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第二十九節「静乱の跡 懐かしき場所 苦悩少女前日譚」
~その威圧感 猛者~
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ディックを一向に加え、勇がミーティングルームへと歩を進める。
しかしその時聞こえたのは、彼の足音のみ。
不思議に思い、振り向くと……勇の視界に映ったのは立ち止まったままの仲間達の姿だった。
しかもその顔にはいずれも歩を進めるのも憚れる様な、しかめた表情を浮かべて。
「皆どうしたんだ?」
思わず勇が首を傾げる。
すると、その中でも特に嫌そうに眉間へシワを寄せた茶奈がそっと顔を背けた。
「あんまりいい思い出がねぇんだよな、三番四番とはよ」
そんな茶奈の代わりに応えたのは後ろに立つ心輝。
「茶奈は特にな……めんどくせぇのが居るんだよ」
「面倒臭い……?」
三・四番隊はいわゆる『あちら側』の魔剣使い達の集まりである。
とはいえ、どの様な経緯で集まったかまでは茶奈達からは伝えられていない。
レンネィの様に『こちら側』の文化に染まるのであればまだいい方だろう。
しかし茶奈達が面倒臭がる程の相手ともなれば、その可能性は薄と言える。
『あちら側』の人間の文明レベルがこれまでに総じて高くなかった事も考えれば……皆にとって三・四番隊の者達は扱いにくいと感じるのも無理は無いのかもしれない。
とはいえ、会った事も無い勇がどうこう言える訳も無く。
思い詰めているのだろう……キッピーを抱きかかえている事も忘れ、茶奈の締める腕に力が籠る。
余りの締め付けでキッピーが白目を剥いているのにも気付く事無く、俯かせた顔に僅かな影を落としていた。
首絞め状態のキッピーはと言えば、完全に意識を闇に落としてしまった訳だが。
「それじゃあ俺だけで行くから、皆はそこで待っててくれ。 皆はもう知ってるから顔合わせする必要は無いしな」
茶奈の身を案じた勇は一人ミーティングルームへ振り返り、入口の扉の取手へと手を掛ける。
引き戸である扉を勢いのままに開き……その姿を中の者達へと晒すのだった。
途端、暗闇に包まれた室内からの多くの視線が勇へと突き刺さる。
その中に浮かぶのは十数人の人影。
いずれも静かに椅子に腰を掛けているが……その眼に浮かぶのは鋭い意思。
敵意とも、蔑視とも見える鋭い眼光が、部屋に入ろうとした勇の足を思わず止めさせた。
その時勇は直感する。
―――なるほど、面倒臭いといった意味がわかった気がする―――
外からの光がそこで初めて内部へと射し込め、密室状態であるミーティングルーム内が僅かな彩光を帯びる。
露わとなった部屋内部で見えたのは……多くの魔剣使い達。
いずれもまさに荒くれ者と言わんばかりの、身なりの荒々しい者達ばかり。
髪型はいずれもボサボサ、あるいは完全に剃り込んで素肌を晒す。
髭やムダ毛も切り揃えておらず、それに該当しないのは一部の者と女のみ。
『こちら側』の服を着込む者など誰一人おらず、機械の一つすら持ち合わせていない。
あるのは各々の腰や背に携えた魔剣のみ。
ついでに言えば、漂う薫りも独特の……言うのも憚れる程の鼻を突く異臭。
明らかに『こちら側』の文化に順応していない、我の強そうな者達ばかりであった。
そんな状況を前に……勇が臆する事無く、改めてその一歩を踏み出す。
「えっと、皆さん初めまして、俺の名前は藤咲勇です。 今後とも―――」
そう言いかけた時……突如、室内が大笑いに包まれた。
突然の事に、勇の身が固まる。
外に居た仲間達も同様に。
ディックだけはまるでそうなるのかがわかっていたかの様に、壁に背を預けたまま苦笑を浮かべていたが。
なお笑いを続ける魔剣使い達。
その有体も下卑たるものや獣の様だったりと知性を感じられないものばかり。
まるで煽るかの様な彼等の行いを前に、澄まし顔だった勇の表情がどんどんと曇っていく。
徐々に騒ぎも収まると……立ち佇む勇へ向け、入り口前に座る一人の男が声を上げた。
「プクク……気分を害しちまったかい? すまねぇなぁ、あまりにもおかしくってよぉ」
垂れ目の男の口調は明らかに人を煽る様なねっとりとしたもの。
この一言を皮切りに、周囲から再び嘲笑の声が僅かに上がる。
「あの黒双刃をヤった『フジサキユウ』って奴がどんな奴だろうかと思って楽しみにしてたんだが……来て見りゃ米粒みたいなガキだったって事がガッカリでよぉ?」
「「ギャハハハ!!」」
再び室内に響く大笑い声。
余りにも大きな声は部屋から溢れ出し、階下に居る笠本達の耳にまで届く程に大きなものだった。
しかし馬鹿にされているであろう勇当人と言えば……苦笑を浮かべ、「ふぅ」と小さな溜息を零すのみ。
勇としてはこんなのは昔からよくあった事だ。
命力を失う前から、彼の魔剣使いの才能は圧倒的に無いと言われ続けてきた。
それ程までに小さく、弱かったのである。
もはや自身の命力の低さを蔑む態度など見慣れたもので……「またか」と言わんばかりの呆れた顔を浮かべたのは言うまでもない。
そんな時、部屋の奥でひと際大きな影がゆらりと揺らいだ。
掛けていた机と椅子をギシリと鳴らしながら影が持ち上がると、ゆっくりと外周を迂回する様に入口へ向けて進んでいく。
その大きさは剣聖を彷彿とさせる様な、二メートルを超えた巨体。
勇の下へと行き着いたその者は……他の魔剣使い達とは全く感じの異なる、独特の雰囲気を持ち合わせていた。
背丈は元より、体格の至る所が筋肉質。
鍛え込まれた体は力が溢れ出んばかりに強靭さを露わにしている。
肩幅こそ剣聖には劣るが、体格だけで見るなら負けてはいない。
魔者や獣のモノであろう皮や鱗を接ぎ合わせた原始的な服装を身に纏ってはいるが、ストレートのロングヘアが若干の清潔さを漂わせる。
その顔は面長、いかつくはあるが……髭は剃られており、明らかに他の者達とは毛色が異なっていた。
「なるほど、お前が噂の『フジサキユウ』か」
「ああ。 噂になってるとは思わなかったけどな」
大男が「フム」と小さく声を漏らし、勇を見下ろす様に覗き込む。
そんな様子を、先程とは打って変わって部屋内の誰しもが静かに黙りこくっていた。
恐らくこの男は……彼等にとって一目置かれた存在なのだろう。
「知らぬ者などいようか……あの最強と名高い三剣魔の一人を屠ったとあればな」
浮かべるのは仏頂面。
淡々と静かに語る男を前に勇はどこか安堵感を憶えていた。
「話のわかる者もいるじゃないか」……と。
だが次の瞬間……勇のその感情は覆される事と成る。
「……やはり噂は噂だな……所詮三剣魔など、人づてに尾ひれが付いただけの只の幻想だったのだろう……ククッ」
その一言を耳にした途端、勇が顔を強張らせた。
大男もまた同様、その大柄な体の如く態度をひけらかしていく。
「誇大に吹聴し、その挙句の果てにこんな小物に負ける……滑稽では無いか!! 何が三剣魔よ……これでは最強などと謡う剣聖とやらもたかが知れてるというもの!!」
途端、大男はその両腕を大きく左右へ広げ……荒々しいニタリ顔を勇達の前に晒したのだった。
「やはり時代はこの【七天聖】が一人、【一天】のバロルフこそが最強を謡うに相応しいのだッ!!」
誰しもが雄叫びにも足る名乗りを前に押し黙る。
命力をふんだんに乗せた口上は、周囲に居る者達への威圧ともなっていたのだ。
その一瞬でビリビリとした空気が場に吹き抜けた。
それ程までに強力な一声だったのである。
しかし……勇はそれでもなお身じろぐ事無くその場に立ち、じっとバロルフを見上げ続けていた。
「ほう? 今ので怯まぬとは……殆ど命力を持たない雑魚と思っていたが、なかなかどうして根性だけは立派だな」
その間も勇はただ押し黙り続ける。
内に秘めた感情をただ押し留めるかの如く。
すると……バロルフは何を思ったのか勇を押し退け、部屋の外へと歩み出て行く。
勇や魔剣使い達の視線が刺さる中で……廊下へと踏み出すと、ゆっくりと外に居た茶奈へと視線を向けた。
「タナカチャナ……考え直せ、やはり貴様に相応しいのはこの様な豆粒では無く、この俺だという事に」
「ッ!?」
その一言に勇が耳を疑う。
そう……これが茶奈の忌避する所以であったのだ。
「貴様の力を受け継がせるのは最強を名乗るに相応しい俺の子しかない……いい加減理解したらどうだ?」
「絶対にお断りしますと言ったはずです……!!」
茶奈が顔を背けながらも力強く反論を呈する。
だがバロルフはなお鼻で笑い、茶奈の言葉になど耳を貸す事は無かった。
「全く強情な女だ……俺のモノになればゆくゆくは世界中の者達に敬われる伴侶として生きていけるというのにな……フッ」
バロルフが一歩を踏み出し、その太い腕を差し出しながら茶奈へと近づいていく。
途端、心輝達が茶奈の前に立ちはだかり、バロルフの行く手を阻んだ。
「どけ、ソノベシンキ……お前の力は認めているが、俺の邪魔をすればタダでは置かんぞ?」
「ヘッ……だからと言っておめおめと引き下がれる程、俺ァ薄情じゃあねぇんだよ!!」
まるで火花が散るかの如く心輝とバロルフが睨み合い、「ギリリ」と歯を噛み締める。
心輝だけでなく、瀬玲やイシュライト、マヴォまでもが身構え、命力をも篭め始めていた。
しかしその時聞こえたのは、彼の足音のみ。
不思議に思い、振り向くと……勇の視界に映ったのは立ち止まったままの仲間達の姿だった。
しかもその顔にはいずれも歩を進めるのも憚れる様な、しかめた表情を浮かべて。
「皆どうしたんだ?」
思わず勇が首を傾げる。
すると、その中でも特に嫌そうに眉間へシワを寄せた茶奈がそっと顔を背けた。
「あんまりいい思い出がねぇんだよな、三番四番とはよ」
そんな茶奈の代わりに応えたのは後ろに立つ心輝。
「茶奈は特にな……めんどくせぇのが居るんだよ」
「面倒臭い……?」
三・四番隊はいわゆる『あちら側』の魔剣使い達の集まりである。
とはいえ、どの様な経緯で集まったかまでは茶奈達からは伝えられていない。
レンネィの様に『こちら側』の文化に染まるのであればまだいい方だろう。
しかし茶奈達が面倒臭がる程の相手ともなれば、その可能性は薄と言える。
『あちら側』の人間の文明レベルがこれまでに総じて高くなかった事も考えれば……皆にとって三・四番隊の者達は扱いにくいと感じるのも無理は無いのかもしれない。
とはいえ、会った事も無い勇がどうこう言える訳も無く。
思い詰めているのだろう……キッピーを抱きかかえている事も忘れ、茶奈の締める腕に力が籠る。
余りの締め付けでキッピーが白目を剥いているのにも気付く事無く、俯かせた顔に僅かな影を落としていた。
首絞め状態のキッピーはと言えば、完全に意識を闇に落としてしまった訳だが。
「それじゃあ俺だけで行くから、皆はそこで待っててくれ。 皆はもう知ってるから顔合わせする必要は無いしな」
茶奈の身を案じた勇は一人ミーティングルームへ振り返り、入口の扉の取手へと手を掛ける。
引き戸である扉を勢いのままに開き……その姿を中の者達へと晒すのだった。
途端、暗闇に包まれた室内からの多くの視線が勇へと突き刺さる。
その中に浮かぶのは十数人の人影。
いずれも静かに椅子に腰を掛けているが……その眼に浮かぶのは鋭い意思。
敵意とも、蔑視とも見える鋭い眼光が、部屋に入ろうとした勇の足を思わず止めさせた。
その時勇は直感する。
―――なるほど、面倒臭いといった意味がわかった気がする―――
外からの光がそこで初めて内部へと射し込め、密室状態であるミーティングルーム内が僅かな彩光を帯びる。
露わとなった部屋内部で見えたのは……多くの魔剣使い達。
いずれもまさに荒くれ者と言わんばかりの、身なりの荒々しい者達ばかり。
髪型はいずれもボサボサ、あるいは完全に剃り込んで素肌を晒す。
髭やムダ毛も切り揃えておらず、それに該当しないのは一部の者と女のみ。
『こちら側』の服を着込む者など誰一人おらず、機械の一つすら持ち合わせていない。
あるのは各々の腰や背に携えた魔剣のみ。
ついでに言えば、漂う薫りも独特の……言うのも憚れる程の鼻を突く異臭。
明らかに『こちら側』の文化に順応していない、我の強そうな者達ばかりであった。
そんな状況を前に……勇が臆する事無く、改めてその一歩を踏み出す。
「えっと、皆さん初めまして、俺の名前は藤咲勇です。 今後とも―――」
そう言いかけた時……突如、室内が大笑いに包まれた。
突然の事に、勇の身が固まる。
外に居た仲間達も同様に。
ディックだけはまるでそうなるのかがわかっていたかの様に、壁に背を預けたまま苦笑を浮かべていたが。
なお笑いを続ける魔剣使い達。
その有体も下卑たるものや獣の様だったりと知性を感じられないものばかり。
まるで煽るかの様な彼等の行いを前に、澄まし顔だった勇の表情がどんどんと曇っていく。
徐々に騒ぎも収まると……立ち佇む勇へ向け、入り口前に座る一人の男が声を上げた。
「プクク……気分を害しちまったかい? すまねぇなぁ、あまりにもおかしくってよぉ」
垂れ目の男の口調は明らかに人を煽る様なねっとりとしたもの。
この一言を皮切りに、周囲から再び嘲笑の声が僅かに上がる。
「あの黒双刃をヤった『フジサキユウ』って奴がどんな奴だろうかと思って楽しみにしてたんだが……来て見りゃ米粒みたいなガキだったって事がガッカリでよぉ?」
「「ギャハハハ!!」」
再び室内に響く大笑い声。
余りにも大きな声は部屋から溢れ出し、階下に居る笠本達の耳にまで届く程に大きなものだった。
しかし馬鹿にされているであろう勇当人と言えば……苦笑を浮かべ、「ふぅ」と小さな溜息を零すのみ。
勇としてはこんなのは昔からよくあった事だ。
命力を失う前から、彼の魔剣使いの才能は圧倒的に無いと言われ続けてきた。
それ程までに小さく、弱かったのである。
もはや自身の命力の低さを蔑む態度など見慣れたもので……「またか」と言わんばかりの呆れた顔を浮かべたのは言うまでもない。
そんな時、部屋の奥でひと際大きな影がゆらりと揺らいだ。
掛けていた机と椅子をギシリと鳴らしながら影が持ち上がると、ゆっくりと外周を迂回する様に入口へ向けて進んでいく。
その大きさは剣聖を彷彿とさせる様な、二メートルを超えた巨体。
勇の下へと行き着いたその者は……他の魔剣使い達とは全く感じの異なる、独特の雰囲気を持ち合わせていた。
背丈は元より、体格の至る所が筋肉質。
鍛え込まれた体は力が溢れ出んばかりに強靭さを露わにしている。
肩幅こそ剣聖には劣るが、体格だけで見るなら負けてはいない。
魔者や獣のモノであろう皮や鱗を接ぎ合わせた原始的な服装を身に纏ってはいるが、ストレートのロングヘアが若干の清潔さを漂わせる。
その顔は面長、いかつくはあるが……髭は剃られており、明らかに他の者達とは毛色が異なっていた。
「なるほど、お前が噂の『フジサキユウ』か」
「ああ。 噂になってるとは思わなかったけどな」
大男が「フム」と小さく声を漏らし、勇を見下ろす様に覗き込む。
そんな様子を、先程とは打って変わって部屋内の誰しもが静かに黙りこくっていた。
恐らくこの男は……彼等にとって一目置かれた存在なのだろう。
「知らぬ者などいようか……あの最強と名高い三剣魔の一人を屠ったとあればな」
浮かべるのは仏頂面。
淡々と静かに語る男を前に勇はどこか安堵感を憶えていた。
「話のわかる者もいるじゃないか」……と。
だが次の瞬間……勇のその感情は覆される事と成る。
「……やはり噂は噂だな……所詮三剣魔など、人づてに尾ひれが付いただけの只の幻想だったのだろう……ククッ」
その一言を耳にした途端、勇が顔を強張らせた。
大男もまた同様、その大柄な体の如く態度をひけらかしていく。
「誇大に吹聴し、その挙句の果てにこんな小物に負ける……滑稽では無いか!! 何が三剣魔よ……これでは最強などと謡う剣聖とやらもたかが知れてるというもの!!」
途端、大男はその両腕を大きく左右へ広げ……荒々しいニタリ顔を勇達の前に晒したのだった。
「やはり時代はこの【七天聖】が一人、【一天】のバロルフこそが最強を謡うに相応しいのだッ!!」
誰しもが雄叫びにも足る名乗りを前に押し黙る。
命力をふんだんに乗せた口上は、周囲に居る者達への威圧ともなっていたのだ。
その一瞬でビリビリとした空気が場に吹き抜けた。
それ程までに強力な一声だったのである。
しかし……勇はそれでもなお身じろぐ事無くその場に立ち、じっとバロルフを見上げ続けていた。
「ほう? 今ので怯まぬとは……殆ど命力を持たない雑魚と思っていたが、なかなかどうして根性だけは立派だな」
その間も勇はただ押し黙り続ける。
内に秘めた感情をただ押し留めるかの如く。
すると……バロルフは何を思ったのか勇を押し退け、部屋の外へと歩み出て行く。
勇や魔剣使い達の視線が刺さる中で……廊下へと踏み出すと、ゆっくりと外に居た茶奈へと視線を向けた。
「タナカチャナ……考え直せ、やはり貴様に相応しいのはこの様な豆粒では無く、この俺だという事に」
「ッ!?」
その一言に勇が耳を疑う。
そう……これが茶奈の忌避する所以であったのだ。
「貴様の力を受け継がせるのは最強を名乗るに相応しい俺の子しかない……いい加減理解したらどうだ?」
「絶対にお断りしますと言ったはずです……!!」
茶奈が顔を背けながらも力強く反論を呈する。
だがバロルフはなお鼻で笑い、茶奈の言葉になど耳を貸す事は無かった。
「全く強情な女だ……俺のモノになればゆくゆくは世界中の者達に敬われる伴侶として生きていけるというのにな……フッ」
バロルフが一歩を踏み出し、その太い腕を差し出しながら茶奈へと近づいていく。
途端、心輝達が茶奈の前に立ちはだかり、バロルフの行く手を阻んだ。
「どけ、ソノベシンキ……お前の力は認めているが、俺の邪魔をすればタダでは置かんぞ?」
「ヘッ……だからと言っておめおめと引き下がれる程、俺ァ薄情じゃあねぇんだよ!!」
まるで火花が散るかの如く心輝とバロルフが睨み合い、「ギリリ」と歯を噛み締める。
心輝だけでなく、瀬玲やイシュライト、マヴォまでもが身構え、命力をも篭め始めていた。
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