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第二十八節「疑念の都 真実を求め空へ 崩日凋落」
~SIDE心輝-06 太陽の化身~
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圧倒的な戦闘力を見せつけ、脅威をものともしない心輝を前に……マルコの興味が完全に彼へと向けられる。
押し黙ってはいるが、目の前に迫る炎の化身を前に……見開かせた眼を向けていた。
「ぼ、僕を殺すのかい?」
心輝がマルコを見上げる様な位置まで訪れた時、そこで初めてマルコが疎通の意思を見せる。
しかしなお、心輝は黙ったまま静かに見上げるだけだ。
連なる一言……それ次第では命を救う事も吝かでは無かっただろう。
だが、マルコは所詮……マルコだった。
「では是非とも一番楽しそうな方法で殺してくれたまえ!! 僕はそれが見たい!!!」
心輝はその時理解した……マルコという男が何故ここまで狂気に走れるのかという事に。
マルコは全てにおいて他人事だったのだ。
人の考えは自分に置き換えて、自分の考えは人に置き換える。
今まで彼は、自分自身を殺して楽しむ他人を見て楽しんでいたのだ。
自分自身を殺すならば、何をしようと自由だろうという……歪みに歪んだ発想だった。
それを理解した時、心輝の中で何かが切れた。
「そうかよ、ならそうしてやる……永遠に見続けるがいいさ、飽きるまでな」
部屋全体を包まんばかりの大量の炎が心輝の全身から噴き出した。
圧倒的熱量。
周囲の壁すら焼き焦がし、赤熱させ、溶解させていく。
だがそれでもまだ赤い炎……彼の限界はここではない。
すると突然、心輝の備える魔剣【グワイヴ】の一部が緑の光を放った。
『ソウルオーバーエンゲージ……リクエスト、リミットアーマーエジェクション、レディ?』
それは電子音。
新型グワイヴに搭載された機械機構は音声出力を持っている。
力が振り絞られた途端、まるで心輝に応答を求める様な台詞が放たれた。
そして心輝は応える。
もはや彼に抑える物など必要無かったのだ。
「―――イグニッション……!!」
その時、グワイヴが金色の輝きを放つ。
まるで抑え付けられていた力を解き放つかの如く、形状が変形を始めた。
腕甲部の表皮の部分部分がスライドし、放熱フィンが姿を現していく。
一部の装甲が弾け飛び、古代文字が細かく刻まれた表層が露わとなった。
全てが終わった時、マルコはその光景を前に声一つ発する事が出来なかった。
そこに立つ者、白炎を身に纏いて……猛り狂うは、神の如し。
白の炎が心輝を包み、まるで炎の鎧と化す。
もはやそれは閃光に等しき力の潮流。
しかしそれはただの形に過ぎない。
本質は、彼の意思を向けた者にしか理解は出来ないのだから。
「永遠に消えろ、てめぇの意思もろとも!!」
白の炎が形を成し、巨大な両手となってマルコの全身を握り締める。
たちまち彼の体は炎に包まれ、全身を焼き始めた。
その瞬間をマルコはどれだけ待ち望んだだろうか。
それがすぐに後悔へ変わるとも知らず。
―――これはしゅごい……熱い!! でもなんで……なんで……―――
マルコの音無き声がその心から放たれる。
酸素を失い、出る事の無い声が。
そこにあるのは違和感。
体が……焼けないのだ。
ただ炎の熱の痛みだけが皮膚を通し、神経を通って脳へと伝える。
激痛、更にその感覚だけが上がり続け、苦痛へと変わっていく。
それは命力と熱力の完全掌握。
命力によって生まれた熱は神経にだけ刺激を伝え、肉体への物質的燃焼現象を無効とする。
熱感覚だけを極限に鋭敏化させ、極限にまで高められた炎の力が心だけを焼くのである。
そしてそれだけでは済まされない。
酸素を求めて肺を動かすも、酸素は炎に遮られて取り込めない。
でも苦しいだけで、意識は残り続けたまま。
それは生と死の命力循環。
心輝から放出された命力がマルコの体を巡り、強制的に活性化させているのだ。
それによって酸素が無くても意識は保ち続けてしまうのである。
熱の苦しみと呼吸の苦しみ。
二つの苦痛がマルコの心を延々と焼き続ける。
その力はマルコの心が真の意味で死ぬまで続く。
外部から消そうにも、物理的に消す事は出来ないだろう……心輝が止めない限りは。
―――いぎゃああああああああああ!!??―――
地獄の業火に焼かれ続けながら……真の地獄へ落ちるまで、責め苦は続くのだ。
それが心輝の考えうる、最悪最凶の報復だった。
「じゃあな、精々地獄の鬼に俺の恐ろしさでも伝えて回っといてくれや、得意の饒舌でな」
見聞き出来るはずも無いマルコへ向けて、心輝は指を翳して別れを告げる。
そんな彼は既に振り返り、視線を外していた。
おぞましく醜い者を忌避する様に。
夜の暗闇を赤熱化した表土が明るく照らす。
赤熱の素、施設の真ん中に空いた大穴の外縁。
それを形成した炎が如何に高熱であったかという事を物語る様であった。
すると、穴の中から心輝が飛び出し現れる。
そっと地面へと着地を果たすと……後から遅れて巻き起こる誘爆に怯む事無く離れる様に歩き始めた。
その両腕に抱えられた亜月の遺体と共に。
「ごめんなあず……俺らが不甲斐ないばかりに、ずっと一人にさせてよぉ……」
彼の眼から涙が零れ落ちるも……体に籠る熱気がたちまち蒸発させ、大気に消えていく。
悲しみに打ちひしがれる間も無く、心輝は跳んだ。
「家族の所に帰ろう……なぁ……?」
その想い虚しく声は返らない。
心の残滓すら残っていない遺体を胸に……心輝は空を舞っていく。
まるでそれは……亡骸を、無念と共に抱き舞う不死鳥の様に……。
圧倒的な戦闘力を見せつけ、脅威をものともしない心輝を前に……マルコの興味が完全に彼へと向けられる。
押し黙ってはいるが、目の前に迫る炎の化身を前に……見開かせた眼を向けていた。
「ぼ、僕を殺すのかい?」
心輝がマルコを見上げる様な位置まで訪れた時、そこで初めてマルコが疎通の意思を見せる。
しかしなお、心輝は黙ったまま静かに見上げるだけだ。
連なる一言……それ次第では命を救う事も吝かでは無かっただろう。
だが、マルコは所詮……マルコだった。
「では是非とも一番楽しそうな方法で殺してくれたまえ!! 僕はそれが見たい!!!」
心輝はその時理解した……マルコという男が何故ここまで狂気に走れるのかという事に。
マルコは全てにおいて他人事だったのだ。
人の考えは自分に置き換えて、自分の考えは人に置き換える。
今まで彼は、自分自身を殺して楽しむ他人を見て楽しんでいたのだ。
自分自身を殺すならば、何をしようと自由だろうという……歪みに歪んだ発想だった。
それを理解した時、心輝の中で何かが切れた。
「そうかよ、ならそうしてやる……永遠に見続けるがいいさ、飽きるまでな」
部屋全体を包まんばかりの大量の炎が心輝の全身から噴き出した。
圧倒的熱量。
周囲の壁すら焼き焦がし、赤熱させ、溶解させていく。
だがそれでもまだ赤い炎……彼の限界はここではない。
すると突然、心輝の備える魔剣【グワイヴ】の一部が緑の光を放った。
『ソウルオーバーエンゲージ……リクエスト、リミットアーマーエジェクション、レディ?』
それは電子音。
新型グワイヴに搭載された機械機構は音声出力を持っている。
力が振り絞られた途端、まるで心輝に応答を求める様な台詞が放たれた。
そして心輝は応える。
もはや彼に抑える物など必要無かったのだ。
「―――イグニッション……!!」
その時、グワイヴが金色の輝きを放つ。
まるで抑え付けられていた力を解き放つかの如く、形状が変形を始めた。
腕甲部の表皮の部分部分がスライドし、放熱フィンが姿を現していく。
一部の装甲が弾け飛び、古代文字が細かく刻まれた表層が露わとなった。
全てが終わった時、マルコはその光景を前に声一つ発する事が出来なかった。
そこに立つ者、白炎を身に纏いて……猛り狂うは、神の如し。
白の炎が心輝を包み、まるで炎の鎧と化す。
もはやそれは閃光に等しき力の潮流。
しかしそれはただの形に過ぎない。
本質は、彼の意思を向けた者にしか理解は出来ないのだから。
「永遠に消えろ、てめぇの意思もろとも!!」
白の炎が形を成し、巨大な両手となってマルコの全身を握り締める。
たちまち彼の体は炎に包まれ、全身を焼き始めた。
その瞬間をマルコはどれだけ待ち望んだだろうか。
それがすぐに後悔へ変わるとも知らず。
―――これはしゅごい……熱い!! でもなんで……なんで……―――
マルコの音無き声がその心から放たれる。
酸素を失い、出る事の無い声が。
そこにあるのは違和感。
体が……焼けないのだ。
ただ炎の熱の痛みだけが皮膚を通し、神経を通って脳へと伝える。
激痛、更にその感覚だけが上がり続け、苦痛へと変わっていく。
それは命力と熱力の完全掌握。
命力によって生まれた熱は神経にだけ刺激を伝え、肉体への物質的燃焼現象を無効とする。
熱感覚だけを極限に鋭敏化させ、極限にまで高められた炎の力が心だけを焼くのである。
そしてそれだけでは済まされない。
酸素を求めて肺を動かすも、酸素は炎に遮られて取り込めない。
でも苦しいだけで、意識は残り続けたまま。
それは生と死の命力循環。
心輝から放出された命力がマルコの体を巡り、強制的に活性化させているのだ。
それによって酸素が無くても意識は保ち続けてしまうのである。
熱の苦しみと呼吸の苦しみ。
二つの苦痛がマルコの心を延々と焼き続ける。
その力はマルコの心が真の意味で死ぬまで続く。
外部から消そうにも、物理的に消す事は出来ないだろう……心輝が止めない限りは。
―――いぎゃああああああああああ!!??―――
地獄の業火に焼かれ続けながら……真の地獄へ落ちるまで、責め苦は続くのだ。
それが心輝の考えうる、最悪最凶の報復だった。
「じゃあな、精々地獄の鬼に俺の恐ろしさでも伝えて回っといてくれや、得意の饒舌でな」
見聞き出来るはずも無いマルコへ向けて、心輝は指を翳して別れを告げる。
そんな彼は既に振り返り、視線を外していた。
おぞましく醜い者を忌避する様に。
夜の暗闇を赤熱化した表土が明るく照らす。
赤熱の素、施設の真ん中に空いた大穴の外縁。
それを形成した炎が如何に高熱であったかという事を物語る様であった。
すると、穴の中から心輝が飛び出し現れる。
そっと地面へと着地を果たすと……後から遅れて巻き起こる誘爆に怯む事無く離れる様に歩き始めた。
その両腕に抱えられた亜月の遺体と共に。
「ごめんなあず……俺らが不甲斐ないばかりに、ずっと一人にさせてよぉ……」
彼の眼から涙が零れ落ちるも……体に籠る熱気がたちまち蒸発させ、大気に消えていく。
悲しみに打ちひしがれる間も無く、心輝は跳んだ。
「家族の所に帰ろう……なぁ……?」
その想い虚しく声は返らない。
心の残滓すら残っていない遺体を胸に……心輝は空を舞っていく。
まるでそれは……亡骸を、無念と共に抱き舞う不死鳥の様に……。
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