時き継幻想フララジカ

日奈 うさぎ

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『第三部 真界編』プロローグ

第二部おさらい -登場人物編-

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登場人物紹介(第三部)

※飛ばしても差し支えありません



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藤咲ふじさき ゆう

本作の主人公。
体育会系だが性格は比較的控えめ、黙々と体を動かすタイプ。 しかし沸点は比較的低く、怒りで我を忘れる事もしばしば見られた。 交流関係はそれほど少なくは無く、比較的人と積極的に関わっていく前向きさがある。 一連の戦いを通して様々な経験を得て常人よりも達観した感情を持つようになった。 勿論素の性格こそ変わらないが、大人の様な落ち着きをよく見せる。
彼の左の瞳は青く、いわゆるオッドアイ。 しかしこれは先天性ではなく、四年前の悲劇から伴った後遺症によるもの (同ページ、エウリィ項を参照のこと)。色が変わっただけで別段変わりは無いが、既知の人々を誤魔化す必要があった。
趣味は筋トレと身体コントロール技術の向上。 身体コントロール技術とはいわば、より精密に動く為に、動作に必要な力加減などを細かく調べる事。 これは勇がフララジカに巻き込まれて以降身に付いた、癖にも近い趣味である。 元々は【命力】の操り方を調べる為であったが、現在は体に宿る謎の力を調べる事に重点を置いている。

【命力】
魔剣と呼ばれる武器を使う事で養われる、具現可能な精神エネルギーの事。 肉体強化等に使用可能で、電気エネルギーにも似た伝達性質と物理現象を操作する物質干渉能力を持つ不思議な力。

二年前、東京都庁占拠事件【東京事変】において命力を失い、代わりに謎の力を得る。
命力と似ているが、命力と異なり力の存在を認識出来ず、力の加減が難しい様だ。
今では趣味の甲斐もあってか、ある程度のコントロールは出来る様になっている。

得意武器は長剣型の武器、または格闘。 ボクシングを嗜み、拳技にもそこそこの自信がある。
謎の力を使った光の剣は全ての物体を斬り裂ける程の強烈なモノ。
だが正体がわからず自由意思で使う事が出来ない模様。

彼はエウリィという懇意の少女や園部亜月という恋人を戦いの中で失ってきた。
大切な人を守ろうとして守れなかった失意は彼の心を幾度と無く縛り、苦しめる。
それでも彼はまた立ち上がろうとしている。

守るという事がどういう事なのか……その答えはもう、彼の中にあるのかもしれない。

それを知る為に……彼は今、空を見上げる。
己の心の色の如き、青の空を。



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田中たなか 茶奈ちゃな

本作のヒロイン。
性格はおとなしめだが行動力がある。  最近は周囲に気に掛ける傾向が強くなり、彼女の優しさがにじみ出る様だ。 元は家庭崩壊の影響で自暴自棄に陥っていた事もあったが、藤咲家に住むことになってから本来持つ明るさを取り戻した。
趣味は食べ歩き。昔から満足に食べる事が出来なかった反動であろうか、彼女の胃袋はブラックホールと化している。 ただし食べるスピードは極遅く、手に取る食べ物はリス食い。頬には貯めない。
この二年間外に出歩く事が出来ず、趣味を堪能できない彼女のストレスは計り知れない。

「アストラルエネマ」という特性を持ち、命力面で言えば無際限、天才の名を欲しいままにしている。 出力量も常人を遥かに越え、前人未踏の行動を度々起こしてきた。
持つ技も多彩で、砲撃系の攻撃は全てにおいて必殺レベル。 魔剣から炎を吹き出してロケットの様に空を飛び、気圧、熱、風力を操作する事が可能。
魔剣を二本扱う事で【クロッシング】と呼ばれる魔剣共鳴が使用可能で、これにより更に強烈な攻撃が可能になる。
また、魔剣を使用せずに多大な命力を自身に纏わせて戦う【命力全域鎧フルクラスタ】は、彼女の身体能力の低さをカバーし、格闘すらをも可能とさせた。

愛用武器は二年前の時点で魔剣【イルリスエーヴェ】と魔剣【クーファライデ】の二刀流。 どちらも180cmに匹敵する長杖。
前者は航行を主目的としてにあつらえられた新型魔剣。 斧槍ハルバードの様な半月型の意匠が特徴的。
後者は超出力を可能とした砲撃特化魔剣。 錫杖の様な飾りを持つ、柄が伸縮自在の魔剣である。
現状での武器は物語の中で明かしていくとしよう。



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園部そのべ 心輝しんき

あだ名は「シン」
ただひたすらに熱く、親友である勇を支える為に仲間達と共に力を尽くす熱血漢。 直情的だがそれなりに賢く、軽い厨二病。 魔剣を得て、好きなアニメや漫画のキャラを己に投影する事が増えた。
趣味は上記にある通り、アニメや漫画の閲覧、ゲームなど。 茶奈に布教するなどのファッションオタクな風もあるが、深掘りがすさまじい生粋のオタクである。
そんな彼だが、レンネィにぞっこん。 ギャップ萌え派なのだろう。 彼女もまんざらではなく、既にそれなりの関係にまで発展している。

戦いの経験はまだ少ないが、それを補って余りあるセンスと命力量が彼を支える。 格闘能力だけで言えばフルクラスタを纏う茶奈に匹敵し、魔剣の力を合わせれば一瞬で敵陣に斬りこむ弾丸とすら化す。 惜しむらくは、彼は知覚系技能の習得が難しいとされている所か。
厳密に言うと、命力レーダーや先見力的な、認識して行動する様な緻密な命力操作が苦手なのである。 反射的に動く事が多いからというのが専らの説。
怒りに身を任せて命力の効率が上がる、希有な性質の持ち主でもある。

愛用武器は二年前の時点で両腕甲型魔剣【グワイヴ・ヴァルトレンジ】。 炎の如き紅色の外装を持つ、炎を吹き出す事が出来る魔剣。
命力という媒体を使用している為か、本人の意思で物理干渉の度合いを調整する事ができ、対象にのみ炎熱効果を与えられるという特異な力が特徴。
炎の噴出力は人を押し出す事も可能で、これを使って空を飛ぶ事も出来る。
また、出力消費を格段に押さえた機構を有し、長時間の航行が可能。
炎は青色→赤色→白色→虹色と出力によって色を変え、白色がいわゆる臨界点。 虹色になると魔剣の筐体が持たなくなる程の出力が放出されている事になる。 それを実現したのは唯一、茶奈のみ。
現状での武器は物語の中で明かしていくとしよう。



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相沢あいざわ 瀬玲せり

勇とは高校の同級生で心輝の幼馴染。
クールビューティをモットーとし、少し尖った言い方をする所は優しさの裏返し。 悪戯をする事もあるが、基本的には周りに気を配り雰囲気を守る女性。 しかしそれはそうありたいと願うプライドが作った偽りの彼女の姿。 実際の彼女は荒ぶる事を好み、本能を曝け出す事。 それに気付いた時、彼女は名前に相応しい聡明な部分と、暴力的な部分の二面を切り替える事が出来る様になっていた。 それのおかげで戦いの折は昂り、抑圧されてきた巨大な命力をふんだんに奮う事が出来るようになった。
その力を見初められ、魔者であるイシュライトに好意を持たれているが……彼女にその気は無い様だ。
そんな彼女の趣味はアイドル。 イケメン限定、つまり面食いなのだ。 それもかなり高度な。

身体能力で言えば低い方だが、抑圧の開放から露わとなった戦いのセンスは仲間の中でもピカイチに高い。 そこから生まれる判断力は仲間への指示にも繋がり、突発的なリーダー的役割を果たす事が多い。
ただし本人はリーダーという立場が苦手らしく、茶奈にその座を譲っている。
魔剣から得た【感覚拡張フェ・グリーム】によって周囲の動きを読み取る力が格段に上がっており、それに対する反射速度も向上している。 認識したもの全てを受け流す事は出来ないが、最善の選択肢を獲る事が出来る点から考えれば十分過ぎるだろう。
いつかのイ・ドゥール族との戦いの後に身長に匹敵する程の長さの髪を得て以来、それが気に入った様で常に伸ばしている。 手入れは大変にも見えるが、命力でキューティクルを維持している様だ。 こんな事にまで使える本当に便利な力である。

愛用武器は二年前の時点で長弓型魔剣『カッデレータ・フェグリーム』。
命力の篭める量で矢弾の大きさや破壊力を変える事ができ、撃ち放たれた矢弾は操者の意思で自由に操作する事が可能。 また変形させる事で弩弓ボウガン型にもなり、その時の矢弾はショットガンの様に広域へ無数の小さな矢弾を照射するタイプへと切り替わる。
矢弾の素となる命力は弾倉から消費。 換装可能で、複数の予備弾倉を常に複数所持している。電池の様なものだと考えればいいだろう。
感覚拡張と相性の良い、使い勝手の良い武装である。



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福留ふくとめ 晴樹はるき

性格は非常に温和で笑顔を絶やさない。 何を考えているかわからない事も多いが、思慮深い事もあって悪い様には見られない。
八十代の老人であるが異常な行動力を有し、洞察力や社交性は各国首脳すら目を見張るレベル。
各国にコネクションを持ち、気付けば事業を立ち上げているなど、並の人間とは思えない。
表舞台に立つ事を嫌い、常に裏側で黒子の様に誰かを持ち上げ続けている。
果たしてその正体は一体……それは近い内に明かされるだろう。

フララジカが始まって直後に防衛庁特殊事案対策部(通称特事部)部長に着任して以来、勇達をサポートし続け、魔特隊発足後は魔特隊の指揮官として前線に赴く事も。
国土変容問題や魔者問題に対して全権を任されており、魔特隊になってからは各国の状況を調べる役目も果たす。

孫娘の莉那りなにはめっぽう弱い。
彼女の両親が基本的に不在で福留が面倒を見る事も多かった所為か……信頼は厚いが、彼女の要求には逆らう事が出来ない様だ。
趣味は時代劇の視聴。 一昔前のものでも現代のものでもどちらでもいける模様。 若干SFチックに脚色を加えた方が好みなのだとか。 創作なら多少飛んでいた方が創作らしいというのが彼の持論。



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清水しみず 愛希あき

茶奈の親友で、密かに勇の事が好きな女子大生。
自分が思った事をハキハキと話し、比較的強気。 自分が信じた事は曲げない。 情に脆い部分があり、それが茶奈と親友になれたキッカケでもある。
元々はギャルっ子だったが……いつだかに鷹峰前総理と出会ってから政治に興味を持ち、勉強に勤しむ。 その結果、一浪する事も無く国立大学法学部へと入学を果たした。 隠れた努力家である。

勇達の戦いの事は知らないまでも彼等を間接的にサポートする様にと福留から伝えられ、彼等を外側から見守っていた。 勇達が自分の想像を超えた事をやっている事には薄々気付いてはいたが……勇の顔を立てて聞かない様にしていた様であるが。
【東京事変】の折に勇達の事を知り、驚愕する事となる。
だがそれでも彼女は勇達を信じた。 そして今も。
勇にとって、彼女は信頼出来る理解者の一人なのだ。

尾上おのえ 風香ふうか佐々木ささき あいという茶奈と共通の友人がいる。
昔はこの二人とセットでいる事が多かったが今は学校が別となり、あまり一緒に行動していない。



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レンネィ

『あちら側』の魔剣使いにして正式に日本政府と契約を結び、勇達よりも先に魔特隊隊員1号として活躍した女性。
桃色の長い髪と、凛とした顔付きは、仲間達だけでなく見掛けた人々をも魅了する。
大人らしい立ち振る舞いと雰囲気を持ち、そしてオブラートな表現での下ネタの話題が好き。
戦いにおいては冷徹な面を見せるなど、場面によって自分の感情をしっかりと切り替える事が出来る所はさすがの熟練戦士と言った所か。
最近は恋人である心輝の影響を大きく受け、大らかな性格が前面に出始めている様だ。
見た目は20代前半だが、歳は推定30代後半~40代。 本人が秘匿しているので余計な詮索は不要だろう。 ちなみに本名は……これも本人が秘匿しているが、第十七節で明かされてしまった。

『あちら側』では【死の踊りマルルナザーレ】の異名を持っていた。
その異名が示す通り、舞い踊るかの如く戦場を駆け巡り、見た者を残さず血祭りに上げる程の実力者だった。
しかし二年前に起きた戦いで瀕死の重傷を負ってしまう。 命は救われたものの、その後遺症から命力を使う事を禁じられ、それ以降戦いから退く事となった。
元々勤勉だったという事もあり、『こちら側』の言語である日本語や英語といったよく使う言語は習得済み。 生活に支障は無く、現在東京の中心地にあるマンションの一室を賃貸で借り受け住んでいる。

【言語に関して】
『こちら側』と『あちら側』の言語体系は全く異なるが、対話する者のいずれかが命力を有する者であれば心意を言葉に乗せて語る事ができ、言語が異なっても意思疎通が可能。

愛用武器は魔剣「シャラルワール」。 曲刀型の魔剣。
戦いから退いた今は、自身の家に仕舞われたまま。
彼女が再び剣を取る日は来るのだろうか……。




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イシュライト=ルヴェ=イドゥール

モンゴル山岳部に現れた魔物【イ・ドゥール族】の若者。 おおよそ24歳。
比較的人体に近い構造を有し、各所に鱗の様な剛柔を併せ持つ皮膚が露わになっている種族。 頭部には頭髪と呼べるものは無く、磨かれた様に艶やかな肌が露出している。 さながら恐竜のパキケファロサウルスに酷似していると言えばよいだろうか。(Wikipedia等参照願います)
性格は温厚、女性に対する優しさは特筆すべき点が多く、気遣いの塊とも言える人物。 だが戦いともなれば己の本能の赴くままに拳を奮う戦人。
一度は魔特隊の敵として立ち塞がったが、それはあくまで自分達の里の掟を守る為。 今は既に和解し、彼の前に凛として現れた瀬玲に心惹かれ(本人のイメージ)、今は彼女に寄り添う様に魔特隊へ所属している。
閉鎖的だったイ・ドゥール族独特の文化なのか、魔物に珍しくミドルネームや氏を持っている。

戦闘スタイルは格闘のみ。
幼い頃から身に付いた中国拳法にも似た柔と剛を併せ持つ格闘術。 そこにイ・ドゥール独自の命力闘法が加わり、まるで自身の体を魔剣の様に扱う事が可能。 若いながらも経験・実力共に猛者級であり、その力は勇を除いた魔特隊のメンバー随一とも言える。
命力闘法の他に【連鎖命力陣ブラデューラン】と呼ばれる急速治療術や【命筋鍛錬法クワンバネフ】と呼ばれる鍛錬技術を極めており、肉体に対する追求は勇にも劣らない。

使用魔剣は無し。 己の拳と脚こそが最強の武器。
身に纏う魔装によって【疑似命力外装アレムグランダ】の開放は可能だが、そんなものは彼にとってはただの飾りに過ぎない。 自身の脚で蹴り出た方が断然速いのだから。

これでも自身は未熟者だと思っている。
彼の志は祖父であり師父、ウィグルイの強さを越える事。
彼の武への探求は未だ終わる事は無い。



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アージ&マヴォ

『白の兄弟』を名乗る二人の魔剣使いの魔者。兄がアージで弟がマヴォ。
白熊のような太く伸びた口を持ち、魔物に統一して有る長い耳を持つ。 腕や脚も太く、まさに熊そのもの。
アージは生真面目で武人肌、博識で幾度と無く勇達へ『あちら側』の知識提供を行ってきた。 それに対し、マヴォは軽めでひょうきん、お調子者といった面を持ち、それが気に入らないアージに何度怒鳴り付けられた事か。
出会った時は敵として勇達と対峙したものの、根底にある目的が同じ事だという所に気付き和解、同じ志を持つ仲間として共に歩む事となった。

魔剣使いとしての経験も長く、実力はかなり高い。 兄弟二人でのコンビネーション能力は随一で、二人そろって戦えば大抵の実力者は敵わない。
心輝達の師として動く事もあり、アージに至ってはまるで熱血体育教師の様に彼等を翻弄する事もしばしば。 空回りしていた事もあったが、基本的にそのノリは彼自身のスタイルそのもの。 マヴォはそこに嫌気をさしているものの……兄に逆らう事は出来ず、渋々従っている様だ。

力のアージと速さのマヴォとも呼ばれており、パワフルな攻撃を行うアージと、柔軟な動きで戦うマヴォといった、兄弟で異なる戦闘スタイルを有する。
アージは大斧型魔剣【アストルディ】、マヴォは小斧型魔剣【ヴァルヴォダ】【イムジェヌ】をそれぞれ愛用している。
アージに特筆する様な大技は存在しないが、【アストルディ】の真の姿である【アスタヴェルペダン】の性能は恐るべきもの。
対してマヴォは【ドゥルアパージ】や【ドゥルオッヴァ】といった多彩な攻撃技を有し、巧みに戦場をコントロールする。

二年前の【東京事変】において、アージは自身の師であり親でもあったカノバトと対峙し、撃退。
しかし彼から何かを聞いたアージはそのまま何処かへと姿を消した。
マヴォは物心付いた時からの親であるカノバトの死を前にただ立ち尽くす事しか出来なかった。



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アンディ&ナターシャ

ロシアで生活していた、元々孤児であった魔剣使いの少年少女の兄妹。
アンディは銀髪で短髪、まだ育ちきっていない小~中学生程の背丈。 ヤンチャな子供をそのまま体現した様な強気な言動が目立つ。
ナターシャは赤髪でツインテール、アンディと同等の背丈と歳をもつ。 アンディと共に居る時は強気だが、一人の時はおっとりとした、口ごもらせて話す様子を見せる。
兄がアンディで妹がナターシャだが、年齢は逆にナターシャの方が高い。 それというのも二人は血がつながっておらず、ただの兄貴分と妹分という訳である。 年齢は不詳だがおおよそ14~16歳(二年前の時点で)。
『あちら側』の人間である魔剣使いの老人に命を救われ、二年だけであったが共に過ごす。
二人は死を目前とした師から魔剣を受け取り、二人は魔剣使いとして歩み始めた。
しかし間も無くロシア政府に捕まり、勇達魔特隊へと引き渡される事となる。
最初は横暴な性格だったが、勇達の下で生活を続ける内に家族観を芽生えさせ、二年前の時点で勇達と想いを共にする真の仲間へと成長を果たした。

共に短剣での高速移動からなる攻撃を繰り出す戦闘スタイル。
魔剣の特性上、基本的に二人は一緒に行動する事が必要とされており、二人でのコンビネーション能力は非常に高い。
戦士としてはまだまだ未熟だが、魔剣使いとしては既に限界を突破しており、元々の才能もあって心強い味方となっている。

アンディが【レイデッター】、ナターシャが【ウェイグル】という短剣型魔剣を所有している。
双方の魔剣に備わる力は【共感覚】。 所持者同士の感覚を繋げ、意識や感情、性格すら共有する事の出来る力を持っている。
完全に二人の心が交わった時、人の目では捉えられぬ程の速さへと到達する事が可能となった。

二年前の戦いでアンディは右腕を再起不能なまでに負傷、治す事も叶わず……前線から退いた。
魔剣を託されたナターシャは一人、彼の分まで戦う事を決めたのだった。



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ジョゾウ

東北、秋田県に出現した【カラクラ族】の戦士にして、人間に一定の理解を持つ数少ない魔者の一人。
鳩の様な顔と鳩胸、大きな翼を備えた腕を持つ鳥型の魔者。
義理難い人情派であり、主君の命令の前には自らの命すら惜しくない。 武士の様な口調が特徴的だが、命力翻訳が何故そういった形で作用するのかは不明。 方言なのだろうか。 ちなみにこの口調は公用で、プライベートとなれば途端にポップな口調へと形替わる。
人間の文化にも寛容で、魔者の中でもいち早く機械などに触れ、あっという間にその操作をマスターしてしまった。 それを皮切りに、カラクラ族達の若者も日本文化サブカルチャーに染まっていくなどの変化を見せる。
全体的に新しい物には目が無い種族なのかもしれない。
勇達と初めて出会った時から仲間だったという希有な間柄から始まった。 一度は敵対したものの、義理に厚い彼等は戦う事を望まず……戦わずに済む。 以降は魔特隊の一員として勇達と共に行動する様になった。

鳥型の魔者とあって、空での戦いを得意とする。
しかし陸鳥という事もあり、地上での戦いにも十分な力を発揮する事が可能。
戦闘スタイルは短刀二刀流による高速攻撃。
しかし当人の戦闘能力は言う程では無く、一般兵が力を得た程度のもの。
勇達と共に成長していくが……元々言う程若くは無く、伸びしろは低かったと言える。 当人が努力を怠っていたのも一つの要因か。

使用魔剣は二年前の時点で短刀型魔剣『テオグル』と『天之心得あまのこころえ』。
テオグルは何の力も持たない只の魔剣だが、天之心得は亜月のエスカルオールと同様にエリアルエジェクタを備えた新造魔剣。 これを利用し、空中へ高速移動、そして回転力を加えてプロペラの如く敵を切り刻む【烈空斬弾れっくうざんだん】という技を実現させた。

二年前の【東京事変】で親友ボウジをはじめ多くの仲間を失った。
悲しみに打ちひしがれる中……ジョゾウはボウジの代わりに王となり、自分達の里へと帰っていったのだった。
その後、彼等との連絡は依然途絶えたままだ。



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カプロ

京都北部に現れた魔物の隠れ里【アルライ族の里】の若者。
タヌキの様な柄の顔付きに人間の同じ様な耳を持つ種族で全体的に小柄。
まだ幼い部分もあり、子供っぽい言動が目立つ。
イタズラ好きで、止まる事が苦手な元気一杯の男の子。
ただしマセている部分もある。二年前の時点で人間の年齢でいう所の14~15歳。
自分に自信を持ってからはナルシストの様な仕草を見せ始める。 心輝に影響されたせいか、厨二病の気が有る様だ。
趣味はラノベ閲覧。 魔特隊本部から出る事の出来ない彼が一体どこから仕入れているのだろうか。

魔特隊発足時に戦闘要員では無く後援要員として招集された。
そんな彼の役割は魔剣の修復と製造。 
アルライ伝統の魔剣修復師としての技術を師匠バノより受け継ぎ、勇より受け取った【グゥの日誌】の知識を得て魔剣製造師としてもその力を奮う。
歳の割には様々の画期的なアイディアを閃き、奮う技術も相当なもの。
魔特隊に所属後も同僚である人間の研究者に指示をするなどの手腕を見せ、溢れ出んばかりの才能を発揮していた。

武器では無いが、所持しているのはグゥの日誌こと【終わりと始まりの書】。
剣聖達が動き始めるきっかけとなった古文書であり、これそのものが魔剣。
戦う事は出来ないが古代の世界の姿を多くの著者を経て刻まれており、そこにフララジカにまつわる記述が記載されていた。 その中にはカプロや前所持者であるグゥによって描かれた勇達の記述も存在している。
勇に【翠星剣】【魔甲】、茶奈に【クゥファーライデ】【イルリスエーヴェ】を造り、その他仲間達の魔剣の改造・改善を図り、【魔装】といった装備の開発も行った実績がある。 まさに縁の下の力持ちと言った所か。



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剣聖(あるいはソードマスターetc...)

『あちら側』の世界において魔剣使い最強と謡われる【三剣魔の】一人にして頂点の男。現在約320歳。
その底力は計り知れず、未だその片鱗程度しか見せていない。
青み掛かった白髪と髭が顔を覆い、見た目は野蛮人そのものに見えなくも無い。 身長は2メートルを超える巨体で筋骨隆々、だが指先は器用で携帯ゲームを難なく操る所を見せる事も。
荒っぽい言動・行動が目立ち、面倒臭い事が嫌い。 戦う事が潜在的に好きな様で、相手と同等の力を出して戦う事が趣向の一つ。 また昔から現存している魔剣に関しては非常に強い興味を持つ。 それは単に彼がフララジカの原因を調べる為に、原初の魔剣を集めているからである。

最も体にあった武器が剣だったという事もあって剣技ばかりが目立つが、最強を名乗るだけあって全ての武芸に通じている。 命力を使った戦闘方法も独自で導き出し、寿命も自身が編み出した命力による肉体活性法で伸ばす事に成功した。
彼の様に肉体の限界を超える力を自ら閃いた人間は『あちら側』においてほとんどいない。 本作に登場する人物で言えば、勇とギューゼルのみ。 大概の者は本来持つ伸びしろに満足してしまうのだとか。
ラクアンツェやデュゼローは剣聖から学んで身に着け、イ・ドゥールは遥か昔に編み出された方法を受け継いできたに過ぎないのだから。

愛用武器は大剣型魔剣【アラクラルフ】二本。
一本50㎏を越える重量を誇るにもかかわらず、剣聖は片手で軽々と振り回す事が出来る。
命力増幅能力と操作向上能力を有し、元々の膨大な命力量に加えて特殊能力が拍車を掛けて彼の強さを引き立たせる。
二本の魔剣を高速で振り回す事で無数の命力光輪を生み出す【二天剣塵にてんけんじん】は彼だけが実現出来る技。 勇が見よう見まねで実践したが、幻想世界だったにも関わらず再現は不可能だった。

勇達を導き、時には立ち塞がり、そして心強い仲間となり……彼等の戦いに大きく関わってきた。
真実を求めてラクアンツェと共に旅立ち、以降音沙汰は無いが……きっと彼なりにフララジカを止める為に動いているのだろう。



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ラクアンツェ=イルゾ=ルアルッファ

『あちら側』の世界において最強の魔剣使いと言われる【三剣魔】の一人にして、【鋼輝妃こうきひ】の異名を持つ魔剣使い。 年齢は剣聖と同じだが、見た目は20代後半から30代前半。 身長は194cm。
透き通る様なブロンドの髪を持ち、長い髪は手入れが行き渡っているかの様に柔らかい。
普段は気品のある貴婦人の様な立ち振る舞いを見せるが、時折お調子者にも見える言動も。
全ては自信からであろうか、彼女が慌てる様な姿は想像できない程に行動全てに余裕がある。
多趣味であり、これといった決まった趣味は無い。 ただし全てが上手い訳では無く……特に歌唱能力は酷い様で、剣聖にからかわれる所を見ると余程らしい。

魔剣の特性上、格闘一本で戦う必要がある。
ただし力そのものが剣聖に匹敵する力を持っているという事もあり、絶対防御の力を誇る。 その力は出会った当時の勇の最強の攻撃である片翼の光壁すらも余裕で防ぎ、噂では剣聖の攻撃すら理論的に防ぐ事が可能なのだとか。 その分攻撃力は攻撃能力を持たない装着魔剣に依存する。 

彼女の所有、もとい装着する魔剣【ウーグィシュ】は自身の肉体と同化させる事で半永久的に装着を余儀なくされる魔剣。 これにより延々と魔剣に触れ続け、体を動かす為にも命力を使い続けなければいけなくなるリスクを負う。 12個の命力珠から構成されるこの魔剣は、余程の命力を持つ者でない限り維持する事は出来ない。 彼女の様な存在だからこそ使える、超特化型の魔剣と言えるだろう。

剣聖が一度倒れた際、彼の変わりに勇達に真実を伝え、彼等の指南役を買って出た。
その後ふらりと姿を消したが、何かしらのヒントを得て戻り、再び剣聖と共に姿を消したのだった。



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デュゼロー=ガーレ=イゼノウ

『あちら側』の世界において最強の魔剣使いと言われる【三剣魔】の一人にして、【黒双刃こくそうじん】の異名を持つ魔剣使い。年齢は剣聖と同じ。
僅かにウェーブを持った漆黒の髪と若干シワを見せた強張った顔付きを持つ。 身長は193cm。
元の性格は優しいと言われているが、勇と対峙した彼は使命感を前面に押し出した厳しさを見せた。
目的のためになら手段を択ばぬ非情漢と化し、人を殺す事に何の抵抗も見せぬ所業は修羅の如く。
その様は映像を通して多くの人間に希望と絶望を振り撒く事となった。

異名の通り、二本の魔剣を操る戦いが得意。
黒いコートを身に纏い、その中には無数の魔剣が納められている。 用途に応じて使用魔剣を切り替えて対応を変えるというのが彼の戦いのスタイル。
ただしその魔剣全てが勇の手によって破壊された。
ちなみに作中に登場した魔剣は【ウーデ・ボゥ】(曲刀型魔剣、序盤から使用)、【インガニカ】(曲刀型魔剣、中盤から使用)、【ザクゥテ】(長剣型魔剣、破砕後登場)、【イルリラフィ】(小剣型魔剣、同ザクゥテ)、【ウラウトファー】(中剣型魔剣、最後に使用)となっている。 合計で12本存在し、最後の一本を除いて全て勇に破壊された。 作中に名前が出てこないのは、彼自身が魔剣の名前を憶えていないから。

フララジカを止める為に犠牲に目を瞑り、世界を救おうと【救世】という団体を立ち上げ、勇達の前に立ち塞がった。
しかし死んだはずの勇が謎の力に目覚め……その力に翻弄された結果、一閃の下に無念のまま死に絶えたのだった。

しかし彼の影響力は死してもなお収まらず、二年の時を経て世界を混乱させる事となる。

憎み合う事で世界の融合を止めて世界を救う時間を稼ごうとしていた彼の意思は、憎み合う事で世界を救うという形に歪ませられ、利用される事となってしまった。



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魔烈王ギューゼル

剣聖達三剣魔が人間の最強の称号ならば、魔烈王は魔者の最強の称号。
その名を冠した彼はまさに最強の魔者を謡うに相応しい実力者。
体はおおよそ三メートル程の身長、頭部に二本の角を有し、髭の様なトゲが顎に生えている。 赤黒い肌を持ち、体毛こそ薄い所は人間にも似ていると言っても過言ではない。 形容するなら鬼と言った所か。
筋骨隆々な体付きはもちろん、その体に身に付いた技術は心技体を体現するに相応しい程。
剣聖達よりも歳をとっているが、年齢は不詳。 長年の人生から多くの悲しみを受け、もはや魔者共通とも言える怒りや憎しみ、悲しみは枯れ果てている。
だが世界を救うと誓ったデュゼローの理念に乗り、魔者達を心から救う為に立ち上がる。 そして彼は【救世】の一員として勇達の前に立ち塞がったのだった。

愛用魔剣は胸甲型魔剣【マルクアルグ】。
彼自身の防御力を格段に向上させる力を有している。 防具型の魔剣の数は少なく、既存で出ているのは心輝の持つ【グワイヴ】とも、彼の仲間であるアンドルルゴーゼが持つ腕甲型魔剣【アンシェミル】、空島で戦ったメズリの足甲型魔剣【イェステヴ】くらい。 しかしいずれとも異なり、攻撃能力の一切を有していない。 完全なる防御専用魔剣と言える。
防具が不要とされる魔剣事情の中にある希有な存在と言えるだろう。

茶奈のフルクラスタに似た命力拳を得意とし、防具型の魔剣を備え、攻守ともに最強クラス。
茶奈、心輝、瀬玲の三人を同時に相手にしながらも圧倒的な力を見せつけ、彼女達を窮地に追い込んだ。
しかし彼等のコンビネーションが功を奏し逆転、茶奈の一撃の下に東京の空へと消えたのだった。



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レヴィトーン

【アルアバ族】と呼ばれる魔者でジョゾウと同じ鳥型。 黒い羽毛を持ち、見た目は鴉か鷹か。
達観した様を見せるが、その心は怨念で黒く染まっている。 一度剣を取ればその狂気は溢れ、誰にも耳を貸さぬ程の修羅と化す。
デュゼローの仲間で【救世】の一員。 彼の意思に乗っかり、怨念を撒き散らす事を目的に戦う。

愛用魔剣である陣太刀型魔剣【エベルミナク】は古代三十種の一本であり、強力な武器。
特殊能力こそ無いが、空を飛ぶ者にとって優位な力を持つ。 命力によって刀身が伸び、長レンジからの斬撃が可能。

二年前の【東京事変】において魔特隊本部を襲撃し、ジョゾウと対峙する。 その後ジョゾウの仲間であるボウジ達が駆け付けるも、次々と刃に掛けていった。
明らかな格上と言える相手であったが、ボウジの決死の相打ちにより活路を開き、ジョゾウの手によって討たれた。

生涯孤独を謡いながらも仲間をキッカケに修羅となった事をボウジに指摘されるなど、孕む矛盾も多いが、怨念が全てを狂わせてしまったのだろう。 彼の怨念の源は一族の全滅によるもの。 そのきっかけを生んだのはラクアンツェである。



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笠本ささもと 瑠海るみ

魔特隊設立前の特事部時代から福留のオファーを受けて働いていた女性、独身で現在34歳。
物静かで普段はあまり話さず、自己主張もあまりしない。 しかし一度口を開けると、場の空気を的確に読んだ冷静なフォロー&ツッコミが展開される。
こんな彼女ではあるが相当頭が切れる。 実家は一般だが名門大学卒業で数か国語を話し読み書きが可能、とある会社の社長秘書として世界を飛び回りながら働いていた実績がある。
結婚願望はある様で、たまに街コンに姿を現す模様。彼女曰く、目上の人間には興味が無いらしい。
趣味は習字と乗馬。 しかしそれは表向きで……裏の趣味はと言えば、弱みを握られて日和る男性の観察。 割と根暗さを助長する趣味という事を自覚しており、ほとんど周知されていない。 知っているのはレンネィのみ。

福留の代わりに前線に立つ勇達のサポートをする事もしばしば。
今でも彼女は魔特隊で働いているが、目立った動きはしていない様だ。



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ズーダー

カナダ中腹部にある山脈の麓に出現した魔者「グーヌー族」の若者で、族長の息子でもある。
歳はおおよそ27歳、一族の平均的な身長よりも僅かに大きいが、遺伝であるだけで別格強いという訳でもない。 そもそもグーヌー族自体が戦闘に不向きなのだろうか、全体的に細身で長め、茶色い短毛に覆われた魔者らしい獣の様な形が特徴。
受け取った事に対して実直であり、多少気取っている所はあるが真面目な所がそれを好印象に押し上げている。 仲間であれば普通の好青年といった所か。 多少視野が狭いことが欠点であるが。

最初は勇達を敵視し相対したが、彼等が耳にした噂が誤解だった事から結果的に和解。 勇達に迷惑を掛けたという事で償いを兼ねて魔特隊へと出向する事になった。
しかしそれはデュゼローとの繋がりを密かに持っていた族長の思惑であり、スパイを同行させて魔特隊を監視するためのものであった。 その事を知らなかったズーダーが仲間を信じようと奔走するも報われず……【東京事変】の際、結果的に仲間でもあるスパイを自らの手に掛けてしまう事になった。

真実を知って以降、彼は故郷との連絡を絶ち、魔特隊の正式な一員として働いている。



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平野ひらの 英司えいじ

魔特隊設立前の特事部時代から福留のオファーを受けて働いていた男性、独身。
普段は静かに淡々と仕事をこなすタイプで、何に対しても冷静に対応する。
しかしオフになればマシンガントークを繰り出しノリノリになる裏表の激しい男。
頭脳明晰で伊達に福留の息がかかっている訳ではない。
計算高く、あらゆる行動に対し数値的な判断、対応を行う。
多少冷たい部分も見受けられるが、気持ちだけでは判断できない場所で働いていた実績もあり、勇達の様に感情が強く表に出る者達の中で彼等を理屈で抑えることの出来る人物とも言える。
以前は彼女がいたが、理由もあって別れた様だ。

現在は魔特隊を離れ、小嶋由子の秘書として働いている。



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小嶋こじま 由子ゆうこ

第99代内閣総理大臣で自由民政党の現総裁。
政財界にて数少ない実力派の女性議員で福留の息の掛からない人物。
強硬派とも言われ、様々な政策に関して積極的に取り組み国民からの支持も厚い。
日本史上初の女性総理であり、女性からの指示も厚く、堂々と前向きに行動を行う姿から「女帝」とも囁かれている。
魔特隊が公表されて以降、彼女は魔特隊を自身の管理部隊として扱い、組織編成などを手がける。
しかし魔特隊に対する姿勢は厳しめで、隊員達、特に以前から所属していたメンバー達に辛く当たる事も多い。
時には頭を下げる事もあったが、基本的には強気のスタンスを崩さない強い女性。



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獅堂しどう 雄英ゆうえい

獅堂財閥の長の息子であり、親に離反して自分の道を突き進もうとした男。
誰からかわからないが勇達と同時期に魔剣を受け取り魔剣使いとなる。
勇が魔剣を持って一年ほど経った頃、彼の懇意の女性であったエウリィらフェノーダラ王国の人間達をその手で殺めた。
勇達を影でサポートしながら成長を促し、彼に仲間が集まった所で魔剣の力を使って仲間達を操り、勇に成り替わろうと画策したのだ。
しかし絆の力に敗れ、彼の野望は潰えた。

現在は罪を償うべく投獄の身。 それも彼自身が望んで。
自分の行動がただの勘違いから生まれた事と知り、後悔したからだ。

そして彼は今でも夢を見る。
ヒーローになりたかった自身の夢を……勇達の力になる事を。



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エウリィ

『あちら側』の世界の人間であり、「フェノーダラ」と呼ばれる国の王の娘。
お淑やかさと気品を兼ね揃え、命力の扱いにも長けた才色兼備な子。
水色の髪と瞳を持ち、高い感受性を持っているが故に人の性格や内情を現す「心の色」を見通す事が出来る。 その為初めて出会った勇に告白する等、普通ならば有り得ない行動を起こすが……それもまた彼女がそういった力を持っているが故の行動であれば納得出来るものであろう。
この力は特別な力では無く、感受性が強く命力に長けた者であれば習得する事が可能で、勇達『こちら側』の人間の様に心の余裕を持つ者であれば比較的習得しやすい様だ。 実際、現時点で勇のみならず茶奈、瀬玲、心輝、アンディと、ほとんどの者が習得済みとなっている。

四年前、獅堂の無情の攻撃により、勇の目の前でフェノーダラ城ごと魔剣の放つ光に焼かれ死亡した。 その死に様は勇の目にのみ留まり、彼の心をも焼き尽くした程。 余りに衝撃的であった為、同時に焼かれた勇の瞳を修復する際にそのイメージが強く投影され、彼女と同じ青色の瞳へと変質させてしまった。



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園部そのべ 亜月あづき

心輝の妹で天然少女。
明るく自由奔放な子ではあるが見境が無い為、同学年に変人扱いされていた。
勇の事が好きで、きっかけは幼少期の思い出から。 小さい頃に勇に似た少年に助けてもらった事から、勇と再会した時に好きになってしまった様だ。 少年が勇と同一人物かはわからないが。
心輝達と共に魔剣使いになったのだが……彼女だけは学校という呪縛から逃れられず、臨時要員として魔特隊に所属していた。

愛用武器は【エスカルオール・アルイェン】二本。 両手に携える事で使用可能となる短剣型魔剣。
刀身に備えられたエリアルエジェクタから空気を吸い込み、放出する事で滑空が可能になる。

多大な命力と爆発的な消費能力は彼女の才能を指し示す。
相当なセンスもあり、将来的には勇すら凌駕する強さを得る可能性を持ち合わせていた。

だが二年前、【東京事変】の折にデュゼローの凶刃によってその命を散らす。

それが勇だけでなく仲間達の心にも大きな傷を深く刻み込む事となってしまった。



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御味おみ 泰介たいすけ

元福留の部下にして特事部の関西担当として活躍していた関西方面の勇達のサポート役。 20代後半であるが非常に有能で明るく誠実な青年。
福留を師事しており、彼の言動に似る点も多い。
特事部解散後は魔特隊に入らずに総務省のアルライ族管理担当長として彼等の生活サポートに従事する事になる。 これにより彼との関わりが極端に減る事になるが、彼自身のプライベートな働きもあり、実はさりげなく勇達のサポートを続けている。



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池上いけがみ 光一こういち

魔剣を持ち始めて間もない頃の勇に絡み、命力の使い方の実験で返り討ちにされた元未来有望のボクサー。 性格はフランクではあるが、当時は若気の至りで気に入らない人間に喧嘩を売る等相当暴れていた様子。
勇に返り討ちにされた後、彼の通うボクシングジムのオーナーに諭され学校を中退、ボクシングに専念。 その後、勇と再会を果たし和解。 彼にスパーリングの相手を求めるなどの奇行の数々を繰り広げる。
勇も最初はうっとおしがったが……命力を使わない特訓に意味を見出し、彼に感謝する場面もあった。

今では勇の事を知りながら受け入れる理解者の一人でもある。



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鷹峰たかみね 雄造ゆうぞう

第98代内閣総理大臣で自由民政党の元総裁。
少し小太りな感じを見せる、フランクな性格を持つ老人。
福留と旧知の中で、彼に特事部及び魔特隊の全権を任せていたが、時折彼等を影でサポートする為に奔走した事が有る。
勇達に非常に友好的な存在だったが、魔特隊発足と共に退陣した。 現在は政界そのものから退き隠居。 悠々自適な生活を行っている様だ。



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