言われてみれば確かに不思議であろう。
だとすれば彼にその情報を受け渡した者が居る……そう考えるのが妥当だ。
「そして離反した者達はどこへ消えたのであろうか?」
ロゴウと戦った時、その場に居たのは精々5、6人程度だった。
仮に影に非戦闘員が居たとしても10人程度だろう。
だが、かつて獅堂との決戦の折……カラクラの里を守る者達は言う程多くは無かった。
それはその時点で既に半数が里から離れていたからだ。
「ここに倒れた者達を見て今思うたわ……彼等は決して離れた地で安寧を過ごしていた訳ではない、かようにして人間に反旗を翻そうとしていたのではないか、とな。 その男が賢人二人に吹聴し、この様に協力させた……そう考えれば妥当であろう」
「つまり、その男は魔者達を集めて何かをしようとしている……そしてここにも連れて来た……そういう事ですか?」
「左様……そうでなくてはゴゴンや二人の賢人がここに居る事が説明出来ぬわ」
そしてそれは、今までの出来事の幾つかに……『人の悪意』が滲ませている事を予感させていた。
その悪意が何をもたらすのか……その恐ろしさは勇が一番身に染みて理解している。
それこそが、勇が最も憎み、畏れるモノ。
「……もしそうなのだとしたら、俺達はその根源を断たなければいけない。 かつて起きた惨劇を……もう二度と繰り返すわけにはいかない……!!」
「うむ!!」
まだ、その悪意の根源であろう謎の男の正体はわからない。
だが……「それが居る」……それがわかった事こそが彼等にとっては大きな前進であった。
「ゴゴンさんがもたらしてくれた可能性は、俺達が繋いで成し遂げましょう」
互いが頷き合い、前を見据える。
想いも、願いも、全てを乗せて。
『おう、お前等、何ノロノロやってんだ』
そんな最中、突然響き渡る聞いた事のある大きな声。
多重にエコーする音が通路一杯に響き渡り、彼等の耳に絶えず聞こえて来るかのよう。
「こっ、この声、剣聖さん!?」
勇が顔を左右に振って周囲を伺うが、当然彼の姿は見当たるはずも無く。
そして再び、クリアな音声が彼の元に響いてくると どこから漏れたか知れない声を聞き取る様に耳を澄まし聞き取る。
『そうだぁよぉ。 いいかよく聞きな、おめぇの居る所からすぐ近く、これから俺が指示する方向の先に捕まった奴らが居る』
「えっ……!?」
『その先に、おめぇが持つ剣の力を使ってぶち抜いてみな。 ただし、距離は172メートル……それ以上大きくなりゃ先に居る奴等が死ぬ。 小さけりゃ手前の壁の反力に負けてお前らに攻撃が返ってくる。 いいか、お前等の単位で172メートルだ。 わかったな!?』
「は、はいっ!!」
剣聖の言葉を信じ、翠星剣を持つ拳に力を篭める。
途端、大きな命力珠が強く輝き光を周囲に放ち始めた。
「勇殿!? やれるで御座るか!?」
「わからない……けど、やるさ!! ジョゾウさんは離れてて!!」
勇の体の向きを基準に、剣聖が続き指示を出して方向を少しづつ変えていく。
彼の言うがままに向けられていくのは……島中央、斜め上の方向。
『そうだ、その剣の向きに向けてぶちかませ』
「わかりました!!」
魔甲の上に滑らせるように翠星剣を乗せ、見えない目標を見据える。
アレムグランダの光が勇の周囲に展開されると、それに呼応して翠星剣の力が更に強さを増していった。
キュオオオオンッ……!!
「172メートル……距離感をイメージ……寸分変わらない位置へ……!!」
極限まで剣の力が高まりを見せ、刀身に光が走る。
「うおォーーーッ!!」
叫び、そして放たれる光の一突。
ギャアアアアンッ!!
途端、翠星剣から放たれる一本の光が壁を貫き白に包む。
衝撃に押し返された風や壁の破片が道に流れる様に吹き飛んでいく。
その先端が、一つ、また一つと壁を突き破り……その先へと伸びていった。
先に待ち構えるのは、一つの強固な壁。
「いけぇーーーーーー!!」
命力を通じて感じる感覚が、壁を予感させ……そして力を篭める。
ドォーーーーーンッ!!
壁に激突した光の槍は……その壁すらをも突き抜けたのだった。
そして貫いた途端、光の槍がそのまま弾ける様に砕け……床へと吸い込まれる様に流れ、大気へと消えていった。
「ゆ、勇殿……無事に御座るか?」
「あぁ、平気さ……命力珠の力も半分くらいまだ残ってるよ」
「ニカッ」と笑顔を浮かべ安心を誘う。
それを見たジョゾウも返す様に笑い声をあげた。
「では勇殿、乗客乗員達が待っているであろう……先に進もうぞ!!」
「ああ!!」
二人は声を掛け合うと、勇が作った「道」へと足を踏み出し掛けていく。
斜め上に向けて作られた傾斜は所々抉った通路が剥き出しとなり、時折逃げ惑う魔者の姿もあった。
だがいずれも襲い掛かってくる事無く脅えた表情を浮かべながら逃げていくのみ。
この島にやってきていた魔者達は、どうやら全てが「死にたがり」では無い様だ。
二人が道を駆け抜けると……その先に見えたのは広い空間。
意気揚々と部屋へ飛び込む。
すると……そこに居たのは脅えた顔を浮かべ座り込む人々の姿。
いずれも突然の勇達の出現に悲鳴を上げ恐怖に身を震え上がらせていた。
「皆さん、助けに来ました!! 俺達は国連の者です!!」
途端、脅えていた表情が歓喜の笑顔へと変わり、「おおっ!!」と声を上げる。
だが続きジョゾウが姿を現すと……再びその顔が引きつる。
「な、なんと……拙僧は敵に御座らん!!」
「あ、この鳥の人も仲間なんで!! 皆さんもう安心していいですよ!!」
すると「なんだぁ」と安堵の息を吐き、安心からか……周囲の者達と抱き合う等の落ち着き様を見せ始めていた。
「これで全員ですか?」
「いえ、数人奥に連れていかれて……」
そう答えたのは機長らしき人物。
「わかりました。 でしたら皆さん、この鳥の人に付いて……」
「いや、奥にはもう怪物は居ない。 それにこの人達の中には連れ去られた家族が居るんだ……協力させてくれ」
恐らくこうやって共に支え合う事で一体感の様な物が生まれていたのだろう。
乗客達も機長に従う様に静かに頭を縦に振っていた。
「わかりました……皆さん付いてきてください。 ジョゾウさん、後ろは任せます」
彼等の進言に従い、100人程となった集団が広場の奥に在る狭い通路へと足を運ぶ。
その先に見えるのはもう一つの広い部屋……比較的暗く赤い光が部屋を包み、内部の状況がわかり難い様になっていた。
だが、その部屋に入った途端……その状況を目の当たりにした勇の瞳が見開き、異様な光景に息を飲む。
球形に造られた大部屋。
そこには所狭しと楕円の何かが並び敷き詰められており、その中央には四角い何かのオブジェクトが立ち、その上には無数の光の粒が蠢き……彼等にとっての異様な様をありありと見せつけていた。
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