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第三十二節「熱き地の再会 真実は今ここに 目覚めよ創世」
~並べられた麗女の唄~
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勇が剣聖を連れて工房へと訪れると、相変わらずのカプロが姿を見せる。
さすがに二年間で彼も成長したからか……再び剣聖を前にするも、「うぴぴ」と彼らしい余裕の笑顔を覗かせていた。
「しっかし珍しいッスね、剣聖さんがボクを求めるなんて」
「おう、今の所おめえにしか頼めない案件だと思ってよ」
剣聖は剣聖なりにカプロの事を認めているのだろう。
そうでなければこの様に個人を求めるなど、彼に限ってはほぼ無いに等しいのだから。
そんな剣聖を前に、カプロはどこかいじらしい笑みを浮かべていた。
やはりカプロはカプロ……大人になっても子供っぽい所は変わらない。
「どうしてもっていうなら頼みを訊いてもいいッスよぉ~? そうッスねぇ、ボクの事を拝み倒すとかね……ウピピ」
恐らく昔、剣聖に弄られた事をまだ根に持っているのだろう。
そんな事を惜しげも無く言う彼を前に、勇も茶奈ももはや呆れ気味だ。
だがその時……彼等の予想打にしなかった出来事が目の前で起きた。
「どうか頼む……俺に力を貸してくれ……!!」
なんとあの剣聖が頭を下げたのだ。
ふてぶてしく、横暴で、乱雑な、自我の塊とも言える剣聖が、である。
これでもかと下がる頭……背中に背負うバックパックの頂点がカプロを切迫する程に。
勇達ですら見た事が無い程の剣聖の下手姿。
それにはさすがのカプロも開いた口が塞がらない。
「わ、わかったッス……は、話聞くから頭上げて良いッスよ……」
カプロが目の前に迫るバックパックを押し退ける様に手を翳して意思の折れた様を見せると、途端に剣聖の巨体が持ち上がる。
その顔には大きな「ニッカリ」とした笑みが浮かび上がり……彼の喜びを体現するかのよう。
「本当かっ!? クハハ!! 助かったぜぇ!!」
途端、剣聖がカプロの肩を叩き、喜びを露わにする。
余りの強い衝撃に、カプロの顔がこれでもかという程に歪む。
その光景を前に、「まぁこれも自業自得だよな」とそんな一言を脳裏に過らせる勇なのであった。
場が落ち着きを見せ……剣聖がその場に腰を落とし、立つカプロと対峙する。
それで初めて二人の目線が合う高さとなる。
これが剣聖なりの人に頼む際のスタンスなのだろう。
そんな彼の顔はどこか神妙な面持ちで、緊張感すら漂わせる。
背後で見守る勇達が思わず押し黙ってしまう程の。
「実はな、修復して貰いたいものがあるんだぁよ。 さっきも言ったが、おめぇにしか頼めないもんだ」
カプロもそんな場に置いてふざけた事が言える程空気の読めない者ではない。
彼の真剣な表情を前に静かに頷くと、そっと足元に置かれた椅子へと腰を落とした。
「それじゃ、修復したい物をここに置いて欲しいッス。 出来るかどうかは見てから判断するッスから」
カプロが指差すのは、工房内にある大きな台。
ベッドの様にも見える、白の内装にマッチした長方形の白い机だ。
剣聖はそう言われると立ち上がり、背負うバックパックを降ろす。
そして内部を漁り始めると……修復して貰おうとしている部品を取り出した。
一つ、また一つと机の上に置かれていく部品。
余りの個数に、カプロの口元がピクリと動く。
だがなによりも……それが置かれていく度に象られていく形が異様で。
それを前にした勇達もが、その顔を引きつらせ始めていた。
そして最後のパーツを彼等の前に晒した時……遂に驚愕の声が溢れ出る。
「そ、それは……!?」
「ゴトリ」と置いた最後のパーツ……それは人の頭部。
今まで置いてきた部品を繋げると、そこに描かれたのは人の体の形。
「うああっ!?」
「そんな……ラクアンツェさん……!?」
そう、それはなんと……砕かれたラクアンツェだったのである。
幾多にも砕かれたその様はまるで壊れた人形の様で。
微動だにすらしない彼女を前に……勇達はただ唖然とする他無かった。
まさかあのラクアンツェがこの様な姿になっているなど、誰の想像にも付かない事だったのだから。
「ラクアンツェさんは生きてるんですか……?」
「ああ、生きてはいる。 意識はあるが、生き残る為に五感を全部塞いでいるみてぇだ」
「これだけ砕かれても命力珠の一部はまだ無事ッス。 それらを意思で繋いで延命を図ってるんスね」
彼女の体の大半が魔剣だ。
命力珠が生きていれば例えこの様にバラバラにされても生きる事が出来るのだろう。
しかしそれによる当人の痛みや苦しみは想像も付かない。
相当な精神力が無ければ……この様に耐えるなど無理な話だ。
「でももう、命力は残り少ないッスね……時間はあまり無いと言っても過言じゃねッス」
カプロも彼女の惨状を見る事で全てを理解した。
そして猶予が残されていない事も。
途端カプロが立ち上がり、服の袖を捲る。
顔は真剣そのもので……魔剣に対するいつもの彼がそこに現れた。
「一つ忠告しておくッス。 【ウーグイシュ】は古の魔剣で構造素材は現代でも再現不可能ッス。 だから疑似的に修復しても、以前の様な動きが出来る様になるかはわからないって事は憶えておいて欲しいッス」
「わかった、それで構わねぇ!! 頼む……ラクを助けてやってくれ……!!」
まるで懇願するかの様だった。
声が詰まる程の想いを篭めた一言……それを前に、カプロのスイッチが切り替わる。
「それじゃ悪いッスけど剣聖さんと勇さんは邪魔だから出てって欲しいッス。 勇さん、ついでに瀬玲さんを呼んで。 茶奈さんは命力供給を」
彼等の返事すら待つ事無く、カプロはそのままデスクに置かれた内線電話へ手を伸ばした。
「資材班、【命力珠】11モンズを十二個、【フラクトルライト】3キロと【アドミニリウム鋼板T1】定格、【アブショ銀】と【偽融プラチナインゴット】を1個づつ工房へ大至急搬送頼むッス」
彼の口から出されるのはもはや勇達には理解の出来ぬ単語ばかり。
そしてカプロの怒涛の変貌っぷりに、勇達はただ驚愕するのみ。
「何してるんスか、早く動いて!!」
「え、あ、ああすまない!!」
いつもはのほほんとしているはずのカプロに急かされて、勇と剣聖は半ば追い出される形で工房どころか工場から退出していくのだった。
さすがに二年間で彼も成長したからか……再び剣聖を前にするも、「うぴぴ」と彼らしい余裕の笑顔を覗かせていた。
「しっかし珍しいッスね、剣聖さんがボクを求めるなんて」
「おう、今の所おめえにしか頼めない案件だと思ってよ」
剣聖は剣聖なりにカプロの事を認めているのだろう。
そうでなければこの様に個人を求めるなど、彼に限ってはほぼ無いに等しいのだから。
そんな剣聖を前に、カプロはどこかいじらしい笑みを浮かべていた。
やはりカプロはカプロ……大人になっても子供っぽい所は変わらない。
「どうしてもっていうなら頼みを訊いてもいいッスよぉ~? そうッスねぇ、ボクの事を拝み倒すとかね……ウピピ」
恐らく昔、剣聖に弄られた事をまだ根に持っているのだろう。
そんな事を惜しげも無く言う彼を前に、勇も茶奈ももはや呆れ気味だ。
だがその時……彼等の予想打にしなかった出来事が目の前で起きた。
「どうか頼む……俺に力を貸してくれ……!!」
なんとあの剣聖が頭を下げたのだ。
ふてぶてしく、横暴で、乱雑な、自我の塊とも言える剣聖が、である。
これでもかと下がる頭……背中に背負うバックパックの頂点がカプロを切迫する程に。
勇達ですら見た事が無い程の剣聖の下手姿。
それにはさすがのカプロも開いた口が塞がらない。
「わ、わかったッス……は、話聞くから頭上げて良いッスよ……」
カプロが目の前に迫るバックパックを押し退ける様に手を翳して意思の折れた様を見せると、途端に剣聖の巨体が持ち上がる。
その顔には大きな「ニッカリ」とした笑みが浮かび上がり……彼の喜びを体現するかのよう。
「本当かっ!? クハハ!! 助かったぜぇ!!」
途端、剣聖がカプロの肩を叩き、喜びを露わにする。
余りの強い衝撃に、カプロの顔がこれでもかという程に歪む。
その光景を前に、「まぁこれも自業自得だよな」とそんな一言を脳裏に過らせる勇なのであった。
場が落ち着きを見せ……剣聖がその場に腰を落とし、立つカプロと対峙する。
それで初めて二人の目線が合う高さとなる。
これが剣聖なりの人に頼む際のスタンスなのだろう。
そんな彼の顔はどこか神妙な面持ちで、緊張感すら漂わせる。
背後で見守る勇達が思わず押し黙ってしまう程の。
「実はな、修復して貰いたいものがあるんだぁよ。 さっきも言ったが、おめぇにしか頼めないもんだ」
カプロもそんな場に置いてふざけた事が言える程空気の読めない者ではない。
彼の真剣な表情を前に静かに頷くと、そっと足元に置かれた椅子へと腰を落とした。
「それじゃ、修復したい物をここに置いて欲しいッス。 出来るかどうかは見てから判断するッスから」
カプロが指差すのは、工房内にある大きな台。
ベッドの様にも見える、白の内装にマッチした長方形の白い机だ。
剣聖はそう言われると立ち上がり、背負うバックパックを降ろす。
そして内部を漁り始めると……修復して貰おうとしている部品を取り出した。
一つ、また一つと机の上に置かれていく部品。
余りの個数に、カプロの口元がピクリと動く。
だがなによりも……それが置かれていく度に象られていく形が異様で。
それを前にした勇達もが、その顔を引きつらせ始めていた。
そして最後のパーツを彼等の前に晒した時……遂に驚愕の声が溢れ出る。
「そ、それは……!?」
「ゴトリ」と置いた最後のパーツ……それは人の頭部。
今まで置いてきた部品を繋げると、そこに描かれたのは人の体の形。
「うああっ!?」
「そんな……ラクアンツェさん……!?」
そう、それはなんと……砕かれたラクアンツェだったのである。
幾多にも砕かれたその様はまるで壊れた人形の様で。
微動だにすらしない彼女を前に……勇達はただ唖然とする他無かった。
まさかあのラクアンツェがこの様な姿になっているなど、誰の想像にも付かない事だったのだから。
「ラクアンツェさんは生きてるんですか……?」
「ああ、生きてはいる。 意識はあるが、生き残る為に五感を全部塞いでいるみてぇだ」
「これだけ砕かれても命力珠の一部はまだ無事ッス。 それらを意思で繋いで延命を図ってるんスね」
彼女の体の大半が魔剣だ。
命力珠が生きていれば例えこの様にバラバラにされても生きる事が出来るのだろう。
しかしそれによる当人の痛みや苦しみは想像も付かない。
相当な精神力が無ければ……この様に耐えるなど無理な話だ。
「でももう、命力は残り少ないッスね……時間はあまり無いと言っても過言じゃねッス」
カプロも彼女の惨状を見る事で全てを理解した。
そして猶予が残されていない事も。
途端カプロが立ち上がり、服の袖を捲る。
顔は真剣そのもので……魔剣に対するいつもの彼がそこに現れた。
「一つ忠告しておくッス。 【ウーグイシュ】は古の魔剣で構造素材は現代でも再現不可能ッス。 だから疑似的に修復しても、以前の様な動きが出来る様になるかはわからないって事は憶えておいて欲しいッス」
「わかった、それで構わねぇ!! 頼む……ラクを助けてやってくれ……!!」
まるで懇願するかの様だった。
声が詰まる程の想いを篭めた一言……それを前に、カプロのスイッチが切り替わる。
「それじゃ悪いッスけど剣聖さんと勇さんは邪魔だから出てって欲しいッス。 勇さん、ついでに瀬玲さんを呼んで。 茶奈さんは命力供給を」
彼等の返事すら待つ事無く、カプロはそのままデスクに置かれた内線電話へ手を伸ばした。
「資材班、【命力珠】11モンズを十二個、【フラクトルライト】3キロと【アドミニリウム鋼板T1】定格、【アブショ銀】と【偽融プラチナインゴット】を1個づつ工房へ大至急搬送頼むッス」
彼の口から出されるのはもはや勇達には理解の出来ぬ単語ばかり。
そしてカプロの怒涛の変貌っぷりに、勇達はただ驚愕するのみ。
「何してるんスか、早く動いて!!」
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