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第二十四節「密林包囲網 切望した過去 闇に紛れ蠢きて」
~話~
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出撃指令が出始めてからおおよそ3時間後。
各拠点を出発した魔特隊の面々は各地で見られた不可思議な状況を前に戸惑っていた。
彼等が訪れた集落のいずれも、人一人居なかったのだ。
静けさに次ぐ静けさ……まるでオッファノ族など居なかったのではないかと思われる程に。
『こちらAはん てきえい なし どうぞ』
『そちらにも居ませんか……一体どういう事なのでしょうかねぇ……全くわかりません』
福留も航空写真や衛星写真などを駆使して調べ回っていたが、一切その情報ではわからずじまい。
敵影を感じない以上、作戦を続行するのも難しいと言えよう。
『王様が食中毒で死んだとかそんなんじゃねぇの?』
『そんな訳ないでしょ……』
マヴォが捕まえたヘデーノ族は未だ健在……現在もなお気絶中であるが。
王が死んだのであれば、彼も消えるはず……そうでないのであれば、死んだとは考えにくい。
『と、とりあえず……またもう少し進軍して様子を―――』
「まて」
するとその時……通信をしていたアージが何かに気が付き声を制止する。
途端、通信に流れる仲間達の声が止まり……緊張が訪れた。
ガサリ……
彼の正面に有る茂みが蠢き、そこからゆっくりと……人影が一人姿を現す。
「われわれ てきい ない」
「オッファノ族か……」
アージの前に姿を現したのは……なんとウロンドであった。
「敵意が無いとは……一体どういう事だ」
「こういうことだ」
突然、ウロンドが手に持っていた袋をおもむろに開き、逆さに振る。
するとその中から何かが落ち、「ボトリ」と音を立てて転がった。
そこに転がっていたのは……ヘデーノ族の王、ディビーの頭であった。
「こっ、これは……!?」
「こいつ われわれだました どうほうをころした つみびと そして つみをつぐなわせた」
「まさか……こやつがお前達を操り我々に攻撃をさせていたと?」
「そうだ」
急なウロンドの登場、そして策士と思われる者の晒し首。
あまりにも突然過ぎる展開に、アージは戸惑いを見せながらも疑いの目を向けていた。
「どういうつもりだ……例えそれが本当だとして、お前達が戦う理由が無い訳ではないハズだ!! これが策略である可能性も捨てきれぬぞ!?」
声を高々と上げてウロンドへ反論するが……そんな彼の足元へ再びウロンドが何かを放り投げる。
それはあずーの持っていた二本のエスカルオール。
彼女が攻撃を受けた時に落とした物だ。
魔剣を放る……それはつまり、敵意が無い事を示す。
『あちら側』の者であればその意味合いはなおさら強いと言える。
それを前にして、彼はなお表情を崩す事無く答えを返した。
「かんたんなこと われわれ もともとたたかい すきではない。 そしてしった おまえたちも たたかい すきではない おなじだ」
「ヌゥ……」
そう言い切った事に彼の核心を突いた答えを感じ取ったアージは、思わず魔剣を降ろす。
そんな彼の態度を見た途端、ウロンドはニコリと笑顔を浮かべた。
「みたてどおりだった やはり せいかい しんようして」
「何……?」
「りようさせてもらった おまえたちのうごき たたかい。 ヘデーノ族 われわれ さいしょからあやしい かんじていた」
「……つまり我々は一杯食わされたという訳か……フハハ……フハハハハッ!!」
思わずアージが腰を取って笑いを上げ始めた。
それもそうだろう……今までの戦いは彼等の掌の上で踊っていただけに過ぎないと公言されたのだから。
信ぴょう性など定かではない。
だが、それをハッキリと、面と向かって、敵だった者に言い切るのだ……その気概を前に笑わずにはいられなかったのだろう。
するとアージはインカムに手を充て、通信をオンにし……話し始めた。
「福留殿 たたかいはおわった すべてな ひきあげよう」
『おや……どういう事でしょうか?』
アージは福留にそう問われると、彼が表現出来る範囲で全てを語ったのだった。
オッファノ族達の対応……それは余りにも突然過ぎた戦いの終焉を意味する。
ウロンドは魔特隊、ひいてはブラジル政府との対話を望んだのだ。
彼と対話を行う事に是を決めた福留は、アージへと指示を送る。
共に車両へ乗り込み拠点へ戻る様にと。
こうして、長続きすると思われた密林の戦いは突然の終わりを告げ……戦士達は車両で揺られながら、ゆっくりと帰路へ就いたのだった。
それから一日が過ぎた。
C班の拠点、東の建屋。
そこで福留や魔特隊の面々、ブラジル政府の官僚を含めた多くの人々を交えての対話が始められる事となる。
だがそこに勇の姿は無い。
彼はなお眠ったままのあずーと共に一足早く帰国の為にこの地を去っていた。
間も無く……国連と魔特隊が間に入り、オッファノ族達の代表であるウロンドとアマゾン盆地を有するブラジル政府との対話が始まろうとしていた。
各拠点を出発した魔特隊の面々は各地で見られた不可思議な状況を前に戸惑っていた。
彼等が訪れた集落のいずれも、人一人居なかったのだ。
静けさに次ぐ静けさ……まるでオッファノ族など居なかったのではないかと思われる程に。
『こちらAはん てきえい なし どうぞ』
『そちらにも居ませんか……一体どういう事なのでしょうかねぇ……全くわかりません』
福留も航空写真や衛星写真などを駆使して調べ回っていたが、一切その情報ではわからずじまい。
敵影を感じない以上、作戦を続行するのも難しいと言えよう。
『王様が食中毒で死んだとかそんなんじゃねぇの?』
『そんな訳ないでしょ……』
マヴォが捕まえたヘデーノ族は未だ健在……現在もなお気絶中であるが。
王が死んだのであれば、彼も消えるはず……そうでないのであれば、死んだとは考えにくい。
『と、とりあえず……またもう少し進軍して様子を―――』
「まて」
するとその時……通信をしていたアージが何かに気が付き声を制止する。
途端、通信に流れる仲間達の声が止まり……緊張が訪れた。
ガサリ……
彼の正面に有る茂みが蠢き、そこからゆっくりと……人影が一人姿を現す。
「われわれ てきい ない」
「オッファノ族か……」
アージの前に姿を現したのは……なんとウロンドであった。
「敵意が無いとは……一体どういう事だ」
「こういうことだ」
突然、ウロンドが手に持っていた袋をおもむろに開き、逆さに振る。
するとその中から何かが落ち、「ボトリ」と音を立てて転がった。
そこに転がっていたのは……ヘデーノ族の王、ディビーの頭であった。
「こっ、これは……!?」
「こいつ われわれだました どうほうをころした つみびと そして つみをつぐなわせた」
「まさか……こやつがお前達を操り我々に攻撃をさせていたと?」
「そうだ」
急なウロンドの登場、そして策士と思われる者の晒し首。
あまりにも突然過ぎる展開に、アージは戸惑いを見せながらも疑いの目を向けていた。
「どういうつもりだ……例えそれが本当だとして、お前達が戦う理由が無い訳ではないハズだ!! これが策略である可能性も捨てきれぬぞ!?」
声を高々と上げてウロンドへ反論するが……そんな彼の足元へ再びウロンドが何かを放り投げる。
それはあずーの持っていた二本のエスカルオール。
彼女が攻撃を受けた時に落とした物だ。
魔剣を放る……それはつまり、敵意が無い事を示す。
『あちら側』の者であればその意味合いはなおさら強いと言える。
それを前にして、彼はなお表情を崩す事無く答えを返した。
「かんたんなこと われわれ もともとたたかい すきではない。 そしてしった おまえたちも たたかい すきではない おなじだ」
「ヌゥ……」
そう言い切った事に彼の核心を突いた答えを感じ取ったアージは、思わず魔剣を降ろす。
そんな彼の態度を見た途端、ウロンドはニコリと笑顔を浮かべた。
「みたてどおりだった やはり せいかい しんようして」
「何……?」
「りようさせてもらった おまえたちのうごき たたかい。 ヘデーノ族 われわれ さいしょからあやしい かんじていた」
「……つまり我々は一杯食わされたという訳か……フハハ……フハハハハッ!!」
思わずアージが腰を取って笑いを上げ始めた。
それもそうだろう……今までの戦いは彼等の掌の上で踊っていただけに過ぎないと公言されたのだから。
信ぴょう性など定かではない。
だが、それをハッキリと、面と向かって、敵だった者に言い切るのだ……その気概を前に笑わずにはいられなかったのだろう。
するとアージはインカムに手を充て、通信をオンにし……話し始めた。
「福留殿 たたかいはおわった すべてな ひきあげよう」
『おや……どういう事でしょうか?』
アージは福留にそう問われると、彼が表現出来る範囲で全てを語ったのだった。
オッファノ族達の対応……それは余りにも突然過ぎた戦いの終焉を意味する。
ウロンドは魔特隊、ひいてはブラジル政府との対話を望んだのだ。
彼と対話を行う事に是を決めた福留は、アージへと指示を送る。
共に車両へ乗り込み拠点へ戻る様にと。
こうして、長続きすると思われた密林の戦いは突然の終わりを告げ……戦士達は車両で揺られながら、ゆっくりと帰路へ就いたのだった。
それから一日が過ぎた。
C班の拠点、東の建屋。
そこで福留や魔特隊の面々、ブラジル政府の官僚を含めた多くの人々を交えての対話が始められる事となる。
だがそこに勇の姿は無い。
彼はなお眠ったままのあずーと共に一足早く帰国の為にこの地を去っていた。
間も無く……国連と魔特隊が間に入り、オッファノ族達の代表であるウロンドとアマゾン盆地を有するブラジル政府との対話が始まろうとしていた。
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